追記:2022年10月7日 11:00 更新
本日、Google Pixel 7 / 7 ProとPixel Watchが予約受付(販売)開始となりました。これに合わせてSplititについて知りたい方もまた増えるのではないかと思っています。
Splitit自体は仕組みはシンプルなのですが、Googleストアにおいてはこの2年間で何度も仕様が変わっています。その為、以前書いたこちらの文章の時とは細かい部分でかなり違いが出てきてしまっています。そこで今回、2022年10月時点での仕様について改めて文章としてまとめました。
現時点では「購入金額の2倍以上のクレジットカードの利用可能枠」が目安になっています。
その理由についてはここでは省きますが、それにはより厳密になった「21日毎のカードの有効性確認のための再オーソリ」と、それが完了しないと「前回(21日前)の再オーソリで確保された残高全額分の枠」が取り消されない、という少し特殊な仕様が理由となっています。
まずはこちらからお読み頂くことをオススメします。
[かぶ] Google Pixel 7&Pixel Watch発表で分割プランSplititを利用する際に知っておきたい仕組みと注意すること。(2022年10月版)
昨年10月にGoogleのスマートフォン、Pixel 6/6 Proが発売された際に話題になったのが、Googleが支払方法の1つとして導入している分割払プランであるSplititです。
こちらに関しては、日本人に馴染みのある割賦契約や分割払い、ショッピングローンなどと若干仕組みが違うことから、当時から多くの混乱と不安、疑問が生まれていました。
もちろん決して怪しいシステムではなく、本国アメリカでも日本でもGoogle以外のブランドやお店などで導入されているものではあるのですが、馴染みがない分、様々な憶測、またトラブルのようなものも起きておりました。
このブログでは昨年11月4日に、このSplititについて、当時私自身既に3回利用していたこともありましたので、どういうものか、という点をまとめた記事を公開しました。
こちらでは、「どういう仕組みなのか」という部分を中心に書いたのですが、前述のような憶測やトラブルのようなものの声に対する疑問には答えられていなかったかな、と感じています。
まぁ私自身、別に関係者でも何でもありませんし、案件でもないわけで、3回程度しか利用していない一個人に過ぎませんので、細かい部分まで把握出来ていなかった、というのが一番大きいのですが、あれから半年以上が経ち、その後毎月支払処理が行われ、また私自身その後の再利用でミスをしたり(後述)する中で、幾つか気付いた部分がありました。
また、あれから半年が経ち、来月末にはGoogleの新作スマートフォンであるPixel 6aが発売されることで、またSplititについて関心を持たれる方も増えるのではないか、と思いました。
そこで今回は「利用する上で気を付けたい点」を中心に改めて書いてみようと思います。
分割払いプラン Splititを利用する際に予め知っておくと役に立つと思うこと。
1.注文時に仮決済という形で全額分がクレジットカードの利用可能枠から引かれる(確保されてしまう)
Splititでは注文時にカードの有効性確認と事前承認のため購入金額全額で一度仮決済が行われます。
これ自体は実際には本決済は行われることはなく、支払の保留分としてカード会社側にはデータのみが送られます。但し、一応仮決済がされるため、全額分の金額が利用したクレジットカードの「ご利用可能額」から一時的にマイナスされます(可能枠が確保される)。
まずこの点が人によっては最初に不安になる点ですね。ただ、これは本決済は行われないので、請求自体は来ません。ただ、まずこの時点で頭に入れておいて欲しいことがあります。それが
Splitit側ではカード会社にその後この決済保留分のキャンセル処理通知は行われないので、各クレジットカード会社の判断で、ある程度の期間が経った時点でクレジットカード会社が取り消し処理を行って可能枠を空けることになる。
ということです。つまり、カード会社によっては、Splitit側からキャンセル通知が来ないので、ということで2ヶ月近く枠をそのまま確保し続ける場合がある(枠が空かない)ということです。これが、この後の3.で説明する最初の難関に響いてきます。
2.注文、仮決済から数日後、1回目分の決済が行われる。
さて、注文時の全額での仮決済(オーソリ)から数日後、最初の決済(1ヶ月目)が行われます。これは毎月の支払額ですね。簡単な金額で例を出すと、12万円であれば、1万円が決済されます。こちらは本決済ですので、後日カード会社から請求が来る金額です。
ここで人によってはちょっと困るかもしれません。あまりいないかもしれませんが、例えば上の12万円の買い物であれば、利用したクレジットカードが既に他にも色々使っていて、利用可能枠自体がそもそも注文した時点で12万円強しかなかった場合です。何故なら、
先ほどの(数日前の)12万円での仮決済の枠がまだ開放されていないので、利用可能額が既に12万円減っている
からです。なので、この1回目の決済の時には利用可能額(枠)が少なくとも追加で1万円以上残っている必要があるんですね。
さて、この時点であなたのクレジットカードの利用履歴には、この数日で
12万円(事前承認のための全額仮決済分=本決済されないので請求はなし)+1万円(1回目の支払分)=13万円
がSplitit分として使われていることになります(実際はカード会社側にはSplititではなく「グーグルセラー」としてデータがいくようです)
さて。この状態で、先ほどの「最初の難関」がやってきます。
3a.約半月後に「Splitit分割払いプランの事前承認更新」が再度行われる。ここが一番の注意点。
注文から半月くらい経った頃。ちょうど購入したスマートフォンにも慣れた頃でしょうか。突然Splititからメールが届きます。
多くの方の場合は日本語のメールが届くと思うのですが、私の場合は何故か英語メールで届くことがありました。これ、ちゃんと確認しておきましょう。その上で、この難関はちゃんと乗り越える必要があります。何か。
半月しか経ってないのに、また残額全額の事前承認の更新が行われる
のです。これが困る。
だって、この時点では恐らく多くの方のクレジットカードでは、先ほどの例だと2回分、13万円分の枠が埋まったままなんです。その状態で、残り11回分の合計を更に事前承認しようとするんです。
つまり、半月後の時点で、あなたのクレジットカードの利用可能枠は既に13万円枠を使われているのに、更に11万円(先ほどの例で12万-1万)残っていないといけないんです。
で、利用可能枠が足りなかった場合にはエラーのメールが来るんですが、これが手強くて、
「エラーから7日以内にカードの枠を空けるか別のカードに変更するなりして11万円分用意出来ないと、残額全額を請求(本決済扱い)される」
のです。
しかも、この本決済、普通だとこの時点で可能枠が空いてない(からエラーが出てる)んですから、決済出来ないはずですよね?ところがこれ、カード会社側の承認処理の有無関係なく強制的に確定されます。なので、利用可能枠が空いていようが空いていまいが、翌月に普通にサラッと+11万円が明細に載ってきます。
私はこれでミスをやらかしました。先ほど触れましたが、私の場合、何故か一部の分割払分の連絡が英語のメールで届くんです。なので「○日以内に更新出来ないと残額全額請求しますよ」という記述を見落としてしまったんです。
これ、言い訳なんですが、Splitit、毎月の1ヶ月分の請求(本決済になる分)に関しては、エラーが出ていても比較的寛容なんです。絶対大丈夫、とは言いませんが、1週間〜10日、場合によっては半月くらいエラーが出ていても、意外と待ってくれることもある。
流石に1ヶ月以上エラーが出たらダメだと思いますが、これに関しては「弊社は独自の裁量で」という表現に留まっているように、ここはSplitit側の裁量次第なので、比較的緩い部分があります。
ただ、この購入から半月後の「Splitit分割払いプランの事前承認更新」に関しては勝手が違います。だってエラーのメールにもしっかり書いてあるからです。
「○日以内に事前承認は承認されなかった場合は、ご登録されているクレジットカードに分割払いプランの未払い残高が請求されます。」
って。明記してある以上、強制的に執行してきます。だって、
「○日以内に別のクレジットカードが登録されなかった場合、請求可能なカードを登録しておく義務につき、お客様による違反があったことになります。」
だからです。で、私の場合には、先日家族用に2台購入した際に、これをやらかしたことに気付かず(英文のメールだったので、いつものパターンだと思って見逃していた。)翌月の決済が2台分全額、合計22万円近くが本決済されて請求されておりました。
3b.まだ注文時の全額仮決済分の枠も埋まっているのに、この半月後の残額全額再承認決済(更新)をどうするか。
まぁ単純に利用可能枠に余裕のあるクレジットカードを使えば良いだけなんですけどね。
でもSplititの分割払プランを使う方って、意外とクレジットカードの利用可能枠がそこまで大きくなかったり、月々のその他の決済額がそこそこ大きいので分割にしたい、という方もいると思うんです。
私も公共料金や仕事上の決済の大半をカード払いにしているので、Splititが無くても毎月それなりの請求額になりますし、なのでタイミングによっては引落前で2ヶ月分の枠がまだ開放されてない場合もあります。
そこに更にここまで触れたような「注文時の12万円」+「1回目の支払1万円」に加えて「半月後の11万円」分の枠が必要なんです。
実際に請求が来るのは「1回目の支払1万円」だけなんですが、それ以外のために23万円も枠空けとく必要がある、ということです。で、なんでこういうことが起きるかというと、先ほども触れたように、この本決済されない23万円分の仮決済(オーソリ分)について、
Splitit側が、有効性の確認をした後にカード会社側にキャンセルの処理をしてくれないので、カード会社側が枠を確保したままにせざるを得ないから
なんです。これ、Splititにも相談したんですが「弊社ではそうしたこと(=仮決済のキャンセル処理)は行いません。カード会社に相談してください。」の一点張りでした。
カード会社によっては1ヶ月弱でこの仮決済分は自動でキャンセル(取り消し)処理をしてくれるところもあるので、2ヶ月目以降は突然この抜き打ち「Splitit分割払いプランの事前承認更新」が再度行われても意外と大丈夫なんです。何せ初回(注文時)の全額分は既にキャンセル処理がされた後になってるからです。
でも初月、半月後のこの時点ではキャンセル処理がまだ行われていないことが多いので、結構この罠?にハマる方が多いのかもしれないな、と思いました。
で、この抜き打ちの事前承認更新に関しては先ほどから触れているように「○日以内に更新出来ないと残額全額請求するよ」ってなってしまうので、それがネットで良く見かける「分割にしたのに全額請求が来てた」「何故か2台分の金額が請求されてた(実際に請求額としてきたのか、可能枠が減っていただけなのかは分かりませんが)」という、トラブルに似たような状況に繋がっているのかな、と思いました。
で、この解決策なのですが・・
Googleに言っても無駄です。何故なら支払を請け負っているのはSplititだからです。請求はグーグルセラーとしてくるのに、ね。
で、Splititに問い合わせれば良いか、と言うと、先ほどのような回答一点張りだったり、サポート窓口がチャットな上に、対応が日本語があまり得意でない海外の方が機械翻訳使って対応しているような感じなので、こういう相談はほぼ役に立ちません。なので、一番は・・
カード会社に電話で相談しましょう。
何を相談するか、というと、
購入時の全額仮決済で確保されっぱなしの枠を空けて貰う(オーソリ取り消しを行って貰う)
んです。
つまり、Splitit側がキャンセル処理を行わないので、請求(本決済)は行われないものの、いつまでも枠が埋まってしまっているので使うことが出来ない。なので対応して貰えないか(取り消し処理をしていただけないか)という相談をするんですね。
その際に、ここまで書いたような経緯の説明が必要になるわけです。
なんでそういう状況が起きているのか、という話をするのに、「今どういう状況が起きているのか」という前知識が必要になってくるわけです。でないと、カード会社の窓口の方も「何を言っているのか分からない」という状況になってしまうからです。
尚、このオーソリ取り消しに関しては、通常の「決済分としてデータが上がってきた確定分の決済の取り消し」とは違うので、ちょっと特殊な例になるため、カード会社によっては難しい場合もあります。あと、担当してくださった方のスキルによっては対応しきれない場合もありますので、その辺りは注意が必要です。
ただ、決して何か違法なことをしている訳ではないので、変にキレたりクレームみたいな態度を取らずに、丁寧に相談しましょう。クレジットカード会社も窓口の方も何も悪くはないのですから。きっと相談に乗ってくれるはずです。
まとめ:Splititご利用には、利用枠にかなり余裕のあるカードを使いましょう。
結局はこれに尽きますし、面倒なら結局一括で買ってしまうのが一番スッキリなのですが、Splitit、カード会社の分割払と違って利息無しで12回分割払が出来るのは確かに便利です。
これからPixel 6aや秋のPixel 7の発売の際に利用を考えている方もいると思いますので、「過度に恐れずに」正しい前知識を持って利用出来たら良いな、と思っています。別に詐欺でも怪しい会社でもありませんので。冒頭でも書きましたが、
日本人には馴染みの薄い、少し特殊な形の分割払いである
ということを頭に入れておきましょう。
私の失敗と経験が何かしらお役に立てば良いな、と願っています。