この1〜2年で国内でもChromebookが話題になってきたことで、今まで以上に多くの方がネット上でChromebookの魅力や特長について発信されるようになりました。それはとても嬉しいことで、そうした情報に触れることで新たにこのPCの魅力に気づいてくれる人が増えてくれれば良いな、と思っています。
ただ、そうした中で幾つか決り文句のように言われている特長があります。
「Chromebookは起動が爆速」「Chromebookはクリエイティブな作業には不向き」「ネットに繋がないとただの鉄の箱」「Chromebookはゲームには向かない」
など。それらは決して間違いではないのですが、ただ個人的には「うーん、そうとも言えるけど、でも必ずしもそうとも言えない部分も大きいんだよなぁ」と複雑な気持ちを抱いています。まぁその辺りはこれからも折に触れて発信していきたいと思っていますが、今回はそんな中の一つ。
「Chromebookはゲームには向かない」
についてです。
あなたにとって「ゲーム」と言われると何を思い浮かべますか?
ちょっと本題に入る前に、この疑問について。
あなたにとっての「ゲーム」ってどんなものを思い浮かべますか?
というのも、一言でゲームと言っても「スマホゲーム」から「PS4や5、XboxやNintendo Switchなどのコンシューマー機」、そして「PCゲーム」まで多種多様だからです。そして、それはただ単に端末の違いだけではなく、遊び方もラインナップもそれぞれに違います。
あなたが遊びたい「ゲーム」がスマホゲームなのであれば、ChromebookはAndroidアプリに一応対応はしているものの、結構相性があります。最近ではよく話題になるのが「Chromebookでウマ娘は動くか」ですね。これ、一応動くモデルもあるけれど、結構動作が不安定な部分もあるので、あまりオススメはしづらいですし、そうしたことを考えても、ゲームの指すものがスマホゲームであれば、確かに「Chromebookはゲームには向かない」と言えるかもしれません。
PS4や5、Xboxなどのコンシューマー機に関しては、そもそも方向性が違うので、「Chromebookは」という話ではないので省きます。ただ、これらで話題になっているゲームのことを「ゲーム」と言うのであれば、もう一つ選択肢があります。完全互換ですべてのゲームが双方に対応している訳ではありませんが、PCゲームという選択肢があります。
で、このPCゲームのことを指して「Chromebookはゲームには不向き」というのも何となくは分かるのです。そもそもが端末本体にゲームをインストールして、本体の処理能力をフルに活かしてゲームを動かすような思想、コンセプトでChromebookは作られていないわけで、その時点で「不向き」とするのは確かに分かります。
ただ、ではWindows PCであればゲームに向いているか、と言われれば、それも難しいですよね。Windows PCであれば、どんなモデルであっても快適にゲームが動く、という訳ではないからです。だから世の中にはゲーミングPCというジャンルが存在する訳です。つまり、それなりのスペックが必要=お値段もそれなりにかかるわけです。
まぁゲーミングPCを買う人は、もちろん生粋のゲーマーやゲーム目的のみの人もいますが、その有り余るパワーを活かして動画編集等パワーを使う作業などフルに活用される方も多いと思いますので、単純に高いかと言われると難しいところはあります。単純にゲームのみを考えるならコンシューマー機ですが、これも例えば別途それなりの液晶が必要だったり、と決してお金がかからない訳ではありませんし、そこまでゲームにのめり込める、のめり込みたい、というのでなければ、宝の持ち腐れに終わってしまうこともあると思います。
そうなるとそれはそれで難しいわけで、結局「ならスマホで良いや」となってしまう人も多いと思うのですが、長年PCを使ってきた私からすると、やっぱりPCのゲームというのは、スマホゲームとはまた違った(優劣ではなく)魅力がある、と思っています。だから、折角ならPCゲームも楽しんでほしい。ただ、なるべくハードルは高くなく、です。
GeForce NOWとChromebookで豊富なPCゲームを楽しもう。
ということで、前置きが長くなりましたが、今回の本題に入ります。それが、
「Chromebookで豊富なPCゲームを楽しもう」
ということです。最近ではこのハードルがだいぶ下がりました。とりあえず最低限必要なものとしては
- Chromebook
- ある程度安定した通信環境
- 遊びたいゲーム(ただし対応している必要はあり)
だけです。あとはそれらを動かすためのサービスに加入(登録)するだけです。人によっては2番目の「ある程度安定した通信環境」が若干ハードルが高いかもしれませんが、安定した通信環境はWindows PCでゲームを楽しむ際にも、またコンシューマー機でゲームをダウンロードしたりアップデートしたりする際にも必要ですし、スマホでも最近はそれなりに大容量のゲームも増えてきています。またゲームに限らずChromebookをより快適に使う上で実は影響が大きいのは本体スペック以上に通信環境回りだったりしますので、もしゲームを楽しみたいのであれば、そこは多少環境の整備は必要かもしれません。
でも、これだけなんですよ。これだけでChromebookでも結構快適にPCゲームが、それもWindows PCでも単体で遊ぶのであればそれなりのスペック、つまりお金のかかるPCが必要があるものが、遊べてしまうのです。
それを実現したのが、クラウドゲームサービスである「GeForce NOW」です。
最近になって「フリープラン」が登場して、更に敷居が下がった。
この「GeForce NOW」については、以前このブログでも文章にしたことがあります。
で、当時は月額1,800円のプランしかなかったのですが、最近になって、国内でGeForce NOWを提供しているメーカーの一つ、ソフトバンクが「フリープラン」の提供を始めたのです。
月額料金0円、混雑時にはプレミアムプラン会員のアクセスが優先される、連続プレイに関しては1時間のみ(1時間ごとに切断される)、RTXによるレイトレーシングには対応していない(よくわからない方はスルーで問題なし)といった制限はあるものの、「とりあえずお試しで」使ってみて、「これは案外いけるかも!」「もっと連続で時間を気にせず(といっても1回の連続プレイ時間は6時間まで。ゲームはやりすぎに注意しましょう。)遊びたい」と思った時点でプレミアムプランに変える、という使い方もありじゃないか、と思います。
「でもこれ、Chromebookだと動かないんじゃないの?」
と思われる方もいると思うのですが、普通に動きます。というのも、これ、GeForce NOWインストール型だけでなく、ブラウザーアプリ版もあるからです。つまり、ChromebookではChromeブラウザーでGeForce NOWのページを開いてアクセスすれば、普通に遊べる、ということです。
で、肝心の使い勝手ですが、(私の場合はプレミアムプランではあるのですが)以前ツイートしたように、
国内でもChromebookでGeForce NOWが使えるようになった、というので、早速CeleronのAcer Chromebook 712で試してみました。ゲームはKingdom Come Deliverance。スタート直後の移動画面ですが、通信環境良ければ普通に動きますね。 #かぶろぐ pic.twitter.com/w0pWpStTky
— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) February 20, 2021
普通に動きます。それもそこそこキレイでモタツキもない操作感で。また最近、ちょっと折角なのでChromebookユーザーでGeForce NOWでゲームしながら配信したい、とツイートしたことがありますが、
とりあえずThinkPad C13 Yoga ChromebookでGeForce NOWでディビジョン2動かして、それをWin上のOBSに出力してみたけど、出力以前に今GeForce NOWの通信状態があまり良くなくて赤アンテナ立ってるな。カクツキはないけど、画質は程々な感じだ。音声出力含めてもう少し試してみる。 pic.twitter.com/KcuTeVwGNy
— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) June 10, 2021
この時はちょっと通信環境が良くなかったのですが(あとで気づいたのですが、我が家のWi-Fi環境で他のPC等で大量のダウンロードを行っている最中だった)赤アンテナは立っていたものの、それでもプレイできない状態ではなく、それなりに遊ぶことが出来ました。
プレミアムプランが月額1,800円と聞くと高い、と思う方もいると思うのですが、20万円のゲーミングPCを2年弱維持して20万円です。もちろん20万円のゲーミングPCは前述のように他にもクリエイティブ?な用途にも使えますが、だからといって気軽に手を出せる価格帯ではありませんよね?でも手元の数万円のChromebookでも(スペックにあまり左右されないので)比較的近い形でのゲーム体験が出来るのであれば、普段はフリープランにしておいて、集中的に遊びたいときだけプレミアムプラン、というのもありなんじゃないかな、と思っています。
一点注意が必要です。当然ですが、遊ぶゲームは自分で購入する必要があります。
今回のE3ではMicrosoftのXbox Game Passが話題になりました。
こちらはXboxかWindows PCが必要ですが、その分月額料金を払えば、100以上のゲームを自由に楽しむことが出来ます。
それに対して、GeForce NOWはあくまで「ゲームを動かすためのクラウド環境を提供する」サービスなので、遊びたいゲームは別途自分で購入する必要があります。
有名どころではゲーム実況などでも度々話題に出るSteamやEpic Gamesなどがあります。あとは、直接GeForce NOWのアカウントと連携が出来る訳ではないのですが、UBISOFTのゲームも遊べます。この辺りは日々更新される「対応タイトル」から自分の遊びたいゲームが対応しているか、その都度確認する必要があります。
遊びたいゲームが見つかったら、あとは前述のSteamなどのサイトを訪れて、アカウント登録した上で、そのゲームを購入するだけです。
結構頻繁にセールが行われているので、そういう時に一気に買って積んだままになっているゲーマーも結構いるようですね。
ちなみに私は最近「ディビジョン2」にハマっているのですが、このゲーム、プラットフォームを跨いだマルチプレイが出来ないんですよ。私の回りは皆さんPS4ユーザーのため、PCユーザーの私は一人で寂しくワシントンの街を彷徨っております。今回のGeForce NOWの文章を書いたきっかけも、要はディビジョン2のPC版ユーザーを増やして、みんなで遊びたい、というだけです。
ということで、みんなでディビジョン2で遊ぼう。
で、今回長々と書いた訳ですが、前項でも触れたように、私がここまでGeForce NOWを薦める理由は、単に私がPC版ディビジョン2をChromebookユーザーのみなさんとマルチプレイで遊びたいから、というだけです。だってみんなPS4ユーザーなんだもん、寂しいんですよ。一人でワシントン彷徨うの。元々この手のゲーム下手なのに、このゲーム思った以上にハマってしまって、楽しみたいのになかなか先に進めなくてね。で、GeForce NOW勧めてフリープランでも構わないので試してもらって、1,188円でゲーム買ってもらって、1時間だけでも良いから私のプレイを助けてくれ、と(酷いな)。
まぁそれは半分くらいは冗談だとしても、冒頭でも触れたように、最近は「Chromebookでもゲームがそれなりに楽しめる」ようになりました。
通信環境に関してはある程度要求されるものの、今後こうしたクラウドサービスが充実してきて、いろいろな作業が端末に依存せずにいつでもどこでも自由に出来るようになると良いな、と思っています。
ちなみに、ChromebookでのGeForce NOWの起動の仕方が分からない方は、以前書いたこちらの文章を参考にして頂けると嬉しいです。
あと、powered by Softbankとなっていますが、Softbankユーザーでなくても使えます(私はドコモユーザー)。
Lenovo ThinkPad C13 Yoga Chromebook&GeForce NOWでDIVISION 2。自宅のWi-Fiとの相性が良くないのか、赤アンテナだけど、それでもこれくらいは動きますな。ただ、ゲーム内の明るさ設定し直してないわ、途中全然明後日の方向に銃ぶっ放してるのはご愛嬌。 pic.twitter.com/enPzIDyd7k
— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) June 16, 2021