今年も年末が近くなり、ブラックフライデーやサイバーマンデーそして年末のセールの時期になりました。この機会に折角だから買ってみるか、と思われた方もそこそこいらっしゃるのではないでしょうか。
ということで、この時期はネットを眺めていても「Chromebookのセール情報」も次々出てくると思います。ただ、もちろん信頼できるサイトもあるのですが、単純に価格だけを見て安いから、という理由だけで薦めていたり、玄人目線で見てオススメしているだけのものも当然出てきます。それらを見分けるのは多くの方にとっては簡単ではないと思います。
そこで毎年のことになりますが、今年もこのブログなりの「2022年11~12月版Chromebookの選び方」をまとめてみようと思います。
尚、このテーマは書こうと思えば幾らでも広げていける内容なのですが、今回は基本的な視点についてに絞って書きたいと思います。
また、一般的にお馴染みの「オススメのモデル○選」的な、具体的なモデル名を挙げてのオススメはしません(それはまた回を改めてまとめようと思います)ので、そうした内容を期待されていた方は申し訳ありません。
5年前の米国市場のように、今日本国内のChromebookのラインナップは訳が分からなくなっている。
私がChromebookを使い始めて間もなく7年になります。
初めの頃は、米国(特にAmazon)の品揃えの豊富さと価格の安さに衝撃を受けました。特にこうしたブラックフライデーやサイバーマンデーの時期には毎年心を躍らせました。
当時は国内は一時的に市場が大幅に縮小していた時期でもあって、その中でASUS JAPANのみが個人向け市場では孤軍奮闘しているような状況でした。価格も海外と比べて安いとは言えず(仕方ないですよね、そもそも売れてないんですから)、当時「Chromebookを買うなら米国Amazonから」と考えていた方も結構多かったのではないでしょうか。
時代は変わり、2022年も末になりました。この数年のGIGAスクールや、国内でのGoogleのプロモーションによって、そうした状況はガラリと変わりました。
毎年国内でも新モデルが続々と出てきて、正直マニアでもすべてのモデルを把握することが困難になりました。もしかしたら5年前の米国の方々が感じているような戸惑いを、今日本の私たちが感じているのかもしれません。
ここで興奮ではなく戸惑い、と書いたのには理由があります。
それは、選択肢が増えすぎてしまって、余程PCの知識や経験がないと、価格だけに目を奪われてしまって、自分にとって合いそうなモデルを選ぶということがとても難しくなってしまったからです。
それくらい選択肢が増えただけでなく、マニアに限らず、一般の方にとっても訳がワカラン状態になっています。そう考えると、5年前の米国の一般的な人にとっても、もしかしたら興奮どころか、単純に戸惑いの方が大きかったのかもしれないな、と感じています。
さて、そんなことを言っていても始まらないので、この雑多なラインナップの中から、ある程度整理していきましょう。
今回はその基本のキの部分、数多ある国内のChromebook一覧の中から、とりあえずザックリとした価格の感覚と、とりあえず現行ラインナップ(に近いもの)を抽出して、「あ、今買うならこんなモデルがあるんだ」という何となくのイメージを掴んで頂こうと思います(この時点でスペックを見ていく必要はありません。正直分かりにくいので)
その1:Chromebookは別に安くありません。
Chromebookは低価格・低スペックでもサクサク動くのが魅力と良く言われます。
それ自体は間違っている訳ではなく、確かに魅力の1つなのですが、以前から懸念しているのが「Chromebookは安いもの」というイメージが過度に広がってしまっている点です。
安い、安くないは個人の価値観によるので、どう感じようと自由なのですが、今回まず最初に伝えたいのは、
Chromebookだからといって、期待しているほど極端に安くなるわけではない
ということです。
実際この後、Chromebookのラインナップをチェックする過程に入るのですが、その際にラインナップを見て、多くの方は「あまり安くないな」「これだったらWindows PC買った方が良い」と思うかもしれません。
その通りです。
何故なら、PCの価格というのは、基本的にはOSの価格ではなく、ハードウェアの価格だからです。
同じスペックだけでなく、同じような筐体、液晶などであれば、基本的に価格は同じになります。いや、むしろChromebookのほうが一般的なニーズが少ないですし、数出せない分コストが上がるので、同じスペックであればむしろ若干高くなることもザラにあります。
極端な例えになるかもしれませんが、20万円のMacBookにChrome OSを載せたから、といって、10万円、15万円には当然なりません。
むしろ23万、25万と上がる可能性の方が高い。それは、MacBookの方が買う人が多いからです。でも同じスペックで作っても、Chromebookでは大して売れないわけで、その為に専用のキーボードを入れて、OSも入れ替えて、しかも販売台数を計算して抑えれば、結果としてその分コストが上乗せされる訳ですから、当然高くなることもあり得る、ということです。
また、ここまでの話を聞いて「Chromebookは以前に比べて高くなった」と感じる古株の方もいらっしゃるかもしれません。
ここについて話すとそれだけで長くなるので今回は省きますが、5年前を思い浮かべて下さい。国内のChromebook市場の相場、覚えてますか?普及価格帯スタンダードなモデルが、普通に5万円、6万円スタートでした。今は3万円台でも普通にあります。むしろ今の方が、幅広い価格帯で展開されるようになった、ラインナップが増えた、と思って下さい。
その2:いきなりAmazonやメーカーのサイトで検索しない。
まずは「Chromebookだからといって別に格別安いわけではない」というイメージを持って頂いた上で、それでは早速、Chromebookの現状についてチェックしていきましょう。ここでは、まだ1つのモデルに絞る必要はありません。とりあえず、ここでしたいのは、
最近発売された現行モデルと、3年~5年前、下手すればそれ以上前に発売されたモデルを明確に区別する
ということです。恐らく多くの方がやりがちなこととして、Chromebookを探そうとするときに、いきなりAmazonやメーカーのサイト、もしくは個人のブログ(私のこのブログも同じですが)を検索してしまうと思うんですね。
でもこれはオススメしません。
特にAmazon。ここから、現行モデルを選別するのは、私のようなマニアでもひと手間かかりますし、正直面倒です。
AmazonでChromebookを探すのは、私のようなブロガーが「セール情報」をチェックするときか、既に欲しいモデルが決まっていて、そのモデルを定点観測するような時に限ります。
大抵、上の検索窓からChromebookって検索すると思うんです。そうなると何件出てくるか。
検索結果1,000以上のうち1-48件が表示されています。
流石にこんなザックリとした検索の仕方はしないと思いますが、案外多くの方がやられてるパターンだと思うんですね。
ここから絞っていく必要があるのですが、正直色々検索項目のチェックをしていかないといけないので、正直面倒です。
また、最初に各メーカーのサイトを検索するのもあまりオススメしません。
各メーカー、Chromebookのページが整理されていなかったり、作り方がそれぞれに違うので、把握するのにはなかなか面倒です。
しかも旧モデルや販売していないモデルの製品ページなんかも残っていたり、更に直販していなかったりするので、この時点(まずはラインナップを把握する)ではオススメしません。第一、そのメーカーのモデルだけに限られてしまうので、現時点でのChromebookの相場(大体の価格の平均)や、モデルの傾向が掴みにくいんですね。
ある程度モデルが絞られてきてから、その特定のモデルの詳細を知りたくなった、調べたくなったときに訪れるのが良いと思います。
それよりも簡単な方法があります。とりあえず現行モデルの大まかなラインナップを把握する。それが、
ビックカメラやヨドバシなど、家電量販店で調べる
というものです。
その3:ビックカメラやヨドバシでは、基本的に現行かそれに近い人気モデルしか販売していない
そりゃそうです。Chromebookの在庫を大量に抱える訳にはいきませんし、売れなければ意味がない訳ですから、その中から最新のモデルを中心に、選りすぐることになります。
ということで、それぞれでTOPページから検索してみると
ビックカメラで31件(2022年11月22日に単純に「Chromebook」で検索した場合)
ヨドバシ.com – Chromebook(クロームブック)・Chromebox(クロームボックス) 通販【全品無料配達】
ヨドバシで27件(2022年11月22日に単純に「Chromebook」で検索した結果出てきた「Chromebook・Chromeboxカテゴリ」を選択した場合)
となります。
ちなみにある程度知識がある方なら、先ほど「最初に調べない」と言ったAmazonにも、Chromebook(クロームブック)ストアというページがあるのをご存じかもしれません。
Chromebook (クロームブック) ストア | Amazon.co.jp
これが出来てだいぶ整理されて、情報が充実しましたね。ここで出てくるChromebookの件数ですが、31件です。これはかなり絞られたほうだと思います。ここに辿り着けるのであれば、Amazonでもとりあえず「現行ラインナップを把握する」には参考になります。
Amazonで検索する場合には、左側の「出品者」でAmazon.co.jpのみにチェックを入れて下さい。14件になります。
もちろん他にも良心的なお店もなくはないのですが、それを見分けるのは、多くの方にとっては大変ですし、却って選択肢が増えて混乱すると思います。
さて、ここまでやってきて、大体現時点で14~31件くらいの候補が出てきたと思います。これが、国内における、現時点での候補になります。
ここまでを眺めてみて下さい。よく分からない記号の羅列が多いと思いますが、その辺りは無視して、まずは価格を見ましょう。
大体、これくらいがChromebookの平均的な価格です。まずはこの認識からスタートしましょう。
何を買っても失敗する可能性はあります。ただ、初めて買うモノの場合には、そのリスクをなるべく減らすことは出来ます。
ということで、まずはここまでやって(眺めて)みてください。一昔前であれば、この時点で選択肢自体は10件もなかったんですが、今だとこれだけ増えています。ラインナップがだいぶ充実してきたんですね。なので、その分、まだこの選択肢の数では決めようがないかもしれませんが、ここで無理に決める必要はありません。
まず大切なのは、今回触れた、
「Chromebookだからといって特別に安いわけではない」
ということを知って頂いた上で、大まかな価格帯のイメージを掴んで頂くことが大切です。この意識があるかないか、でだいぶハズレを引く可能性が低くなります。
そして、(賛否あるとは思いますが)ここで出てきたモデル以外のモデルが、如何にもお得そうな価格で出てきても、ひとまず忘れてください。
もちろん人によっては、ここに出てきていないモデルがとてもお得な価格で出てきて、それが本人にとってもの凄く合う可能性もあります。逆にここに出てきているモデルを選んだから、といって必ず選んだものが正解、良かったと思えるとは限りません。
そもそもChromebook自体があなたに合わない可能性(リスク)があります。
それはもうどのモデルを選んでも同じです。
ただ、ここに出てきていないモデルを選んだ場合、それも特に価格を最優先させて選んだ場合、加えて「スペックが追いついていなくて、そもそものChromebookの快適さや使いやすさを感じにくい」というリスクが加わってしまうのです。ということはリスクを2つ抱える必要が出てきてしまうわけですね。
リスクが増えれば、その分自分にとってのハズレを引く可能性が高くなります。もちろんリスクが幾つあろうが、全く関係なく自分にとっての最適な一台を運良く探し出せる方もいますが、あなたがそうとは限らない。であれば、リスクは最小限に抑えたほうが良いと思っています。
「2022年11~12月版Chromebookの選び方」と大層なタイトルを付けましたが、今回はその基本のキの部分の話になってしまいました。
もしかしたらあなたにとっては何の収穫もない話かもしれませんが、とりあえずよく分からない記号の羅列と、Chromebook自体が初めて、という方にとっては、「大まかな相場(適正価格)」と「だいたいこの辺りが今とりあえず平均的に使えるモデルなんだな」というイメージだけでも掴んで頂けたら、と思います。