今回は、Dell TechnologiesのWebカメラ2機種、「Dell Pro 5 (WB526)」と「Dell Pro 7 (WB726)」のレビューをお届けします。
……と、書き始めたものの、最初に正直な告白をさせてください。このレビュー、書くのにかなり苦戦しました。
手元に届いてから、すでに1か月以上が経過しています。その間ずっと検証に追われていたわけではありません。単純に、Webカメラというジャンルは「他製品との違いを魅力として言語化し、差別化して伝える」のが思っている以上に難しいからです。
※本記事はDell Technologiesより製品をご提供いただき作成しています。
尚、記事の公開前の事前のチェックや修正等はなく(勿論スペックなどの誤表記などの指摘があれば修正はします)また製品提供以外には金銭等の授受はありませんので、一般的なPR案件ではなく、記事作成に関しては完全に当ブログに委ねられています。
正直、最初はどう書くか悩みました
今回の2製品は、どちらもメーカー様からの提供品です。
「提供品=どうせ忖度した案件記事でしょ」と敬遠される読者の方がいるのも痛いほど分かります(もし私が逆の立場なら、真っ先にそう疑いますから)。ただ、誰が見ても100点満点でベタ褒めできるような製品なんて、世の中にそうそうありません。特にWebカメラという成熟したジャンルならなおさらですし、そもそも提灯記事を書くつもりもありませんでした。
それでも今回お引き受けしたのは、あるひとつの疑問が頭に浮かんだからです。
「みなさん、普段Webカメラってどうしていますか?」

「ノートPCの内蔵カメラで十分」「というか、ミーティング中はカメラをオフにしている」という方も多いはずです。デスクトップ派の私自身も含め、5〜6年前のコロナ禍でリモートワークが一気に普及したタイミングで、とりあえずフルHDのWebカメラを一通り買い揃え、そのまま大きな不便もなく使い続けている方が大半ではないでしょうか。
ところが、今回この2製品を日常の中でじっくり試してみて、思い知らされました。
「あ、この数年でWebカメラって、ちゃんと実用的かつしっかり進歩していたんだな」と。
2機種の基本スペックと、私が注目したポイント
まずは、今回比較する2機種のスペックを整理しておきます。
| スペック項目 | Dell Pro 5 (WB526) | Dell Pro 7 (WB726) |
|---|---|---|
| 最大解像度 | 2K QHD (1440p) | 4K UHD (2160p) |
| フレームレート | 720p時 60fps / 2K時 30fps | 全解像度で 60fps |
| センサー | Sony製センサー | 大型 Sony STARVIS™ センサー |
| 視野角(FOV) | 78° | 90°(78° / 65°にも調整可能) |
| Windows Hello | 対応(顔認証) | 対応(顔認証) |
| 接続ケーブル | 一体型 USB-C(1.5m) | 着脱式 USB-C(2.0m) |
| 外観仕上げ | マットブラック樹脂 | ファブリック調フロントパネル |
| 直販価格(税込) | 22,110円 | 34,870円 |
この2機種に共通する大きな強みが、「Windows Hello(顔認証)」に対応している点です。
最近のノートPCであれば標準搭載も増えましたが、外部モニターをメインにクラムシェルモードで使っている方や、自作・BTOなどのデスクトップPCを使っている方にとって、外付けカメラで顔認証が通る恩恵は計り知れません。
私自身、いまやWindows Helloなしのデスクワークには戻れない体になっています(ごく稀に接続の不具合等一瞬よく分からない原因で認識してくれないパターンはありますが)。
ちなみに、私がメインで愛用しているDellのモニター(U3223QZ)にも、最初からWindows Hello対応の4Kカメラが組み込まれています。そんな「すでに整った環境」にいる私の目から見ても、今回の2製品は忖度抜きでかなり魅力的な仕上がりに見えました。
スペック表に出ない意外な盲点:取り回しとスタンド機構
実機を触ってみて初めて分かる「使い勝手の差」についても触れておきます。
まずケーブル周りですが、WB526はUSB-Cケーブルが本体一体型、上位モデルのWB726は着脱式になっています。


取り回しだけを見れば、好きな長さに替えられる着脱式のWB726に軍配が上がりそうですよね。ただ、このWB726に付属する純正USB-Cケーブル、かなり太くて硬さがあります。

デスクに据え置きで使う分には頑丈で頼もしいのですが、コワーキングスペースなどに持ち出す用途を考えると、取り回しに少し手こずるかもしれません。とはいえ、PC接続側がUSB-A/Cどちらのポートにも変換アダプタなしで挿せる配慮がされているのは好印象でした。


もうひとつ感心したのが、本体とマウントスタンドが「マグネット」でピタッと吸着する構造です。

クリック感なくスムーズに首を振れるため、普段の目線に合わせた微調整はもちろん、後述する「机の上の資料を映すポジション」への切り替えもストレスなく行えます。



なお、どちらのモデルにも被写体を追う「自動追従機能」が備わっていますが、これはレンズが物理的に動くPTZカメラではなく、高解像度映像の一部をデジタル処理で切り出して追従するタイプです。この点は誤解しやすいので注意してください。
実際に5台を横並びにして、同条件で映りを比べてみた

ここからが本題です。
手元にある他のカメラ環境も総動員し、まったく同じシチュエーションで映り方を検証してみました。比較したのは以下の5台です。
- Dell Pro 5 (WB526)
- Dell Pro 7 (WB726)
- Logicool C980OW StreamCam(約6年前に購入したフルHD定番機)
- Dell U3223QZ 付属Webカメラ(現行ハイエンドモニター内蔵)
- 現行ハイスペックノートPC内蔵Webカメラ(最新世代)
検証環境は、もともと直射日光があまり入らない私の仕事部屋。あえて夕方以降にカーテンを閉め切り、光量をかなり落とした状態で以下の3パターンを撮影しました。
- パターン1:部屋の明かりのみ(控えめな照明)
- パターン2:ElgatoのLEDライトを点灯(ミーティング時の理想的なライティング)
- パターン3:部屋の照明を全消灯(モニターの反射光のみ)
実際に見えてきた「6年分の進化」
解像度のスペック差(4K / 2K / 1080p)以上に、センサーの地力で「ここまでハッキリ差が出るか」というのが率直な感想でした。
まず、パターン2の「正面からライトを当てた状態」。




位置が違いますが、これも比較的良好。

これに関しては、どのカメラも顔をしっかり明るく実用的に映し出してくれます。光量さえ正しく確保できれば、カメラごとの差はそこまで気になりません。
歴然とした差がついたのは、照明を消したパターン1やパターン3の「光量が足りないシーン」です。
まずはパターン1の「室内光のみ」の場合。





ただ、元々付属するカメラの質にも左右はされますが。
6年前に「これなら綺麗に映るだろう」と奮発して買ったLogicool C980OWは、暗がりになると顔の凹凸に黒い影が強く落ちてしまい、表情がかなり暗い印象になってしまいました。
ここから更に室内の照明を落として、「モニターからの光のみ」で撮ってみます。





さらに部屋の電気を消してモニター光だけにすると、暗部を持ち上げようとして画面全体に不自然な赤みとノイズが乗ってしまいます。
当時としては優秀な名機でしたが、センサーの世代差を見せつけられた瞬間でした。
ノートPCの内蔵カメラも健闘している。けれど……
意外と健闘していたのが、現行のハイスペックノートPCに内蔵されているカメラです。
現行、更にハイスペックのPCということもあり、元々それなりに良いWebカメラが搭載されていることにあり、控えめな照明下でもソフトウェア処理で上手く持ち上げ、「それなりに破綻なく映す」レベルを保っていました。「これなら外付けカメラなんて要らない」という意見が出るのも納得です。

ただし、それも「ある程度の光があればこそ」の話。

わが家のように部屋自体の採光が悪かったり、外出先のカフェや出張先のホテルなど、間接照明メインで十分な光量が取れない環境下では、やはり内蔵カメラ特有のノイズや解像感の甘さが露骨に出てきます。(そもそもセキュリティの観点から、カフェ等でのWeb会議自体おすすめはしませんが)。
「誰も相手の顔なんてじっくり見ていない」「そもそもカメラはオフ派」というスタンスも理解できます。ただ、表情が見えるか見えないかで、会話のテンポや相手に与える安心感が変わってくるのもまた事実です。
Webミーティングにおける最大のストレスは、「声が途切れて聞き取りにくいこと」と「映像が粗く薄暗くて見づらいこと」の2つ。自分の顔を盛るためではなく、「相手にとって見やすいクリアな映像を届ける最低限の配慮」として考えるなら、この数世代分の進化に投資する価値は十分にあると感じました。
暗所でも破綻しない、WB726の大型「STARVIS™センサー」の実力
今回の検証で個人的に一番「おっ」と唸らされたのが、上位機WB726に積まれている大型のSony製「STARVIS™」センサーの描写力でした。
もともと暗闇を走るドライブレコーダーや、24時間稼働が求められる監視カメラの分野で定評のある裏面照射型センサーです。十分なライティングがある環境なら恩恵は薄いかもしれませんが、光量がシビアな部屋で本領を発揮してくれます。

縮小されてしまっているので分かりづらいですが、細かい部分もかなりしっかり映ってます。
部屋の明かりを完全に消し、PCモニターの光だけが顔を照らしているような極限状態でも、WB726はざらついたノイズを巧みに抑え込み、動きに対する残像感も最小限で滑らかに表情を捉え続けてくれました。
フロント部分のファブリック調の上品なデザインも含め、デスクに常設して長く使いたくなるプロダクトとしての説得力を感じます。
配信者や手書き派に刺さる「ドキュメントビュー」の手軽さ
この2製品を語る上で外せないもうひとつの武器が、「ドキュメントビュー」機能です。

カメラ本体を下向き(机の方向)へクイッと倒すだけで、センサーが傾きを検知し、机の上の書類やメモを自動で「上下反転&台形補正」して映し出してくれます。
会議中にわざわざ手元の紙資料をスキャンしてPDF化することなく、「これ、見てください」とその場でサッと共有できるのは、アナログな書類を扱う機会が多い方にはキラー機能になるはずです。
私自身はそうしたビジネス用途の機会は多くないのですが、定期的にYouTube配信をしている身として、「手元のガジェットや小物を映すための俯瞰カメラ」として非常に重宝しました。
本格的な一眼カメラや複雑なキャプチャーボードの設定を用意しなくても、カメラの角度を手でカチッと下に向けるだけ。この「配信準備のハードルの低さ」は、クリエイター目線でもかなり推せるポイントです。
競合ロジクール製品との比較
同様の手元撮影機能は、ロジクール製Webカメラの「Show Mode(Brio 500 / MX Brio)」にも搭載されています。参考までに、スペックと価格のバランスを比較してみました。
| 機種名 | 手元撮影機能 | 解像度 / 最大フレームレート | Windows Hello | 実売・直販価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| Dell Pro 5 (WB526) | ドキュメントビュー | 2K QHD / 30fps (720p時60fps) | 対応 | 22,110円 |
| Logicool Brio 500 | Show Mode | フルHD / 30fps | 非対応 | 約19,580円 |
| Dell Pro 7 (WB726) | ドキュメントビュー | 4K UHD / 60fps | 対応 | 34,870円 |
| Logicool MX Brio | Show Mode | 4K UHD / 30fps | 非対応 | 約33,000〜36,300円 |
※ロジクール製品のスペックは公表仕様に基づく比較です。
手元を映す機構自体はどちらのメーカーも備えていますが、大きな差別化ポイントになるのは「Windows Helloに対応しているか」、そして「上位機で4K 60fpsが出せるか(MX Brioは4K時30fps)」という点です。日々のPCログインの快適さまで一台でまとめたいなら、Dellを選ぶ大きな動機になります。
購入前に知っておくべき注意点と、「そもそも外付けが必要か」問題
導入を検討する上で、気をつけておきたい点も挙げておきます。
1. 持ち運び前提ならポーチと別売りケーブルが欲しい

基本は据え置き設計のため、レンズ前面を保護するハードカバー等は付属していません。出先へ持ち出す機会があるなら、レンズに傷がつかないようクッション性のあるポーチへ収納することをおすすめします。

また前述の通り、WB726付属の純正ケーブルは太くて嵩張るため、持ち運び用にはしなやかで柔らかいサードパーティ製のUSB-Cケーブルを1本用意しておくと快適です。
2. そもそも「顔を映さない人」には不要な投資
身も蓋もないことを言いますが、昨今のノートPCの内蔵カメラはそれなりに優秀です。
会社や学校のルールで「ミーティング中は原則カメラOFF」が定着している方にとって、数万円を投じて外付けカメラを買い足すメリットは正直かなり薄いと言わざるを得ません。
ただ、「暗い部屋でも相手にクリアで明るい印象を与えたい」「配信用に手元を映せるサブカメラが欲しい」、そして「外部モニター環境でもWindows Helloでスマートにロック解除したい」というニーズがひとつでも刺さるなら、この価格を出す価値は十二分にあります。
結論:この2機種はどんな人におすすめか?

最後に、どちらを選ぶべきかの基準をまとめます。
Dell Pro 5 (WB526) がおすすめな人

- 1対1のオンライン通話や、社内の定例ミーティングがメインの方
- フルHDを超える「2Kの高画質」と「Windows Helloの手軽さ」をバランスよく手に入れたい方
- 2万円前後の予算で、手元を映せるドキュメントビュー機能を試してみたい方
Dell Pro 7 (WB726) がおすすめな人

- 採光が取りにくい部屋や、夜間のオンライン配信・重要会議が多い方
- 暗所でもノイズの少ない「STARVIS™センサー」の圧倒的な描写力に惹かれる方
- ズームしても画質が粗くならない4K解像度と、滑らかな60fpsの映像を届けたい方
- デスクまわりのインテリアになじむ、上質なファブリック調デザインを好む方
すでにノートPC内蔵のカメラで満足していて、特に困っていないなら無理に買い換える必要はありません。
ですが、「何年も前の古いWebカメラを惰性で使い続けている方」や「日当たりが悪く、いつも画面の中で顔が暗く沈んでしまう方」にとって、この進化幅は間違いなく日々のリモートワーク体験を劇的に変えてくれます。特に暗所撮影に強いWB726は、わが家の作業環境にもすっかり欠かせない相棒になりました。
「こういう環境での映りも見てみたい」「ここはどう動くの?」など気になる点があれば、ぜひお気軽にブログのコメント欄で教えてください!









































