先日、「Chromebookはウィルス対策は不要か」という文章を書きました。
最近になってChromebookに興味を持たれた方も出てきていることと思います。そこで、3年前からChromebookについて色々と発信してきた当ブログとしては「Chromebookを購入する際に覚えておいて欲しいこと」といった内容でこうした内容を幾つかまとめようと思っておりました。そんなタイミングで、昨日よりひかりTVショッピングでASUS Chromebook Flip C100PAが安くなっています。今回触れようと思っていた内容にまさにピッタリなので、こちらを例に少し考えてみたいと思います。
Chromebookを購入する際に価格で選ぶ前に確認しておいて欲しいこと。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/hikaritvshop/1166564.html
株式会社NTTぷららが運営するひかりTVショッピングにて、Chrome OS搭載のASUS製10.1型2in1「Chromebook Flip C100PA」を39,800円で販売中。先着100台にかぎり、20,000円分のクーポンコードが利用でき、実質19,800円で購入可能となっている。クーポンコードの利用方法についてはこちらの説明を参照。期限は2月4日12時まで。
Twitter上でも早速少し話題になっていまして、実質(というところが曲者)19,800円ということで心が動いた方も多いのではないかと思います。「これなら失敗しても痛くない」と思われた方もいらっしゃるでしょう(「実質」というところが悩ましくはありますが)。そんな中、本日になり更に価格が下がり、29,800円になっています。
ここからクーポンを使って20,000円分のぷららポイント還元、更にドコモのd払いを利用すると10倍還元(2,980ポイント、要エントリー)になります。
正直ここまで下がると(実質9,800円。d払いなら実質6,820円)となると、昨日少し「価格に惑わされず良く考えて」と発信していた私でも悩むところです(私は買いません)。ただ、それでもやはり伝えたいのは、今既に使っていないぷららポイントが手元に余っていたり、常日頃からぷららポイントをよく使う、という方でない限り、29,800円であったとしても、やはり変わらず価格に惑わされずに良く考えてた上で決めて欲しい、ということです。これは、Chromebookの購入を検討する際にまずは考えて欲しい部分だからです。
Chromebookには端末毎にサポート期間である自動更新ポリシーが存在します。
このブログでは以前からクドいほどに何度もこの点については触れていますが、Chromebookには端末毎にサポート期間である自動更新ポリシーというものが存在します。こちらは購入からではなく、そのモデルが発売(実際には開発)されてから約6年強という期間が設定されています。「実際には」と括弧書きしたように、発売日からではないため、発売の時点で既に減っていますし、日本での発売は更に遅れますので、そこから更に短めになります。大体目安は「5年前後」というところです。
この期間が切れた途端に全く使えなくなる、とかリスクが一気に高くなるとか、更新自体がまったく出来なくなる、といったことではないのですが、Windowsで言えば未だにXPを使っているような状態をイメージしてもらえると分かりやすいかな、と思います。
現在Amazonなどでも価格だけで選ぼうとすれば一瞬「これ、かなりお得なのでは?」と思えるようなモデルが出てきます。最近の例では昨年の夏にAmazonのタイムセールでCore i3-5005Uを搭載したAcer Chromebook C740-F34Nが31,842円になり、購入された方もそこそこいたようです。
ちなみにこちらのモデルの自動更新ポリシーは「2020年6月まで」。現時点で残り1年4ヶ月強です。
では今回冒頭で挙げたASUS Chromebook Flip C100PAはどうでしょうか。
2020年7月までです。残り1年5ヶ月強ですね。ちなみに後継モデルであるC101PAが2023年8月まで。個人的には2019年の現時点では今回のセールで29,800円でC100PAを買うのであれば、もう1万円強足して自動更新ポリシーが3年1ヶ月伸びる(残り4年5ヶ月強)C101PAをオススメします。
単純に価格だけでなく、スペック的にもC101PAになって前モデルの若干惜しいと思われていた点がほぼ解消されているからです。
また、10.1インチ、コンバーチブルタイプ、タッチスクリーン対応に拘らなければ、先日挙げたASUS Chromebook 12 C223NAが税込37,800円です(こちらの自動更新ポリシーは2023年11月)。
今から買うのであれば、少なくとも「2017年以降に発売」されたモデルを考えて下さい。
「自動更新ポリシーなんて関係ない。壊れたから新しいの買えば良いだけだし。」
という意見も確かにあると思います。中にはChromebookをChrome OS端末として使わずに最初からLinuxなどを入れて使う方もいらっしゃいますし、割り切った端末として買うなら勿論ありでしょう。ただ、それらはデメリットも分かった上での話です。また、割り切ったつもりでいても、使い始めから「寿命は残り1年半」と宣告されているようで(繰り返しますが全く使えなくなる訳ではありません)落ち着かなくなるのではないか、と思います。
ではC100PAは初めてChromebookを試される方にとってオススメか、と言われると、2019年2月時点では私は非常に薦めにくいと思っています。元々C100PAで用いられているRockchip RK3288Cは省電力性も重視し、Chromebookでは珍しいAndroidアプリとの相性の良いARM系のCPU(SoC)です。実際当時Androidアプリ対応が真っ先にされたモデルでもあります。また、今回ひかりTVショッピングでセールとなっているC100PA-FS0002は教育市場向けモデルということもあって、4GB RAMのモデルとなっています(個人用モデルは2GB RAMだった)。2GBと4GBの差はやはりそれなりにあるので、その点では個人モデルほどのメモリの影響によるモタツキはないかもしれません。ただ、CPU(SoC)としてはやはり現時点では厳しいと言わざるを得ません。
恐らく初めてChromebookを買われる方にとっては「Chromebookはサクサク動く」というイメージを持たれていると思うのです。そこに、思った程サクサクではなく(要所要所でモタツキが出てくる)、また専用充電端子、サポート期間も残り1年半を切った3万円弱のモデル、というのは選択肢としては「他も考えてからで良いんじゃない?」と思うのです。
C100PA自体は私は名モデルだと思っています。ただ、名モデルだからといって、いつでもそれが良い選択肢とは限らないのが家電製品(特にPC)だと思っています。
2019年2月時点において、もし初めてChromebookを買われるのであれば、まずは2017年以降に発売されたモデルで考えて欲しいと思っています(ちなみに今回のC100PAは2015年発売)。それは単純に自動更新ポリシーの差だけでなく、性能面においても2017年辺りを境にまた一段階大きな変化が起こっているからです。
といってもどれが2017年以降に発売されたモデルなのか、というのはわかりにくいと思います。そこで先日、すべてを網羅している訳ではありませんが、日本における個人ユーザーが入手出来る国内現行モデルについてまとめました。
「日本にはChromebookがほとんど入ってきていない」と思われている方もいると思いますが、実際には現行モデルでもこれだけの数が発売されています。まずはここから考えてみて下さい。
価格というのは確かに魅力ですし大切な検討材料だとは思いますが、Chromebookにおいては価格の安さが必ずしもそこまで大きなメリットとはなっていない、というのが現状です。私も日々情報を発信する者として、その辺りもより整理しやすい、分かりやすい発信が出来たら、と考えています。