2022年1月21日から再開したかぶろぐ。それに合わせて、私の普段使い用のChromebookを新調しました。
既に私のTwitterをご覧頂いている方はある程度予想が付いていたかと思いますが、今回選んだモデルが富士通のFMV Chromebook WM1/F3(Amazon.co.jp 限定モデル)です。
そこで今回は私がこのモデルを選んだ視点についてご紹介したいと思います。なお、当然のことではありますが、この視点が誰にでも当てはまるわけではありません。ただ、今後どのChromebookを選ぶかを検討する際の参考にしてもらえたら嬉しいです。
既に6年、30台近く使ってきた私が趣味とは少し離れた視点で今更新たにChromebookを新調しようと思った理由。
私は既に6年間Chromebookを日々使ってきているユーザーです。また、既にハイエンドから普及価格帯まで25台近く購入してきましたし、貸出も含めれば30台を超えます。手元にも既にハイエンドモデルも幾つもありますし、そう考えると敢えて追加で一台検討する必要はないかもしれません。「それより今持ってるモデル使えよ」と思われる方もいるかもしれませんが、そこはこうしたブログを公開している者、そして趣味としても楽しんでいるユーザーとしての視点としてご理解ください。
さて。今回新調するにあたって、またしようと思ったきっかけというのは簡単で、
「現行の普及価格帯スタンダードモデルを長く使う」と考えたときに、どの程度の快適さと使用感が得られるのかを日々使う中で感じておきたい。
というものです。ただ、よくあるレビュー的な一時的に触ってベンチマーク等をとってまとめる、といったことではなく、私の中で長く使い続けられるモデル、という視点で選びたかったのもあります。何故なら、今新たにChromebookを検討されている方の多くは、私のような特殊なマニアではなく、恐らく一度買ったらなるべく長く使いたいし、使いたいと思えるような快適さや使い勝手の良さを求めると思うからです。
私のような趣味でもあって次から次へとハイスペックモデルを買い足すような人間なら別です。少し気になる部分が出ても、また買い直せば良いですし(お金がある、という意味ではなく、趣味なので)そうした視点で一つ一つのモデルを眺めることが出来ます。でも、普通はそうではないと思うんですね。
私はこのブログやYouTube、Twitterや電子書籍などで日々Chromebookの情報を発信し続けていますが、であるために、いつの間にかこうした視点、感覚が抜けてしまっているのではないか、と感じることがあります。
そうしたこともあって、昨年はじめに始めたのがかぶろぐです。その中で、もちろん誰にでも当てはまる視点ではないかもしれませんが、私が私なりの今までの知識と経験から考えて、価格面、性能面、その他諸々含めた上で、一台選ぶとしたらこのモデルであり、それをどんな風に使い続け、そしてその場合の使い勝手や、使いにくい点はどこか、といった情報を発信していけたらいいな、というのがきっかけです。
ということで、今年に入って再始動したこのかぶろぐ、2022年1月の時点で私の視点で選んだモデルが、昨年末に発売されたばかりの富士通初のChromebookである、FMV Chromebookでした。
なお、このモデルについての基本的なレビューに関しては、上記の2つの文章で書いていますので、興味を持たれた方は合わせてご覧頂けますと嬉しいです。
今回FMV Chromebookを選ぶに至った3つの視点。
ということで、今回モデルを選定するにあたって私が重視した点を挙げたいと思います。それが、
- 主な用途がWeb閲覧をしながらの文章作成、ブログ更新なので、文章入力がしやすいこと。
- 折角なら色々試してみたいので、なるべく拡張性があること。
- 現時点で過度にハイスペックでも高価格帯でもないこと。
です。それぞれ触れていきます。
主な用途がWeb閲覧をしながらの文章作成、ブログ更新なので、文章入力がしやすいこと。
まずは「主な用途がWeb閲覧をしながらの文章作成、ブログ更新なので、文章入力がしやすいこと。」
これは決して特殊な使用例ではなく、Chromebookを使おうと考えている方なら、ある程度想定している用途ではないでしょうか。私の場合はこのブログの更新で使うことが多いですし、それ以外にもメール(Gmail)での返信や、普段からGoogle Document等を使うことも多いので、まずは文章入力がしやすいこと、が条件になります。この際に私の中で必要な条件があります。それが、
- キーボードの打ちやすさ。
基本的に英語(US配列)キーボードが望ましいが、日本語(JISかな配列)でも場合によってはあり。 - 液晶がある程度見やすいこと。また、ある程度の広さと解像度があること。
どちらも「インプット(指で打ち込む)とアウトプット(目で判別する)」という最も接する時間の長い部分に関わるだけに、私の中ではもしかしたら一般的なスペック以上に最優先な条件かもしれません。
その中で、「基本的に英語(US配列)キーボードが望ましい」と書いたのは、もちろん普段から英語(US配列)に慣れていることもあるのですが、それ以上に前回の文章でも触れたように、現時点ではChromebookにおいては「日本語入力のことを考えて作られた」日本語(JISかな配列)キーボードがほとんど存在していない、という事情があります。
ただ、今回のFMV Chromebookに関しては、そうした中でも(個人向けモデルとしては)貴重な、富士通の今までの財産を活かした、日本語キーボードとして最初から丁寧に作られたキーボードである、というのが大きかったです。
英語(US配列)キーボードのモデルも含めて考えてみても、現時点でここまでちゃんとキーボード、キータッチに力を入れたモデルは他ではほぼありません。その意味で、英語(US配列)キーボードを愛用する私であっても、今回は「日本語(JISかな配列)キーボードでも良い」、むしろこれにしよう、と思えたモデルでした。
世の中でどんなに評価の高いキーボードであっても、自分にとっては打ちづらい、ということもありますし、そんなキーボードでもしばらく使っていると慣れてくる、など感覚に左右される部分も大きいと思います。
なので私も別にFMV Chromebookのキーボード以外はダメ、と言いたいわけではありません。ただ、私の中では前述の記事のような理由もあり、どうしても日本語(JISかな配列)キーボードで使う、となると、現時点ではこのモデルになる、ということです。
そしてアウトプット(目で判別する)について。これは液晶の見やすさです。私の個人的な事情もあるのですが、最近は小さい画面が厳しくなってきたこと、またラップトップPC自体がなかなか辛くなってきたこともあり、なるべく大きめの液晶サイズのモデルを選ぶようになりました。
私の中ではモバイル性はそこまで重視していません。いくらコンパクトで持ち運びやすくても、外で使うのが(私的に)辛いモデルであれば、いくら持ち運んでも使わないですし、それでは意味がありません。
ということで、最近は13.3インチ〜14インチ以上の液晶サイズ、また複数ウィンドウを同時に開いて作業することも考えると解像度もFHD(1,920×1,080)以上であることが最低条件でした。
と同時に、もう一点重視したのが液晶パネルです。視野角が広く、クッキリした映りとなるIPSであることも勿論ではあるのですが、もう一つ、画面が「ノングレア」である、という点です。
最近のChromebookは液晶が360度回転するコンバーチブルタイプが多くなりました。このことでタブレット的にも使える、またAndroidアプリ等も使える、更にスタイラスペンにも対応、といった付加価値をつけたことで、画面が鮮やかさはあるものの反射、映り込みの起きやすい「グレア」のものが大半となってしまいました。ただ、これ、長時間画面を見続けて文章を作成したりする私のようなユーザーにとっては、目に優しくないんですね。
また、コンバーチブルタイプになると、どうしても可動域が増え、そのための耐久性を増すために、どうしても本体重量が重くなりがちです。私が求める14インチ前後になると、1.6kg前後が一般的となります。私にとってはコンバーチブル自体が不要なのに、それで重くなるのは意味がありません。その点で、数少ないクラムシェル(従来の一般的なノートPCタイプ)であり、重量も約1.3kgと比較的控えめであるこのモデルは数少ない選択肢でした。
折角なら色々試してみたいので、なるべく拡張性があること。
今回のモデルは私にとっての日常の道具であると同時に、前述のように
「現行の普及価格帯スタンダードモデルを長く使う」と考えたときに、どの程度の快適さと使用感が得られるのか
を色々試してみたい、というのがあります。普段ハイスペックモデルばかりを使っていると、この視点を忘れがちですが、実際に現行モデルではどの程度の使用感、体感速度や快適さがあるのか、を色々試してみたかったんですね。
となると、そうした色々なことを試すためには、出来ればある程度の拡張性を本体自体が持っていてほしい、というのがありました。その際に重視したのがインターフェース(端子)類の充実度です。
最近はモバイル性を重視したモデルであれば、USB-C端子が1〜2個のみ、といったものも少なくありません。まぁ実際USB-Cハブやドックといったものを使えばいくらでも拡張は出来るのですが、今回は出来れば「拡張性はなるべく本体のみで完結させたかった」んですね。
いくら軽くてモバイル性に優れていても、別途USB-Cハブなどを持ち歩くのであれば、結局その分重くなりますし、かさばります。本体は軽いのに、諸々のアクセサリーを加えたら、結局大して変わらなかった、というのでは、あまり意味がないかなぁ、と。
現時点でどういった用途を試せるかは色々イメージしている段階ではあるのですが、例えば先日話題にしたクラウドゲームサービスであるGeForce NOWやXbox Cloud Gamingを楽しむのであれば、もちろんキーボードと外付けマウスでも良いですが、ゲーミングパッドでも遊びたい、と思いました。
マウスであれゲーミングパッドであれ、外部接続になるわけですが、ChromebookにおいてBluetooth接続は、最近はだいぶ安定してきたとはいえ、6年前から使ってきている私にとってはまだ安心して使えない印象が残っています。
また、入力デバイスは(考え方が古いかもしれませんが)遅延やチャタリングといったことを考えると、なるべくなら有線か、専用の無線ドングルを使いたい、と思っています。となると、それだけでUSB-A端子が必要、それも1つではなく出来れば2つ欲しいところです。USB-C端子も同様で、場合によっては充電しながら、もう一つのUSB-C端子を使いたい場合も出てきます。(実際、私の想定する使い方によっては、ほぼすべての端子が埋まりました。)
また、私の場合、YouTubeでの配信もしていますし、自宅では外部液晶モニターに繋いで作業したいときもありますので、HDMI端子が一つあるだけで非常に助かります。
で、こうした条件をほぼ満たしたモデルの一つが、今回のFMV Chromebookだった、というわけです。
現時点で過度にハイスペックでも高価格帯でもないこと。
さて。そうした基準でモデルを選定していった訳ですが、今回特に意識した点があります。それがこの「現時点で過度にハイスペックでも高価格帯でもないこと。」という視点です。
ここまでで触れてきたように、私自身は20万円を超える法人向けのハイスペックモデルから1~2万円のモデルまで幅広く使ってきましたし、基本的にはその中でもハイスペックのモデルを好んで使用しています。なので、私の中でのChromebookの身軽さ、手軽さ、快適さなどの基準はどうしてもハイスペックモデルになりがちです。
ただ、ではそれを多くの最近Chromebookに興味を持たれた方に当てはめることが出来るのか、というと、それは難しいと思うんですね。幾ら私が「快適です」といっても
「そりゃ、10万円を超えるCore iプロセッサーを搭載したハイスペックモデルを使えば、Chromebookでなくても快適だよね」
と感じる方がいても不思議ではないと思うんですね。それでは意味がないなぁ、と。ハイスペックモデルが快適なのは既に散々自分でも分かっている訳ですから、ここは2022年1月、現時点でのChromebookにおける標準的な、スタンダードなスペックのモデルで、様々な用途において、果たしてどのくらいの快適さで使うことが出来るのか、というのを見てみたいな、というのがありました。また、価格も同じで、誰もが10万前後のモデルを検討出来るわけではありません。であれば、こちらもスタンダードだと思われる価格帯である必要があります。
さて、ここで当然問題となってくるのが、Chromebookにおける普及価格帯スタンダードモデルの基準となる価格、というのは明確に定められている訳ではない、ということです。
そして、最近では国内市場においても、毎年出てくるラインナップが充実してきたこともあり、少し前の型落ちモデルであれば、どんどん価格が下がり、ひと世代からふた世代前のモデルであれば、普通に2~3万円で買えてしまう、ということです。そして、恐らく多くの方にとってはChromebookの価格のイメージってやはりこの辺りではないか、と思うのです。
ただ、私は今回、この2~3万円を「国内普及価格帯スタンダードモデルの基準」とはしたくありませんでした。何故ならそれは、
あくまでこれらは現行モデル(つまりその年の最新モデル)があることが前提としてあるから成立している、型落ちだからこその価格
だからです。そして、この数年、国内だけでなく、海外も含めてのChromebook市場を見てきた限りでは、あくまで最新モデル、それはハイスペック、という意味ではなく、その年、その時点での標準的なモデルの設定価格は基本的には4~5万円だと感じています。
また、「低価格低スペックで」「昔は安かった」は未だに言われますが、Chromebookが初めて出た10年近く前から、基本的に最新モデルの相場は300ドル~400ドル、またその頃から普通に700ドルや800ドル、1000ドル超えといった当時のハイスペックモデルもあったことが忘れられがちな点は指摘しておきたいと思います。
ということで、私は現時点でも、基本的に長く使うつもりで選ぶのであれば、端末のサポート期間である自動更新ポリシーのことを考えても、その年かせめて半年以内に発売されたモデルを基準に選んで欲しい、と思っていますし、その場合の価格帯の基準はやはり4~5万円程度だと考えています(もちろんその後のセール等の価格は考慮に入れていません。あくまで標準価格での基準です。)
となると、FMV Chromebookの場合、当てはまるのはAmazon限定のCeleron搭載モデルです。
個人的には、以前の同モデルのレビューで触れたように、
「もう1万円出せるなら」「もう少し出せるなら」(Chromebookに採用されている中では)最新世代のCore i3プロセッサーを搭載した上位モデルをオススメしたいところです。それは性能、というよりも体感差でも全く違ってくるからです。
なので、私のようなユーザーであれば、基本的にはもう1万円出してもi3モデルを選ぶところかもしれませんが、それだと当初の目的からズレてきます。基準となる価格(予算)をオーバーしますし、それでは普及価格帯スタンダードのスペックではありません。
という若干特殊な事情ではあるのですが、そうした理由から今回はAmazon限定モデルを選択しました。
現行モデル、それも4~5万円前後が最もバランス良く長く使えると思います。
かぶろぐとしては長めの文章になりましたが、以上が今回私がFMV Chromebookを選んだ理由と視点です。
冒頭でも触れましたが、これらはあくまで私にとって重視した点を考慮に入れた選択と視点であり、この視点が誰にでも当てはまるわけではありません。中にはとにかく多少型落ちでも良いし、キーボードなんて打てれば問題ないから、もしくは何よりモバイル製を重視したい、Androidアプリを使いたい、といった理由で他のモデルを選ばれる方もいると思います。勿論それで良いと思っています。
ただ、単純なベンチマークスコアの比較だけでコストパフォーマンスを考えるのであれば、もっと良いモデルもあると思いますが、私の場合は今回挙げたような、数値に出にくい部分を重視した結果の選択となりました。
こうしたキーボードの打ちやすさなどは分かりにくいため、特に「安いことがメリット」「安さこそが存在意義」と思われがちなChromebookにおいては理解されにくく、またメーカーも真っ先にコスト削減の対象にしやすい部分でもあるとは思うのですが、こうした細かい部分の使い勝手も場合によっては快適さに大きな影響を与えることがあるということが伝われば良いな、と思っています。
もちろん余程気に入ってでもいない限り、何種類も、幅広いモデルを試すことは出来ないとは思いますが、だからこそ、今回の私の選択のような基準とともに、Chromebookといってもピンキリで、用途によって快適なモデルも違うということに気付いて頂けたらいいな、と思っています。
ということで、今回選んだFMV Chromebookを日々使いながら引き続きかぶろぐも発信していきたいと思います。
ベースモデルである14F(FCB143FB)はオープン価格ですが、富士通のWEB MARTでは82,280円、ビックカメラ.comでは文章作成時点で76,780円(7,678ポイント還元)となっています。
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