[かぶ] 東急ハンズのChromebookへの移行は「依存するOS」を単純に変えたのではなく、むしろ「OSフリー」への道を選んだということ。そこにあるChromeOSの魅力。

[かぶ] 東急ハンズのChromebookへの移行は「依存するOS」を単純に変えたのではなく、むしろ「OSフリー」への道を選んだということ。そこにあるChromeOSの魅力。

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東急ハンズが「現在導入している社内のWindows PCの約9割を2020年までにChromebookへの置き換える」と宣言したことに対して、ネット上では様々な反応を目にします。一般的な反応としては「無謀」「Chromebookはあり得ない」「Chromebookでは出来ることも限られている。」「Googleはサービス打ち切るの速いから、Googleに依存するのはリスクが高い」「ChromeOSはサポート期間が不安」「ChromeOSなんて、しっかり保守管理してくれる会社が果たして見つかるのか」といったところが多いのではないか、と思います。ただ、個人的に今回のこの移行は「依存するOSを変える」といった単純な話ではないと思っています。

東急ハンズには「OSフリーでブラウザーさえあればシステムを使える環境を地道に作ってきた。」という下地が既にあります。今回の移行は、単に依存先を変えるのではなく、むしろOS依存からの脱却の道を選んだのであり、それを活かすのに現状ベターな選択がChromeOSだったということに過ぎないと思っています。

この辺りのことについて、日経BP社が運営するITproの記事を眺めながら、私なりの考えを改めて書いてみたいと思います。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/072600315/073100002/

WindowsからChromeOSに切り替えたのではなく、「Chromebookに切り替えた」

今回の記事文中において東急ハンズは「Windows 7のサポート終了までにChromebookへの置き換えを進める」と書かれています。「OSの移行」と考えるのであれば、Chromebookへの置き換えではなくChromeOSへの置き換え、となるはずです。(一応その後に「米グーグルのChrome OSを搭載したChromebookに置き換える」と補足されてはいますが。)

現状「ChromeOS=Chromebook」のような印象もあり、そのため敢えて分かりやすくChromebookと書いた、というだけであり、それ以上でもそれ以下でもない、というのが実際だとは思いますが、ただ私の中ではこれは意外と重要なポイントかな、と思っています。

何故なら、東急ハンズにとって必要だったのはChromeOSではなく、ブラウザーのみで動作し、セキュリティも高く、また保守管理が楽でコストも抑えられるシステムだったからです。それが適していたのがたまたまChromebookであり、ChromeOSだったに過ぎません。

これと並行して、2011年ごろから「OSフリー」を基本方針として社内業務システムの刷新を進めてきた。Webブラウザーで動作するパッケージソフトを積極的に採用。独自開発する場合でも、Web標準への準拠を徹底し、Internet Explorer(IE)やChromeなどのブラウザーさえあればシステムを使える環境を地道に作ってきた。

IEでしか動作しない「経費精算システム」が最後に残ったが、2018年3月までに刷新するめどが立った。もはやOSにこだわる必要はなくなった。

単なるChromeOSへの置き換えという「依存するOSの変更」なのであれば、現時点では確かにWindowsよりもはコスト面では確かに下がったとしても、結局OSには縛られ続けます。それでは意味がないのだと思います。

ChromebookはWindows PCに比べ実績に乏しい。メーカーが撤退する可能性もある。その際にOSフリーの方針が効いてくる。仮にChromebookが廃れた場合でも「導入したChromebookが壊れ次第Windows PCに買い換えればいい。壊れるまでの期間の費用が安く済むのだから十分に意義はある」(同)。

Chromebook(やChromeOS)自体が終了したり、サポートが終わってしまったとしても、OSに依存していなければ次の移行に関してのコストは金銭的な面だけでなく、精神的な面、また社員の負担の面でも非常に楽になります。その際には別にWindowsでなくても良いのです。もしかしたらChromeOS以上に楽なシステムが生まれているかもしれません。であれば、そちらに簡単に移れます。(実際には色々と手間はあるでしょうが、従来のOSのサポートが終わる度にごっそりとシステム自体を変えて保守していく手間に比べれば遙かに負担は小さいでしょう。)

現時点で東急ハンズが考えているこの先のシステムの姿を実現するにあたって、現状ベターな選択肢としてChromebookという仮の入れ物の一つを選んだ、というのが私の考えです。

ChromebookやChromeOS「でなければ使えない」システムでは意味がない。

7月28日に三谷商事株式会社が開催した「学校のためのChromebook徹底活用セミナー

先月28日に、三谷商事株式会社が開催した「学校のためのChromebook徹底活用セミナー」に参加してきました。

個人ではなく完全に教育機関向けのセミナーではあるのですが、先日こんな情報が流れてきまして、大変に個人的に興味を持ちました。(私は残念ながら教育機関の人間では全くありません。) Chromeboo...

こちらについては非常に刺激的な内容でもありましたので、なるべく早く文章にしたいと思っているのですが、この中の第三部、現在既にChromebookとG Suite for Educationを導入されている学校法人光明学園 相模原高等学校の笠原 健司先生の話がとても印象的でした。

教育機関で働いていたり、関わっていたり、もしくは現在学生でもない限り、なかなかこうした教育専用のツールというのは馴染みがありません。私自身、大学を出てからは全く縁もなかったため、このG Suite for Educationというものが果たしてどういうものか全く想像が出来ませんでした。ただ、笠原先生のお話と実際の導入の様子を実際にGoogle Classroomを試しながら伺ってみたところ、とても衝撃を受けたのです。それは、

何も特別なシステムもプログラムも必要ではない

ということです。別にChromebookでなくても良いのです。実際、生徒たちは授業中はChromebookを使っていますが、学外においては生徒それぞれが愛用しているスマホから自由に授業プログラムに参加することが出来ます。

(誤解を生む表現ですが、私が伝えたいのは「Chromebookでなくても良い」が、数多の選択肢の中では現状Chromebookが授業への導入においては「よりベターである」ということです。)

授業への参加自体にはGoogleの提供するGoogle Classroomを使っていますが、これはG Suite for Educationを導入しているからに過ぎず、スマホ自体はiPhoneでもAndroidでも構いませんし、また家庭のPCからでも構わないのです。Google Classroom用の、学校から提供されているGoogleアカウントだけあれば良い。何故ならあくまでブラウザーベースで全てが行えるからです。

学生にとって必要なものは、「授業用のアカウント」と繋ぐための「仮の入れ物」だけ。場所はどこからでも構わない。環境を選びません。ログインすればすぐに参加出来る。これって、私が今まで何度も暑く書いてきた、Chromebookの魅力であり、ChromeOSに未来を感じている理由そのものです。

ここ最近Chromebookについて続けて書いてきています。このブログでは過去79回(この文章が80回目)色々な形でこの興味深いChromeOSというものについて触れてきていますが、最近は書くたびにあ...

実際に当日のプレゼン自体もGoogleスライドを用いて行われていましたし、授業の進め方においても、ほぼGoogle標準の私たちも普通に意識せずに使っているGoogleフォトであったり、Googleドキュメント等に過ぎません。あとは授業を膨らませるために多少(教師のさじ加減で)ネットに数多あるGoogle以外のちょっとしたWebサービス(ツール)を利用しているに過ぎず、特別なOSに依存する、もしくは有料のサービスを使っている訳でもありません。

実際に笠原先生自身も言われていましたが、授業で年に何回使うか分からないくらいのサービスのために高い年間のライセンス料を払うようなことは考えていないそうです。(例えばこの学校での授業においては必要のないほど多機能、高機能であるAdobeのPhotoshopなどは不要ということです。)そして、Chromebook自体も年間の保守契約等は結んでおらず、壊れたら新しいChromebookを買い足すだけ。それが出来るのも全てクラウドベースで動いているから、だそうです。あくまでChromebookは授業をより良く進めるためのツールに過ぎず、別にChromeOSに依存している訳でも、Googleのサービスでなければ授業が立ちゆかなくなる訳でもないのです。

コストも抑えられ、仕組み自体もシンプルで、「このシステムでなければ出来ない」ということが存在しない。あくまで自分たちの考えていた授業のスタイルと目的を考えた時に、現時点ではG Suite for Educationが適していた、ということです。

これって、東急ハンズの例と似ていませんか?

Chromebookを表面的なイメージだけで捉えてしまうと勿体ないと改めて思います。

前述の三谷商事株式会社のセミナーの第一部でグーグル・クラウド・ジャパンの方も言われていたのですが、企業や学校から「目的と手段が逆になってしまっている相談」を受けることが多いそうです。

つまり、

「我が校(我が社)ではこういうことを実現させたい(目的)のだが、そのためにGoogleのシステムは合うのか。どんな利点があるのか。(そのための手段の一つに過ぎない)」

ではなく、

「Googleのシステムを使えば何が出来るの?(使うことが目的になってしまっている)」

という「まずはG Suite for Education(for Businessも同じ)の導入ありき」の問い合わせが非常に多いということ。多くの企業や教育機関が新しいシステムの導入や既存のシステムからの置き換えにおいて躓いてしまっていることの原因の一つにこのことはある(大きい)のではないか、と思います。

東急ハンズであれば、前述のように「2011年ごろから「OSフリー」を基本方針として社内業務システムの刷新」してきた背景があり、また店舗では既に「脱PC」も推進している現状があります。その前提があって、自社の今後のシステムを考えた時、現状選んだのがChromebookへの置き換えという手段だった、ということであって、それは単純に「Windows 7のサポートが2020年で終わるから」というだけの消極的な理由からの選択ではない、ということです。

ChromebookとChromeOSに未来と可能性を感じている私としては、そう考えてしまうと「ChromeOSでなくても良かった」となる訳でそれは多少寂しくはあるものの、見方を変えればそうした先を見ている東急ハンズのような企業にとって現状ベターだったのがChromebookとChromeOSだった訳であり、その辺はとても嬉しいな、と思っています。

Chromebook自体は2年以上使ってきて、その魅力についても既にある程度自分の中ではイメージが出来てきていたつもりでした。ところがここ最近の魅力的な新作の発表と、また毎日情報を追い続けるようになっ...

Chromebookというのはどうも「ネットに繋がないと何も出来ない」上に、「出来ることも限られている」けれどその分「安い」というだけのネットブック的なイメージが根強いのですが、その奥にある魅力に気付くと、企業にとっても教育機関にとっても非常に使い勝手の良い、よく考えられたシステムではないか、と思っています。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/072600315/073100002/

ただ、そうした中で、ここ最近のChromebookの動きは、導入を考えている企業側にとっては悩みの一つともなり得る訳で、

この辺りはまた改めて書いてみたいと思います。

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「アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日」

続いて、「Chromebook」に関する文章を一冊の本にまとめました。

Chromebookはまだまだ日本では馴染みが薄いですが、Googleが開発したOSであるChrome OSを搭載したPCです。

海外では特に米国の教育市場を中心に急速にシェアを伸ばしてきています。日本ではAppleやMicrosoftが教育市場向けのモデルを出すと、一般的に「iPad対抗」「Surface対抗」といった感じで一騎打ちのようなイメージを持たれがちですが、実際には海外では低価格で半分以上のシェアを獲得している「Chromebook(Google)対抗」を想定した三つ巴の状態となっています。

本書ではこのOSの特長でもあり魅力でもある、

Googleアカウントのみでどこでも身軽に移動、作業が出来るスタイルの提案であり、Chromebookはあくまでそれを実現するための仮の入れ物の内の一つ

という点をベースに、私が感じる魅力について暑苦しく書き綴っています。

是非あなたのスマートフォンやタブレット、Kindle端末などに入れて持ち歩き、気が向いた時に読み返して欲しいな、と思っています。