先日こんな文章を書いたのですが、
米AmazonにてZenBook 3(UX390UA)を注文したところ、「日本発送可」で「Amazon Global Priority Shippingが利用可能」と表示されているにも関わらず、1回目「DHLに受け渡し直後にAmazonに強制返送」、2回目「Amazonの倉庫から発送すらされないまま2週間放置」、3回目「DHLに配達のためのデータは送られた物の商品は結局送られず、ふたたび2週間放置」という状態に陥りました。
更にその間、メール、チャットで度々Amazonカスタマーセンターとやり取りするも「問題ない。数日以内に必ず届く。心配要らない」「もちろん日本には発送可能だ」あたりはまだマシなほうで(それでも「もしかして海外発送出来ない製品なのではないか」という質問に対しては調べもしなかった)、「いや、データには反映されていないが、実はあなたの国の最寄りの配達所に既に届いているんだ。だから明日には届くから安心してくれ」という、「工場が全焼した」「積み荷が海賊に襲われた」並の言い訳をしてきたときには、世界の超大国アメリカの偉大さを感じました。
挙げ句、「ごめん、日本には制限で送れないみたい。」と今更ながら連絡してきたときには流石だと思いましたが(その後も未だに製品ページには発送可能となっております)、更に「迷惑かけたから、全額キャッシュで返金(支払がVISAデビットだったので)するから、日本のAmazonで買ってよ」と言いながら、その翌日には何故か全額Amazonギフト券(アメリカの)で返ってきたときには、何かの呪いかと思いました。
全額VISAデビへの返金であれば、いっそ相性が悪いものと諦めて冒頭のLenovo ThinkPad X270を買おうと思っていたのですが、全額米Amazonギフト券では何も買えません。$1500近くも何に使えば良いんでしょうか。ということで、悔しいのでOPENBOX版で安くなっているZenBook 3(ただしこちらは日本直送不可)があったので、送料含めて全額ギフト券で購入、先日のLenovo ThinkPad 13 Chromebook同様、米国在住の妹のところに送ってもらって、そこから転送してもらいました。(これで送れなければ、来週渡米する母に帰国時に持って帰ってきてもらおうかと思っていた)
ということで、前置き兼愚痴が長くなりましたが、手元にはそうした経緯で(妹の手も煩わせながら)英語キーボード版のASUS ZenBook 3(UX390UA)があります。
ASUS ZenBook 3 UX390UA-XH74-BL
既にこのモデルに関してはASUS JAPAN社のZenFan向けのプログラムの一つとして10日間お借りした際に3回に分けてレビューをしています。
10日間という短い期間ではあるものの、意識してメインで使いながら、ある程度癖はあるものの充分に魅力的なモデルである、と感じたため、今回の入手に至ったのですが、そこで敢えて冒頭のような面倒な過程を経てまで「英語キーボード版(海外版)」を選んだ理由は、金額ではありません(時間と手間考えたら日本でさっさと買ってしまった方が安くて速くてサポートも安心です。)
そこで今回、改めてこの英語キーボード版の魅力に触れながら、このZenBook 3と手元のメイン機種でもあるChromebookの使い分けについて書いてみたいと思います。
かな入力必須でなければ、各キーの大きさと配置が英語キーボードは大変に魅力的です。
これは日本発売モデルのレビュー時にも触れたのですが、上記が今回の海外モデル(米国発売モデル)のキーボードとキー配置です。
こちらの日本発売モデルに比べ、右端の上から「backspace」「enter」「shift」が横に長く(中央に近くなる)、また最下部スペースキー部分の左右「無変換」「変換」キーがない分、スペースキーが長くなります(ここは好みはあるとは思いますが)
たったこれだけなのですが、このZenBook 3。12.5インチながら、両端ギリギリまでキーボードのスペースを確保したためか、一つ一つのキーの横幅が若干長めなのです。そのため実際日本におけるレビューでも「enterキーが遠い」「backspaceキーを押そうとして、同じ大きさの一つ上の電源キーを誤って押してしまいそうになる。」といったものが見られました。慣れにも因ると思うのですが、普段もChromebookで英語キーボードの配置に慣れている私にとってはこちらのほうが使い勝手がやはり良いです。
本体自体の薄さもあり、キーストロークの浅さは普段ThinkPad(Chromebook)のキーボードに快適さを感じている私としては慣れるまでもう少し時間がかかりそうですが、この辺りは薄さと軽さを今回は優先させて選んだこともあり、ある程度了承済みです。
それ以外には大きな違いは特にありません。OSが日本発売版はWindows 10 Home 64bitであるのに対して、北米発売版はWindows 10 Professional 64bitである点、また英語版ですがMicrosoft Office 365がプリインストールされている点に魅力を感じる方はいるかもしれませんが、それ以外は大きな違いはありません。
もちろん初期セットアップ時に言語パックとして日本語を入れれば普通の日本語版Windows 10として使えますし、ラップトップPCはASUSも国際保証が効きますので、その点は何も問題ありませんが、余程英語キーボードにコダワリがあるか、もしくは使い途に困る$1500くらいのAmazonギフト券があって、米国に家族親戚友人知人がいるか、もしくは旅行の予定でもない限り、無理して選ぶ必要はないと思います。それくらい、今回の日本発売モデルはASUS JAPANが頑張ってるな、と思いました。
軽さと薄さ、携帯性に特化させ、性能にも妥協していないこのモデルをどう活かすか。
以前も書いたことがありますが、このZenBook 3というモデルは非常に魅力的でありながらも、同価格帯の競合モデルと比べても非常に悩ましい、少し癖(個性?)のあるモデルだと思っています。
なんかもう最初から割り切った使い方なんです。で、そうした使い方をした時にスペックに妥協していないだけにWindowsのくせに速くてストレスがないんです。(キーボード等は除く)
中身も外側もゴテゴテ加えずに、サラリと付属のスリーブに入れて鞄へ。どこでも取り出して、必要なことだけをサラリと行う。けれど待たされてイライラしている雰囲気もない。だってかなりスペック自体は余力残してますから。けれど欲張らない。
薄さと軽さの中に潜む想像以上の高性能。そのアンバランスさが私を惹きつける。
先程も書きましたが、これ、あれもこれもと詰め込んで、高負荷かけてバリバリ仕事や作業こなすことも出来なくはないけれど、何となくそれやるんならこのモデルじゃなくて良いと思う。そんな印象です。
薄くて軽いPCというのは今までにも幾らでもありました。薄い、軽い、小さい、はPC好きとしてはそそる部分でもあり、私も好きな方面です。ただ、薄さや軽さや小ささというのは確かに魅力なのだけれど、その分どこかに無理がきていて、処理のもたつきを感じたり、何となく普段使いにストレスを感じたり、使い勝手が悪かったり。趣味として持つには良いけれど、当然それ一台ではなかなか難しい面もあって、結局趣味の範囲を脱することが出来ない。
USB Type-Cが1つだけという拡張性。勿論付属のミニドック等を使えば拡張は出来ますが、本体のみであればこのポートを充電に使ってしまえば、他はBluetoothなどに頼るしかありません。また、この薄いキーボードは慣れれば悪くはないのでしょうが、敢えてジックリ使い込むのに快適だ、という訳でもありません。
けれど、そうした部分を補って余りあるほどの薄さと軽さ。気軽に鞄の中に放り込んでノート感覚で持ち歩けるという魅力。それでいながら、スペックは充実。もちろん用途は人それぞれとは思いますが、この携帯性に惚れて選んで何処でも開いて使うことに魅力を感じている方の出先で行うであろう作業であれば恐らく処理速度に不満を感じることはほとんどないでしょう。
メインPCになり得るだけのスペックは持ちながらも、それらを出先での割り切った、スッキリした用途のために大きく振ったこのモデルは、個人的にはゴチャゴチャと色々なソフトを入れたり、様々な用途を任せたりするよりも、まさにモバイルとしての役割に徹した使い方が合うのではないかなぁ、と改めて思います。
思っていた以上に競合しなかったZenBoookとThinkPad 13 Chromebook。
私が現在メインで使っているPCはChromeOSを搭載したLenovo ThinkPad 13 Chromebookです。ChromeOSの魅力については最近改めて暑く書かせて頂きました。
今回、冒頭でも触れたように新たにWindows 10搭載のラップトップPCの導入を考えた際に、気になったのは「ハイスペックのWindows 10ラップトップPCを入手してしまったら、Chromebookの出番が減ってしまうのではないか」ということでした。
一般的な考え方では恐らく「Chromebookに○○万円出すくらいならWindowsやMac買う」というような捉え方をされている方が多いと思いますし、これらは同列に考え(比べられ)ることも多いと思います。私はこの点に関しては以前からこのブログでもChromeOSの魅力はWindowsなどの他OSとは競合しない、と書いておきながらも、多少の不安があったのが正直なところです。
例え同じスペック、同じ体感速度でも、意識の上では使い勝手は全くの別物。
この点に関しては、今回サイズだけでなく薄さや軽さといった点でもまったく別方向のモデルだった(ThinkPad 13は決して薄く、軽く、手軽な大きさのモデルではありません)ことも勿論ある程度は影響はあるとは思いますが、実際杞憂に終わりました。
実際のChromebookとWindowsの使い勝手は(例えスペックがもたらす処理速度等の快適性をほぼ同じにしたとしても)全くの別物だったからです。
使い勝手が全く違うのです。
もちろんChromebookはWindowsなどと同じような使い方を敢えてすることも可能です。その上で、価格も手頃で「用途が限られているのであれば、出来ないこともあるけれどChromebookで充分」という結論と使い方も出来ます。それでも充分に満足は出来るでしょう。
ただ、どちらが優れている、どちらが良い、という話ではありません。
クラウドやストレージ、データの扱い方や、アプリケーション、ソフトウェアに関する考え方が意識の上で全く別物なのです。
これは感覚的なものなので、文章で説明するのは難しいのですが、今回ほぼ同じ用途(私のラップトップPCでの主な用途は出先でのブログ更新やウェブ閲覧、簡単な画像加工やメール等々の返信、SNSなど)においても、感覚的には違うな、と感じました。
Windows 10上で動いているこのZenBook 3は基本的に全てのデータからソフトが基本この薄く軽い端末の中に保存され、管理され、私自身が意識してそれらを把握し、メンテナンスやアップデートを行いつつ、不具合も気にしながらも、すべて「自己管理」「所有」した上で使っている意識が常にあります。これはこれで安心感もあります。
環境を構築しつつ、必要なもの、機能は加えようとすれば膨大で充実したソフトウェアや、今まで蓄積した知識や経験、データが全てこの一台に集約でき、カスタマイズも可能です。全てを自分の中で管理し、「所有」している感覚です。
それに対して、Chromebookは軽い。それは動作が軽いのではなく、中身が軽いのです。何かもう、あまりそうした環境だ、データの保管だ管理だ、設定だカスタマイズだ、といったことを意識する必要もなく、またデータが自分の手元にある、所有している、というような感覚もなく、とりあえずネットに繋がってさえいれば、特に何も考える必要もない。どこにデータを保存し、どこで作業をするか、なんてことを考える必要もない。ただ、現状では自分好みの徹底的なカスタマイズと思い通りの使い勝手になるかどうかは別です。(今後は分かりませんが)
今回、ZenBook 3の入手に合わせて、「一太郎2016」を購入しました。また、Windowsということもあり、日本語入力はATOKですし、Microsoft Office 365 Soloも入っています。Adobe Photoshop CCやLightroomも入れましたし、細かい使い勝手はそれぞれに特化させた素晴らしいソフトを入れることが出来ます。そうした点では、用途に合わせて幾らでも加える、補強することの出来るWindowsの強みというのはやはり大きいと思います。
現時点でのChromeOSには、幾らシンクライアント型とはいえ、様々な面でこれからに期待したい部分もあります。また、それらが今後発達していったとしても、感覚としては前述の「加える」「補強する」とは違った感覚かもしれません。
そうした意味でも、今回改めてどちらも現行ではハイスペック(ラップトップPCとして)なPCを並行して使ってみることで、単なる価格だけではない、各OSの魅力や特徴、得手不得手が少し分かりやすくなったのは、嬉しい誤算でした。
少し特殊ながら、思いついたときに鞄に「もう一台」としても放り込めるのが私にとっての一番の魅力。
少々特殊な使い方になるかもしれませんが、このASUS ZenBook 3が手元に来たことで、私の旅先、出先での作業環境は隙のない、より満足のいくものになりました。
これはLenovo ThinkPad X270を購入していたとしても、恐らく同様に満足はしていたと思いますし、ある面ではZenBook 3よりもより使いやすい、使い勝手の良い部分も色々とあったと思います。
ただ、私の中では、普段はLenovo ThinkPad 13 Chromebookで旅先、出先(だけでなく自宅でも大半の用途含む)で満足していながらも、ふとした拍子に「ここに+αでもう少し○○が出来たら、加えられたら」と感じることがあったのです。自宅ではそうした時にはデスクトップPC(Windows 10、Core i7、32GB RAM等々)があるので問題ないのですが、ちょっと出先での用途として「本格的」とは違う、ちょっと方向の違う作業が必要な時があるんですね。そうしたときに、時々Windowsが助かる時があります。
かといって、普段の用途では性格上、やはりChromebookのほうが肌に合っています。けれど時々、必要になる、そんな時をしっかり支えてくれる存在として、このZenBook 3は非常に心強い。その心強さの大きな部分を占めるのが、Windowsであること以上に、900gを切り、薄く嵩張らず、ついでに(一緒に)鞄に放り込んでおいてもそれ程重さを感じさせない手軽さなんです。
もちろん900gも増えればそれなりに重くはなりますので、毎日2台持ちするわけではありませんが、ちょっと今日はZenBook 3に助けてもらおうかな、と思った時に「でも重いからなぁ」と躊躇しなくて済む。
まぁ、普通ならコストもかかる、そんなこと面倒なことを考えずにZenBook 3だけで充分に足りると思うのですが、何せChromebook好きですから。
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こういう使い方をする人は滅多にいないとは思いますが、文中でも触れたように、今回のASUS ZenBook 3 UX390UAは、
メインPCになり得るだけのスペックは持ちながらも、それらを出先での割り切った、スッキリした用途のために大きく振ったこのモデルは、個人的にはゴチャゴチャと色々なソフトを入れたり、様々な用途を任せたりするよりも、まさにモバイルとしての役割に徹した使い方が合うのではないかなぁ、と改めて思います。
モバイルに徹したWindowsラップトップPCとして、また人によってはこの薄さと軽さが何よりもメインPCとなる可能性を充分に持った、魅力的なモデルだと思っています。
Core i7版にもローズゴールドなど別カラーがあれば良かったのになぁ、というのが惜しい点。(妻にはこのロイヤルブルーが「金持ちのオヤジ色」だと不評なので)