[かぶ] GoogleストアでのPixel 6の分割購入で誤解と混乱を生んでいる、米国発Splititについて、既に3回使っている私がまとめてみます。

[かぶ] GoogleストアでのPixel 6の分割購入で誤解と混乱を生んでいる、米国発Splititについて、既に3回使っている私がまとめてみます。

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Googleの新作スマートフォン、Pixel 6が思っていた以上に話題、人気になったことで、ここ1週間ほど違った意味で話題になっているのが、Googleストアで利用できるSplititという分割払いプランです。

これ、昔から日本でクレジットカードを使っている人にとっては、むしろSplititの生まれた米国在住の人よりも馴染みのある支払い方法なのですが、ここ最近の多様化してきた支払い方法の中で、却って混乱を生んでいるようです。

まぁ実際にSplititがどういうものなのか、サイトの説明を見てもいまいち分かりにくいのもあるのですが、ただネット上を眺めていると過度に不安を煽るもの(まぁ本人が不安なんだから仕方ないとはいえ)、誤った情報が結構飛び交ってしまっているので、既に3回、Splititを使っている私なりにまとめてみようと思います。

ただ、私も金融やクレジットカードの仕事をしているわけではなく、また海外のクレジットカード事情を正確に把握している訳ではないので、若干認識に誤りがあるかもしれませんが、その点はご了承下さい。

はじめにまとめると、Splitiitとは、今一部で話題のBNPL(Buy Now, Pay Later)といった審査が不要な(緩い)あと払い系のサービスではなく、単純に、

クレジットカードの分割払い

です。

Splititは、元々クレカで一括払いしかない米国で「分割払い」が出来るようにしたもの。

Splititは元々米国のサービスです。で、日本に住んでいると気づかない方も多いかもしれませんが、日本以外の国では基本的にクレジットカードは「一括払い」のみです。「2回払い」や「分割払い」、まして悪名高い「リボ払い」といったものは、日本独特の商習慣です。要は日本だけなんですね、クレジットカードで支払回数を訊かれる(選べる)のは。

追記:2021年11月5日 14:00 更新

この部分、「米国では一括払いしかない」という記述に対して、貴重なご指摘を頂きました。ありがとうございます。

一括以外にも「「残高の2%以上の好きな額を払えば良く、残りの部分には利息が付く」という方式」があるが、「ゆっくりpay over timeしてカード会社に残高を残してしまうと利息がついてしまうから」ではないか、とのことでした。

ここは私の勉強不足でした。伺った印象としては、なんとなく「最低限の金額を払えば、あとは好きな額で良い→その代わり、残った未払い分に関しては利息が付いてしまう」辺りが、日本のリボ払いの「最低限の支払額だけ払い続けていると、ほとんど利息程度しか払えてないので、残高が一向に減らない」に似ているかな、という印象を受けました。

この辺りの話については、このツイートのあとにもリプの形で米国のカード事情について教えていただいたのですが、日本でなんとなく伝え聞く米国のカード破産、カード地獄の一端が垣間見えてしまったような気がして、非常に興味深かったです。

Yusuke Sato@yusk_)さん、本当にありがとうございます。

で、そんなときに、でも例えば1,200ドルの商品を買うときに、「毎月100ドルずつ、12回(1年)で払えたら便利だよね?」というのが恐らくきっかけだったのではないか、と。で、これをSplititは出来るようにします、ということです。

その仕組としては、

とはいえ、未済、未回収といったリスクは当然あるし、そのリスクを全部うち(Splitit)が被ってたらビジネスにならないから、購入時に一応全額分の枠は確保させてもらうよ。ただ、実際の請求はそれを1ヶ月毎に行うし、翌月には残高を改めて(リスク回避のため)枠として確保させてもらうよ。

ということです。文章にすると分かりにくいですが、日本のクレジットカードの分割払いのようなシンプルな仕組みではなく、こうしたちょっと一見分かりにくい方法になってしまうのは、Splitit自体がクレジットカード会社ではないからです。

もちろんショッピングクレジットの会社でもありません(だから審査もしません。だってクレジットカード会社がある意味身元を保証してくれているから)。あくまで、クレジットカード会社とお客さんの間に入って、本来一括でしか払えないものをSplititが間に入って毎月決済をすることで、無理やり分割(のような形に)している、という訳です。

その理由は、冒頭でも触れたように、そもそも日本を除けば、クレジットカード会社に「分割払い」という考え方、方法がないからなんですね。日本のクレジットカード会社なら、それぞれが独自に分割払いを選んでもらって、カード会社の中で請求をコントロールすれば良いだけなんですが、元々海外のクレジットカード会社には一括しかない以上、別の誰かが擬似的に分割の状態を作らないといけない。それをやっているのがSplititなんです。

クレジットカード会社の分割払いと同じように、毎月残高全額を決済し直さずに、その月の請求額だけを請求すれば良いじゃないか、と思われるかもしれませんが、何度も触れるようにSplititは請求をしているクレジットカード会社自身ではなくて、あくまで仲介的な立場(ある意味販売店側に近い)ので、12ヶ月間もカード情報を保持して、毎月請求をかける、などということは難しいのだと思います。

日本の例で考えれば、あるお店がクレジットカード番号を控えて保持していて、毎月月末になると(カードを通さなくても)勝手に請求額を決済かけられる、ということにになってしまうので。

今巷で人気の審査不要の「あと払い」プランではなく、日本でお馴染みの「クレカの分割払い」です。

ちょっと文章が長くなっちゃいましたが、そうした理由から私は冒頭で、このSplititを、「昔から日本でクレジットカードを使っている人にとっては、むしろSplititの生まれた米国在住の人よりも馴染みのある支払い方法」と表現しました。

要は日本人には馴染みのある、単なるクレジットカードの分割払いに過ぎないんです。

カード会社側で12回の分割処理をするか、カード会社側は一括で受けてはいるんだけど、Splitit側でそれを調整して12回に分けてカード会社に請求しているか、の違いです。

文章ばかりで分かりにくいので、ここで日本ではお馴染みの分割12回払いと、Splititでの12回払いを比較してみます。ここでは、分かりやすくするために、120,000円の商品をあるクレジットカードで分割12回で買った場合と、Splititで買った場合の、それぞれの残りの利用可能枠を並べてみます。ちなみに今回はカード利用枠20万円のカードを例に取ってみます。

実際にはクレジットカードの分割払いには金利が発生するので、請求額は利息分が加わるのですが、ここでは同じ条件(無金利)で表にしました。
クレカ分割12回
請求額
支払い後の
利用可能枠
Splitit分割払い
請求額
Splitit翌月分
残高枠 再確保
支払い後の
利用可能枠
1ヶ月目 10,000円 90,000円 10,000円 120,000 – 10,000
= 110,000円
90,000円
2ヶ月目 10,000円 100,000円 10,000円 110,000 – 10,000
= 100,000円
100,000円
3ヶ月目 10,000円 110,000円 10,000円 100,000 – 10,000
= 90,000円
110,000円
12ヶ月目 10,000円 200,000円 10,000円 0円 200,000円

クレジットカードの分割払いの場合には、初月で枠は全額確保されます(12万円)。その上で、毎月1万円払っていくなかで1万円ずつ枠が戻っていきます。

Splititの場合も似たようなもので、一旦初月で枠が全額確保されます(12万円)。ただ、日本のクレジットカード会社のように内部でそれを分割として処理できないので、Splitit側は、毎月支払った後の残りの残高を改めて仮請求し直します。仮請求し直した時点で、その前月に確保していた分の枠がまだカード会社側で開放されていないと、見た目上は2ヶ月分が計上されているように見えて、「枠が足りない」「枠が2ヶ月分減ってる」という騒ぎになっている、というのが現状です。

ただ、Splititも結局仕組みとしてはクレジットカードの分割払いをするときと、カードの利用可能額は毎月変わらないんです。クレジットカードの分割払いも結局は支払い時に全額を払っている(請求が12ヶ月に分かれてはいても)ことに変わりはないので。

要は、どちらで払おうが、実質購入時には製品代金全額がカード利用枠から引かれる、ということです。ね、クレカの分割払いと同じですよね?

ただ、クレジットカードの分割払いは、12回にもなるとそれなりに利息が発生します。
12回の場合だと、実質年率14.5%、利用代金100円あたりの分割手数料の額にすると8.04円になるので、単純計算で、

分割手数料が、120,000円x(8.04円÷100円)= 9,648円。
支払総額は120,000円+9,648円=129,648円になるので、分割支払額は10,804円/月になります。

Splititは今分割12回金利なしを行っているので、分割支払い額は10,000円/月になりますね。

ネットでは「Splititで分割払いにしたら、枠が普通に全額分減ってるんだけど‥」といった声を目にしますが、当たり前なんです。基本的な仕組みはクレジットカードの分割払いと同じなので。

「二重請求されてる」「分割支払いエラーが出た」は、カード会社側が前月分の仮押さえ枠を開放していないことが主な原因。

ただ、ここでちょっと面倒くさい、というか、混乱を生んでいる事情があるんです。それが、「そうした都合上、Splititは毎月支払い残高分を(リスク回避のため)枠を押さえておかなければならない(でないとリスク高いですからね)」ものの、日本のクレジットカード会社は元々多種多様な支払い方法(あとからリボ等々)を用意している関係もあって、

「一旦売上として上がってきた金額は、販売店からキャンセルの通知が届くか、ある一定期間を置いてから出ないと枠を開放しない」

ということがあるからなんです。この辺、米国の状況は詳しくは知らないのですが、もしかしたら次の月の枠を抑える前に、米国のクレジットカード会社の場合には、結構早めに枠を開けてしまうのかもしれません。それが、日本の場合には、例えば楽天カードの場合には「売上が上がってきたら、特にキャンセルの連絡がない限り、2ヶ月はその枠を確保し続ける」といったように、カード会社によって、一旦確保した枠を開放するまでの日数に違いがあります。

これが、「2ヶ月分枠が減った」という声が巷で結構出てきて、それが不安を増幅させている一因なのかな、と思います。

「利用可能枠が2ヶ月分減っている」と心配されている方の中には、そこから飛躍して「ということは支払い終わるまでで合計12台分の枠が必要ってこと?」と思われている方もいるようですが、そんなことはありません。日本では馴染みの薄い支払い方法なので混乱を生んではいますが、クレジットカード会社も、前述の楽天カードでも「2ヶ月、本決済の連絡が来なければ自動で枠開けます」と言っていますし、あとはもうクレジットカード会社がどのタイミングで枠を一旦開放するか、なんですね。

ただ、ここで注意が必要なのは、枠が空いたから、といって、その空いた枠分を別の支払いに使ってしまったら、Splititの分割支払いが出来ない、ということです。Splititが翌月分の枠を確保するために、前月分で確保した枠を一時的に開ける(キャンセル処理をしているのか)タイミングがあって、その結果数日枠が空いてしまうことがあるんです。ここで「お、枠が戻った」と思って使ってしまうと、その数日後から1週間後くらいに行われる、翌月の枠の再確保の際に枠が足りず「分割払いが出来ませんでした」とエラーのメールが届く、というわけです。

もうこればかりは、Slitit側がいつ一時的に前月の枠を開けるのか、またクレジットカード会社側がいつSlitit側の仮決済をキャンセル扱いにするか、のタイミングの問題なので、基本的には何か不安なことがあったらクレジットカード会社に相談するのが1番です。

ただ、1番は「ある程度利用可能額に余裕のあるクレジットカードを使う」「あくまで日本でいうクレジットの分割12回と同じなので、クレジットカードの分割払いが(例え無金利でも)使いたくない人は使わない」のが1番です。

まとめ。Splititがこれだけ話題、問題のようになっている大きな理由。

さて、結局は単に「クレジットカードの分割払い(12回無金利)と同じ」なのですが、なぜこんなに話題になっているのか、問題(のようなことが起きているのか)、というと、大きく3つがあるかな、と思います。

  1. クレジットカードの分割払いの仕組みに馴染んでいない人が多い。
  2. Splititが前月分の仮押さえ分の枠を開けるタイミングと、カード会社が枠を開けるタイミングが分かりにくい
  3. Paidyのあと払いプランやメルカリのメルペイスマート払いなどの感覚で捉えている人が多い。

というのがあるかな、と思います。1.については今回触れましたし、2.についても、もしかしたら米国のカードの仕組みだと、こうした混乱はあまり起きていないのかもしれません(日本の場合、カード会社に寄って支払い方法も多種多様なので、まだそこにしっかりアジャスト出来ていない可能性も高いですが)。

で、ここでは最後に3.について触れたいと思います。

最近は日本でもBNPL(Buy Now, Pay Later)的な支払い方法が広がってきました。メルカリのメルペイスマート払い辺りがキッカケだったのかな、という気もしますが(ZOZOとかもそうでしたっけ?)、とりあえず買っておいて、支払いは翌月(から場合によっては数ヶ月)でOK的な、審査も要らない、カードも要らない、電話番号とメールアドレスだけで利用可能、といったサービスが増えてきました

それに拍車をかけたのが、最近Paidyが行った、Appleと提携した「ペイディあと払いプランApple専用ですね。分割手数料0%、最大24回払いで最新のiPhoneやiPad、MacBookが買えてしまいます。で、こちらの場合には、クレジットカードが要らない、簡単な審査のみなので(とはいえ、この審査には一応CICなどの信用情報をチェックしていることは注意が必要です)気軽に使えて、しかも毎月分割分のみの請求しかこない、クレジットカードの枠を押さえられることもない、ということで、実際に使っている人もそこそこいるのではないでしょうか。

この影響が大きいと思うんですね。AppleのiPhoneに対抗してGoogleがPixelで12回無金利の分割払いを開始した、と聞けば、こうした「カードの枠を実際に押さえられるわけではなく、単純に支払い方法なだけで、実際には毎月の分割払い分しか請求されない(それ以外には枠は減らない)」と思っている方がいても不思議ではありません。

例えばMVNOのIIJmioでも端末を24回無金利で分割で購入することが出来ますが、この場合も最初にカードの有効性の確認は行われるものの、実際に全額枠が押さえられる、ということはなく、月々の利用料に合算して、月々の分割料金のみがカードに請求されます。

そうした支払い方法に慣れていると、慣れていない方、あまり良くわかっていない方であれば「分割とか言っておいて、いきなり枠が12万円も減ったんだけど!」と不安になっても不思議ではないのかな、と思いました。

まぁよくよく考えてみれば、単純な、日本では馴染みのある「クレジットカードの分割払い」と仕組みはほぼ同じなのですが、最近よく分からずにリボを使う人はいても、クレジットカードで分割12回で支払う人ってそこまでいないのかもしれません。

その辺りが、今回の混乱を生んでいるのかな、と改めて思っています。

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Splititは、元々クレカで一括払いしかない米国で「分割払い」が出来るようにしたもの。

今巷で人気の審査不要の「あと払い」プランではなく、日本でお馴染みの「クレカの分割払い」です。

「二重請求されてる」「分割支払いエラーが出た」は、カード会社側が前月分の仮押さえ枠を開放していないことが主な原因。

まとめ。Splititがこれだけ話題、問題のようになっている大きな理由。

  • Splititは、元々クレカで一括払いしかない米国で「分割払い」が出来るようにしたもの。
  • 今巷で人気の審査不要の「あと払い」プランではなく、日本でお馴染みの「クレカの分割払い」です。
  • 「二重請求されてる」「分割支払いエラーが出た」は、カード会社側が前月分の仮押さえ枠を開放していないことが主な原因。
  • まとめ。Splititがこれだけ話題、問題のようになっている大きな理由。