[革靴] ネットで革靴のお手入れ方法を調べていて陥りがちなパターンについて考えてみます。ブラシだけで充分です。

[革靴] ネットで革靴のお手入れ方法を調べていて陥りがちなパターンについて考えてみます。ブラシだけで充分です。

スポンサーリンク

最近、ファッションブログなどを眺めていまして、ふと気がついたことがあるんです。やっぱり専門外の分野のことを書くのは難しいな、と。なので私もファッションについてはなるべく書きません。恐らく同じことをやってしまいそうなので。

今回色々なサイトやブログを眺めていて、何が気になったのか。
それは「革靴の選び方」と「お手入れ」についてです。

どのサイトも靴の大切さには触れています。ただ、では何を選ぶのか、どうお手入れするのか、という点はかなり適当です。もちろん絶対的な一つの正解があるわけではありませんが、恐らく書かれている方の多くがどこかの雑誌やサイトから聞きかじってきた「お馴染みの優等生的な」方法をそのまま載せていることが多いな、と感じます。

特に「靴のお手入れ」に関しては、ご自身がそれで普段から出来ているのか、というと疑問を感じてしまうのです。よく見かけるのは、「何ヶ月かに一度、時々気合を入れて行う一回限りの靴磨き」の類です。

けれど、革靴に興味を持たれる方って、一般的には恐らくファッションから入る方が多いと思うので、それが基本だと思ってしまう。けれどそこで書かれている「お手入れ方法(靴磨き)」を目にすると、恐らく「面倒だな」と思ってしまいそうなのです。そこで、今回は改めて「革靴のお手入れ方法」について触れてみたいと思います。

よくある「革靴のお手入れ方法」

幾つかのサイトで出ていた革靴のお手入れ方法を例として挙げてみます。

  1. ブラシで靴の埃を簡単に払い落とします。
  2. クリーナーを使って靴の汚れを落とします。「ステインリムーバー」などを使うと良いですね。
  3. クリームで栄養を与えます。クリームは同じ色であれば何でも構いません。
  4. 最後に仕上げとしてブラシをかけると綺麗な艶が出ます。

どうでしょうか?一番簡単そうだったものを挙げてみました。雑誌やファッションサイトの革靴のお手入れ特集となると、ここから更に手順が増えていきます。

では、上の4つに例えば「3分」を割り振ると、どういう割合になりますか?

3分?もっと必要でしょ?と言われるかもしれませんが、ここではひとまず3分を割り振ってみて下さい。ちなみに元靴屋で働いていて、革靴を趣味として20年近く楽しんできた私は1足に3分あれば充分過ぎるくらいです。いや、むしろ3分ってかなり長いし、しっかりお手入れが出来ます。腕も疲れるな・・。

今までこのブログを読まれてきた方は、そろそろ意図に気付いて苦笑いされるかもしれませんが。

最近、靴磨きって面白いな、と思い始めたあなたへ。 また、ちょっと靴磨きしてみようかな、と思ったあなたへ。 いま、靴を磨くのが面白くて仕方ないと思います。もしくは、靴のケア用品をいろいろ見たり調べたりす...

まだ革靴のお手入れに慣れていない方は、恐らく2.と3.に時間の大半を割り振るのではないでしょうか。「2.クリーナー」と「3.クリーム」です。恐らく1.と4.は数秒、もしくは省略されるのではないか、と思います。2.と3.のために4.に少し時間を取るくらいかな。

結論から言います。要りません。3分だったら、2.も3.もやらない方が良い。

1.と4.をまとめて、時間をかけた上で、更に欲を言えば新たに5.を加えて2分で終わらせる。それが革靴のお手入れの基本です。要は「ブラシ」だけです。

5.は「布やグローブで靴を磨き上げる」です。

靴のお手入れ、靴磨きに関しては、何度も取り上げていますし、これからも時々書くと思うのですが、実際の私の場合についてまだ書いていなかったので、今日はここ最近の手順について書いてみます。 基本的にほとん...

基本はクリーナーでもクリームでもなく、ブラシです。

1202-201603_Shoe Care Brush 02

最初に挙げたお手入れ方法は、それぞれ決して無駄な訳ではなく、勿論きちんと出来るのであればそれなりに効果のある方法です。ただ、何が重要なのかが分かりにくいと思います。均等に25%ずつなのか、もし省くとしたらどれを省くのか。

このブログでは散々書いていますが、もし上の4つで省くなら2.と3.です。時間がなくても必要なこと。それは「ブラシ」だけなんです。ブラシの手間は減らさないことを大前提として、更に「時間と心に余裕がある」「気分が乗っている」「今日は革靴と徹底的に向き合いたい」といった時だけ、上乗せするつもりで2.と3.を加える。時間が豊富にあるときでもブラシの手間と時間は一切減らしません

革靴のお手入れは、「まずブラシありき」です。

革靴は基本的に「ブラシ」と「から拭き」だけで甦ります。

特にブラシです。革を甦らせるのはブラシなんです。クリームではありません。クリームで出た艶は、革の艶ではなく、大半は表面のクリームの層の艶です。クリームは量と加減を間違えると、却って革にとっては負担になります。ろくにブラシも磨きもせずに塗りたくるだけのクリームなら、害に過ぎません。

クリーナーも同様。汚れを落とすのはクリーナーではなくてブラシなんです。余程ひどい汚れでも無い限り基本的にはクリーナーなんて要りません。まして、古いクリームを落とすためにクリーナーを毎回使うのであれば、そもそも古いクリームが残ってしまうほど多くクリームを使わなければ良いんです。

表現を変えるなら、前のクリームが変質するほどお手入れをしないで放置しておくのが問題です。そういう人にはクリームは不要です。

あまり煽るような、もしくはどこかの怪しい健康本のようなタイトルは付けたくないのだけれど、色々考えてみたら結局これが一番私の考えていることが伝わるかな、と思ったのです。ちょっと誤解を招き、ツッコミどころ...

先ほどの「ステインリムーバーなどを使うと良いですね」は、革靴が好きで、普段から靴磨きに凝っている方が分かった上で使うのであれば非常に有効的ですが、これから革靴のお手入れをする!という方には余計な手間が増える分、ブラシが疎かになりがちなので要りません。

#靴磨きに今まで興味がなかった方が、まず最初に考えてしまうのがこの種の「クリーナー」です。ただ、このステインリムーバーに関しては「靴磨きが趣味」「革靴が趣味」という方も毎回のように多用しがちなアイテムです。ご自身の中でそのメリットとデメリットを分かっていて使うのであれば構いませんが、決して必須ではありません。むしろ最初はこの種のクリーナーから一旦離れてみることを私はオススメします。

靴屋さんや靴の専門家が薦めるんだから、クリーナーもクリームも必要?

靴屋さんはたくさん売れた方が付帯率が上がりますから(経験談)。点数売れた方が売上もあがりますし。

そして靴好きなら、普段理解されにくい靴磨きについて興味を持ってくれたのが嬉しくて、ついついあれもこれも、と自分の趣味の世界を語りたくなるでしょう。大半のマニアの話が意味不明で分かりにくいのは、自分と同じくらいの興味と知識が既に聞き手にもあると誤解して話をするからです。(経験談)

もちろん色々薦めたくなる気持ちも分かります。けれど靴好きと違うんだから、何が基本か分からない内にはじめの一歩に色々薦めすぎです。

靴の専門家?だって、専門家が「ブラシだけ」なんて言ったら、商売あがったりです。そして、知識があればあるほど、影響力があればあるほど、間違った発言は出来ないので、無難な回答になりがちです。そうなると、7.や8.まであるような、一連の手順を書かざるをえなくなります。

けれど、それらは、あくまでピラミッドで言えば、ブラシが一番の基礎、土台として安定していなければならないと思います。次が先ほどちょろっと触れた5.の「から拭き」です。

その前提があった上で、上記の靴屋さんや専門家が話をされているのであれば、それはとても貴重な情報だと思います。
ちなみにこのブログではよく紹介させて頂いている靴職人のZinRyuさんもブラッシングの重要性は折に触れて呟かれています。

また、三交製靴ラギッドシューズをきっかけに時々メッセージのやり取りをしている、さくらい伸さんもご自身のブログで、ビルケンで靴を磨いてもらった際のお話をされています。素晴らしいスタッフだと思います。

スタッフ「シューケアで一番大切なのはブラッシングなんですよ。髪の毛のブラッシングって、髪の毛をとかすことと頭皮を活性化させる効果がありますけど、革靴も同じです。単に埃や汚れを落とすだけじゃなくて、ブラッシングによって革の奥に溜まった油分を表面に呼び起こして、また生き生きとした状態にすることができるんです」

僕「じゃあ、そんなに頻繁にクリームを塗る必要はないんですね」

スタッフ「はい。1ヶ月に1回くらいで、あとはブラッシングと布で磨くだけで十分かと。クリームを塗り過ぎると革が柔らかくなり過ぎてしまいますから」

靴磨き、と考えると、ついクリームを塗る、クリーナーで汚れを落とす、など、何かを革の表面に加えることを考えてしまいがちです(クリーナーも結局は革の表面にクリーナーを「加えて」汚れを強引に拭い去るという点では同じです)。けれど、実際には革というのはそこまで弱くはありません。もっと革の回復力を信じてあげてください。革の回復力を発揮させる一番の方法は、何かを加えることではなく、何も加えず革自身が持つ本来の力を信じてあげることです。その弊害になるのが、表面のクリームやクリーナー、そして埃です。

靴磨きが趣味な方、趣味どころか興味すらない方に共通した、革靴に関しての誤解があります。それが「革の本来持っている力を信じていない」ということです。どちらも「大切なこと」を忘れてしまうために、結果として革を傷めてしまっているのです。靴クリームで出る艶は革本来の艶ではありません。この点について考えてみます。

クリームもクリーナーも、本来は全く不要なものなんです。

革靴のお手入れに興味を持ったら。ブラシだけ買いましょう。

1202-201603_Shoe Care Brush 03

結論です。

ブラシだけ買いましょう
クリーナーやクリームは、ひとまずブラシに慣れてからで充分です。

その代わり、毎日です。その日履いた靴を必ずブラシをかけてから寝る。それが革靴のお手入れです。

それが出来ないうちに色々手を出そうとするから、汚れが落ちなかったり、クリームを厚塗りしてしまったり、以前使ったクリームが変質してこびりついてしまうんです。まずは常に埃を落とす習慣をつけましょう。

面倒ですか?それなら習慣づける良い方法があります。簡単です。玄関のすぐ手に取れる場所にブラシを置いておくんです。他にも幾つか方法があるので、興味があれば読んでみてください。

靴磨きに限らず、歯磨きでも風呂でもトイレでも、習慣になっている人にとっては何でもないことが、習慣になっていない人にとっては難しいということがあります。 靴磨きも同じです。靴好きや、慣れちゃった人にとっ...

最後に。どんなブラシ買えば良いのか迷われている方。

でもここで「何でも構いません。」なんて選択肢を広げちゃうと、ますます面倒になってしまいますよね。基本は大きいブラシを選ぶことだけです。

多少お手入れをかじった方だと、こういうものを思い浮かべる方が多いのですが(実際に店頭でもよく訊かれた)、これ、全く用途が違いますから除外して下さい。第一これで靴全体を気持ち良くブラッシングなんて出来ません。恐らく疲れます。

例えばこの辺り、どうでしょうか?毛の種類は最初はあまり気にしなくても良いです。
もしまだ他の文章も読む気力があれば、このブログを読まれている方がよく買われているお手入れ用品について書いていますので、参考にしてみて下さい。ただ、最初はあくまで「ブラシ」だけです。

当ブログでは商品を取り上げるときにAmazonアソシエイトを主に利用しています。商品を画像と価格付きで紹介できること、また、僅かではありますが(数%)紹介料が入るので、そちらをこのブログの運営費や維持...

あ、いきなり東急ハンズとか行かないでくださいね。行くなら「ブラシしか買わない」という強い意志を持って下さいね。大量のお手入れ用品を前にすると人は混乱し、疲れ、やる気を失うか、判断を失い余計なモノまで買いがちです。

東急ハンズが嫌いなわけではありません。私、東急ハンズ大好きです。渋谷の東急ハンズなんて小さい頃からお世話になっていますから。 だからこそ、普段靴なんてお手入れしない人が、たまに何を間違ったかやる気出し...

このブログの「靴のお手入れ」と「靴の選び方」が一冊の本になりました。

今回の文章も含め、今までこのブログで200以上書いてきた「革靴のお手入れ」と「革靴の選び方」に関する内容に加筆、修正してまとめたものをAmazonのKindle書籍として発売しました。

Kindle書籍、というと「Kindle端末」が無いと読めない、と思われている方も多いのですが、お使いのスマートフォンやタブレット端末でも「Kindleアプリ」を入れることでお読みいただけます。スマホに入れて、いつでも気が向いたときに目を通せる、いつも手元に置いておけるものを目指して書きました。また、Kindle Unlimited会員の方は、今回の書籍は無料でお読みいただけます。

この文章をきっかけに、より多くの方にとって「靴磨き(お手入れ)って何も特別なものじゃなくて、毎日の歯磨きや洗顔のような日常なんだな」と感じて頂き、より革靴を身近なモノに感じてもらえたら、と願っています。

このブログによく訪れてくださるあなたへ。

このブログによく訪れてくださるあなたへ。

新しい記事があるか、毎回見に来るのは面倒ではありませんか? このブログでは、更新時にあなたのスマホなどにプッシュ通知でお知らせする「Push7」というサービスを導入しています。

登録、解除はいつでも可能です。特に何か会員登録や個人情報等の入力は必要ありません。新しい記事が更新された際にお知らせ致します。 ぜひご活用下さい。

講読を解除されたい場合も上の「講読する」から解除が可能になりました。

フォローする

スポンサーリンク
このブログの文章に興味を持たれたあなたへ。

このブログの文章に興味を持たれたあなたへ。

当ブログで書いてきた文章をジャンル毎に分け、加筆・修正してまとめたものをAmazonのKindle書籍にて販売しています。

Kindle書籍、というと「Kindle端末」が無いと読めない、と思われている方も多いのですが、お使いのスマートフォンやタブレット端末でも「Kindleアプリ」を入れることでお読みいただけます。スマホに入れて、いつでも気が向いたときに目を通せる、いつも手元に置いておけるものを目指して書きました。

また、Kindle Unlimited会員Amazonプライム会員の方は、それぞれ無料でお読みいただけます。

現在発売している書籍は下記の2冊です。

「靴ブラシで歩き方が変わる。」

まずは「革靴のお手入れ」と「革靴の選び方」に関する内容に加筆、修正してまとめた、こちらの書籍。

「靴磨き」というと、革靴が好きな方が休日に趣味の一つとして時々気合いを入れて磨くモノだと思われがちです。けれど、私は実際には「靴磨き」と「靴のお手入れ」は別のものだと考えています。

革靴が趣味でない方は靴磨きは必要ありません。ただ、帰宅したら「毎日」、その日履いた靴を「1分間」、靴ブラシで埃を落して布や磨き用のグローブでから拭きしてあげてください。それが本書で伝えたい「毎日のお手入れ」です。毎日の歯磨きや洗顔と同じです。靴に余計なケアは不要です。けれど最低限のケアは必要です。

多くの方にとって「靴磨き(お手入れ)って何も特別なものじゃなくて、毎日の歯磨きや洗顔のような日常なんだな」と感じて頂き、より革靴を身近なモノに感じてもらえたら、と願っています。

「アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日」

続いて、「Chromebook」に関する文章を一冊の本にまとめました。

Chromebookはまだまだ日本では馴染みが薄いですが、Googleが開発したOSであるChrome OSを搭載したPCです。

海外では特に米国の教育市場を中心に急速にシェアを伸ばしてきています。日本ではAppleやMicrosoftが教育市場向けのモデルを出すと、一般的に「iPad対抗」「Surface対抗」といった感じで一騎打ちのようなイメージを持たれがちですが、実際には海外では低価格で半分以上のシェアを獲得している「Chromebook(Google)対抗」を想定した三つ巴の状態となっています。

本書ではこのOSの特長でもあり魅力でもある、

Googleアカウントのみでどこでも身軽に移動、作業が出来るスタイルの提案であり、Chromebookはあくまでそれを実現するための仮の入れ物の内の一つ

という点をベースに、私が感じる魅力について暑苦しく書き綴っています。

是非あなたのスマートフォンやタブレット、Kindle端末などに入れて持ち歩き、気が向いた時に読み返して欲しいな、と思っています。