このテーマについても書こうかな、とちょうど思っていたところに、本日ASUSが国内初の16インチChromebookを発表、そのモデルが「第12世代Intel Core i3-1215U搭載、8GB RAM、128GB SSD」で「価格99,800円」でしたので、ちょうど良いタイミングかな、と思いました。
日本初を謳う16型Chromebook「ASUS Chromebook Flip CX5 (CX5601)」販売開始 – エルミタージュ秋葉原
このモデル、あなたはどう思いますか?
まぁこうしたハイスペック、(Chromebookとしては比較的)高価格帯のモデルが発売されるのは初めてではありません。なので、このテーマは散々今までも扱われてきてはいるのですが。
で、あなたがどういう意見をお持ちであれ、それ自体はもう全然OKで、あなたに合うスタイルでChromebookを楽しく使って頂ければ、と思っています。
それって別に否定するものでも間違っているものでもないからです。
今回の話に関しても「低価格、低スペックのChromebookは価値がない」とか「本来のChromebookではない」といったことではありません。
ただ、ハイスペックモデルを使っている人って基本的にロースペックモデルの価値や存在を全く否定していないのに、何故かこの手の話題って反対に「ハイスペックモデルは意味が無い」「本来のコンセプトとは違う」「この価格買うなら他OSのPC買う」みたいな話になっちゃうんです。
それもあって「コンセプト」的な話を先日したんですが、
言いたいのは「ハイスペックが合わない」というのは、真実とか正解、不正解、という話ではなく、あくまで「その人の好みや価値観」の話なんですね。
なので、それ自体は何ら問題もなければ間違ってもいませんし、OKなんです。
ただ、思うのは、自分と違う価値をChromebookに見出しているユーザーもいるわけで、その辺に関してはお互いに攻撃し合う、馬鹿にし合う空気は哀しいな、と感じています。
その辺り踏まえた上で、この後の話、「私の思うハイスペック・高価格帯のChromebookの良さ」という視点で「あぁ、こういうところに価値を感じている人もいるんだね」といった多様性を認める広い心で眺めて頂けたら、と思っています。
私は一時期30万円弱のChromebookをメインPCとして使っていました。
さて。どこから話そうかな。
とりあえず、前提として私自身の状況からお話しすると、私自身はハイスペックモデルからロースペックモデルまで今まで25台以上購入してきました。今一番使っているモデルは普及価格帯のスタンダードなラインのモデル。つまりハイでもローでもなく、敢えて言うならミドル、標準的なモデルです。価格は私自身は4万円台で買いました。
ただ、それとは別にスペック盛々、保証も有償の5年に延長しているフル構成の法人向けのハイスペックモデルも使っています。確か基本価格で50万円近かったものを、諸々して頂いて30万円弱で購入した気がします。
多分、多くの方にとっては「Chromebookで30万円とかw」って思われると思うんですよね。
私も基本的にこれはかなり特殊な例だと思っていますし、誰かに勧める気もありませんが、購入当時の私の諸々の用途においては、この構成、この価格のChromebookが最も使いやすく、実際使用頻度も高く、また満足感も高かったので、今でも後悔はしていません。
では、今もそのモデルを使っているのか、というと、今の私自身のPCの用途においては、使用は限定的になっています。でも、使っていない訳ではなく、今でも必要、というかこのモデルが重宝するシチュエーションもあるので、今でも全然現役です。
それは単に私が今、YouTubeチャンネルで動画も出していますので、動画編集も行いたいですし、前回ご紹介したように、画像編集をスッキリさせたいので、という理由であって、だから「ハイスペックモデルに価値がない」という風に意見が変わった訳ではありません。
もし私が、購入当時とPCの用途や使う場所、状況があまり変わっていなければ、今もそのモデルが最も使用頻度が高いと思いますし、そうした状況が今後数年以内にまた来ないとも言えません。
で、そんな使用頻度が高くなるPCに対してお金をかける、というのは、別に不思議なことではないと思うんですね。
その時にメインで使うPCに快適さを求めてお金をかけるのは普通にあると思います。
確かにChromebookは低価格、低スペックでも他OSの同じくらいのPCに比べると、特定の用途においては比較的快適に動きます。
なので、そこに価値を、というよりも、そこだけに価値を感じている人がいるのも全然普通だと思っています。そして、実際、今市場でもそこが受け入れられている、受け入れられやすい魅力だと思っています。なので、私もそこに対して何ら反論も、間違っている!という気持ちもないんです。
ただ、私の場合は、その一定の期間においては、本当にメインの作業PCであり、仕事用のPCでもあるわけです。
となると、少なくともその期間においては、Chromebookの魅力は、私の中では「安さ」でも「低スペック」でもないんです。
反対に一般的に言われている「出来ることが限られている」「○○が使えない」といったデメリットも、私のその時期において「別に限られていても、それ以外使わないし」「○○使わないからなぁ」というのであれば、何もデメリットでもないんですね。
ということは、それらのデメリットがあるから他OSのPCのほうが良い、という話にもならないんです。
そして、その時期の私の使い方においては、他OSのPCに比べて、Chromebookのほうが「うまく説明できないけれど、何かと使い勝手が良かった」ということです。
となると、自分が使わない○○が使えないことは何のデメリットでもないし、普通にChromebookを選ぶんですね。
そう考えたとき・・
メインで使うPC、よく使うPCは私にとっては大切な仕事道具でもあります。
となったら、そのメインの仕事道具に求めるのは(勿論価値観は人それぞれですが)私にとっては「液晶の見やすさ」や「キーボードの打ちやすさ」「タッチパッドの反応の良さ」や「持ち運びやすさ」といった部分になります。
そういう部分をこだわっていくと、当然その分価格は上がっていきます。また、その時期は当然メインとして使っている時間も長い訳で、となるとより快適な処理速度が欲しくなるんですね。
例えメインPCであろうが、Chromebookである以上、低スペックを使わなければならない
というのは変ですよね?
私にとってはChromebookだから性能はこうでなければならない、という意識は全く無くて、仕事も含めてその時期に最も使う道具に対して(別にChromebookであろうがWindows PCであろうがMacBookであろうが)お金をかけて更なる快適さを求めた、というだけです。
「Chromebookに限っては」いくらメインであってもお金をかけるのはおかしい、というのは何か変ですよね?
「でも出来ることが限られているし」という反論は流石にないとしても、「でもChromebookで出来ることって、別にWindows PCやMacBookでも出来るよね?」という反論、疑問はあるかもしれません。
なので、ここでちょっと別の例を出してみたいと思います。それが、先ほども触れた、今私が「動画編集もやるようになった」という部分です。
私は25年来のWindows PCユーザーで、自宅デスクトップはGPUも20万超えてますし、64GB RAM載せてますし、プロセッサーも今でも十分にハイスペックです。
なので、「動画編集」においても、書き出し速度含めて、基本的にはWindows PCで行うのが、本来であれば、一番快適で、一番自然だと思うんです。
でも、実は最近、動画編集はMacBook使ってます。
これは別にM1 ProがそのハイスペックのWindows PCよりも性能が上か下か、みたいなベンチマーク的な話ではなくて、単純に、
何かMacBookのほうが動画編集しやすいんです。あと、しようという気になれるんです。
同じ編集ソフト(Adobe Premiere Pro)使ってるのに。
正直書き出し速度や全体のサクサク感は(どちらも不満はないのですが)Windows PCのほうが(まだ)上です。でもMacBook使っちゃうんですよ。
何ででしょう?
これと同じことが、先ほどの「でもChromebookで出来ることって、別にWindows PCやMacBookでも出来るよね?」という疑問にも当てはまるんですね。
要は、何か楽だったり、何か使いやすい、ということなんです。
Chromebookで出来ることって、確かに限られているかもしれませんが、例えばChromeブラウザーで行うことに関しては、流石にChromeOSと言われるだけあって、他OS以上に最適化されています。
また、Webサービスやクラウドとの連携の自然さ、スムーズさなどにおいても、何か細かい部分の一つ一つが「微妙に」、「より」使いやすいんです。
なので、その時期の私の用途においては、Chromebook使っちゃった方が楽、ということなんですね。
となると、当然使用頻度が上がる訳ですが、その時にネックになってくるのが、結局処理速度や、先ほど挙げたような細かい部分の質なんです。
折角ChromeOS自体は使いやすいのに、キーボードが打ちにくい、タッチパッドの反応がイマイチ自分のテンポと合わない、処理速度が微妙にワンテンポずれる、持ち運ぶのが億劫になる、何か使っていて気持ち良くない。
その時期の私にとってメインのPCであるだけに、Chromebookであるから、という理由で「安いモデル」しか選べないのだとしたら、私にとってはChromebookは、その時期の私の用途においては、折角OSやUI自体は快適なのに、結果として快適ではなくなってしまうんです。
となれば、自分にとって満足のいく、満足感のある価格帯の、ハイスペックモデルを選ぶ、というのは自然な流れだと思っています。
私の用途にとっては6万円のWindows PCは全く価値がないけど、10万円のChromebookは価値がある理由。
で、よくある意見として「その値段出すならWindows PC買う」というのがあります。
多分その人にとっては、例えば「6万円出すなら、同じ値段のWindows PCを本当に買う」のかもしれませんが、私の場合は「6万円のWindows PC」買いません。
だって、既に先ほども触れたように、普通に50万近くお金掛けたハイスペックのPCが自宅にあるからです。あと、MacBookもあるのに、私の中で敢えて6万円のWindows PCを買っても、用途が全く思い浮かばないからです。
買っても使わないからです。
その意味では、私自身も時々Chromebookを買う度に「金持ちだな」って言われるんですが、別に金持ちな訳ではありません。金持ちなら例え使わなくても、6万円のWindows PC買うのかもしれませんが、私は6万円もしあるなら、もっと他のことに使いたい、と思うからです。つまり、他の趣味をお持ちの方と同じです。
別に金が有り余ってる訳でも金持ちな訳でもなく、自分にとって必要だと思う部分に関しては、なるべく買える範囲内で良いものを選んでいる、というだけです。
これは言い方を変えれば、先ほどまで何度も触れていますが、数年前の30万円でChromebookを買った時と、今の私とでは状況が違います。
今の私にとって、同じ30万円で買うとすると、自分の用途を考えると、どうしてもChromebookがベストではない部分も色々あるので、自分のメインPCや環境部分にお金をかけると思います。
それはWindows PCかもしれませんし、MacBookかもしれませんし、もしかしたらスマホやタブレット、デスク周りの環境かもしれません。
ただ、では私にとってはハイスペックのChromebookが全く価値がないか、と言われると別で、こうして6年以上使い続けてきているように、私にとっては何だかんだと「Chromebookが楽だったり、Chromebookを使った方がやりやすい」作業が色々あるんですね。
となると、30万円のChromebookは確かに買わないかもしれませんが、自然と最新モデルでも10万円前後のモデルも選択肢に入ってくると思います。
そして、また私の中で、数年前のような使い方がメインになったとしたら、その時には当然、その時のメインであったり、使用頻度が高い道具に妥協はしたくないので、普通にその時私が出せる予算内で最良のChromebookを買うかもしれません。
その時には、私の頭の中には「Chromebookだから安くなければ」みたいな意識は特にありません。
「Chromebookだから、こうでなければならない」という価値観を一度取り払って、他と同じく道具だと考えてみると世界が広がります。
ということで、長々と書いた割には、イマイチ分かりにくい、ピンときづらい内容だったかもしれません。
ただ、私は「Chromebookだからこうでなければならない」という意識を一度取り払ってみると、もっと自由に(Chromebookに限らず)選べるんじゃないかな、と思うんです。
その結果として「今の自分の使い方においては、コスパ最優先で、Chromebookは1万円の価値しかないけど、1万円のおもちゃとしては価値がある」と思うのであれば、それは1万円のモデルを探せば良いと思います。私はそれを間違っているとは全く思いません。そんな人が5万だ10万だといったChromebookを買っちゃいけません。
コスパ悪いから。(コスパ最優先の人であれば、コスパは大切ですよね?)
ネットを眺めていると「何か最近、Chromebookで出来ることしかしてないな」といった声を目にすることもあります。
Chromebookでも出来ることしかしていなかったとしても、それでも勿論他OSのPCを使ったほうが快適だし満足感が高い方もいると思うし、いて良いと思います。
反面、最も使用頻度の高い道具により快適さを求めたり、そのためにお金をかける、というのは、別に不自然なことじゃ無いと思うんですね。
ただ、それがChromebookだと聞いた途端、何故か多くの人は「Chromebookにお金をかけるなんて」「ハイスペックを求めるなんて」と急に感じてしまうのかなぁ、と。
それくらいChromebookって他にはない良さが多くの人には分かりづらいし、お金をかける理由が分かりづらいし、だから「コンセプト」とか「出来ること出来ないこと」「それだったら○○で良くね?」みたいなものを求めてしまうのかな、と思いました。
ということで、まとめです。
Chromebookでも、お金をかければ、かけただけの快適さが得られます。
Chromeブラウザーで出来ることしか出来ない、と言われますが、実際使ってみると、性能差はしっかりありますし、それがそのまま快適さに繋がってきます。
また、勿論やってること自体は他OSのPCと同じだったとしても、WindowsとmacOSで使い勝手が違うように、ChromeOSもまた使い勝手が違います。
そして、結果としてその時に使用頻度が高い、しかも自分にとってより快適に使いたい、快適だったら良いのにな、と思うモデルが、たまたまその人にとってはChromebookだった、ということがあっても、何も不思議ではないんじゃないかな、と思います。
なので、別に誰もが腑に落ちる説明では無いとは思いますが、「自分が最も使う、使いたいモデルにお金をかける」感覚が何となく分かる方もいるかなぁ、と。
であれば、それが例え「Chromebook」と知ったとしても、その途端に掌をかえして「Chromebookはあり得ない」ではなく、「そういう人もいるんだなぁ」と思って頂けたら、そしてそこにユーザー間で溝のようなものが出来たり、変な軋轢が生まれたりしなければ良いな、と願っています。