2020年後半に入り、国内Chromebook市場が更に活気づいてきました。特に8月以降、各社立て続けに新モデルを発表し始め、日々Chromebookの情報を追い続けている私も少し気を抜いていたら完全に置いていかれました。
ということで、今回ひとまず私自身のリハビリも兼ねて、ここ最近に発表された、3メーカー11モデルのChromebookをまとめたいと思います。
Chromebookを新たに購入する際に気に留めておきたいポイント。
大体このあたりの話を始めると長くなり始めるので今回はコンパクトにまとめます。「なんで?」と思った方はこのブログの今までの記事を時間があるときに眺めていただければ、と思います。
以前に比べると日本語で書かれたChromebook関連の情報が一気に増えてきました。これからChromebookを買おうかな、と思っている方、特にまだChromebookについてよくわかっていない方は却って混乱してしまうのではないかと思うのですが、とりあえずそれらはすべて忘れてしまって大丈夫です。とりあえず迷ったら、
最新モデルを買いましょう。
数年前までは選択肢も価格帯も非常に限られていた国内市場ですが、正直最近はメインの北米市場と比べても決して見劣りしないほどのラインナップになってきています。敢えて見劣りするとすれば、ハイスペックモデルくらいでしょうか。まして今回挙げるように、この時期まさかの3メーカー11モデルの登場です。正直余程自分の中でほしいモデルのイメージが明確になっていない限りこの中から選んで問題ありません。
正直今回挙げる11モデル以外に選択肢を広げると混乱して身動きが取れなくなる可能性もあります。Chromebook沼に浸りたい、という方は別ですが、そうでない方はとりあえず他の選択肢は考えなくて大丈夫です。
今回の内容。
当ブログはChromebookに関して非常に長い文章を書くことが特徴です。正直すべてを同じエネルギーで読もうとすると疲れますし、またそんな必要もありません。今回の文章はこのあと、次の順番で話が進みます。興味のある部分だけつまみ読みしてください。
- 2020年10月時点での基準となるモデル4つを挙げます。
購入を検討されている方はこの中から選ぶと失敗が少ないと思います。細かい理由については後半でまとめますが、とりあえず腑に落ちたらこの部分だけで十分です。 - 今回発表、発売された3メーカー11モデルをメーカー別に振り返ります。
どんなモデルが出たのか、最新モデルってどのあたりか興味のある方は眺めてみてください。 - 最初に挙げた4モデルを踏まえて現時点でのスタンダードについて触れます。
前項のポイントで触れた「最新モデルを買いましょう」の理由にもなります。
では内容に入ってきます。
国内海外問わず2020年10月時点で迷ったらこの4モデルから選ぶ。
現在国内では4メーカー(文教法人含めると6メーカー)がChromebookを発売しています。数年前までと違って、現行モデルをすべて挙げるのは正直無意味なくらいに最近は続々と新モデルが日本でも発売されています。
今回の記事のメインはここ数ヶ月に発表された3メーカー11モデルについてのまとめではありますが、それらの情報を抜きにして、文章作成時点(2020年10月6日時点)でどのモデルを選ぶか迷ったらこの4つから好みで選びましょう。
- Lenovo IdeaPad Duet Chromebook
- Acer Chromebook Spin 311(CP311)
- Acer Chromebook 712(C871) Celeron 5205Uモデル
- Lenovo IdeaPad Flex 550i
と言いつつも、4モデルとも今回発表、発売された11モデルの中に入っています。分かりやすいように以下の表でもこの4モデルには黄線を引いてあります。ということで、これらの名前を頭の片隅に入れつつ、興味のある方は次項以降に目を通してみてください。
まずはメーカーごとに新作モデルを見ていきます。
まずは今回発表、発売された3メーカー11モデルをメーカー別に振り返っていきたいと思います。とりあえずどんなモデルが出たのか、メーカーごとに追いたい方は目を通してみてください。
なお、単純にスペック表だけ並べても何がどう違いがあるのか分かりにくいと思いますので、私なりの視点で、
- 他モデルよりも優れている、特長的、魅力的な部分を赤字で。
- 他モデルよりも劣っている、気になる、惜しい部分を赤線で。
チェックを入れておきました。眺める際の参考にしていただけると嬉しいです。
Acer Chromebook(5シリーズ6機種を発表)
北米のChromebook市場では大きなシェアを誇るエイサー、国内でも教育市場向けは以前から精力的に展開してきていたのですが、個人ユーザーは選択肢も販売網も限られている関係でなかなか検討しづらい状況が続いていました。
そうした中、8月25日に国内向けに5シリーズ6機種を発表。その後発売日が延期、修正され10月になりましたが、11.6インチ~15.6インチ、低価格帯からハイスペック高価格帯まで一気に展開してきました。しかも家電量販店等でも取扱いを行う個人向けモデル、ということで、非常に嬉しい状況です。
314(CB314) [製品ページ] |
315(CB315) [製品ページ] |
Spin 311(CP311) [製品ページ] |
712(C871) [製品ページ] |
Spin713(CP713) [製品ページ] |
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CPU | Celeron N4020 | Celeron N4020 | MediaTek M8183C | Celeron 5205U Core i3-10110U |
Core i3-10110U |
メモリ | 4GB | 4GB | 4GB | 4GB(5205U) 8GB(i3) |
8GB |
容量 | 32GB/64GB | 32GB/64GB | 32GB/64GB | 32GB/64GB | 64GB/128GB |
液晶 | 14″(1366×768) 非光沢 |
15.6″(1366×768) 非光沢 |
11.6″(1366×768) 光沢IPS タッチ対応 |
12″(1366x913) 非光沢IPS タッチ対応 |
13.5″(2256×1504) 光沢IPS タッチ対応 USIペン対応 |
タイプ | クラムシェル JIS配列KB |
クラムシェル JIS配列KB テンキー |
2-in-1 JIS配列KB US配列KB |
クラムシェル JIS配列KB MIL-STD 810G |
クラムシェル US配列KB MIL-STD 810G |
その他 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 4.0 | Bluetooth 5.0 Wi-Fi 6 |
Bluetooth 5.0 Wi-Fi 6 |
重量 | 約1.4kg | 約1.63kg | 約1.05kg | 約1.4kg | 約1.37kg |
自動更新ポリシー | 2026年6月 | 2026年6月 | 2028年6月 | 2028年6月 | 2028年6月 |
価格(税込) | 29,800円 | 32,800円 | 39,800円 | 39,800円 6万円前後(i3) |
89,800円 |
発売日 | 10月9日 | 10月22日 | 10月9日 | 10月22日 | 10月22日 |
販売店 | [Amazon.co.jp] [ビックカメラ] [ソフマップ] [ヨドバシ] |
[ビックカメラ] [ソフマップ] [ヨドバシ] |
[Amazon.co.jp (JIS KB)(US KB)] [ビックカメラ] [ソフマップ] [ヨドバシ] |
[ビックカメラ] [ソフマップ] [ヨドバシ] |
[ビックカメラ] [ソフマップ] [ヨドバシ] |
今回のモデルは大きく分けると3タイプ。
価格と液晶控えめの戦略的モデル、314(CB314)と315(CB315)。
まずはCPUにCeleron N4020を載せ、クラムシェル、非光沢のHD(1,366×768)液晶で価格を抑えてきた(3万~3.5万前後)314(14”液晶)と315(15.6”液晶)です。
どちらもJIS配列(315はテンキー付き)、タッチ非対応でWi-Fi 5(Bluetoothは5.0)、他のモデルと違ってIPS液晶ではなく、タッチも非対応なクラムシェルタイプのモデルです。
価格が3万円台ということで、最初の一台として検討しやすいモデルかな、と思います。ただ、液晶サイズが14“と15.6”と大きめでありながら画面解像度がHD(1366×768)であるのは惜しいかな、と。また今回の5シリーズ6機種の中ではこの2機種と次に挙げるのSpin 311がMIL-STD-810G準拠ではありません。また、端末のサポート期間である自動更新ポリシーも2026年8月までとなっています。
スタンダードな11.6インチモデル、Spin 311(CP311)。
続いてスタンダードなモデルであるSpin 311。こちらはCPUにMediaTek製のARM系CPUであるM8183Cを搭載しています。現行Chromebookの大半を占めるIntel製CPU(x86系)に比べてAndroidアプリとの相性が比較的良いのが特長。MediaTekはご存じない方もいるかもしれませんが、Chromebookでは以前から採用されてきたメーカーですし、Chromebook向けのCPUを精力的に発表してきたりと存在感を増してきています。最近では国内でも人気のLenovo IdeaPad Duet Chromebookで同社のHelio P60Tが採用されていますね。
魅力は約1.05kgという質量。そしてこの価格帯としてはありがたいIPS液晶ということもあり、比較的液晶はクッキリ、見やすいのではないかと思います。解像度がHD(1,366×768)なところは残念と思う方もいると思いますが、11.6”とコンパクトですし、価格等を考えると充分なのではないかと思います。価格が4万円前後と、最近の価格面と性能面の戦略モデルそれぞれの間の空白を埋める価格帯でもあり、今年後半の選択肢の一つとしては面白いと思います。
Celeron 5205UからCore i3まで。ハイスペックな712(C871)とSpin 713(CP713)。
最後にハイスペックモデル。712とSpin 713。頭が7ということで上位モデルであることが分かります。実際に国内ではAmazon限定モデルである一昨年のハイスペックモデル、Spin 13が型番的には同じCP713(旧モデルが-1W、今回のモデルが-2W)なので、正直分かりにくいです。
712が12”、Spin 713が13.5”ということで、末尾の12、13がそれぞれ型番になっています。AcerのモデルはSpinと付くと液晶が360度回転してタブレット的にも使えるコンバーチブルタイプのモデルになります。
CPUはCeleron 5205U(712)とCore i3-10110U(712、Spin 713)と比較的高め。どちらも液晶比3:2と従来のモデルより縦が広めになっています。サイトの閲覧や文章作成時に便利です。
本体はMIL-STD-810G準拠ということで、比較的耐水性や耐衝撃性に優れたモデルです。それでいて重さは約1.4kgと悪くありません。Wi-Fi 6、Bluetoothは5.0、価格はCore i3モデルが6万~9万と普及価格帯モデルに比べれば高めになっていますが、それだけの価値はあるモデルです。特に今回、Spin 713のほうはキーボードがUS配列のまま国内でも出してくれたことは個人的にはありがたいです。
HP Chromebook(CPUリフレッシュ含め3モデルを展開中)
続いてはHP。9月8日に最新モデル、x360 14cを国内向けに発表。同時に現行モデルであるx360 12bと14aのCPUをPentium Silver N5000からN5030にリフレッシュしました。
x360 14c [製品ページ] |
x360 12b(G2) [製品ページ] |
14a(G2) [製品ページ] |
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CPU | Core i3-10110U Core i5-10210U |
Pentium Silver N5030 | Pentium Silver N5030 |
メモリ | 8GB | 4GB | 4GB |
容量 | 128GB | 64GB | 64GB |
液晶 | 14″(1920×1080) 光沢IPS タッチ対応 USIペン対応(別売) |
12″(1366x912) 光沢IPS タッチ対応 USIペン対応(別売) |
14″(1920×1080) 非光沢IPS タッチ対応 |
タイプ | 2-in-1 JIS配列KB(バックライト) |
2-in-1 JIS配列KB(バックライト) |
クラムシェル JIS配列KB(バックライト) |
その他 | Bluetooth 5.0 Wi-Fi 6 指紋認証 カメラキルスイッチ |
Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
重量 | 約1.65kg | 約1.35kg | 約1.33kg |
自動更新ポリシー | 2028年6月 | 2026年6月 | 2026年6月 |
価格(税抜) | i3:76,800円 i5:84,800円 |
64,800円 | 42,800円 |
発売日 | 発売中 | 発売中 | 発売中 |
販売店 | [HP Directplus 公式] [ヨドバシ(i3)(i5)] |
[HP Directplus公式] [Amazon.co.jp] [ビックカメラ.com] [ソフマップ] [ヨドバシ.com] |
[HP Directplus 公式] [Amazon.co.jp] |
x360 12bと14a(G2はGen2の略か)は以前から発売されていた国内でも人気モデルのCPUリフレッシュ版。14aに関しては天板が青色のAmazon限定モデル(CPUがCeleron N4000)と天板がシルバーでCPUがPentium Silver N5000のHP Directplusモデルが併売されていましたが、今回はそのうちのDirectplusモデルが地味にリフレッシュされた形になります。
HPは初値があって無いようなものなので、実売価格で考えると現時点では(旧モデルの価格が下がっていない限り)現行モデルを買うのが無難かな、と思います。ただ、新モデルと入ってもあくまでCPUリフレッシュで同じGemini Lake世代、ハードウェアプラットフォーム的にも同じため、端末のサポート期間である「自動更新ポリシー」は変わらず2026年6月までとなります。
なお、この2モデルはCPUリフレッシュ前のモデルを以前に当ブログでもレビューしています。
こちらも合わせてご覧ください。
今回新たに発売されたx360 14cは従来のハイエンドモデルであるx360 14の後継モデル的立ち位置ではありますが、単純なCPUの世代変更に留まらず、細かい部分でのアップデートが施され、より完成度が上がっています。国内モデルとしては初となる指紋認証を搭載。ここ最近海外でも同じく第10世代Intel Core iプロセッサーを搭載したモデルでは徐々に指紋認証リーダーが搭載され始めていますので、この点は魅力ですね。あとは今回のモデルもUSIスタイラスペンに対応ということで、少しずつUSI対応モデルが増えてきている印象です。
Lenovo Chromebook(IdeaPadとして3モデルを展開中)
昨年まではほぼ教育市場向けモデルのみだったLenovo。今年に入って個人向け市場にも積極的に参入してきています。その第一弾が今回登場したIdeaPad Slimシリーズ。最初に発売されたDuetは発売から今に至るまで国内でも(Chromebookとしては珍しく)コンスタントに話題に上ることも多く、人気のモデルです。
そして2モデル目として先日発売されたのが実売(実質)3万円を切る価格が話題となったSlim 350i。当初は発売日延期や販売店が限られていたり、と入手が若干難しかったのですが、現在普通に入手できるようになっています。
また、海外でも非常に評価が高くよく売れているFlex 5が国内でも登場。こちらは名前をFlex 550iとしてCPUをCeleron 5205Uと少し控えめにしての展開です。
IdeaPad Duet [製品ページ] |
IdeaPad Slim 350i [製品ページ] |
IdeaPad Flex 550i [製品ページ] |
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CPU | MediaTek Helio P60T | Celeron N4020 | Celeron 5205U |
メモリ | 4GB | 4GB | 4GB |
容量 | 128GB | 32GB | 64GB |
液晶 | 10.1″(1920×1200) 光沢IPS タッチ対応 USIペン対応(別売) |
11.6″(1366×768) 非光沢 |
13.3″(1920×1080) 光沢IPS タッチ対応 USIペン対応(付属) |
タイプ | デタッチャブル JIS配列KB |
クラムシェル JIS配列KB |
2-in-1 JIS配列KB |
その他 | Bluetooth 4.2 フロント800万画素AFカメラ |
Bluetooth 4.2 | Bluetooth 5.0 Wi-Fi 6 |
重量 | 約920kg | 約1.12kg | 約1.38kg |
自動更新ポリシー | 2028年6月 | 2026年6月 | 2028年6月 |
価格(税込) | 42,636円 | 33,000円 | 63,800円 |
発売日 | 発売中 | 発売中 | 発売中 |
販売店 | [Lenovo 公式] [Amazon.co.jp(64GB)] [ビックカメラ] [ソフマップ] [ヨドバシ] |
[Lenovo 公式] [Amazon.co.jp] [ビックカメラ] [ソフマップ] [ヨドバシ] |
[ビックカメラ] [ソフマップ] [ヨドバシ] |
Duetに関しては既にネット上でも数多くの購入・使用報告が上がっていますし、私もこのブログで度々取り上げていますので今回は割愛。Slim 350iとFlex 550iに関しても一度まとめています。
Slim 350iに関しては価格が非常に手頃である点は魅力ですが、全体的なスペックとしては最新というよりもひと世代前のものとなります(自動更新ポリシーも2026年6月)。キー配置もJIS配列にしたことで若干Enter周りが特殊になっていたりと癖はありますが、今までChromebookの購入(検討)の一番のハードルが「価格」のみだった方には良い選択肢だと思います。液晶、質感等は価格なりだと思います。
このモデルに関してはお馴染みこまめブログさんがレビューを上げられています。
https://little-beans.net/review/ideapad-slim350i-chromebook/
Flex 550iは個人的には海外のFlex 5発売時から気になっていたモデルです。最近まで北米市場でもしばらく品切れが続いていました(ようやく少し復活)。トータルでのバランスに優れたモデルだと思います。極端にスペックを上げず、けれど要所要所はしっかり押さえてきている、よく考えられた構成です。
今回挙げた4モデルについて。
さて、一通りモデルを眺めていった上で、改めて冒頭の「迷ったらこの4モデルから選ぶ」で挙げたモデルについて見ていきます。
- Lenovo IdeaPad Duet Chromebook
- Acer Chromebook Spin 311(CP311)
- Acer Chromebook 712(C871) Celeron 5205Uモデル
(次点:HP Chromebook x360 12b G2) - Lenovo IdeaPad Flex 550i
(次点:HP Chromebook 14a G2)
今年後半に入り、新たに今回触れたような11モデルが加わったのに加え、市場ではもちろん昨年あたりのモデルがまだまだ現役です。正直そこまで大きな性能差はありません。なので、昨年から今年にかけて既にそれらのモデルを買った人が今回改めて買い直す必要はまったくないと思っています。今回挙げたのはあくまで「これから新たに購入を検討するのであれば」という目安に過ぎません。
Lenovo IdeaPad Duet [製品ページ] |
Acer Spin 311(CP311) [製品ページ] |
Acer 712(C871) [製品ページ] |
Lenovo IdeaPad Flex 550i [製品ページ] |
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CPU | MediaTek Helio P60T | MediaTek M8183C | Celeron 5205U | Celeron 5205U |
液晶 | 10.1″(1920×1200) 光沢IPS タッチ対応 USIペン対応(別売) |
11.6″(1366×768) 光沢IPS タッチ対応 |
12″(1366×913) 非光沢IPS タッチ対応 |
13.3″(1920×1080) 光沢IPS タッチ対応 USIペン対応(付属) |
タイプ | デタッチャブル JIS配列KB |
2-in-1 JIS配列KB US配列KB |
クラムシェル JIS配列KB MIL-STD 810G |
2-in-1 JIS配列KB |
重量 | 約920kg | 約1.05kg | 約1.4kg | 約1.38kg |
価格(税込) | 42,636円 | 39,800円 | 39,800円 | 63,800円 |
販売店 | [Lenovo 公式] [Amazon.co.jp(64GB)] [ビックカメラ] [ソフマップ] [ヨドバシ] |
[Amazon.co.jp (JIS KB)(US KB)] [ビックカメラ] [ソフマップ] [ヨドバシ] |
[ビックカメラ] [ソフマップ] [ヨドバシ] |
[ビックカメラ] [ソフマップ] [ヨドバシ] |
また、今回はハイスペックモデル(2モデル)は含めていません。これはChromebookにハイスペックは不要、という意味ではなく(むしろ個人的には歓迎)個人的にはできれば今回挙げた4モデルのような普及価格帯スタンダードモデルでChromebookの魅力を知ってから、より快適な使い勝手を求めて試してみてほしいモデルだと考えているからです。
ちなみに国内では、お馴染みHelenTech.netのへれん(@Helen_Tech)さんがご自身のサイトでそれぞれレビューを上げられています。
https://www.helentech.net/review-acer-chromebook-spin-713cp713-2w/
https://www.helentech.net/review-hp-chromebook-x360-14c/
興味のある方はこちらも是非御覧ください。
ということで、最後にこれら4モデルを選んだ理由について簡単にまとめたいと思います。
現在国内外のChromebookは徐々に従来のGemini Lake世代からComet Lake世代へと移行が始まっています。これが一番大きな影響を与えるのが、端末のサポート期間である自動更新ポリシーの年数です。Chromebookは今年以降発売されるモデルは徐々に自動更新ポリシーが8年に延長されてきていますが、これは今年以降に発表された新しいハードウェアプラットフォームの場合に限ります。
今年に入りHPも含め各社現行モデルを従来のCeleron N4000(Gemini Lake)からN4020(Gemini Lake Reflesh)へとCPUのみ変更してきています。ただ、この場合、ハードウェア的な変更がないため、自動更新ポリシーは更新されず、従来の2026年6月のままとなります。
もちろんCPU的には何Lakeであろうと最近のモデルであれば使用感的には大した差はありません(たぶんわからない)。ただ、実際に細かい部分を眺めていくと、上記の表の4モデルでも5205U搭載の2モデルはWi-Fi 6に対応していたり、と細かい部分で違いが出てきています。
もしこれから購入するのであれば価格差がそれほどないのであればより新しいハードウェアプラットフォーム、新しい世代を選ばれたほうがより長く安心して使えるのではないか、と思っています。それが今回HPの2モデルを次点とした理由です。
ただし、HPの場合には度々本家サイト等で大幅なセールが開催されることもあり、その場合価格も考慮に入れるのであればかなり有力で魅力的になってくることは確かです。もしそうしたタイミングがうまく合うのであれば、ぜひ検討してみてください。
Lenovo IdeaPad Duet Chromebook
発売から現在に至るまで非常に人気のあるモデルです。ここ最近ネット上を眺めていても、今まであまりChromebookについて取り上げてこなかったメディアまで話題にするようになっています(というか、大抵取り上げられるモデルがこのIdeaPad Duet)。
国内では6年近く前から一部で非常に人気のあったASUSの10.1型コンバーチブルタイプのChromebook、C100PA→C101PAというモデルがありますが、そろそろ後継が望まれながらも今のところ動きがありません。そうした中、似たような方向性で突然Lenovoから出てきたのがこのモデルです。
1kgを切り、液晶側とキーボード側を分離させてタブレット的にも使えるモデルということで、従来のChromebookユーザーだけでなく、タブレット的に使いたい方、気軽に持ち歩いてどこでも開いてすぐ使える手軽さに魅力を感じている方など幅広い層に受け入れられているようです。
当ブログの現在750近くあるChromebook関連の記事の中でも最近最も読まれているのがこのモデルのレビューとカスタマイズの文章です。
現在Lenovo公式サイト及び家電量販店で取り扱いのある通常モデルと、ストレージ容量が半分の64GBになったAmazon限定モデルの2つが展開されていますが、どちらもコンスタントにセール対象になっているようです。
既に手元にPCがある方から、普段スマホやタブレットメインで使われている方まで、その隙間を埋める使い方(活用方法)がイメージしやすい、という点でも、今年もっともオススメしやすいモデルの一つとも言えます。
主な取り扱い店:[Lenovo 公式][ビックカメラ][ソフマップ][ヨドバシ]
Acer Chromebook Spin 311(CP311)
今回発表されたモデルの中には税込3万円前後のモデルもいくつか存在します。まだChromebookを使ったことがない方だと「失敗するかもしれないから」とリスクを考えてなるべく手頃な価格を選びたい、という気持ちもあるとは思うのですが、個人的には(現行モデルで考えるのであれば)国内における各モデルの販売価格は(メインの北米市場と比べても)適正な価格の範囲内だと感じていますし、また価格には価格なりの理由があると思っています。
その中で、価格を優先すれば、それだけ液晶の質や本体の剛性、キータッチなど数値に表れにくい部分で小さな使いにくさが重なっていくと考えています。それらをわかった(割り切った)上で選ぶのも一つではありますが、個人的にはやはり現時点では税込4万円前後が一つのラインだと思っています。
ここで取り上げるAcer Spin 311。細かい部分を見ていくと、同価格帯で(セール価格のHP製モデルなども含め)競合も多く、その中では特に際立った特長のないモデルのように感じられるかもしれません。
ただ、個人的にこのモデルに感じる魅力がいくつかあります。それが、
- Chromebookでは数少ないARM系CPU(MediaTek M8183C)を積み、比較的Androidアプリとの相性が良い。
- この価格帯の11.6″モデルとしては珍しい光沢IPS液晶(タッチ対応)。
- キーボードがJIS配列モデルだけでなくUS配列モデルも展開している。
- 2-in-1コンバーチブルタイプでありながら重さが約1.05kgと手頃。
この辺りに特に魅力を感じなければ、他にも選択肢はありますが、一つでも惹かれる部分があるのであれば、ここ最近のモデルとしては(前述のIdeaPad Duet同様)なかなか他にない構成のモデルですので、是非検討してみてほしいと思っています。
主な取り扱い店:[Amazon.co.jp(JIS配列KB)(US配列KB)][ビックカメラ][ソフマップ][ヨドバシ]
Acer Chromebook 712(C871)
昨年から今年にかけて国内でも人気のあるモデルの1つにHPのChromebook x360 12bがあります。今回取り上げた11モデルの内の1つですね。HPは頻繁にセールも行いますので、実売価格で考えるとここで挙げるAcer Chromebook 712とあまり差が出ない場合もあります。
あちらは2-in-1コンバーチブルでUSIペン対応、美しい白の天板でキーボードもバックライト付き。定価であれば3万円近く差がありますので、その分の価格差が出てるとも言えますが、個人的には今回Acerが出したこの712、十分に戦えるどころか、非常に良いところを突いてきたモデルだと思っています。
現時点で液晶サイズ12インチのモデルで考えるとするとこの2モデルになりますが、
- 2-in-1コンバーチブルでなくても良い。
- むしろMIL-STD 810Gといった耐久性や耐水性面での安心感を求めたい。
- 光沢液晶よりも非光沢液晶が好き。
- 端末のサポート期間が長いほうが良い。
- なるべく価格も抑えたい。
この辺りに当てはまるものがあれば、この712は非常に魅力的なモデルになります。そして、前述のように、ハードウェアプラットフォーム的にはこちらが新しいものとなります。そうしたバランスの良さを重視して、こちらを選ばせて頂きました。
惜しい点といえば、現時点ではまだ取り扱いのあるお店が家電量販店に限られている、というくらいでしょうか。ただ、これも今後の売れ行き次第で変わってくると思いますので、今後の動きに注目です。
また、今回は税込39,800円のCeleron 5205Uモデルを挙げましたが、もし12インチでもよりパワーも求めたい、という場合にはCPUにCore i3-10110U、8GB RAMを載せたモデル(予想価格6万円前後)も控えているのも大きいかな、と思います。
Lenovo IdeaPad Flex 550i
海外ではFlex 5という名でつい最近まで品切れ状態が続いていた非常に人気のモデルです。何よりバランスが良い。海外モデルはCore i3が標準のようですが、国内モデルは敢えてCeleron 5205Uにして(恐らく)価格を抑えてきました。
ここ最近のChromebookは画面比3:2の12インチ液晶モデルと解像度がFHDの14インチ液晶モデルが主流になり始めていました。その中でこのFlex 550iは珍しい13.3インチ液晶のモデルです。これが意外とありそうでない。また、この辺りの液晶サイズで2-in-1コンバーチブルタイプになると、どうしても重さが1.5kg超えが多くなってきます。そうした中、約1.38kgに抑えてきているのも非常にバランスが良いな、と感じています。
前述のように海外ではCore i3モデルがベースということを考えても、本体の剛性や質感なども基本的には上位モデルに入ります。国内価格63,800円(税込)は最初の1台として検討するには若干心理的ハードルが高いかもしれませんが、個人的には以前から是非試してみたい、また魅力を感じ続けている(気になる続けている)モデルの一つです。
同社の他の2モデルと違って、現時点(2020年10月6日)ではまだLenovo公式には製品ページはあるものの、販売が開始されていないようです(上記家電量販店では発売開始)。他OSのPCと違って比較的公式でも価格が極端には下がらないのがLenovoのChromebookの特徴でもあります。反対に在庫状況がまだまだ安定しないことも多いので、気になったときに在庫のあるお店で買うのが(Flex 550iに限らず)オススメです。
最後に。2020年末から2021年にかけて、更に活気づく国内Chromebook市場。情報の鮮度に注意しましょう。
ここまでお付き合い頂きありがとうございます。冒頭から飛ばさずに読んでくださった方は、この時点でほぼ1万4千字になります。お疲れさまでした。
5年半近く、Chromebookの情報を追い続けてきました。その間書いてきた記事は前述のように750近くに上ります。
そんな私ですが、こうした最新モデルのまとめ記事はかなり久しぶりです。そして、正直そんな私でもここ最近の急激な流れには興奮以上に戸惑いを感じていますし、次々と出てくる新作モデルや様々な情報に少し食傷気味になっていたのも正直なところです。そしてまとめたのが(全然まとまっていませんが)今回の1万4千字以上の文章になります。
冒頭でも触れましたが、もちろんこの記事のすべての部分を読む必要はありません。あなたの求める内容に合わせて、拾い読みしていただければ、そしてその中でなにか一つでも役に立てていれば嬉しいです。
ということで、最後にいつもながらのお節介をしたいと思います。うんざりな方はここで終了で問題ありません。
2020年末から2021年にかけて、これから更に国内Chromebook市場は活気づいていくと思います。GIGAスクール構想、全国各地の学校での大量導入など、ますますこれからChromebookの話題を目にすることも増えてくると思います。
そんな激動の時期にあるからこそ、一つ心に留めておいてほしいことがあります。それが、
情報の鮮度に気をつけてください。
ということです。要は、その情報がいつ発信されたものか、を常に意識して欲しい、ということです。
何年も前からChromebookを知っている、使ったことがある方は(私を含めて)結構います。今も継続して使っている人から、今はもう使っていない人まで。ただ、正直、そういう人たちの情報がいつ頃の知識に基づいて発せられているかはかなり重要です。なぜなら、この1年だけを眺めてみても、今までの常識だと思っていた知識や情報、イメージがまったく時代遅れのものとなってしまっているからです。
自慢でもなんでもなく、私のように今も毎日のようにChromebookの情報を追い続けている者ですら戸惑いや自分の中でのイメージとのズレを感じ、戸惑うことがあるのがここ最近の国内外のChromebook関連の動きです。ということは、半年も現場?から離れていれば、それだけで追いつく、自分の中の知識をアップデートするのが大変だったりします。
だからこそ、ネットに溢れかえる様々なChromebook関連の情報を読む際には、「その文章がいつ書かれたものか」を意識してほしい。そして、そこで書かれている情報が「今もそうとは限らない」という意識を是非持ってほしいな、と思っています。ということは、この1万4千字以上頑張って書いた文章も、あっという間に古くて使い物にならなくなる可能性もあります。うん、ちょっと哀しい気もするな。
ただ、それくらい刺激的な時期にいる、というのは、私たち既存のユーザーにとっても嬉しいことですし、だからこそあなたにも是非この絶妙なタイミングの空気感を楽しんでもらえたらいいな、と思っています。
しっかり上から目線で余計なお節介な締めと感じられたかもしれませんが、なにか一つでもあなたの中に残ってくれたらいいな、と思っています。