引っ越したら室内での各キャリアの電波が圏外に近くて色々試した話、今回が4回目になります。
既に前回まででわが家で契約しているキャリア(の中でも主に使っている回線)の環境に関しては何とか改善されたかな、という状況です。
まずはプライベート回線のドコモに関してはドコモレピータを借りたものの、それだけでは改善にはほぼ至らず、
屋外用アンテナを追加で申込。
屋外もベランダ(庭)や玄関口では大して変わらないものの、炎天下でスマホ片手にアンテナ表示見ながら20分程ウロウロしていたところ運良く何とかアンテナ3本立つ箇所を見つけることが出来、一応自宅内でも通話は何とか(ほぼ途切れることはなく)出来るようになりました。
妻のプライベートと仕事用、私の仕事用回線のソフトバンクに関しては上記文章では当初ドコモレピータよりはマシだったものの実際に試してみたら結局途切れ途切れになってしまうので、こちらも屋外用アンテナ(ドナーアンテナ)の貸出を検討。
そうした中、こちらも偶然寝室の窓際で多少アンテナ状況の良い場所が見つかり、そこに設置したところ一応ある程度は安定。寝室であれば電波はそこそこ悪くはない(ただ、他の部屋に移ると遮蔽物の関係で安定はしなくなる)ので、とりあえずホームアンテナ3で様子見。
という状況になりました。
なのでとりあえず様子見ではあるのですが、ドコモに関しては元々表通りに面した部屋であるお隣さんもレピータを導入済ながら安定しないと聞いていたので、更に奥まった部屋のわが家ではこれは厳しいかな、と。
となると自宅インターネット回線を利用して電波改善を図る「フェムトセル」を借りることになるかもしれないな、と調べていたのです(何せドコモは屋外用アンテナを申し込んでから3週間近く連絡がなかったので)。
屋外や窓際であればある程度電波が良好なのであれば、今回のようなリピータータイプ(レピータ、ホームアンテナ3など)でも良い訳ですが、
それすら厳しい(厳しそうな)わが家のような状況だと、むしろネット回線は安定しているので、その方法になるだろうな、と。
ところが調べてみたら案外厳しい現実に直面しました。まぁ一番は私の個人的な環境に依るものなのですが、要は
PPPoE非対応の回線(ドコモ光10ギガなど)の場合は使えない
ということです。これ、4キャリアともそうなんですね。わが家で契約しているフレッツ光の場合、対象は「フレッツ光ネクスト」になります。
ちなみにわが家の場合は以前の部屋から引き続き「フレッツ光クロス」を契約しています。「フレッツ光クロス」は基本クロスパス(IPoE方式)ということで、一部のプロバイダを除きPPPoE接続ではありません。一応対応しているプロバイダもあるのですが、
PPPoE対応プロバイダ | フレッツ 光クロス | フレッツ光公式 | NTT東日本
非常に限られています。
プロバイダを変える予定はないですし、室内の通話環境の改善のためだけに10Gbpsのフレッツ光クロス(まぁ半分以上は自己満足ではあるとはいえ)からフレッツ光ネクストに変える気もありません。
ということで、この時点でわが家では無理なのですが、もし例えば「分かった。それでもスマホでの通話を優先させたいから浪漫は捨ててフレッツ光ネクストに変えるわ」となっても、次の問題が出てきます。それが、
ドコモは新規生産終了しているだけでなく、新規受付も終了している
ということです。
これ、単に生産終了だけで、レピータでも解決しなかった場合に限り新規受付はしてくれるのかと思って電話で確認したところ「受付も終了している」とのこと。
つまりドコモはフェムトセルは使えません。つまり私のプライベート回線はその時点でダメ。
一応au、ソフトバンク、楽天モバイルはフェムトセルは受け付けているようです。
auフェムトセル(VoLTE) | エリア:スマートフォン・携帯電話 | au
ホームアンテナFT(4G LTE) | スマートフォン・携帯電話 | ソフトバンク
Rakuten Casa(楽天カーサ) | 通信・エリア | 楽天モバイル
ただ、じゃあわが家であれば(一応iPadでのみ契約しているauもあるのですが)「ソフトバンクと楽天モバイルは電波悪いから、両方借りれば良いじゃん!」というと、そういうことにはならないようで、どうも
1つの光回線(例えばフレッツ光ネクスト)で1社のフェムトセルしか利用出来ない
ようなのです。
この辺りは1年前の内容ではあるのですが、ITmedia Mobileの記事で楽天モバイルを例に取り上げられていました。
楽天モバイルが宅内圏外だったので「フェムトセル」導入も、大苦戦したワケ 個人ではハードルが高い?(1/3 ページ) – ITmedia Mobile
2点目の事例は少ないだろうが、Casa/Casa6とは別のフェムトセル(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが貸与しているフェムトセル)を同一の光回線で利用することはできない。つまり同一の光回線で2台以上のフェムトセルを用いて、電波状況を改善することはできないということだ。
あと、意外と到着後の設定項目も幾つかあったりしながらも、ここは自分で設定を弄らなければならないので人によっては結構ハードル高いと思うんですよね。
それと、フェムトセルに関しては
フェムトセルは総務省から許可が出なければ、事業者を介して貸与されなければ、設置、設定すらできない決まりとなっている。電波法に準ずるわけだ。
ともあるように、電波法の関係で結構色々と基準が厳しかったりします。
例えば楽天モバイルのRakuten Casaのページにも、
Rakuten Casa(楽天カーサ) | 通信・エリア | 楽天モバイル
一度設置した場所からの移動や電源オフは基本的に「ご遠慮いただいております」、で「原則、常時接続」。やむを得ない事情で電源OFFや休止等する場合には「コミュニケーションセンターまで連絡」が必要とのこと。
まぁ多少部屋の模様替えや配線のし直しで一時的に電源をOFFにしたり、少しだけ部屋の中で移動する程度では「わざわざ分かるようにおおっぴらにネットなどで発信」したり、など「お巡りさんの前でわざわざ信号無視して横断歩道を渡る」みたいなことしなければ、そこまで厳しく言われることはないとは思うものの、多少息苦しくはあります。
あとは私は「5Gは悪」みたいな陰謀論は信じてはいないのですが、とはいえある意味自宅内に基地局が出来るようなもので、常にその近くで作業しているのって何となく身体に悪そう(フェムトセルは5Gではなく4G/LTEですが)な気もしてしまいます。
だってマンションの屋上に各キャリアがアンテナ設置したりすると何となく調子悪い、とか昔言われてたじゃないですか。都市伝説かもしれませんが。
ちなみに面白いな、と思ったのは、既に新規生産終了しているドコモのフェムトセルについては説明で、
「一部屋程度の電波改善を行うことができます。」と謳っているのに対して、楽天モバイルのCasaは、
「おおむね一般的な戸建住宅1軒分の電波状況を改善することができます。」とのこと。
性能だいぶ違うのか。やっぱり現役の楽天モバイルの機器の方が強力なんでしょうか。
ということで、折角今回こんなことがあって色々と試してみる機会が出来たので、ついでに各社レピータ借りてみたり(実際電波状況はレピータどころか屋外用アンテナ付けないと各社厳しいのは現状なので)、それでもダメならフェムトセルも試してみたいな、いや、むしろ4社のフェムトセル借りるのがわが家にとっては最強なんじゃない?とか妄想していたのですが、どうやら
そもそも無理
なようです。
せめてここまで光回線開通するまでの半月テザリングで頑張ってくれてた副回線の楽天モバイルくらいはCasa(フェムトセル)借りて改善してあげたい、と思ったのですが、テザリング出来てるってことは事前の電波調査で弾かれそうだし(ただ、実は楽天モバイルに関しても「電波悪い」ということで報告は上げてて「Casaありますよ」的な連絡は貰ってた)、そもそもが「フレッツ光クロスなのでダメ」という時点でこれ以上進みようがありませんでした。
こういう機会でもなければ自宅のネット環境や電波環境を改善しよう、見直そう、なんてことはなかなかないので、試してみたかったのですが、残念。