2020年夏、国内では話題のChromebookが続けて登場しました。Lenovo IdeaPad Duet ChromebookとHP Chromebook 14aです。どちらもネット上での反応は上々で、一部在庫薄の状態も続いています。また、今回はどちらもメーカー直販や量販店向けモデルだけでなく、Amazon.co.jpが独自の「Amazon限定モデル」を展開しているのも特徴です。
Amazon限定モデルはどちらもスペック的には若干抑えつつ、その分価格もより手頃にしたモデルになっています。ただ、現在メーカー直販モデルも戦略的に初期設定価格から値段を下げており、価格帯が近くなっているため、選択の際に悩ましいのも共通しています。
ということで、今回はそれぞれのモデルについて直販(量販店向けモデル)とAmazon限定モデルの違いを見ながら、どちらを選択するのが良いのか、少し考えてみたいと思います。
Lenovo IdeaPad Duet Chromebook
まずはLenovo IdeaPad Duet Chromebook。こちらは現在大きく分けて2モデルが販売されています(直販モデルと家電量販店モデルは型番は違うもののスペックは同じ為、1つと考えています)。違いはストレージ容量(128GBか64GBか)のみです。
- Lenovo IdeaPad Duet Chromebook | コンパクト2 in 1タブレット | レノボジャパン
:直販モデル/128GB eMMC/税込44,880円→税込41,738円(在庫なし) - Google Chromebook Lenovo ノートパソコン Ideapad Duet 10.1インチ 日本語キーボード WUXGA MediaTek Helio P60T 4GBメモリ 64GB eMMC
:Amazon限定モデル/64GB eMMC/税込39,800円(在庫あり)
直販モデルは発売直後、注文が可能でしたがその後在庫なしの状態が続いています。家電量販店モデルに関しても発売日前後に若干数の入荷はあったものの、その後は品切れ(予約受付/取り寄せ)で7月中旬~8月の入荷予定という話が出ていました。
Amazon限定モデルは発売直後から品切れとなっており、こちらも在庫薄の影響を見事に受けました。7月中旬の入荷予定ということでしたが、本日12日に一足早く入荷したようです。
このモデルは当ブログでは量販店向けモデルをレビューしています。
直販モデルが税込41,738円に下がっていまして、Amazon限定モデルと価格差が2,000円程度しか違わないため、迷われている方も多いのではないか、と思いますが、個人的にはストレージ容量に関しては「そこまで気にする必要はない」かな、と考えています。それよりも現時点では「入手出来るときに入手しておいたほうが良い」と思っています。
まだChromebookを使われたことのない方ですと、内蔵ストレージ容量が倍違う、となるとまったく使い勝手が違ってくるのではないか、容量不足の不安が出てくるのではないか、と心配されるかもしれませんが、Chromebookにおいては、内部ストレージはあくまでクラウドからのデータを一時的に下ろしてきて作業するための一時保管場所に過ぎません。
またLinuxで開発環境を~と考えている方もいると思います。この場合確かに内部ストレージ容量はある程度あったほうが良いかもしれませんが、CPUがx86系ではなくARM系である点に注意が必要です。
他に考えられる用途としては、Androidタブレットの代わりとしてAndroidアプリを大量に入れることも考えられます。こちらも大半のChromebook(x86系)に比べれば相性は悪くはないのですが、この端末はAndroid OSではなく、あくまでChrome OS上でAndroidアプリを動かしているだけに過ぎません。この辺りある程度の割り切りが出来るのであれば、というところですね。ただ、その場合も注意が必要で、内部ストレージのファイル管理(フォルダ構造)が若干特殊なので、通常のChromebook上からのファイルアプリからはAndroidアプリで使うフォルダの大半が見えなくなっています。
同様にこの端末が「microSDメモリ(外部ストレージ)が使えない」ことを残念な点に挙げられている方も見かけるのですが、Chromebookにおいては外部ストレージへアクセス出来る用途自体が非常に限られていまして、特にAndroidアプリでは読み込めないものも多々あります。
ちなみに私はハイスペックモデルから通常のモデルまで幅広くChromebookを使ってきましたが、未だに内部ストレージを64GBですら使ったことがありません。32GB使うのも結構大変なくらいです。実際、現時点でも一部のハイエンドモデルを除けば一般的なモデルにおいての標準は32GB~64GBとなっています。この価格帯で128GBというのも非常に珍しい、とも言えますね。
もちろん折角価格が大して変わらないのであれば、どうせなら大容量のモデルの方が得だし安心な気がする、という気持ちも分かりますので、その点では直販モデル(もしくは量販店向けモデル)の入荷を待つ、というのも一つの手ではありますが、現時点でいつ、どの程度の数が入荷するのか読めませんし、発送までの日数も読めません。それに対してAmazon限定モデルの強みは、在庫があれば1~2日で手元に届くということがあります。
ということで、量販店向けモデルを購入した私ですが(ただ、発売前に予約していた、という理由)、個人的には先ほども触れたように、
「そこまで気にする必要はない」。それよりも現時点では「入手出来るときに入手出来るモデルを入手しておいたほうが良い」
と考えています。
- Lenovo IdeaPad Duet Chromebook | コンパクト2 in 1タブレット | レノボジャパン
:直販モデル/128GB eMMC/税込44,880円→税込41,738円(在庫なし) - Google Chromebook Lenovo ノートパソコン Ideapad Duet 10.1インチ 日本語キーボード WUXGA MediaTek Helio P60T 4GBメモリ 64GB eMMC
:Amazon限定モデル/64GB eMMC/税込39,800円(在庫あり)
HP Chromebook 14a
続いてはHP Chromebook 14a。こちらは現在、HP DirectplusモデルとAmazon限定モデルが展開されています。違いはCPU(Pentium Silver N5000かCeleron N4000)と天板色(白-“Ceramic White”か青-“Forest Teal”)のみです。
- HP Chromebook 14a 製品詳細 – ノートパソコン | 日本HP
:HP Directplusモデル/N5000/白-“Ceramic White”/税込47,080円(在庫あり) - Google Chromebook HP ノートパソコン 14.0型 フルHD IPSタッチディスプレイ 日本語キーボード 14a セラミックホワイト (型番:3P131PA-AAAA)
:HP Directplusモデル/N5000/白-“Ceramic White”/税込50,380円→税込39,500円(在庫なし) - 【Amazon.co.jp 限定】Google Chromebook HP ノートパソコン 14.0型 フルHD IPSタッチディスプレイ 日本語キーボード 14a 限定カラー
:Amazon限定モデル/N4000/青-“Forest Teal”/税込39,800円(在庫あり)
現在このモデルはHP Directplus及びAmazonで購入が可能です。ただ、HP DirectplusモデルはAmazonでは「HP Directplusにて送料込で購入した場合の金額をベースにした値引き価格」で販売しています。それがAmazon限定モデルよりも300円安くなっていることから話題になっています。個人的にこの点に関してはちょっと複雑な心境ではあるのですが、今回はそこには詳しく触れないことにします。
ということで、HP Directplus本家での価格設定は、あくまでAmazonでAmazon限定モデルよりも安く販売するための見せ値のようなものなので、現時点では購入の候補から外して問題ありません。買うならAmazonになります。
ちなみに私はこちらはAmazon限定モデルを発売直後に3日間ではありますが貸出を受け、レビューをしています。
CPU的に上位であるPentium Silver N5000を載せたHP Directplusモデルが、Celeron N4000を載せたAmazon限定モデルよりも安い価格設定になっているのですから、どちらが得か、という視点で見れば無条件でDirectplusモデルです。ほぼ同じ価格(300円安い)で買えるのですから、とりあえずお得なこちらを選んでおいた方が無難です。
ちなみに、個人的にはN5000もN4000もそれぞれ載せた他のモデル(Chromebook)を実際に使ったことがありますが、一般的な用途においてはほとんど体感差はありません。気分の問題。それと、最初からLinuxでの開発環境を作りたい、とかChromeブラウザで大量のタブを同時に開きつつ、横でYouTubeを流しながら、Androidアプリを使う、みたいな使い方をすれば、CPUパワー的には断然N5000のほうが余裕がありますが、その場合でしたら今度は4GB RAMという部分がネックになってくると思いますので、素直に8GB RAM載っている同じ14インチの同社のChromebook、x360 14bを買った方が無難です。こちらのほうが本体の質感や素材感も上ですし、USIペンにも対応、更に液晶面を360°回転させてタブレット的にも、スタンド的にも使えます。そして価格差は1万5千円前後です。
ただ、個人的にはこちらも前述のLenovo IdeaPad Duet Chromebookと似たような結論になりますが、
「そこまで気にする必要はない」。それよりも現時点では「入手出来るときに入手出来るモデルを入手しておいたほうが良い」。そして、何より欲しいな、と思ったモデルを素直に買いましょう。
となります。これ、どういうことかというと、実使用上では大きな影響が出ない部分の違いだけであるのであれば、素直に欲しいと思ったほうを買った方が長く愛用出来る、ということです。
ちょっとここで私の例を出しますが、先日WindowsラップトップPCですが、DellのXPS 13 9300を購入しました。その際に、正直1番悩んだのが本体色でした。私が欲しかったのは、ケースカラーが「フロスト&アークティックホワイト」のモデルだったんですね。ただ、結果として「プラチナシルバー&ブラック」のモデルを選ばざるを得ませんでした。理由は、32GB RAM搭載のモデルがプラチナシルバー&ブラックしかなかったからです。
私のこのXPS 13の用途を考えると、というよりも私の中で、Windows PCを新たに購入するのであれば、32GB RAMにしておきたかったのです。これは私の中で本体色以上に優先順位が高かった。だからプラチナシルバー&ブラックにしたのですが、未だにケースカラーに関しては、使いながら(もちろん使い勝手自体は気に入っていますが)フロスト&アークティックホワイトが本当は良かったなぁ、と思うことがあります。
同様に、今私はChromebookでもASUSが海外で発表している新作Chromebook、C436FAの購入を検討しています。ちなみにこちらも現時点で米国Amazonで購入出来るモデルは、Core i3/8GB RAM版がSilver、Core i5/16GB RAM版がWhiteです。で、私はこのモデル、Whiteが欲しいのです。なので、今買うならCore i5/16GB RAM版になります。
ただ、これが例えば逆だった場合(Core i3版がWhiteでi5版がSilver)、どうするか考えてみると、私、この場合は私のこのモデルの用途的には別にCore i5/16GB RAMが必須なわけではないので、普通にケースカラーWhiteを優先します。もしi5版がi3版よりも安かった(今回のHP Chromebook 14aのような状況ですね)としても、それでも私にとってはWhiteを優先することになると思うんです。何故なら、それくらい私の中ではこのモデルはWhiteのほうが合うと思ってるし、折角ある程度のお金を出して買うのであれば、気に入っている色やデザインで使いたいからです。その方が長く愛用出来る、と思っているからです。
ちょっと例えば長くなってしまいましたが、それくらい好みや、自分の中の「良いな」「欲しいな」「使いたいな」と思う感覚って大切だと思っているのです。
どうしても実使用上に影響があったり、必要な条件の部分であれば、それは妥協してはいけないと思うのですが、そこがそれ程問題にならないのであれば、個人的にはそうした自分の中での感覚を優先して選んで欲しいな、と思います。
ということで個人的には、今回のHP Chromebook 14aに関しては、
好きな色のほうを選んで良いと思うよ。
という結論になります。但し、やっぱり自分の中でスペックが気になる、という方は、無条件で(現時点では)Directplusモデル(N5000/白-“Ceramic White”)を選びましょう。折角ほぼ同じ値段でより良いスペックを買えるのですから。
- HP Chromebook 14a 製品詳細 – ノートパソコン | 日本HP
:HP Directplusモデル/N5000/白-“Ceramic White”/税込47,080円(在庫あり) - Google Chromebook HP ノートパソコン 14.0型 フルHD IPSタッチディスプレイ 日本語キーボード 14a セラミックホワイト (型番:3P131PA-AAAA)
:HP Directplusモデル/N5000/白-“Ceramic White”/税込50,380円→税込39,500円(在庫なし) - 【Amazon.co.jp 限定】Google Chromebook HP ノートパソコン 14.0型 フルHD IPSタッチディスプレイ 日本語キーボード 14a 限定カラー
:Amazon限定モデル/N4000/青-“Forest Teal”/税込39,800円(在庫あり)
どちらも2020年を代表する魅力的なモデルです。欲しいと思った時が買い時です。
ということで、今話題の2モデルについて、現時点での私なりの考えを書いてみました。
もしかしたらあなたは「もう少し安くなったら」「少し様子を見てから」と思われているかもしれません。もちろんそれも堅実な選択肢ですし、決して間違っている訳ではありません。
ただ、今回の2モデルに関しては、Chromebookを5年近く、20台以上購入し使い続け、日々国内外の情報を追い続けている私の目から見ても、どちらも適正価格だと思っています。正直な所、現時点での価格で「もう少し安くなったら」と思われているのであれば、恐らくあなたにとってはこれらのモデルはそこまでの価値はないし、必要では無いのだと思います。なので、無理して買う必要はありません。
実際、適正価格、なんて言い方をしましたけど、私だって正直そんなもの、誰もが納得する答を持ってるわけではありません。あくまで私にとっての、です。
正直なところ、Chromebookって他OSのPC以上に、「幾ら頭で考えても、スペック表とにらめっこしても」その良さは分かりません。それどころか、今まで自分が持っていたPCの常識に照らし合わせて判断したり、使おうとすると、恐らく見誤ったり、戸惑ったりすると思います。だから、素直に欲しいと思った時が、買い時です。
今回も長々と語ってしまいましたが、今、突然目の前に現われたこの2つのモデルについて、イマイチ良く分からない、本当に買い時なのか、など悩まれている方にとって、この文章が何かしら役に立ったら嬉しいです。