[かぶ] Google I/O 2019から見えてくるPixelスマホの魅力。あらゆる世界のすべての人に「それを実現する」ための仮の箱としての姿を考える。

[かぶ] Google I/O 2019から見えてくるPixelスマホの魅力。あらゆる世界のすべての人に「それを実現する」ための仮の箱としての姿を考える。

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現在カリフォルニア州マウンテンビューで開催されているGoogle I/O 2019にて、Googleの新しいスマートフォン、Pixel 3aと3a XLが発表、日本でも17日の発売が決まりました。昨日は私の追っているネット上ではほぼこの話題だった気がします。

私はプライベート用にPixel 3 XL、G Suite用にPixel 3を愛用していますが、一般的にスマホ好きな方が求めている部分(スペック比較等)に関してはあまり知識もなければ興味もないので、今回はChromebook好きのおふぃすかぶ的な視点で、今回のモデルとGoogleの方向性について感じたことを文章にしてみたいと思います。

スペックを「読む」人にはPixel 3a/3a XLはコスパ的には面白く魅力的なモデルですが、唯一無二ではない。

今回の写真はすべて私の持っている3、3 XLです(3a、3a XLではありません)。実際昨日半日ネットでの反応を眺めていても「eMMCの時点でゴミ」「DSDVでない時点で論外」「64GBなのにmicroSD使えないとかうんこ」「SD670でRAM 4GBとか中国メーカーならこの半値で出せる。Googleも終わった。」等々、皆さん会話を大変楽しまれているようです。中国のスマホと比べる方を結構見かけたのは、それだけ今中国がハードウェア的に、そしてコスパ的に一歩も二歩も先を行っているのだと思います。

ただ、以前から何度も触れているのですが、Googleってハードウェアメーカーではない。ハードウェア(箱もの)に力を入れている訳ではないのです。だからChrome OS搭載モデル(主にChromebook)も前述のようなハードウェア視点で見る方からは色々と同列で比べられて「うんこ」「売れない」「ゴミ」「論外」と言われることが多い。「ChromebookなんてeMMCの時点で既に駄目でしょ」など、実際に買って使うのではなくハードウェアスペックを表から読み解いて比較して判断するのが好きな方々からのウケは総じて悪い気がしています。

でも今回のGoogle I/Oでも、最初のKeynoteやメディアの記事を眺めていると、この辺りを読み解く鍵がしっかり出てきています。それが、この辺りの記事です。

キーワードは「Building a more helpful Google for everyone」そして「AI for everyone」です。

Googleの持つ技術とサービスを世界のすべての人へ。

ご存じのようにGoogleの強みはハードウェアではありません。Googleは元々ハードウェアメーカーではなく、同社が多方面に展開し、その結果得られ解析してきた膨大なデータを活用したソフトウェア、サービスメーカーだと思っています。その視点で眺めていくと、最近のStadiaも、またChromebookも、更に言えば今回のPixel 3a/3a XLも一貫して同じ未来を向いています。

ハードウェアを開発、強化させて何か特別なことをさせているわけではなくて、ソフトウェア、AIなどを強化させて、それらをクラウドや通信環境に載せて世界のどこででも(国による制限はあるとしても)受けられるようにしています。

また、冒頭で挙げた記事でも指摘がありましたが、「すべての人」というのは単に「世界中の人」という意味ではなく、耳や目、身体が不自由な方(指での操作も難しい方など)など、ありとあらゆる人でも同じようにサービスを受けられる、ということを意味しています。

例えば世界に4億6,600万人いるとされる聴覚障害者が「通話の際に音ではなく文字で会話ができる」ようにするための機能。

Live Transcribeという耳が聞こえない人向けの機能も。相手は普通に電話でしゃべっているのですが、画面で文字に起こされて、耳が聞こえない人は画面で読めるんです、リアルタイムで!!!で、答えを文字で打ち込むと、AIがそれを読み上げてくて、ヘアスタイリストと会話ができてるみたいです。

Project Euphonia: Helping everyone be better understood

また先日G Suiteの話の際に少し出したビデオ通話中にリアルタイムで自動で音声字幕を表示する「Live Caption」機能。そしてGoogle Goは従来のGoogle Lensから更に発展させて、「看板にカメラを向けると、テキストをリアルタイム翻訳してくれるほか、自分が使う言語で読み上げ」てくれます。健常者には単なる翻訳機能に過ぎないとしても、目が不自由な方にとってはスマホが目の代わりになります。

これらは私たちにはいまいち実生活において使う機会が少なく、実感が沸かないので流してしまいがちですが、ここ数年出てきたGoogle発のサービスはこうしたソフトウェア面、AI面の強化が更に強くなっています。

昨年のPixel 3スマホの発表の時にも発表されたGoogle Assistantを用いた様々な便利そうなサービスも今回の発表で更に進化していますが、それらも特定のハードウェアに限られたサービスではありません。確かにPixelスマホや、Chromebookで言えばPixelbookやPixel Slateなど、当初はGoogle謹製のハードウェアから使えるようになってはいますが、これは囲い込みをしたいというよりも、まずはリファレンスモデルから試験的に運用を始めている、というだけだと思うのです。

Pixelスマホがコスパ面以外ではスマホ好きの心をあまり打たない理由。

Pixelスマホでいえば、確かにAndroidスマホであれば他メーカーの端末でも行うことは可能でしょう。ただ、それはハードウェアが独自に進化していなければならないわけではない。むしろ、Googleが考えているこれらの膨大なサービスを提供しやすい形であれば充分なのです。要はサービスを受け取るための仮の箱です。仮の箱として最適化されたモデルと言い換えても良いかもしれません。仮の箱なので、余計なものが付いていると今度は受け取る側に差が出てきてしまいます。ハードウェア依存のサービスは確かにオリジナリティがあって素晴らしいものも多いのですが、そのハードウェアでしか使えないサービスなのであれば、前述の「世界のすべての人へ」届けられなくなります

今回のPixel 3a/3a XLも、その前の3/3 XLも同じです。ハードウェア的には何かがあるわけではありません。だから従来のスマートフォン好きからはスペック面で冒頭の評価に似たような反応を受けました。

カメラが凄い?でもあれ、ハードウェア的に素晴らしかったのではなく、中の処理能力、ソフトウェア面が素晴らしかった、ということですよね?(カメラが凄くない、という意味ではありません。あのカメラは凄いと思っています)

外部ストレージを頑なに採用しないのも同じ。手元に別途それぞれにストレージを用意して保管しておかないと受けられないサービスでは意味がないからです。そして、実用的かどうかは別としても、毎年の発表会でGoogleはハードウェア的な進化ではなく、これらのソフトウェア的な進化と更なる世界の広がりを発表してきました。「こんなこと出来るんだよ」「最近の流れはこれが目的だったんだよ」と。

中にはもちろん「それらはGoogleが膨大なビックデータを収集して利益を上げたいからだ」と言われる方も多いでしょう。ただ、その辺りは今回プライバシー保護の強化を改めて打ち出してきています。

またそもそも膨大なデータを蓄積することで、世界のすべての人に届くサービスを提供するのがGoogleの方針であり、それが最も実現出来る位置に近いのがGoogleである、というのが現状でもあります。

であれば、後は個人情報やプライバシーに関する必須な規制や保護は前提としても、あとはその結果生み出されるサービスを「私が受け取るか、利用するか」というだけです。受けたくなければGoogleのサービスを使わなければ良い、というだけです。

そう考えると、Googleの出すスマートフォンは誰にとっても魅力的な端末であるとは限りません。何故なら、ハードウェアスペック的には特に目立った特徴はないからです。デュアルレンズ、トリプルレンズや独自のAI機能を搭載、専用のUIが使いやすい、○○にカスタマイズされた、といったことがほぼない。あるとすれば、Googleが提供するサービスを使う上で必要な部分のみを残した、必要なもの以外何もないことが特長とも言えるシンプルなことが特長だとも考えられます。だから、むしろAndroid Oneのような低価格でも提供できて、同様のサービスを受けられるような、そんな方向性だと言えるのかな、と思います。AndroidスマホのChrome OS化とも言えるかもしれません。

もちろん、スマートフォンはよりMy Device色が強いので、ChromebookほどOur Computer化は出来ないと思いますが(ChromebookがAndroidアプリ対応して不便になったのは、Androidアプリの再セットアップは一瞬では終わらないこと)。ただ、受けられるサービスが端末を選ばない、という方向性はあるかな、と思っています。

サービスという目に見えない部分は楽しめなければ、使えなければ絵に描いた餅。

今回も色々と書いてきましたが、こうしたサービス面、ソフトウェア面の強化、というのは、一般的には目に見えにくく、分かりにくいので、伝わらなければ、実際に活用出来なければ、売れません。評価もされないでしょう。

どれだけ高尚な夢を抱いていたとしても、伝わらなければ受け入れられませんし、企業ですから売れなければ存続も出来ません。

スマートフォンである以上、端末として魅力的でなければ売れませんし、夢だけ語っていれば良い、という訳でもありません。なので、今回のPixel 3e/3e XLがとりあえずネット界隈、スマホ好き界隈では比較的好意的に受け入れられているような気がするのは非常に良いことだと感じています。

Pixelスマホは以前からカメラ性能は評価が高かったですし、リファレンスモデルとしても需要が高かった。ただ、どうしてもGoogleの方向性を考えると、ハードウェア重視、コスパ重視の方から見れば魅力の薄いモデルだったと思います。それが、今回は「iPhoneや同価格帯のAndroidスマホを潰しにかかっている」と一部では言われるようなインパクトを与えているようです。

今回挙げたような「世界中の全ての人へ」向けられたサービスというのは現時点では、更に独自の言語圏を持つ日本においてはまだまだ恩恵はほとんど感じられないかもしれません。ただ、私は数年前からこの方向性にとてもワクワクしていますし、それが少しずつ目に見える形になってきていることが嬉しいな、と感じています。私にとってはGoogle I/Oは新製品(ハードウェア)の発表ではなく、こうした次のGoogleの展開(ソフトウェア面、AI面の強化による方向性の提示)を知ることが出来るのが楽しみなのです。元々開発者向けのイベントであるのも、そうした方向性を開発される方々へ向けて提示することで、そこから交流が生まれ、そうしたサービスが強化されていくことを狙っているのだと思っていますので。

最後に。
冒頭にもあるように、私は既に「プライベート用にPixel 3 XL、G Suite用にPixel 3」と2台をメインで日々愛用しています。そして非常に使いやすい。別に今回挙げたようなサービスの恩恵を受けている、と感じたことはほとんどないのですが、使っていく中で感じる様々な自由さと気楽さ、楽しさは私にとっては大きな魅力です。

そして、今回は3aを購入しようと考えています。これが5万円以内に収まってきたとき、果たしてどの程度同じ自由さと気楽さ、楽しさを感じられるか、がとても楽しみです。

国内では17日発売ですが、発売後この端末がどう評価されるのか、注目したいと思っています。

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「アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日」

続いて、「Chromebook」に関する文章を一冊の本にまとめました。

Chromebookはまだまだ日本では馴染みが薄いですが、Googleが開発したOSであるChrome OSを搭載したPCです。

海外では特に米国の教育市場を中心に急速にシェアを伸ばしてきています。日本ではAppleやMicrosoftが教育市場向けのモデルを出すと、一般的に「iPad対抗」「Surface対抗」といった感じで一騎打ちのようなイメージを持たれがちですが、実際には海外では低価格で半分以上のシェアを獲得している「Chromebook(Google)対抗」を想定した三つ巴の状態となっています。

本書ではこのOSの特長でもあり魅力でもある、

Googleアカウントのみでどこでも身軽に移動、作業が出来るスタイルの提案であり、Chromebookはあくまでそれを実現するための仮の入れ物の内の一つ

という点をベースに、私が感じる魅力について暑苦しく書き綴っています。

「それぞれの365日 Chromebook会報誌」

「100人いれば100通りのChromebookとの付き合い方がある。それぞれの365日がある。いろいろな人の、いろいろな形の、いろいろな365日を眺めてみたい。」

そんな想いから2018年後半から季刊ペースで出しているのがこちらです。この本は「実際にChromebookを使っている(もしくは興味を持っている)ユーザーたちで作り上げる会報誌」です。

毎回事前に寄稿者やアンケートの回答を募り、それらをまとめて作っています。

是非あなたのスマートフォンやタブレット、Kindle端末などに入れて持ち歩き、気が向いた時に読み返して欲しいな、と思っています。

スペックを「読む」人にはPixel 3a/3a XLはコスパ的には面白く魅力的なモデルですが、唯一無二ではない。

Googleの持つ技術とサービスを世界のすべての人へ。

Pixelスマホがコスパ面以外ではスマホ好きの心をあまり打たない理由。

サービスという目に見えない部分は楽しめなければ、使えなければ絵に描いた餅。

  • スペックを「読む」人にはPixel 3a/3a XLはコスパ的には面白く魅力的なモデルですが、唯一無二ではない。
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  • サービスという目に見えない部分は楽しめなければ、使えなければ絵に描いた餅。