ここ数日ThinkPad 13 Chromebookばかりを使ってきて感じるのは、このモデルの「日常の道具」感。筆記具を選ぶ時の感覚に似ているな、と思います。
私の手元の3台のChromebookはそれぞれに魅力があり、どれも甲乙つけがたい名モデルだと思っています(そうした点では今年選んだモデルはどれも大正解だったな、と満足しています。)。ただ、スペックで比較してみるとさほど違いはありません。またどれも同じChromeOSです。ところがそれぞれに使いたいと思う場所や状況も違えば、実際に使っている時の使い心地まで違います。
CPUの僅かな違いがもたらす処理のテンポ(リズム)。キーを押した時の反応から指へ伝わる感触。また本体自体が持つ雰囲気まで。数多くある道具の中から、自分の筆圧であったり、使い方であったり、外見の好みであったり、そんな基準で選ぶ筆記具と近いな、と感じるのです。
筆記具、例えば私の好きな万年筆も同じで、単純にカタログなどを細かく見ていっても本当に自分に合う一本というのはわかりません。実際に書いてみて、それも店頭で試し書きで遠慮しつつ「あいうえお」とか自分の名前とか書く程度ではなく、実際に購入して日々使う中で感じる使い勝手。あ、もう少し柔らか目のペン先のほうが良かったな、ここまで細字でなくても良かったか、軸が少し太かったかな、重心が少し自分とは合わないかな。これらは感覚の問題です。
ChromebookはラップトップPCという家電、コンピューターでありながら、そうした感覚の影響を受けやすいものなのかもしれません。特にシステム自体がシンプルで無駄のない、ChromeOSのようなモデルの場合、こうした肌に合うか合わないかというのは本当に縁。
今回のこのThinkPad 13 Chromebook自体、「これだ!」と決めて購入したわけではありませんでした。むしろカタログスペックや製品画像だけ比較していたら、今も私の手元に来ることはなかったでしょう。
けれど、実際に手元に届いてみて、起動して、動かしてみると、そのテンポ(リズム)や指さわりが私に合う。ついついいろいろと使いたくなってしまう。使う目的を探している。
これは、万年筆を使いたいから、と何か書く内容を探してしまうのと同じように、目的と手段が逆転した状況に似ています。
そうした点でも、出会いというのは、縁というのは面白いな、と感じます。
先日より時々Twitter等でお話させていただいているしげさん(@Shige_SUZUKI)が先日二代目のChromebookとしてASUSのC201を選ばれた時のことを書かれています。
そしてなによりもそのデザインというかカラーリング。このネイビーブルーに惹かれたのは大きいと思う。WinPCでこういうカラーリングすると、文字通り「色モノ」扱いされるケースが多いと思うが、自分が考えるChromebookの世界観からいうと「コンピュータ」というより「文房具」を所有するような感覚で接しているからこそ、こういう遊び心が欲しいと感じる。
Amazon.com で ASUS Chromebook C201 を買ってみる。|ナイフ購入備忘録(仮運用中)
「文房具を所有するような感覚」。私の感覚はしげさんの感覚とは多少ずれているかもしれませんが、それでもとても共感の出来る言葉でした。