[かぶ] 教育市場向けのChromebook Tab 10とiPadの発表から、個人ユーザーが心動くモノと教育市場で求められているモノの違いについて改めて考えてみます。

[かぶ] 教育市場向けのChromebook Tab 10とiPadの発表から、個人ユーザーが心動くモノと教育市場で求められているモノの違いについて改めて考えてみます。

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リアルタイムで情報を発信できなかったのが悔やまれますが、一昨日夜にAcerがChrome OS端末としては初のタブレット型端末「Chromebook Tab 10」を発表、そして昨夜、Appleが米国の教育市場におけるシェアの獲得(巻き返し)を図り、比較的求めやすい価格のApple Pencil対応、教育向けの対応を強化した「iPad」を発表しました。

教育市場の大きさを考えると個人向け市場なんて微々たるもので、結果として教育市場のおこぼれに与らざるを得ない現状を考えると、個人ユーザーである私としては、こうした活発な動きはありがたくもありますし、またこうした端末を活用した教育というものにも注目が集まることは楽しくも、また嬉しくもあるな、と思っています。

これからAcerのタブレット端末や来月26日に国内でも発売されるLTE搭載Chromebookなどについては少しずつ書いていきたいと思いますが、実は一昨日、昨日(その前の帰省も合わせると更に数日)はPCに触れておらず、精々Twitterを眺めている程度でした。その中で興味深い反応を数々目にしましたので、今回はその中で感じたことを少し文章にしてみたいと思います。

コンシューマー向け、個人ユーザーが心動くモノが必ずしも教育市場でウケるとは限らない。

Chromebook自体が日本においては価格面しかスポットが当てられていない、印象がそこで止まってしまっていることを考えると仕方ないのですが、正直今回発表されたタブレット端末もLTE搭載端末も、恐らく多くの一般的な(ある程度この方面に興味のある)方にとってはあまり心動かされない端末だと思います。面白みもないですし、スペックや仕様を見た限りでは、余程Chromebookを普段から使って、気に入っている方でもない限り「なにこの時代遅れ感」とか「平凡なのに高すぎる」といった印象を抱かれても仕方ないのかな、と思います。コンシューマー向け、個人ユーザーの視点で考えれば、正直微妙なモデルだと思います。

そして、昨夜の新しいApple Pencil対応のiPadの発表に対しての反応を眺めていると、これはこれで興味深いな、と思いました。こちらは(もちろん全く心動かない方もいるとは思いますが)非常に好意的。既に本家のサイトが更新されたこともあって「注文した」という方から「必ず買う」という方まで、コンシューマー向け、個人ユーザーの視点としても魅力的に映る価格とスペック、仕様だったようです。iPadがこの価格で出たら教育市場にGoogleの出る幕は無いな。Chromebook駆逐されるな。終わったな。という声も決して少なくはない数で目にしています。

実際にはどうなのでしょうか。

教育や法人の現場で求められているモノは、個人視点で眺めてみると、必ずしも刺さるモデルとは言えないのではないか。

私は教育現場に身を置く人間ではありませんので、もしかしたら本当にiPadがChromebook(及びTab)を駆逐するのかもしれません。それはそれで面白いと素直に思いますし、そうした展開に持っていけるのであれば、Appleも流石だな、と思います。今回のiPadは教育市場よりも若干高くはなりますが一般にも販売されますので、であれば教育市場だけでなくコンシューマー市場でも歓迎される名モデルとなるでしょう。

ただ、教育現場(ここでは法人は一旦抜きにして考えます)において求められているモノって、実際はどういうものなのでしょうか。

「私が学校での授業に求めるもの」に関しては回を改めて書きたいと思いますが、個人にとっては刺激的でも激しく揺さぶられる機能でもない、もしかしたら個人視点で望むものとは正反対のモノなのかもしれないな、と最近感じ始めています。

既にこちらで先程呟いたのですが、

私たちには見えにくい部分こそが大切なのではないか、と思っています。

https://www.businessinsider.jp/post-164649

子どもは、事故を起こすものだ。例えば、数年前に私の妻がiPadを購入した際に娘が最初にやったことは、落としてディスプレイを壊すことだ。アマゾンが子ども向けとして販売しているFireタブレットには、しっかりラバーケースが付いている。

アップルはこの明らかな事実を忘れてしまったようだ。教育市場向けのiPadには、アマゾンの子ども向けFireタブレットのように保護ケースを付けるべき。だがアップルはそうしていない。保護ケースを付ける場合、学校は追加コストが必要になる。

また新しいiPadの特徴は、アップルペンシルが使えること。これも同社が子どもたちを理解していないことを表しているように思える。

ペンをどこに置いたか覚えている?
iPadはケースが付いていないだけでなく、アップルペンシルなどのスタイラスペンをなくさないようにするための工夫がない。ペンを格納するスロットや、磁石で留めておく機能もない。

スタイラスペンをiPadのライトニングポートにつなぐことはできるが、これはスタイラスペンを運ぶためのものではない。ペンはiPadからはみ出してしまっている。スタイラスペンを収納するケースを購入することはできる。だがアップル製のものは、130ドルする。

以前、アップルペンをテストした時、私はペンをiPadと一緒に持ち歩く方法を見つけられず、とても苦労した。大人なのに。子どもはそんな細かい配慮はできない。ペンはすぐになくなるだろう。

Chrome OSの管理保守の容易さと、OSに依存することの少ないWebベースの教育素材の充実(そしてそうした用途に適しているOSのシンプルさと軽さ)という点は大きな魅力ではあるのですが(安さばかりが注目されてしまってこの点は見過ごされがちですが)、とともに今回ここでも出てきた「耐衝撃性や耐水性」「ペンの収納と持ち運び」といった点は、OSを問わず教育現場においては、単純な「CPUが○○を採用しているから」とか「RAMが○○だから」といったことよりもより導入し、それを保守管理していく上では重要な点ではないか、と思うのです。

LTE機能搭載とはいえ、それ以外の部分が一般ユーザーから見ると「何の代わり映えしない」平凡なChromebook(の割に実売が恐らく7〜8万円)という印象のAcerのLTE搭載Chromebookも、耐衝撃、耐水性や導入コストその他を考えた時、非常に魅力的に映るかもしれません。けれど、個人向けと見れば「今さら時代遅れの解像度(1,366×768)とか残念」といった部分のほうが目についてしまうのではないか、と思うのです。

どんなハイスペック、多機能な端末でも、素晴らしい教材でも、結局活用するのは「人」。

昨夜はTwitter上でも教育現場についての意見や感想がTL上に結構流れてきた夜でもあったのですが、一部の特殊な学校のみで導入するだけなのであればまだしも、全国で「3.6人に1台」といった方向性を目指すのであれば、そこには様々な問題が出てきます。

どんなに素晴らしい、多機能な端末を導入したとしても、またどれだけメーカーが魅力的な教材を提案したとしても、結局活用するのは学校であり、教師や生徒という「人」なんです。すべての学校で、と考えれば教師のPCのレベルにも大きな差がありますし、また授業に参加する学生たちの間にも開きが出てきます。そして、そのどんなレベルの学校や教師であっても管理保守が大きなストレス授業準備を阻害するものにならず、継続していけるものである必要があります。

誰もがストレスフリーで、決して学校任せではなく、どの教師でも、転勤や異動があって入れ替わっても習熟に時間がかからないものを構築する、というのは、個人が端末単体に感じる魅力とは全く別の部分にあるのではないか、と思っています。

私たち個人ユーザーにはなかなか見えにくい教育現場の様々な事情が導入にとっては大きな悩みになっていると思う。

昨年はMicrosoftがChromebook対抗のWindows 10 S機を発表したこともあって、私はその頃からこうしたイベントや情報を興味を持って追っていました。

昨年のMicrosoftのイベントで見た新しい教育のスタイルとその中でのWindowsの活用のされ方は大変刺激的で魅力的で、私のような学生時代「薔薇の名前」を見た時以外ほとんどPCルームに入ることすらなかった人間にすれば雲泥の差なのですが、その後こうしたスタイルが米国市場を席巻した、という話も今のところ聞きません。ただ、これはMicrosoftに限らず、Appleでも(今回iPadを用いた授業のスタイルもプレゼンされたようですが)、そして今非常にシェアの大きいGoogleも、実際のところは難しいところだと思っています。

メーカー側が、アプリやサービスの開発者側が、そして行政が、幾ら魅力的な未来の授業の形を提案できたとしても、学校に放り投げてしまうのであれば、結局は25年前の私の高校時代と同じ結末を迎えてしまう気がしています。

学校側もとりあえず「導入しろ」と言われて半分強引に誰かが担当者に選ばれ、営業されるがままに「何ができますか」と受け身で導入する限り、恐らく同僚からも生徒からも生徒の父兄からも理解が得られず孤立してしまう結果になりかねない。

そして、個人ユーザーというのは、もちろん私も含め基本的にそうした教育現場の現状については疎いままだと思います。私たち個人ユーザーの目から見れば無駄に思えるような高額の保守管理費用や、魅力的に思えない機種の選定だと映ってしまうことも多いでしょう(もちろん現状の学校への導入における保守管理費用と機種の選定がすべて妥当だと考えている訳ではありません)。

私たちはどんな教育を期待しているのでしょうか。それは学校でなければ出来ないことでしょうか。

Chromebook tablets for versatile learning

画像はGoogleのBlogよりお借りしました。
Chromebook tablets for versatile learning

iPadがダメだと言いたい訳ではありません。同様に今回発表されたChromebook Tab 10のほうが優れている、と考えている訳ではありません。結局どちらも、そしてクラムシェルタイプのChromebookも、あくまで道具の一つに過ぎません。

ただ、私たちはつい「学校に○○を導入」となると、「個人的な好み」でそれを判断しがちです。あくまで自分の用途と趣味嗜好においてそのモデルが魅力的か、刺激的か、という「自分が買いたい」「自分が欲しい」というものが基準になります。

もちろん別にそれで構わないと思うんです。そういうの考えたり、あれこれ言うの、私も好きです。楽しいじゃないですか。

誰もが教育市場の事情や現状を真面目に考えなければならない訳でもありません。ただ、私たちはそれでも教育現場へのPC導入、教育に対して期待をしてしまいますし、自分の子どもの学校で導入されるとなれば他人事ではないでしょう。

そんな時、今私たちがどんな教育を期待しているのか、望んでいるのか。それは学校という多くの生徒が集まる場でなければ出来ないことなのかといった視点を持ってみると、新しい発見があるかもしれません。

と同時に、今教育市場でなぜChromebookが大きなシェアを持っているのか、という理由を「単純な端末の安さ」だけに求めずに、様々な視点から考えてみると、面白いのではないか、と思っています。

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「アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日」

続いて、「Chromebook」に関する文章を一冊の本にまとめました。

Chromebookはまだまだ日本では馴染みが薄いですが、Googleが開発したOSであるChrome OSを搭載したPCです。

海外では特に米国の教育市場を中心に急速にシェアを伸ばしてきています。日本ではAppleやMicrosoftが教育市場向けのモデルを出すと、一般的に「iPad対抗」「Surface対抗」といった感じで一騎打ちのようなイメージを持たれがちですが、実際には海外では低価格で半分以上のシェアを獲得している「Chromebook(Google)対抗」を想定した三つ巴の状態となっています。

本書ではこのOSの特長でもあり魅力でもある、

Googleアカウントのみでどこでも身軽に移動、作業が出来るスタイルの提案であり、Chromebookはあくまでそれを実現するための仮の入れ物の内の一つ

という点をベースに、私が感じる魅力について暑苦しく書き綴っています。

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