[1217-201604] 革靴に関する大半の情報は「趣味」でなければ不要です。「靴磨き」も要りませんが、毎日の洗顔同様、靴は綺麗にしておきましょう。

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[1217-201604] 革靴に関する大半の情報は「趣味」でなければ不要です。「靴磨き」も要りませんが、毎日の洗顔同様、靴は綺麗にしておきましょう。

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当ブログは主に革靴の「お手入れ」と「選び方」をメインに書いています。今まで、元靴屋の店員の視点から、店頭で気がついた「店員や靴好きにとっては当たり前だけれど、一般的にはあまり知られていないこと」をいろいろ書いてきました。

私が靴屋で働いていた頃、多くのお客さんから毎日のように聞く悩みがありました。それが「幅広だから、痛くない靴、ゆったり目の靴を探しているんだけど。」というものです。多くの方が「革靴が痛い」理由を「自分の足が幅広だから」「キツイから」だと思われているのですが、実際には原因の多くは全く正反対のことにあります。それが「痛みを恐れてゆったり目の靴、幅広靴を選んでしまった」ことです。

今回はそうした中から、一つのテーマについて触れてみたいと思います。それは「趣味」と「暮らしの基本」の違いです。
靴好きのブログ(当ブログ含む)やサイト、雑誌や書籍を眺めていると、この「趣味」の部分と「暮らしの基本」に当たる部分が一緒に語られていることに気づきます。大半は「趣味」です。
この「趣味」に当たる部分は、靴に興味のない方にとっては不要な知識です。それどころか混乱させてしまう原因になっているかもしれません。
反面、靴好きであろうが靴に全く興味がなかろうが、覚えておいてほしいこと、というのも存在します。それが「暮らしの基本」的なことです。「箸の持ち方」「きちんと挨拶をする」「肘ついて食事をしない」といったことと同じです。多くは子どもの頃に親から教わります。もしくは一人暮らしを初めて自炊をしたり、掃除洗濯をしたりする中で意識して身につけていくものです。
靴にもそうしたことが少しですが存在します。

大切なことだけれど、恐らく親からも教わらないまま大人になってしまうこと。

とても大切なことなのに、なぜ大半の人が知らないまま大人になってしまうのか。
それは、日本において靴の歴史自体がまだ短いからです。これは服飾においても同じことが言えるようです。まだ文化として根付いていないので、歴史が浅く、私達以上に、私達の親の世代のほうが知らないので、教えようがないからです。
それが、「靴のお手入れ」と「自分の足に合った靴の選び方」です。
今ここで、「靴磨きは要らない」と言っておきながら「靴のお手入れ」が必要?と混乱された方。もう少しだけお付き合い下さい。

「靴のお手入れ」と「靴磨き」を私が分ける理由。

このブログでは

  1. 「靴のお手入れ」は、歯磨きや入浴、洗顔と同じ。身だしなみを整えること。
  2. 「靴磨き」は、着飾ったり、美容院に通ったり、装飾品を身につけたり。美しく見せること。

と分けています。実際は厳密な区別というものはありません。あくまでこのブログだけで通用する、私なりの捉え方であって、一般的には同じだと思います。
私は以前から「靴のお手入れ」は毎日しましょう、と書いてきました。けれど、もしかしたら一部の方にとっては、私の「毎日しましょう」は、クリーナー使って、靴墨塗って、ブラシして、ポリッシュして光らせて、磨いて、といった一連の行為を「お手入れ」だと思われているかもしれません。けれど、これは私の中では「靴磨き」です。
靴磨きは、多くの人にとっては、無理してやる必要はありません。

「靴磨き」というと、複雑で面倒で、気が向いた時に行う特別なもの、と考えている方が多いな、と思います。だから雑誌やメディアでたびたび「特集」が組まれ、様々なモノがオススメされるのでしょう。けれど、実際に必要なことは実はたった1つです。次に挙げる「一般的な」お手入れに3分を割り振るとしたら、あなたならどうしますか?

趣味であれば、いくらやっても構いません。毎日でも楽しいと思います。もちろんその中でやり過ぎによる失敗等もありますが、趣味だから良いんです。好きにやれば良いと思います。
ただ、私が伝えたいのは、毎日美容院に行きましょう、ということではなく、毎日歯磨きましょう、ということなんです。

他人の靴が高いか安いか、革やデザインがどうか、なんて実際どーでもいいんです。

「高級ホテルや老舗料亭、高級ブランド店では客の足元(履いている靴)を見る」という例えがよく出されますが、これを誤解している方が多いな、と感じます。私も以前高級腕時計を数多く扱う店舗で働いていました。更に私は革靴が好きです。けれど、そんな私でも、そのお客さんの靴が高いか安いか、なんてわかりません。わかっても、実際どーでもいいです。それで対応が変わることは全くありません
実際他人の靴が高いか安いかなんて、わからないんです。何の革使ってようが興味はありません。あくまで自己満足の世界。趣味の領域です。所詮革靴です
それよりも私が見るとしたら(それはホテルや料亭に限らず。ビジネスにおいても)、それは履いている靴が綺麗かどうか、ということだけです。傷だらけでも全く問題はありません。ただし、その傷をちゃんと気に留めているか、まったく関心を払わないかは別です。
傷があっても、きちんとお手入れがされていて、綺麗に履かれていること。それがその人の人となり、性格から育ちまで如実に表します。綺麗にするのに、靴磨きは必要ありません。その代わり、毎日きちんと自分の履いた靴に意識を払っている必要はあります。それがお手入れです。

どんなデザインの靴でも構いません。けれど「サイズ選び」だけは別です。

同様に、このブログでは常々「まずはストレートチップを履きこなしてほしい」と書いてきました。もちろんこの気持ちに変わりはありません。ただ、これもどちらかといえば「趣味」の領域に入れても良いかもしれません。革靴にせっかく興味を持ってくれたのであれば、合わせて知っておいて損はない、紳士靴のスタンダードです。

新年度を迎え、この時期は新しい革靴を買う人が増えます。 新しく社会人になった人は1ヶ月が経ち、就職活動で散々履いた靴がそろそろ傷み始める時期。また1足では厳しいと感じたり、先輩たちのお洒落な革靴を見...

ただ、この選び方も、実際はどんなデザインの靴でもいいんですよ。面倒なら眉間にしわ寄せて考えなくても良い。繰り返します。結局は所詮革靴です
けれども、「靴の選び方」にも同様に、全く興味のない人でも知っておいてほしいことがあります。
それが、「自分の足に合った靴を選ぶ」ということです。
これも「毎日ちゃんと歯を磨こうね」ということと同じくらい大切だと思っています。なぜなら、私たちは毎日靴を履いて歩くからです。

心から身体まで。大げさではなく様々な不調は足から来ていることが多い。

靴の正しい履き方、脱ぎ方、紐の結び方、更に、足に負担のかからないサイズと形の靴を選ぶ、ということ。
これらは本来は非常に大切なことです。大げさではなく、時に命に関わることでもあります。

あなたの靴はいいです。好きなもの選んで下さい。大人のあなたにまで強制はしません。もう手遅れな人もいるかもしれませんし。けれど、もしあなたが今何かしら足や腰、背中や頸といったどこかに歪みや辛さを感じてい...

けれど、小さい頃に親に教わった、という人は少ないでしょう。なぜなら、親も知らないからです。
正しいサイズの靴を履かない、適当に靴を選ぶことがあなたの心と身体に及ぼす影響というのは、あなたが思っている以上に大きいです。
もちろん「外反母趾」「内反小趾」から「足が臭い」「足がムレる」「浮腫む」といった足に直接くる分かりやすい症状もあります。ただ、足というのは一歩踏み出すたびにその衝撃を受け止め、腰から背中、首、そして頭まで伝わります。
よくご高齢の方が、今まで田畑に出ていた時はボケもせず頭も冴えていたのに、ちょっと転んで数週間歩けなくなっただけでボケた、という話を聞きますが、足から受ける刺激というのは、良い面も悪い面も含めて大変大きいです。
また、人間の身体というのは、何か障害を抱えた時に、それを補おうと、様々な部分を矯正して適応させようとします。例えばサイズの合わない靴を脱げないように指先に力を入れながら引きずるように歩いていたら、その歩き方でストレスを感じないように、歩き方を無意識に矯正するのです。
私たちは、一歩歩くたびに、身体の様々な部分に影響を与えています。
膝の痛みから足の張り、腰痛から背中の張りまで、たとえ今の歩き方が原因だったとしても、身体はその歩きグセを覚えます。
大げさな、と言われるかもしれません。ただ、今例えば近視でメガネなりコンタクトを使われている方。子どもの頃、まだ目が良かった時に散々注意されませんでしたか?にもかかわらず、その習慣は変わらずに、結局近視になったのではありませんか?虫歯も同じですよね?突然なるわけではない。
常日頃の小さな見えない蓄積なんです。

所詮靴のことなんです。ただ、2つだけ覚えて下さい。

「靴のお手入れ」の方法と、「自分にとっての正しい靴のサイズ」の選び方です。
靴を磨かなくても構いません。そうしたことは面倒ならプロに任せましょう。
ただ、綺麗にだけはしておきましょう。歯を磨いたり、顔を洗うのと同じです。いくら個性だ、人それぞれだ、と言っても、汚いよりは綺麗な方が自分も周りも気持ち良いですよね?
それには大した道具は必要ありません。ブラシと布だけで十分です。そして、1分で終わります。もうこのブログでは定番中の定番になってしまったので、今更かもしれません。
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どんなデザインの靴を履かれても構いません。好きな靴を履きましょう。ただ、サイズ選びだけは、プロに任せましょう。自分の足に対する先入観をすべて捨てて、信頼できるプロを見つけましょう

多くの方は「革靴は固い」「革靴は痛い」と思われているのではないでしょうか。そして、何となく靴屋さんに行って、今の足のサイズを測ることもせず、適当に「足に合いそう」な靴を選んでいたのではないかと思います。足に合った靴を選ぶ方法は実はシンプルです。そこに難しい知識や経験は一切要りません。大切なことはたった一つです。

このブログでは少々マニア向けだったり専門的なことも書いていますが、基本的なことも書いています。わからない部分は「マニア向け」だと思って構いませんので、参考にしてみてください。

大切なことだけれど、恐らく親からも教わらないまま大人になってしまうこと。

「靴のお手入れ」と「靴磨き」を私が分ける理由。

他人の靴が高いか安いか、革やデザインがどうか、なんて実際どーでもいいんです。

どんなデザインの靴でも構いません。けれど「サイズ選び」だけは別です。

心から身体まで。大げさではなく様々な不調は足から来ていることが多い。

所詮靴のことなんです。ただ、2つだけ覚えて下さい。

  • 大切なことだけれど、恐らく親からも教わらないまま大人になってしまうこと。
  • 「靴のお手入れ」と「靴磨き」を私が分ける理由。
  • 他人の靴が高いか安いか、革やデザインがどうか、なんて実際どーでもいいんです。
  • どんなデザインの靴でも構いません。けれど「サイズ選び」だけは別です。
  • 心から身体まで。大げさではなく様々な不調は足から来ていることが多い。
  • 所詮靴のことなんです。ただ、2つだけ覚えて下さい。