日本時間の2022年10月6日の深夜に開催されたGoogleのイベントで、新作スマートフォンPixel 7 / 7 ProとスマートウォッチPixel Watchが正式に発表、Googleストアでも予約受付開始(販売開始)となりました。
発表後、早速購入された、という方も多いのではないでしょうか。
そんな時に悩むのが一括にするか、Googleストアもおすすめしている分割払いプランであるSplititを利用するか、ではないか、と思います。
分割払いサービスであるSplititはGoogleストアでは2年近く前から導入されています。
私はPixel 5を購入した際に初めて利用、その後Pixel 6 Pro発売時、そしてその後家族用に複数台購入した際に、と結構マメに利用させて頂いていて、個人的には非常に便利で助かっています。
ただ、日本で一般的なクレジットカードの分割払いやショッピングローンと若干仕組みが異なるため、当時から一部で問題が起きていたり、情報が錯綜したりしていました。
私自身もつい先日、予想外のアクシデントに見舞われまして、その解決に1ヶ月以上かかった影響で現在クレジットカードの利用可能枠の混乱が収まっていないため、今回のPixel 7 ProとPixel Watchの購入に関しては、この混乱が収まるまで待ちの状態になっています。
ということで、本来であればこのブログも今日はPixel 7の話題で盛り上がりたいのですが、悔しいのでGoogleストアにおけるSplititの仕組みについて改めてまとめてみようと思います。
Splitit自体は単なる決済システム。仕組み(規約)は導入している各ストア毎に異なる。
はじめに、なぜ冒頭で「Googleストアにおける」と前置きをしたのかについて説明すると、Splitit自体はGoogleストア独自のサービスではなく、様々なお店で導入されている決済システムであり、仕組み(規約)も各ストアごとに異なるからです。
また、ストア側の事情で意外と頻繁に仕組みが変わります。
実際、Googleストアにおいても、1年前にPixel 6を分割で購入した方と、その半年後に購入した方では、まったく仕様が変わっています。
今回タイトルに「2022年10月版」としたのは、何も検索で上位に来てほしいからではなく、半年前、1年前の情報があまり役に立たないからです。
(なので、私が過去2回書いた内容も、その時点では間違ってはいなかったものの、既に変更が加わってしまっていて古いものとなってしまっています。)
GoogleストアにおけるSplitit利用時のポイントは2つ。
では本題に入ります。
GoogleストアにおけるSplitit利用の際に文章作成時点で押さえておきたいポイントは2点です。
- 基本的に常時、クレジットカードの利用可能枠が、Splitit残高全額分押さえられる。
(ただし毎月決済されるのは1ヶ月分のみ) - 21日毎にカードの有効性確認のために、新たに残高全額分の再承認が行われる。
そのために前述の「既に一時的に押さえられている」残高全額分に加えて、新たな残高全額分の利用可能枠を開けておく必要がある。
この新しい再承認が完了した後にSplitit側は前回の再承認分の枠の取り消し処理を行う。
これだけです。
ちょっと分かりにくいですが、これを読まれて完全に理解できた方なら、普通に便利に使えると思います。
要は「残金の約2倍のカードの利用可能枠を常時開けておける」方であれば、何も問題はありません。
ただ、Splititの分割に「公共料金や日常の支払い等々に使っていて、時々大きな買い物もするようなメインのカード」の利用を考えている場合には、この「支払い残額の約2倍の利用可能枠」を下回らないように意識が必要です。
例1:利用可能枠30万円のクレジットカードを使ってGoogleストアで12万円の製品をSplititを利用して購入する場合。
さて。ちょっと文章だけだと分かりにくいと思うので、ここで例としてGoogleストアでSplititを利用して「30万円の利用可能枠」のあるクレジットカードで「12万円」のスマートフォンを購入したと仮定して、利用可能枠が(実際の支払い金額ではなく)どう動くかを表にしてみます。
ここでは分かりやすいように10月1日に購入したことにしますね。
日付 | 枠の確保 | 決済金額 | 利用可能枠 | |
注文前 | 300,000円 | |||
10月1日 | 注文時のカードの有効性確認 | 120,000円 | 180,000円 | |
10月4日 | Googleストアより発送(1回目の支払い) | 10,000円 | 170,000円 | |
10月21日 | 21日毎の有効性確認(再承認) | 110,000円 | 60,000円 | |
10月22日以降 | 10月1日分の取り消し処理 | -120,000円 | 180,000円 | |
11月1日もしくは4日 | 2回目の支払い | 10,000円 | 170,000円 | |
11月11日 | 21日毎の有効性確認(再承認) | 100,000円 | 70,000円 | |
11月12日以降 | 10月21日分の取り消し処理 | -110,000円 | 180,000円 | |
12月1日もしくは4日 | 3回目の支払い | 10,000円 | 170,000円 | |
12月2日 | 21日毎の有効性確認(再承認) | 90,000円 | 80,000円 | |
12月2日以降 | 11月11日分の取り消し処理 | -100,000円 | 180,000円 |
細かい日付については、実際には多少前後する場合がありますので、大体の目安で考えてください。ここで注意が必要なのが赤字の部分です。
「21日毎の有効性確認」は、前回分の取り消し処理の前に行われる
という点に注意が必要です。
つまりこの時点で追加でもう11万円(12万円から1万円既に支払ったので)の枠が空いていないと駄目なんですね。
先に21日毎のカードの残高の有効性の確認が取れた後で、前回(21日前)の有効性の確認時に確保した枠の取り消し処理を行うのです。
で、この枠が空いていなかった場合、Splitit側は1週間、毎日この有効性確認の処理を行います。
そして1週間以内に枠が開かなかった場合には、クレジットカードの利用可能枠が幾らであろうと(つまり数万円しか残っていなかったとしても)強制的に残高全額を本決済してきます。
実際、私の利用しているカードの場合、土日を挟んだこともあってか、実際に枠に反映されるまで1週間以上かかったことがありました。もちろん翌日に運良く反映されることがないとは言えませんが、「再承認が1ヶ月毎ではなく21日毎」となるため、2倍の枠が確保されている状態のタイミングが月末や引落前など枠が少ない時期と重なることもあるので、意外と手強いな、と感じます。
例2:もし利用可能枠が20万円しかないクレジットカードを使った場合。21日毎の再承認が通らない可能性が高い。
つまり、上の表のパターンに当てはめるなら、例えば20万円の枠しかないクレジットカードを使った場合には、
日付 | 枠の確保 | 決済金額 | 利用可能枠 | |
注文前 | 200,000円 | |||
10月1日 | 注文時のカードの有効性確認 | 120,000円 | 80,000円 | |
10月4日 | Googleストアより発送(1回目の支払い) | 10,000円 | 70,000円 | |
10月21日 | 21日毎の有効性確認(再承認) | 110,000円 (再承認不可) |
残高不足 | |
10月27日頃 | 事前承認不可により一括請求 | 110,000円 | -40,000円 | |
10月28日以降 | 10月1日分の取り消し処理 | -120,000円 | 80,000円 |
つまり、10月21日の「21日毎の有効性確認」の時には「残高不足」で枠が確保できないためエラーとなるのに、10月27日の一括請求に関しては、枠が幾らであろうと強制的に請求をかけてくる、ということになります。(なので一時的に可能枠がマイナスになることもある)
それだったら、「21日毎の有効性確認」も枠の残高関係なく強制的に減らしてくれれば良いのですが、ここに関してはこちらでしっかりその分の枠を開けておかなければいけないのが難しいところです。
と長々と説明してしまいましたが、シンプルに言えば、現時点においては(今後また変わる可能性がある)
Googleストアで12万円のスマートフォンを購入する際には、24万円以上の利用可能枠が常時空いているカードが必要
ということです。枠が20万円のカードの場合には(方法がないわけではありませんが)、いきなり21日後に「有効性確認(再承認)が行えず」残高11万円が一括請求されてしまう、ということです。
「なぜ12万円の買い物をするのに倍の24万円の枠を用意しなければいけないのか」という部分はいまいちしっくりこない点ではあるのですが、この辺りはGoogleストアの規約にも書かれていますので、
私達はGoogleストアでSplititを使って購入した時点で、この規約には同意したことになっているんですね。なので、幾ら文句を言っても「あなたが重大な規約違反を犯したからだ」と言われるだけです。
Googleストア(Googleセラー)の分割払いの仕組みと規約は過去何度か変わっている。
さて。
何となく複雑そうに見える、かつ怪しく見えてしまう(人もいるかもしれませんが)Splititですが、これを利用してGoogleストアで購入される方のおそらく9割は、特に何のトラブルもなく無事12回の分割払いを終えられると思います。
なぜなら、多くの方は基本的に豊富な利用可能枠(50万とか100万とか200万とか)のあるカードを使っていたり、そこまで可能枠ギリギリの使い方をしていないと思うからです。
なので基本的には無金利ですし、非常に便利な分割払いです。なので、過度に不安になる必要はありません。
ただ、気をつける点として、冒頭でも触れましたが、これはあくまで2022年10月の時点での規約、仕組みに過ぎません。
何故しつこく繰り返すかというと、この21日毎の有効性確認(再承認)、2年前(Pixel 5発売頃)は完全にランダム、1年前(Pixel 6発売前後)は最初の1〜2回行われた後は、基本的に行われなかったからです。
実際私も1年前に購入したPixel 6 Proの分割(先日ようやく支払いが終わりましたが)に関しては、この1年、ほぼこの残高全額の有効性確認は行われず、毎月の分割支払いのみでした。
それに対して、半年前に購入した際の分割に関しては、現在も21日ごとにキッチリと有効性確認が行われているんですね。
おそらく半年くらい前に規約が変わったのだと思います。なので、それ以前に購入したものに関しては、従来どおりの仕組みで、それ以降の購入に関しては21日ごとの有効性確認がプログラムされているんだと思います。
以前は比較的この辺りが緩かったので(抜き打ちの有効性確認があったりはしましたが)基本的に結構融通が効く分割払いで便利だったのですが、だからこそ毎月の決済時に残高が足りずにエラーが起きる利用者が意外と多かったのかもしれません。
それもあって、Googleセラー側がSplititを使う際の、利用者(私たち)側との規約、仕組みとして「21日毎にしっかり前もって残高全額の有効性確認を行う。その際に残高不足の場合には、1週間経っても解消されない場合は全額強制請求を行う」というように厳格にしたのかもしれないな、と思います。
マイページ上の表示もその分、分かりやすくなったり、と変更が加えられていますので(その結果、そのマイページのシステムのバグで私は先日散々な目に遭ったのですが)今後もこうした変更が行われる可能性もありますので、その点はご了承ください。
ということで、今回Pixel 7とPixel Watchが発売され、新たにSplititの利用を検討されている方も増えるかな、と思い、ここ数ヶ月での仕組みの変更点も含めてまとめ直してみました。
もしかしたら今日利用される方の場合にはまた仕組みが変わっている可能性もありますが、参考になればいいな、と思っています。