昨日、今日と日米両方のAmazonで開催中のprime dayにおけるChromebookについてまとめました。今回の日本のAmazonにおけるChromebookのDEALとメーカー案件でのYouTuber、VTuberによる紹介などは従来にはなかったことです。こうした多方面での露出によって、教育現場だけでなく一般ライトユーザー層にもChromebookが広がっていけば嬉しいな、と思っています。
また、今回AmazonはChromebookストアをサイト内に開設しました。
以前もChromebookストア(ページ)が存在してはいたのですが、ただまとまりなく出品されているモデルが並んでいるだけの「検索結果」ページのようなものに最近はなっていたので、今後は本格的に取扱開始する、ということで、こちらも大変期待しています。店頭で手に取れることが理想ではあるのですが、とはいえ店頭で少しキーを叩いてタッチパッドをなぞった程度ではなかなか特長や魅力が伝わりにくいのも現実です。そんな中で海外同様Amazonで本格的に取扱が開始され、購入、色々な方が発信されるようになると、また印象も変わってくるのかな、と思っています。
大分Chromebookの特長などのページも増えて、より分かりやすくはなっていますが、気になるのは文章作成時点で既にこのストアページの下のモデル一覧では検索結果として215件が見つかってしまうことです。
既にChromebookに慣れ親しんでいる方でしたら、各モデルがいつ頃出て、あとどのくらいサポート期間が残っているのか、また日本で正式に発売されているモデルかどうかが判断できると思います。また、その価格が妥当かどうか(この場合の妥当、は海外価格と単純に比べて、という意味ではなく)も分かると思いますが、人間誰でも初めてのジャンルに足を踏み入れる時は同じですが、全く分からない場所で選択肢を200以上も挙げられても混乱するだけで一歩踏み出せないのではないか、と思っています。
そこで、これからAmazonでChromebookを買おうと考えられている方が、この200以上の選択肢の中から、単純に価格に惑わされずに比較検討できるように、判断のための目安(ポイント)のようなものを幾つかお伝えしたいと思います。
- 今回の文章は8,500字程度です。
- この文章は 『Chromebook』の記事です。
- 主に【これからAmazonでChromebookを購入しようと考えている方】向けに書かれています。
ChromebookをAmazonで探す際に押さえておくと便利な幾つかのポイント。
215件というと非常にたくさんあるように見えますが、その大半は日本未発売モデルや旧モデルです。日本未発売モデルの場合には、メーカーの正規取扱ではなく、代行業者や転売業者がセラーとして販売しているパターンが多くなります。
実際には2ヶ月前に書いた文章になりますが、国内現行正規販売モデルは30モデル弱になります。
この後に今回のAmazonでの【日本正規代理店品】が加わったこともあり、30モデルを若干超えるくらいになりました。
Amazonで200件近いモデルを眺めていると、価格面や「何となくネットで目にしたことのある」魅力的に見えるモデルが多々出てくると思いますが、基本的にはまずはこれら30モデル強の現行モデルの中から選択することをオススメします。
といっても、そもそも30モデル近くに絞り込むこと自体面倒かもしれませんね。また、自分が欲しいと思うモデルを買えば良いじゃないか、と思われるかもしれません。そこで、その際にチェックしておきたいポイントを挙げてみます。
まずは日本で展開しているメーカーの本家サイトを確認しておきましょう。
前述の記事は全体をまとめたものになるので、なかなか読むのにパワーも要りますし、面倒かもしれません。そこで、まずは現状を把握するため、現在日本で展開しているメーカー5社の本家サイトを確認しておきましょう。
何故なら、Amazonでは確かに200モデル以上の品揃えがありますが、メインとなる現行モデルについては基本的に自社サイトでしか販売していない場合も多いからです。これは今までも、そして今後も基本的には「文教法人市場がメイン」であることと関係しています。メーカーの主要モデルに関しては、在庫などもなるべく教育現場や企業への一括納入に備えて、在庫状況を自分たちでコントロールしていることも多々あります。それがここ最近、家電量販店やAmazonや楽天等のオンラインショップに並ぶことが減った大きな理由です(あとは間を挟むことでコストが上がる、価格のコントロールが出来ない、というのもあります)。
現行モデルの情報が最も充実しているのはやはりメーカーサイトです。そこで、まずはそこから見ていきましょう。
- 【ASUS】ASUSのChromebook(TM)シリーズ|ASUS Store
- 【エイサー】Business DN’A|DISがお届けするエイサーブランド法人モデルをご紹介するサイト
- 【デル】デル【法人向け】ノートブックトップページより「Chromebook」
- 【レノボ】コストパフォーマンスに優れたノートパソコン | レノボジャパンより「Lenovo Eシリーズ」と「Chromebook Sシリーズ」
- 【HP】HP Chromebook x360 14 製品詳細 – ノートパソコン | 日本HP
エイサーは自社サイトがやる気がないので、代理店のサイトのリンクを載せています。また、HPに関しては現時点で本格的に参入、というよりも、あくまでChromebook x360 14のみを英語キーボードのまま今回日本で発売を決めただけなので、現時点でChromebookカテゴリーというのはないようです。そこで製品ページを載せています。
「並行輸入品」等書かれていても、基本的には海外購入モデルと同じ扱い。各メーカー、国内正規販売モデルのみのサポート。
これは個別にメーカーに問い合わせれば「うちはやりますよ」「国際保証があるのであれば」という場合も出てきますが、結構情報も錯綜していて、私は修理してもらえたけれど、別の人は断られた、といったことも多々あります。
基本的には国内における修理とサポートは、国内正規販売モデルのみとなります。(ASUS JAPANは海外販売モデルでも国際保証があるモデルであれば修理は受け付ける、としています)
そこで気をつけたいのが「並行輸入品」と書かれたモデルです。以前ほど2倍3倍で出品されていることはなくなりましたが、それでも「あのどこかのブログやサイトで見かけた」魅力的なChromebookが出品されていることがあるかもしれません。米Amazonから買うのは英語も不安だし、登録や購入方法も分からないから、多少割高でもこれらを買いたい、と思われる方もいらっしゃると思います。
ただ、ここで伝えたいのは、米Amazonで買わなかった(買えなかった)あなたが、何かあった時に修理やサポートの交渉をメーカーと直接交渉(英語で)出来ますか?という点です。並行輸入品と表記されたセラー販売のモデルを購入する、という場合は、Amazon自身の取扱商品とは違いますので、初期不良、動作不具合などの交渉は当然セラー毎の条件が変わってきます(Amazonが相手であれば比較的この辺りの返品交換のハードルは低いですよね)。余程親切なセラーであれば良いのですが、例えそうであっても数ヶ月後に調子が悪くなった時に果たしてどうするのか。
その辺りを考えた時、敢えて、国内で、Amazonで、並行輸入品と称するモデルを買うメリットというのはそこまで大きくはないのではないか、と思います。
と考えると、大分選択肢が減ってきますよね?
端末のサポート期間である「自動更新ポリシー」のページを開きながら選ぶ。
ここ最近、ネット上では意識して発信される方も増えてきたので、既に目にしたことがある方も多いと思いますが、Chromebookにはモデル毎に定められた「自動更新ポリシー」というサポート期間があります。
商品名に「2019年最新モデル」とか「New」と書かれていても、必ずしも最新モデルとは限りません。商品掲載日を見ても同様です。そこで判断基準として必須なのが、Google自身が公表している、Chromeデバイス毎の端末のサポート期間である「自動更新ポリシー」を一覧にしたページです。
なぜ日本語のページと英語のページの両方を載せたかというと、モデルによっては日本語のページのリストには掲載されていないモデルが時々あるからです。もし日本語ページのリストに目的のモデルがなかった時には英語のページから探してみましょう。
なお、この際に少々難しいのですが、自動更新ポリシーはそのモデルの発売日から6.5年間ではありません。以下、上記の自動更新ポリシーからの引用ですが、
Google は新しい各ハードウェア プラットフォームに対して 6.5 年間の自動更新をサポートしており、複数のデバイスで同じハードウェア プラットフォームを共有することができます。6.5 年という期間は、そのプラットフォーム上で最初のデバイスがリリースされた日から計算されます(1)
「各ハードウェア プラットフォーム」というのが分かりにくいのですが、多少誤解を恐れずに言えば、同じようなスペック、インターフェースのモデルだと大抵自動更新が同じになります。そのため、発売自体は1年以上違う2つのモデルが同じ自動更新ポリシー(の期間)であることも多々あります。
最近でいえば、今回日本のAmazonのprime dayで登場した(日本では2019年7月15日より発売)されたASUSのC403SA(C403NA)。こちらは今年2019年初めののCES2019で発表されたばかりのモデルです。この時同じく発表されたモデルとして、先日同じく日本で発売された11.6インチのC204MAがありますが、この2つのモデルの自動更新ポリシーは全く違います。
ASUS C403NA | 2023年11月 |
ASUS C204MA | 2025年6月 |
ASUS C223NA | 2023年11月 |
ASUS C213NA | 2023年11月 |
同じ時期に発表されたC204MAが2025年6月であるのに対して、C403NAは2023年11月です。何故こういうことが起きるのでしょうか。これを見分ける一つのポイントはASUSのChromebookの場合、末尾のアルファベット(NA)、更にその前の下一桁の番号(3か4か)にあります。
先程「複数のデバイスで同じハードウェア プラットフォームを共有することができます。」という表記がありましたが、それがこの辺りと関わってきます。2019年1月に発表され、7月15日に発売されたC403NAの(海外ではSA)はプラットフォーム的には前世代、CPUにCeleron N3350を載せた各モデル(C223NA、更には2年前に発売されたC213NA)と同じプラットフォームになる、ということです。C204MAは「4」とあるように、今回CPUがCeleron N4000に変わりました。またアルファベットも「MA」になっています。これは同様に先日発売されたN4000搭載のコンバーチブルタイプ(C213NAの後継)であるC214MAと同じプラットフォームという考え方です。
ちょっと分かりづらいですね。日本に限らず、例え海外専売のモデルであったとしても、基本的に発売日から6.5年とならないのはそのためです。
ASUSはこのように比較的モデル品番で大体のモデルの発売時期やスペックが想像できるのですが、他メーカーはそこまで分かりやすくないのが悩みです。そこで前述の自動更新ポリシーのページが役に立ちます。こちらで調べて出てきた期限を見れば、だいたいいつ頃に出来たプラットフォームで作られたモデルなのかが分かると思います(同じプラットフォームであれば、各メーカーほぼ共通の期限になることも多々あります)。
ただ、それでもAcerのように、スペックはほぼ変わらない(恐らくプラットフォーム的にもほぼ変わっていない)にも関わらず、メーカーが毎年更新して出し続けることで、2019年モデルとして自動更新ポリシーも最新に変えて出してくる場合もあるので注意が必要ですが、ただサポート期間的に延びるのは歓迎すべきことではあるので、それも良いのかな、と思っています(むしろ各社そうして名モデルは毎年のように更新し続けてくれると嬉しいのですが)。
興味を持ったモデルはネットで検索してみよう。但し、その際には「その記事がいつ書かれたのか」に注意。
さて、ある程度気になるモデルが絞られてきたら、恐らくあなたはネット上でそのモデルについて書かれたブログ等を検索されることでしょう。メインは恐らく海外のサイトになってくるとは思うのですが、Amazonで購入を検討されるようなモデルは恐らく日本語で書かれたレビューも存在すると思います(私も今までに20台近く購入し、5台以上メーカーからお借りしてレビューしていますし)。その際に気を付けてほしいのが「そのレビュー記事がいつ書かれたものか」です。何故なら、
Chromebookを取り巻く状況は刻一刻と変わっていて、例え数ヶ月前の情報でも今では当てはまらないことも多々ある
からです。
よくSEO対策のためか、タイトルに「2019年7月版」などと最近は載せるブログが増えましたが(私も内容によっては載せていますが)、実際には中の文章は数年前に書かれたもので内容もまったく変えていないのに、検索で上位に出るようにタイトルだけ最新の年月版と書き換えているだけのものが時々見つかるからです。そこで薦められているモデルが必ずしも2019年7月最新版としてオススメとは限らない(実際の文章自体は1年半近く前に書かれたもの)ということも多々あります。
前述の自動更新ポリシーも当然文章当時から更に短くなっていますし、またAndroidアプリへの対応状況や使い勝手などもどんどん変わっていきます。特にここ数ヶ月は動きが速く、私のように毎日Chromebookを使い、情報をチェックし、マメにブログやTwitter等で情報を発信している者でもすべて対応しきれないほどに状況が変わってきています。私もなるべく以前書いたレビューなどはリライトしたいのですが(実際以前書いたレビューの文章を元に質問される方もいらっしゃるので)、全く追いつけていません。
私のような濃いChromebookユーザーの書いた文章でも、必ずその文章がいつ書かれたのかを確認し、その上でTwitterなどで最新情報を補う必要があります(もちろん私の場合には問い合わせフォームからご質問頂いても構いませんしが)。
これらのポイントを押さえた上であれば、あとはポイント関係なく「欲しいモデル」を買いましょう。
さて、ここまでの文章がどの程度あなたの役に立ったか分かりませんが、この辺りで結論に入りたいと思います。見出しにもありますが、これらのポイントを基礎知識として押さえた上であれば、
あとはポイントに関係なく、自分が「欲しい」と思うモデルを選びましょう。
何故なら、欲しい、使いたいモデルこそが、恐らくあなたにとって最も相性の合うモデルだと思いますし、使いたい、という気持ちは新しいChrome OSというものに慣れやすくさせてくれるからです。使いたい、という想いはどんな蘊蓄や情報よりも強力です。
また、もう一つ、Chromebookの特長も大きく関係しています。というのは、このブログで散々書いてきていることではあるのですが、Chromebookというのは、極端な表現をすれば、GoogleのサービスやWebサービスを快適に使うための仮の箱に過ぎず、その箱が気に入らなければ気軽に、簡単に別の箱に乗り換えることが出来るからです。
Chromebookの一番の強みは、複数台使い分けようが、新しいモデルを買おうが、アカウントでサインインすれば自分の環境とデータが全て復元(アクセス)出来ること。だから自動更新ポリシーは意識はして欲しいけれど借り住まいに過ぎないので、1台に固執せずに使いたいモデルを使えば良いと思ってます。
— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) 2019年7月16日
これは、Chromebookにおける本体が端末(Chromebook)にあるのではなく、GoogleアカウントとGoogleドライブ内などのクラウド上に保存されたデータにある、ということがあります。
ですので、自動更新ポリシーも要はその仮の箱、仮の住まいを使える契約期間に過ぎません。
Chromebookって契約期間(途中解約は自由)が予め決まっている、Google製の家電家具付きの部屋を借りる感覚ですね。一度最初にGoogleアカウントさえ登録しておけば、後はお金を払えばいつでも気軽に引っ越し、複数契約も出来る。気分で住み分けても良い。ただリフォームの幅は狭い。
— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) 2019年7月16日
なので、その頃、使い勝手に慣れて、自分にとって必要な機能やスペック、インターフェースなどが分かってきた時点で、より自分にとって使いやすい端末(モデル)に簡単に引っ越せるからです。新しいモデルにGoogleアカウントでサインインするだけで、数分で今までの環境が復活します。
ただ、使えば使うほど部屋の中の模様や配置などは自分好みに勝手になっていくし、どの部屋に移っても同じ環境で生活が出来る。だから長く使ってる方が馴染んでくるのは確か。
— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) 2019年7月16日
同時に、複数台所有して、場所毎に、また気分毎に使い分ける、というのも勿論簡単です。どの端末でサインインしても、すぐに最新の状態にすぐに同期してくれます。
なので、好きなモデルを買って楽しみましょう。まずは使いこなそう、なんて考えずに、使いたいように使いましょう。ただ、その際に、今回挙げたようなポイントを買う前に知っているのと買った後に知るのとでは気持ちへの影響が変わってくると思うので、今回の文章を書きました。
あとはあまり気負わずに。好きに楽しんで下さい。そして、どんどんその魅力を感じたままに周りの人やネット上で発信していって欲しいな、と思っています。
最後に。当ブログではAmazonのKDP(Kindle Direct Publishing)でKindle書籍を現時点(2019年7月19日)で4冊出しています。
こちらが昨年書いた、このブログの内容を元に当時Chromebookの特長と魅力についてまとめた書籍です。そろそろもう少し読みやすく、また情報も最新のものにアップデートしたいな、と考えています(既にご購入頂いている方は、無料でアップデート出来ますのでご安心ください)。
また、ちょっとご報告が遅れましたが、国内のChromebookユーザーと一緒に作成した会報誌も現在3冊目まで出すことが出来ました。
色々な方の色々な付き合い方、使い方を覗けるものとなっています。是非こちらも合わせて目を通してみてください。また、もしあなたがChromebookが気に入ったら、是非次は参加して欲しいな、と思っています。