毎年1月にラスベガスで開催されるCES(Consumer Electronics Show)はChromebookユーザーにとっても新モデルの発表の可能性が非常に高い期待出来るイベントの一つです。
今年も各メーカーから話題になりそうなモデルが続々と発表されました。当ブログではこれらについてほとんど触れてきませんでしたが、ひとまずCES2019も少し落ち着いてきましたので、発表されたモデルの中から、日本国内でも発売されそうなモデルをスペックや価格とともに予想してみたいと思います。
といっても、すべてのメーカーを網羅するのは現時点での日本市場の状況を考えても難しいところではありますので、今回はその中でも現在個人ユーザーにとっては最も日本で入手しやすく、また積極的に展開してくれているASUS JAPANのモデルに絞って整理してみました。
- 2019年4月17日 追記:2019年第一弾モデルとしてC434TAの発売(4月19日)が決定しました。(→ハンズオンレビューはこちら)
ASUS JAPANの国内現行モデルと今回発表された新モデル5モデルを整理します。
先日書いた「国内のChromebookを取り巻く状況と、個人ユーザーが入手出来る国内現行モデルについて(2019年1月版)」で用いた表からASUS JAPANのモデルのみを抜き出し、そこに今回発表された5モデルを黄色で加えた表を作ってみました。
今回発表された5モデルは既にASUS USのサイトにて製品ページが公開されています。
- ASUS Chromebook Tablet CT100 | Chromebook Tablet
- ASUS Chromebook C204 | Tough, compact, school-ready
- ASUS Chromebook Flip C214 | Flip, explore, and learn!
- ASUS Chromebook C403 | Bigger 14” screen, ultratough design
- ASUS Chromebook Flip C434TA | 2-in-1 PCs | ASUS USA
既に出ている現行モデルに関してはモデル名、発売時期、国内価格(2つある場合は個人/法人)の順に記載しています。
シンプル クラムシェル |
シンプル コンバーチブル |
耐衝撃 クラムシェル |
耐衝撃 コンバーチブル |
|
9.7″ |
|
|||
10.1″ |
|
|||
11.6″ |
|
|
|
|
12.5″ |
|
|||
13.3″ | ||||
14″ |
|
|
|
|
15.6″ |
ここ最近のASUS JAPANは比較的分かりやすく、また従来のニーズの穴を埋めるような商品展開をしてきています。昨年2018年に発売された2モデルも、従来(といっても現行)に抜けていたシンプルクラムシェルの中でも国内で最もニーズのありそうなサイズ、11.6インチと14インチ(実質13.3インチ)を埋めました。今後15.6インチのC523NAが出ない、とは言い切れませんが、現時点で可能性は低いかな、と思っています(C423NAとニーズが被るため)。
CT100、C214、C434TAはここ最近の流れを見る限りでは国内販売されるのではないかと予想。
今年2019年は世界的に考えてもASUSのChromebookのモデル的には2年に1度のモデルチェンジのタイミングです。そうしたこともあり、私の中では「2019年はASUSの年、特にCES辺りから賑やかになり始める」と常々発信してきましたが、現行のC101PA、C213NA、C302CAのモデルチェンジが行われるのではないか、というのは何も私に限らずとも、ある程度情報を追っている方であれば「だろうな」と期待していたのではないでしょうか。
そう考えた時に、まずC213NAの後継モデルとしてのC214、
更にC302CAの後継モデルとしてのC434TAはほぼ国内でも販売がされるのではないか、と思っています。
何故なら、どちらも国内文教法人市場においてはニーズのあるモデルであり、これから導入を検討する企業や学校も多いと思われるからです(であれば、自動更新ポリシーやサポート含めて最新のモデルにしておきたいところ)。
また、CT100に関してはどうかな、とは思ったのですが、
国内で既にエイサーがChromebook Tab 10(D651N)を出してきているところを見ると、今後のタブレット的な端末の需要として充分にありうるのではないか、と思っています。
ということで、この3モデルが個人的に本命です。
C204とC403は現行モデルとの競合が難しい。文教法人の需要次第も個人的には出てもどちらか。
C204とC403に関しては、難しいんですよね。前述の「抜けていたニーズの穴を埋める」という点ではちょうど「シンプルクラムシェル」タイプで昨年発売されたC223NAとC423NAのように、どちらも出してくる可能性というのは一応あると思うのですが・・ちょっとシンプル型と耐衝撃型ではニーズが違ってきそうな気がしていまして。
C223NA | C204 | C213NA | C214 | |
シンプル クラムシェル |
耐衝撃・耐水 クラムシェル |
耐衝撃・耐水 コンバーチブル |
耐衝撃・耐水 コンバーチブル |
|
CPU | Celeron N3350 | Celeron N4000 Celeron N4100 |
Celeron N3350 | Celeron N4000 Celeron N4100 |
解像度 | 1,366×768 | 1,366×768 | 1,366×768 | 1,366×768 |
重量 | 約0.99kg | 約1.1kg | 約1.26kg/約1.36kg | 約1.1kg |
価格 | 35,000- | 49,800-/56,800- |
C204はC214のクラムシェル版という位置づけなので、その点では被ります。ただ、教育市場を想定するのであれば「コンバーチブルは要らないからその分コストを下げたい(けれど耐衝撃性と耐水性は必須)」というニーズに応えられます。重量的にもコンバーチブルではなくなったこともあってか、C223NAほどではないものの、約1.1kg(スペックシートでは「1.1 lbs」となっているのですが、これだと498gになってしまうので)と充分に許容範囲です。
C223NA(11.6″) | C204(11.6″) | C423NA(14″) | C403(14″) | |
シンプル クラムシェル |
耐衝撃・耐水 クラムシェル |
シンプル クラムシェル |
耐衝撃・耐水 コンバーチブル |
|
CPU | Celeron N3350 | Celeron N4000 Celeron N4100 |
Celeron N3350 | Celeron N3350 |
解像度 | 1,366×768 | 1,366×768 | 1,920×1,080 | 1,366×768 |
重量 | 約0.99kg | 約1.1kg | 約1.25kg | 約1.7kg |
価格 | 35,000- | 42,800- |
C403は従来なかった耐衝撃型の14インチという点では魅力ではあるのですが、CPUが現行モデルと同じN3350ということでC423NAと被ります。それでも耐衝撃性と耐水性を、という声はあるのかもしれませんが、解像度が14インチながら1,366×768とちょっと惜しい(C423NAは1,920×1,080のFHD)ので、敢えて出す必要があるのかどうか。また出すとしても教育市場であれば11.6インチのC204でも良いですし、法人市場で考えるのであればFHDは欲しかったのではないか、と。しかも重量が約1.7kgと重いのはかなり痛い。
ということで、出すとしてもどちらか、かな、と思っています。
気になる価格とスペックの選択。国内市場ではどの辺りが出てくるか(CT100/C214/C434TA)。
さて、気になる価格とスペックです。ASUS JAPANは一昨年、日本で再展開した際には個人向けモデルと文教法人モデルを分け、3機種6モデルを発売、さらに販売経路も個人市場向けには家電量販店等での販売も行いました。ところが昨年発表された2モデル以降は個人と文教法人を分けず1モデルに、また取扱も公式オンラインストア(ASUS Store)と直営店舗であるASUS Store Akasakaのみに絞ってきました。今年もこの流れで行くと思われます。これであれば家電量販店やAmazonなどでの大幅な値下げによる文教法人市場への価格面での影響が最小限に食い止められるからです。
そうなると、価格面だけでなくスペックに関してもメインである文教法人市場の影響を大きく受けてくると考えられます。現行モデルから大幅な変更はない、またスペック的にも文教法人市場のニーズに合わせた構成を選択してくると考えられます。
C101PA | C223NA | C213NA | C302CA | C423NA | |
価格 | 39,800- | 35,000- | 56,800- | 79,800- | 42,800- |
こちらが現行モデル(3モデルは法人モデル)のASUS Storeでの価格(すべて税抜)です。ここにおふぃすかぶ的に勝手に価格順に入れ替え、更にその間を埋めるように今回のモデルを当てはめてみたいと思います。
C223NA | C101PA | C423NA | CT100 | C214 |
C302CA | C434TA | |
価格 | 35,000- | 39,800- | 42,800- | (56,800-) | 79,800- |
今回本命かな、と思う3モデル(CT100/C214/C434TA)を加えるとしたらこの辺りに入ってくるのかな、と。とともに、ほぼ同じモデルチェンジのモデルに関してはほぼ現行と同じ価格帯に落ち着いてくると思っています。
例えばC214であれば現行C213NAの法人モデル(EMRペン対応)とほぼ合わせてくるかな、と。こちらはC213NAのように2モデル出す必要はないと思うので(出さずに代わりにクラムシェルタイプのC204を出してくるかな、と読んでます。)、EMRペン対応のモデル。となると、税抜56,800円前後。
C213NA | C214 | |
CPU | Celeron N3350 | Celeron N4000 Celeron N4100 |
RAM/eMMC | 4GB/32GB | 4GB/32GB |
解像度 | 1,366×768 | 1,366×768 |
重量 | 約1.36kg | 約1.1kg |
価格 | 56,800- |
CPUは特にニーズがない限りすんなりN4000になる気がします。個人ユーザーであれば「ここは4コアN4100」と思うところですが、文教法人市場と考えると(どの程度差が出るのか分かりませんが)多分そこまで「CPUガー」って求めてないと思うんですね。特に教育市場であれば尚更かと。
C434TAが難しいのですが、C302CAが12.5″という貴重なサイズと重さということもあり、少し価格を下げるなり(個人68,800円/文教法人79,800円)してそのまま継続しても良い気がするんですね。そこが分かりませんが、もし継続するならスペックは多少変わってくると思いますが、C302CA自体を終了させるのであればスペック的にも価格的にも同じようなものになると思っています。
C302CA | C434TA | |
CPU | Core m3-6Y30 | Core m3-8100Y Core i5-8200Y Core i7-8500Y |
RAM/eMMC | 4GB/64GB 8GB/32GB |
4GB/64GB 8GB/32~64GB |
解像度 | 1,920×1,080 | 1,920×1,080 |
重量 | 約1.2kg | 約1.45kg |
価格 | 68,800-/79,800- |
法人市場メインと考えると、RAMは8GBにしつつも、CPUに関しては恐らくCore m3-8100Yにして価格をC302CAから大きく上げないようにしてくるのではないか、と思っています。ストレージが2年前とは状況も変わってきていますし、1モデルしか出さないのであれば前回のように32GBにせずに64GBという可能性は充分にありかな、と。で、価格的には税抜7万円強。
追記:2019年4月17日 18:30 更新
2019年第一弾モデルとしてC434TAが発表されました。4月19日発売。価格は84,800円(税込税込91,584円)です。発表当日、幸運にもASUS Store Akasakaにて触ることが出来ましたので、ハンズオンレビューをしました。
価格的に予想(希望)よりもは高くはなりましたが、諸々を考えると妥当、むしろ頑張ったのではないか、と思っています。非常に魅力的なモデルです。引き続き、その他のモデルも国内で展開されることを期待しています。追記ここまで。
CT100に関しては競合、先行するエイサーのTab 10(D651N)が市場価格6万円強ですので、ここは税抜49,800~54,800円を期待したいところです。
ASUS JAPANの担当者にはこのおふぃすかぶの「詰まらない予想」を良い意味で裏切って欲しいと思っています。
ということで、まだ国内で発売されるかどうかも全く決まっていないどころか、海外ですら発売されていない状況なのですが、CESが落ち着いた現時点でのある意味では冷めているようにも見える予想をしてみました。
でもね、実際には全く冷めてないどころか、かなりワクワクしているんです。何故なら現時点では日本で最も積極的に様々なモデルを展開してくれ、更に個人ユーザーでも入手しやすく、更にサポート体制も整っているのがASUS JAPANだからです。
この予想はここまでの2年間の流れを見た限りでの無難な予想に過ぎません。だからこそ、是非ASUS JAPANの担当者にはこの詰まらなくも下らない予想を良い意味で裏切って欲しいと思っています。そして、「かぶ、また外したよ。最近ダメだな。」となることを願っています。でもね、この予想でも私は大歓迎です。だってこれだけ出てくれるのであれば、今年は益々期待出来るからです。
ということで、毎年CESは楽しいですね。今回はその中でもASUSのモデルに限定して整理してみましたが、その他のメーカーの積極的な展開を今年も引き続き期待しています。