昨年のCOMPUTEX TAIPEI 2016に参加させてもらった際、私の頭の中の大半を占めていたのは新作スマートフォン、Zenfone 3でした。ただ、その発表会の際にさり気なく気にはなっていて、出たらそろそろ欲しいかなぁ、と思っていたものがありました。それがASUSのラップトップPC、ZenBookです。
私自身15の頃PCを触り始め(現在38)、今も趣味の一つでもあるのがPC関連です。ラップトップPCは時折無性に欲しくなるときがあり、昨年の夏がそのピーク。ちょうど前述の発表会(Zenvolution)にてZenBook 3も発表されまして、スペックその他を眺めていてムラムラきたんです。
ASUS ZenBook 3 UX390UA | ノートパソコン | ASUS 日本
これ、出たら欲しいなぁ、と。それ以来、発売を心待ちにしながら、手元のChromebookを変わらず暑く触っておりました。
基本的には私のラップトップPCでの用途を考えればChromebookで充分過ぎるほどなのです。
でも、頭で分かっているのと、心は別です。気になっちゃうんですよ。ZenBook 3。でもChromebookと違って、「はいそうですね」とすぐに手を出せなかったのも事実。そうした中、ASUS JAPAN社のZenFan向けのプログラムの一つとして、このZenBook 3を10日間お借りすることが出来ることになりました。嬉しい。これで使い勝手良ければ、買っちゃいたいくらいです(別に優待等は全くありません)
ということで、これから貸出期間中、せっかくなので複数回に渡ってこの突然目の前に現れた、気になる(なっていた)あの子(ZenBook 3)について書いていきたいと思います。
ASUS ZenBook 3 UX390UA-512GP
今回お借りしているモデルは現在日本で発売されている2モデルの内の上位モデル「UX390UA-512GP」です。
ASUS ZenBook3 UX390UA-512GP – ASUS Shop
発売から少し経ちましたので、実売価格も16万円台になってきました。これなら少し頑張れば(Chromebookのハイスペックモデル3台分)今の私にも手が届きそうです。というか、16万円でこれだけのスペックで薄くて軽いラップトップPCが買えるなんて、良い世の中になりましたね。
第7世代 KabyLakeのCore i7-7500Uを積み、RAMも充分過ぎる16GB、ストレージは512GB (PCI Express 3.0 x4接続)のSSD。って何かこれだけ見ると、わが家の夫婦共用のWindowsデスクトップPCと大して変わりません。ちなみにデスクトップPCのほうも最近組み立て直したばかりです。少し悲しい。奮発したのに、わが家では夫婦ともにChromebookばかり使ってしまっていて、週に何度起動されるか、という程度のなってしまっております。こんなことなら新たに組まずにこのZenBook 3で良かったんじゃないか、と・・。
ということで、これからレビューしていきますが、今更開封の儀なんてされても誰も嬉しくも無いと思いますので、この10日間実際にほぼメインで(ここポイント。だって私のメインはあくまでChromebookだから)使う中で感じたことをその都度書いていきたいと思います。
ZenBook 3のここが素晴らしい:薄くて軽い。
実売16万円のラップトップPC捕まえてきて「薄くて軽くて素晴らしい」とはバカにしているように思われるかもしれませんが、私自身がバカにしていました。最初に手に取った時、これ、感動しましたもん。
もちろんスペックを眺めれば「幅296mm x 奥行き191.2mm x 高さ11.9mm / 質量 約910g」とあるわけで、ある程度はイメージしていましたし、Chromebookでも10.1インチのChromebook Flip C100PAとか使ってましたし、昨年はTransBook T100HAとかも使いました。でもね、薄さと軽さだけでなく、その中にハイスペックを詰め込んでいる、というこの不思議感もあるとは思うのですが、ここまで軽さと薄さの素晴らしさを感じたことはありませんでした。
実はこの「素晴らしさ」を一番感じたのが、初日に一通りセットアップを済ませて、夕方に少々出かけた時でした。当然のようにこのZenBook 3を持って出たのですが、少々気になる面もあり(後述)、それが原因で肝心の作業が捗らないと困るので、念のためChromebook C302CAも一緒に持っていったんです。
普段なら(余程の泊まりがけや何か特殊な事情を除けば)恐らくやることのない2台持ちを普段使いでやった訳ですが、2台も鞄に入れているのに重いと感じなかったのです。
勿論普段より910g増えている訳ですから重いはずなのですが、「2台持って出なければ良かった!重!」という印象が全くない。
借り物ですし、2台のラップトップPCが擦れて傷でも付いては大変なので、ZenBook 3は付属の専用スリーブに入れました。ということは、スリーブと合わせて1kg超えてるはずなんですが。ちょっと荷物今日少し増えたかな、くらいの感覚です。
今日も結局2台持ちで出てきてしまったのですが、それが気軽に出来るというのは大きな魅力です。わざわざ2台持ちする必要はないとは思いますが、「今日は持っていくか、どうしようか」とあまり悩む必要がない薄さと軽さは、このZenBook 3の一番の魅力でもあるかな、と思います。
ZenBook 3のここが素晴らしい:速くて快適。
さぁ、張り切っていきましょう。続いての魅力がこれです。速くて快適なんです。
もう酷いでしょ。折角貸して下さったASUS JAPANの皆さんもガッカリです。でも言い訳させて下さい。速くて快適、なんて別に私にとっては新鮮でも何でもないはずなんです。デスクトップPCもCore i7-6700Kに32GB RAMですし、普段使いであれば充分過ぎる程快適なCore m3やm5載せたChromebook使っているんです。それらのモデルと体感差はさほどありませんし、作業によっては気になる部分(後述)のストレスもあって、使いにくさもある筈なんです。それでも「速くて快適」という部分が印象に残った。それは何故か。
普段MacBookやこれら最新のWindows ラップトップPCを普通に使っている方には当たり前かもしれませんが、結局私やってることChromebookもWindowsもほとんど変わらないので、Windowsで、しかもこの薄さと軽さで快適にサクサク動いてしまうことが新鮮なんです。やっぱり速いっていいなぁ、と。これ考えると、私には前述のデスクトップPC要らなさそうな空気が漂ってきますが。
薄くて軽いことから受けるどこか抑えている、犠牲にしている感がこのラップトップPCにはない。外観から受ける印象と実際の処理速度、快適さとの間のギャップが、シンプルなだけに余計に際立ってくる。
それが例えASUS JAPANの皆さんも読まれているあなたもガッカリな理由だったとしても、私が敢えて挙げたい理由です。
ZenBook 3のここが惜しいと思う。:キーボード、打ちにくい・・。
さぁ、ガッカリな皆さんとは対称的に私ひとりだけ盛り上がってきた感じもしますが、これだけあれば私の中では「これは買っても良いかもなぁ」となるはずなんです。けれど現時点では悩ましい。その惜しいと思う点を挙げてみたいと思います。
それがキーボードです。薄いから打鍵感が、とかそういう部分は慣れや好みもあると思いますし、私の中でもそれはさほど気にはしていません。それよりも、上の画像を見て頂いて気付かれた方もいると思うのですが、キーの配置が・・合わせてキーの大きさのバランスが・・これ、私、メインでは使えません。
私、基本的にブラインドタッチなんですが、キーボードのサイズが多少変わっても、だいたい感覚でどの辺りにどのキーがあるのか、慣れてくると手が覚えているんです。これは共感頂ける方も多いと思うのですが。大体この辺りにこのキーみたいな感覚です。
その感覚でそれ程キーの押し間違いは起こることがないのですが、今回は手強い。手強かった。
上記の写真のように、enterキーが私の本来の感覚ではあるべき場所よりもやや遠いのです。従来のこのキー幅でいけば、そこにあるはずの場所にあるのがその左横の」なのです。昨日から何度、いや、何十度、打ち間違えたことか。enterってよく使うだけに、毎回押し間違えるのはかなりのストレスです。(ようやく少し慣れてきたけれど、指的にはちょっと辛い)
12.5インチながら、全体的に各キーの幅が大きめに取られているのもあるのかな、と思います。本体左右端ギリギリまでキーボードを持ってきたことによる弊害なのか。
あとはこのスペースキー。まぁこれは私自身が普段英語キーボードに慣れているのもあるのかもしれませんが、私、変換はスペースキーで、右親指で打つんです。けれど、このキーだと左親指になります。
あとはこの右上端の電源ボタン。何故ここにこの大きさで他のキーと同じようにしれっと居座ってるんですか。しかもこの左がdelete、下がbackspaceです。どちらも良く使うキーです。不意な押し間違いが起きやすいこの場所に電源キーを持ってくるのが良く分かりません。
更に続きます。右下の方向キー(上下左右)。私、意外とこの上下キーを多用するのですが、この幅でどうやって細かい作業をすれば良いのでしょうか。
12.5インチながら横幅目一杯に配置することで、キー自体が通常より幅が広め(22mm)でキーピッチも21~22㎜という広さを実現したのはコダワリだったのかもしれませんが、肝心のキー配置まで独自色を出す必要はなかったのではないか、と思います。個人的には、これだけゴチャゴチャしているのなら、日本語キーボード要らないからむしろ英語キーボードが欲しいくらいです。
ZenBook 3のここが惜しいと思う。:トラックパッド、感度良すぎ。
さぁ、少しだけ盛り下がってまいりました。そんな中で、もう一つの大切な部分でもあるトラックパッドについてです。これ、好み分かれるな、と思います。
これ、触り心地は最高なんです。是非ASUSにはChromebookでも上位モデルだけでも良いのでこのトラックパッドを採用して欲しいくらいです。滑り最高ですよ。反応も良いですし。
でも私にとっては手強いだけの存在でした。ここ最近Chromebookでタッチパッドに慣れきって、手放せなかったワイヤレスマウスをようやく手放した私が、今このZenBook 3では再びワイヤレスマウスを常用しています(まだ2日目ですが)
ついついChromebookの癖が出てしまうのは私が原因ですし、ZenBookは悪くありません。またWindowsのラップトップPCのトラックパッドの多種多様なアクションに慣れていないのも認めます。
けれど、もう感度が良すぎるあまりに、普段からほんの僅かな触れ具合で全く違うアクションになってしまって、その都度振り回されてしまい(昨日は半日使っていた。)私は疲れました。これならマウス使います。
ASUSのラップトップPCのトラックパッドは使いにくいWindows PCの中では比較的優秀という噂もよく聞きますので、恐らく慣れれば私にとってのChromebookのタッチパッド同様、もうどこでもマウスなんて不要でこれだけで充分、素晴らしい、となるのでしょうが(そうなれば本体の薄さと合わせて最高の携帯性になると思います)、今の私には変な癖が付いてしまってChromebookを使うときに苦労しそうなので、申し訳ないのですが、頑張って慣れよう、という気になれませんでした。
ZenBook 3のここがちょっと気になる。:端子周り、大丈夫かなぁ。
続いて、惜しい、というよりも少し気になる部分です。今回お借りしているものは、サンプルとして各方面にレンタルされているもののため、一言で言えば中古です。
何が気になったのかと言うと、端子周りなのです。
インターフェースに関しては元々USB Type-Cが一つのみ、というのは事前に分かっていますし、この辺りはある程度フォローが効くと思うのでまぁ薄さと軽さを考えれば許容範囲なのですが、私が気になるのは、この数ではなく、
もちろん、削れているのではなく、接続部分の端子の色もあるのですが、
最初に手に取って側面の写真を撮ろうと思って見た時に「あれっ?」となったんです。端子周りだけでなく、その周辺が少し削れて色が落ちてしまっているのです。よく抜き挿しする部分なので、擦れやすい部分ですし仕方ないとは思うのですが、元々の本体の色合いや雰囲気が綺麗なだけに、ちょっと勿体ない。
ラップトップPC自体、もともと持ち運び使い込む種類のものですし、小傷なんて気にしていたら使っていられない、というのもあります。あくまで仕事道具の一つではあります。削れない、落ちない、ということはありません。
ただ、本体自体が綺麗なだけに、ちょっとした削れや色落ちが気になってしまうのは悩ましいかな、と思います。少し使ってりゃ慣れるとも思いますが。
第一印象から試用2日目にかけての私の印象と評価をまとめてみます。
最低限のソフトだけ入れて、サブ的に試すような使い方では魅力は分からない、と思っていますので、今回はお借りできる期間10日間をフルに使ってメインでどんどん使っていきたいと思います。
そのために私の使う主要ソフトは一通り入れましたし、この間は恐らくWindowsに関してはデスクトップPC側は使いませんし、またChromebookも使用頻度が減るだろうな、と思っています。
そうした前提の中で、ひとまず2日使ってみての印象は既に挙げた通りですが、これは勿論これから変化してくる可能性は充分にあります。そして、現時点では慣れていないのもありますが、まだまだ使いにくさもあります。
昨年末からLenovo ThinkPad 13 Chromebookを使い始めて、ThinkPadシリーズの使いやすさを特にキーボードの良さなどと合わせて感じてきていることもあり、現時点ではWindowsのラップトップPCの候補は昨年夏と違ってZenBook 3だけではありません。今回発売されたばかりのThinkPad X270も候補の一つです。
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そうした中で、先ほど挙げた「惜しい点」はかなり大きなポイントになりそうな気もするのですが、それでも、それを頑張って慣れてでもこのZenBook 3を使いたい、と思うだけの魅力が確かにこのモデルにはあります。それは最初に挙げたASUS JAPANの皆さんも読まれているあなたもガッカリな理由が私にとってはかなりの魅力でもあるからです。
まだ2日目です。こうしてメインで使い込むことで、たった10日弱でも、私の中ではかけがえのない一台になる可能性は充分です。昨年の梅雨時に、台北で出逢ってから密かに想い続けてきたこの子(ZenBook 3)との再会は、私にとってはそれくらい嬉しい出来事でした。
引き続き使いながら、その使用感をこちらでも書いていきたいと思います。
ASUS ZenBook 3 UX390UA | ノートパソコン | ASUS 日本
ASUS ZenBook3 UX390UA-512GP – ASUS Shop