既におふぃすかぶ.jpにて先行して使用感等を書いていますが、ある程度まとまってきましたので、こちらでレビューしてみたいと思います。
- [かぶ] 待望のCore i5版ThinkPad 13 Chromebook到着。Octane 2.0は我が家では初の3万超えでした。 | おふぃすかぶ.jp
- [かぶ] Core i5だm3だとなってくると、体感差よりも「指先から伝わる感触が心地よい」みたいな数値に現れにくい部分のほうが大きく影響してくるのだと思っています。 | おふぃすかぶ.jp
- [かぶ] Core i5だと恐らく気になると思うThinkPad13 ChromebookのCPUファンの音について。 | おふぃすかぶ.jp
なお、この文章は自宅にて、ワイヤレスマウス(MX2000)を繋いだ外部液晶モニター(EV2750)とUSB Type-C接続(2560×1440)をした状態で作成しています。
かなり変則的な使い方ではありますが、こうしたデスクトップPCに近い形においても十分にパフォーマンスを発揮する(むしろこういう使い方で本領を発揮しそう)非常に優れたモデルだと思っています。
Lenovo ThinkPad 13 Chromebook (20GL0005US-OB)
Lenovo ThinkPad 13 Chromebookに関しては昨年末に、現時点でも米Amazonで購入できる、Intel Celeron 3855Uを載せたモデル(20GL0000US)を取り上げています。
基本的な使用感、体感処理速度等に関してはほとんど違いがありません。スペックの違いは次の通りです。なお、液晶に関しては以前触れました、別途入手した交換に対応したFRU番号(01AW152)のIPSバネルのFHD(1920×1080)液晶に替えています。
20GL0005US | 20GL0000US | |
CPU | Intel Core i5-6300U 2.4GHz | Intel Celeron 3855U 1.6GHz |
Octane 2.0 | 31191 | 15607 |
RAM | 8GB LPDDR3 SDRAM | 4GB LPDDR3 SDRAM |
Storage | 32GB eMMC | 16GB eMMC |
Display | TNパネル Anti-Glare HD(1366 x 768) | TNパネル Anti-Glare HD(1366 x 768) |
- CPUが現行ChromebookではハイエンドのIntel Core i5-6300U。
- RAMは上を見れば他メーカーで16GBのモデルもあるが、現行では十分余裕のある8GB。
- 液晶は13.3インチでの使用を考えるとバランス良いFHD(1920×1080)。
- アンチグレア(ノングレア)のIPSパネルは鮮やかではないが非常に見やすい。
- これらの十分すぎるスペックを更に快適に感じさせてくれるThinkPadキーボード。
- 現時点ではCore i5での不安でもあったCPUファンのノイズとバッテリーの持ちは問題なし。
- MIL-STD 810G準拠、クラウドベースのChromeOSは紛失、故障を気にせず気軽に持ち歩ける。
- 技適マークあり。内部パーツ交換が比較的容易で、個人的には実用性重視の最強の仕事道具。
個人的にはこのあたりがこのモデルの魅力かな、と思っています。これらはほぼ前述のCeleron 3855U版にも共通します。若干趣味的要素が高くなるハイスペックCPUとRAM容量に拘らなければ、現時点でもまだ入手が比較的容易な3855Uモデルで十分だと思っています。
3855Uモデルは転送サービスは必要ですが、米Amazonにて$180前後(+送料等)で現時点でも入手が可能です。既にCore i5、i3モデルは入手が難しくなってきていますし、価格も急激に下がった3855Uモデルが個人的にはオススメです。
- [かぶ] 生産終了まではいかなくとも規模縮小はしていそうなLenovo ThinkPad 13 Chromebookの現状。 | おふぃすかぶ.jp
- [かぶ] ThinkPad 13 Chromebookを日本から購入する方法。 | おふぃすかぶ.jp
それでは、以下、先程挙げました魅力について幾つかを取り上げて書いてみたいと思います。
現行ChromebookにおけるハイエンドのIntel Core i5-6300Uと8GB RAMの安心感。
Chromebookの性能は決してOctane 2.0のスコアのみで測れるものではないとは思います。ただ、一つの目安にはなります。今まで幾つかのChromebookを使ってきて、8000、10000、15000、20000以上で体感上、快適さが上がってくるのを感じます。実際には8000でも十分に快適です。敢えて10000を狙う必要はありません。けれど、10000を使ってみると「あれっ?サクサク動く・・」と感じます。それはその上の区切りでも同様です。
20000以上はCore m3等の世界です。価格的には$500近くなってきますので、これを一般的なChromebookと考えることには抵抗がある方もいると思います。ただ、Core m(や今回のCore i)はChromebookにおいても十分にパフォーマンスを発揮します。十分すぎるメリットがあります。Chromebookが肌に馴染んだ方には一度試してみてほしい使い勝手です。
そうした中で、今回のCore i5は、Chromebookにおける現行ハイエンドモデルに多く用いられているCore m3やm5に比べてパワーはあるものの、発熱性(CPUファンが必要)やバッテリーの持ちでモバイル用途、更にChromebookという若干特殊な用途のOSにおいては、その良さを殺してしまうのではないか、という不安がありました。
最近注目されているConvertibleタイプ(タブレットモードやテントモードなど、360度回転できることで様々な使い方が出来る)においてはこの厚みや重さの問題は重要ですし、またCPUファンの排気口が必要になりますので、ファンのノイズが気になる、手に持っていて熱くなるのではないか、といった不安もあるCore iは採用されにくいのかもしれません(単純なコストの問題もあるかもしれませんが)
ただ、私の感想としては、Chromebook自体が普段それ程高負荷の作業を行わないこともあってか、Core i5になるとCPU自体にかなり余力、余裕があり、それ程激しくファンが回ることはないな、と感じました。実際時々「あ、ファン回ってるな」と気付く程度には音がしますが、静かな場所でようやく気付く程度。その音をノイズと感じるかどうかは感覚の違いがあるとは思いますが、周囲に気を使うほどうるさい訳でもなく、私の中ではまったく気になりませんでした。
また、今後Androidアプリ対応や、それに伴う画像加工その他による高負荷の作業によってはファンの音や発熱についても気になることがあるかもしれませんが、現時点では発熱も多少温かくなるかな、という程度です。
それよりも、Chromebookには無駄なのではないかと思われるほどの余力を残したCore i5-6300Uの処理の快適さのメリットのほうが大きいと思います。これは何度か触れているのですが、このCPUであれば現行のWindows10ラップトップPCでも普通に使えるだけの能力を持っています。また、前述しましたが、Chromebookにおいては劇的な処理速度や体感差の変化はありません。
ただ、何も考えなくて良い、意識しなくても良いのは楽なんです。
実際に検証したわけではないので断言は出来ませんが、とりあえず幾つChromeのタブやウィンドウを開こうが、Chromeアプリや拡張機能を入れようが、それらを同時に動かそうが、また今後Androidアプリに対応して動かそうが、また外部液晶モニターに接続してデュアルモニター高解像度で使おうが、
これ、重くならないかなぁ、流石に厳しいかなぁ、といったことを気にしなくても良いというのは大きいです。
これはCPUの能力以上にRAM容量の影響が大きいとは思いますが、8GBは安心感があります。(現行ではごく一部(2モデル)16GB搭載のものがありますが、それ以外ではほぼ4GBが主流です。)
実際にはそんな使い方自体していませんし、今後もすることはほとんどないでしょう。ただ、実際にするかしないかは別として、「しても恐らく大丈夫だけれど、しない」のと「すると厳しいそうだから、しない」のは大きく違います。何も考えずに、今とりあえず目の前でやりたいことに集中できる、というのは、たとえChromebookであっても、いえ、私の場合はラップトップPCで行う用途はほぼChromeOSでも問題がないので、私にとっては大きな魅力です。
液晶パネルの種類と解像度、キーボードの組み合わせはまさに実用性重視。
スペックだけであれば、別にこのThinkPad 13 Chromebookだけが際立っているわけではありません。Google Chromebook Pixel 2015 LS(Core i7-5500U,16GB RAM)やHP Chromebook 13 G1(Core m7-6Y75,16GB RAM)など、更に上もあります。
ただ、その中でも私がこのLenovo ThinkPad 13 Chromebookを(今回のCore i5モデルに限らず)大変気に入っている大きな理由の一つが、キーボードとタッチパッドの快適さです。
もう完全に好みと相性の世界になりますが、私にとってはこのキーボードはChromebookにおいては最も相性が良かった。単にそれだけです。けれど、PCにおいてもっとも私達と直接接する頻度と時間が長いものが、直接的な入出力装置(キーボード、タッチパッドと液晶)です。ここが快適かどうかは単純な数値上のスペック以上に重要ではないか、と思っています。
液晶パネルに関しても、13.3インチという大きさを考えれば、FHD(1920×1080)くらいまで。ここは好みがあるでしょうし、私自身HP Chromebook 13 G1やASUS Chromebook Flip C302CAでより高解像度で使うことも多々あります。ただ、高解像度になればなるほどフォントも小さくなりますし、文字の認識、判別に一瞬の間が出来てしまいます。これが意外と文字入力やその他作業のリズム、テンポに大きく影響してきます。
実際、HD(1366×768)でも13.3″だと慣れてしまうとさほど不自由は感じないのです。つい先日まではHP Chromebook 13 G1で高解像度(最大3200×1800)で使ってきて、解像度はあればあるだけ良い、と思っていたのだけれど、先ほど久しぶりに前述13 G1の高解像度の画面を見たら、同じ13.3″、IPSパネルなのだけれど、字が小さくて判別に一瞬遅れが出てしまって意外と使いにくかったです。
この「文字の判別に一瞬遅れが出る」という感覚は私にとってはとても新鮮で、実際大きな遅れではないのだけれど、一度快適なテンポ(リズム)が出来てしまうと、そこから少しズレが生じただけで案外ストレスになるものなのだなぁ、と思いました。
また、最近のコンバーチブルタイプのモデルの場合には、タッチスクリーン対応ということもあってか、基本的にグレアパネルが多くなります。(Lenovo ThinkPad 13 Chromebookでもタッチスクリーン対応のIPSパネルは選択が可能です)グレアパネルは色合いも鮮やかで見た目の印象も良いのですが、陽の光や室内の明かりが反射して映り込むことも時々あり、それが悩み(欠点)でもあります。
その点、ThinkPad 13 Chromebookはアンチグレアということもあり、ほぼ反射、映り込みがありません。そしてIPSパネルであれば、視野角も広く、また文字もクッキリ表示してくれます。眠たげでもありませんし、青みが強い、ということもありません。
液晶の質に関しては、画像加工なども考える場合には更にsRGBなどその辺りの数値も重要になってくると思うのですが、ひとまず私のような、たくさんのサイトを開き、読み込み、大量の文章を打つのがメインの人にとっては、この13.3インチ、FHD、アンチグレア、IPS液晶という組み合わせは非常にバランスが良いと思いますし、またバッテリーの持ちを考えても(下手に高解像度、高精細にするよりも)良いのではないか、と思っています。
USB Type-C、Type-AにSDメモリ。十分なインターフェースは実用性を考えても満足。
このあたりは通常のThinkPadの流れを踏襲しているのかもしれませんが、インタフェース周りもChromebookの割に充実しています。外部液晶出力端子(HDMI)がないのは惜しいのですが、それも2ポートあるUSB Type-Cで代用が可能です。(変換ケーブル等が必要な人もいると思いますが)。更に、充電もUSB Type-C(最大45W)というのは最近の流れからするとありがたいですね。モバイルバッテリーからの充電も可能です。また、USB Type-Aも2ポートありますし、左側の端子はスマホなどに給電も可能です。
また、外部ストレージとしてUSB以外にも通常のSDメモリが使えるのは大きいと思います。Chromebookはクラウドベースであることが魅力ですが、一時的に作業で大量に画像等を扱いたいときや、サイズの大きい動画を持ち歩きたい時などには外部ストレージ(SDメモリ)があるとやはり便利です。ダウンロードフォルダを敢えてこちらにする、という使い方も最近便利だなぁ、と感じ始めています。
この後で触れますが、最近は薄さと軽さがどうしても重視されることが多いですが、ある程度の厚みと重さというのはそれなりに理由がある場合もあると思っています。用途によりますが、スリーブ等を使わずにカバンに放り込める安心感や、厚みを持たせることで標準サイズのインタフェース類を備えることが出来る、というのも一つの方向性です。外部ドック等を付け足さなくてもほぼ機種単体で事足りてしまう実用性の高さというのも、このモデルの大きな魅力だと感じています。
紛失、故障を気にせず気軽に持ち歩ける安心感のある外観とChromeOSの組み合わせ。
これはThinkPadに限らず、ChromeOS全体の魅力でもあるのですが、外での紛失、故障を気にせずにどんどん持ち歩ける、使える、というのは大変に魅力的です。
このCore i5モデルになると価格も$800近くなってきますし、入手も難しくなってきていますので、流石に紛失は凹みますが、例え紛失したとしても中に重要なデータが入っているわけではない、あくまでアカウントに紐づけされてクラウドに保管されているChromeOSにおいては、通常のラップトップPCに比べてデータに関しては安心です。また、落とす、ぶつける、といった衝撃に関しても、ThinkPadの厚みやMIL-STD 810G準拠であることは大きな安心感につながります。実際に水をこぼしたり落としたりすること自体は稀ですが、これも前述の通り「実際に起こるか起こらないか、と起きたときに大丈夫かどうかは別」です。
実際にするかしないかは別として内部パーツ交換が比較的容易であることも魅力。
また、このChromebookに限らず、Lenovoの場合には対応しているFRU番号を持ったパーツである程度交換が可能である、というのは大きな魅力です。内部の分解に関してはメーカー自身が各種マニュアルをサポートページにて配布しています。
- [かぶ] ThinkPad 13 Chromebookを使うなら手に入れておきたい、Lenovoサポートページの各種マニュアル。 | おふぃすかぶ.jp
- [かぶ] 本体表面や外箱に「技適マーク」がないThinkPad 13 Chromebookの技適認証を調べる。 | おふぃすかぶ.jp
Lenovo ThinkPad 13 Chromebookには外側に技適マークがなかったため、このマニュアルを参考に分解をし、通信モジュールの技適マークを確認しましたが、これらモジュールやバッテリー、更にマザーボード自体も交換が可能です。実際に行うとなると流石に手間もかかりますしリスクも大きいのですが、実際に$399でCore i5の載ったマザーボードが販売されていました。
これら交換も実際にやるかやらないかではなく、やろうと思えばやれるのか、元々やれないのか、というのは人によっては大きな魅力と安心感に繋がるのではないかなぁ、と感じています。(お気に入りのモデルであれば尚更です。)
10000字近く書いてもまだまだ書き足りないくらい暑く書きたくなるのが一番の魅力です。
まぁ、結局一番の理由はこれに尽きると思います。好きになっちゃったんです、このモデルが。
すっかりお気に入りになってしまったので、その理由を考えてみたら色々と今回のような尤もらしいことが出てきただけです。まぁ、この長文になる傾向は靴のお手入れやChromebook全般など、このサイトに共通する傾向ではあるのですが、このThinkPad 13 Chromebookもその例に漏れなかった、ということかな、と思います。
とともに、今回は更におふぃすかぶ.jpのほうで普段からこのモデルについては何かあるたび感じるたびに書いていまして、既に50近くになっています。これからも増えていくでしょう。
理由なんて探せばいくらでも思いつくけれど、要は好き。それって結構大切なことなのではないかなぁ、と思っています。これからもこのLenovo ThinkPad 13 Chromebookでこうした暑い文章を書いていきたいと思っています。