ここ最近、電車内でのモバイルバッテリーの突然の発火が問題になっています。原因は色々あるとは思いますが、「急速充電による急発熱や衝撃」などが挙げられます。
また、個人的な理由ではあるのですが、以前は充電器はなるべくコンパクトで持ち運べるモノを選んできたのですが、最近では主に自宅での作業を中心に、メーカー純正の充電器を使うようになりました。
以前の当ブログのレビューでは「本体に付属する充電器はかさばるし持ち運びにも不便。必要ない。」と言っていたこともあったのですが、こちらもよくよく考えてみると、より安定した電源共有と電源自体の安定性を求めると、結局は純正が一番安心、というのがあると思っています。
さて。今回は珍しくモバイルバッテリーと67W、140Wの充電器のレビューとなります。

それもメーカーは「PHYSCE(ファイス)」という初めて聞くブランドです。
今回は製品提供レビューとなりますが、お話を頂いたときには正直受けるか悩みました。ただ、ブランド、メーカーについて調べ、実際に製品をラインナップから選んで使ってみた結果、思っていた以上にメーカーとしてのストーリーとコンセプトが興味深く、また自分の用途に自然に合っていたので、今回ご紹介したいと思います。
なお、今触れたとおり今回のレビューは「製品提供によるレビュー」となります。ただ、メーカー担当者からも「一切の忖度無しの本音で」「自由に忌憚の無い製品レビューを」と言って頂いております。金銭等の授受はありませんし、レビュー公開前のチェックや修正もありませんので、その点ご了承ください。
Anker・CIO時代に現われた「PHYSE(ファイス)」とは何者か

充電器やモバイルバッテリーといえば、既にある程度定番処は決まっていると思うんです。私が思いつくところでもAnker、CIO、UGREEN、あと幾つか定番とまではいかなくても思い浮かぶブランドはあります。
また巷では冒頭で触れたように電車内でモバイルバッテリーが爆発したり燃えたりしているように、1,000円2,000円程度のモバイルバッテリーが普通、と言う方も多いと思います。あとは何年もずっと同じの使ってる人、とかね。
そんな中で今回、突然連絡を頂きまして、しかも充電器とモバイルバッテリーのレビューときたわけです。しかも知らないブランド。正直なところ「いや、そんなどうせ中華製の(中国がすべて悪いわけではない)似たような製品大量に作ってロゴと色くらいを変えて、日本に販売代理店か何か入っただけのブランドじゃないの」くらいに思ってました。なので最初はあまり気乗りしなかったんです。でも折角だから、と調べてみたら、思ったより面白かったのです。
今これを読まれているあなたも多分「PHYSCEって何よ。そもそも読めないし」と思っている気がするので、軽く説明したいと思います。この辺りも私が今回「面白そうだからガッツリ使ってみよう」と思った理由です。
顔認証技術の法人実績を持つ「FaceSec Japan」がバックボーン
まずはこの「PHYSCE」というブランド、出しているのはFaceSec Japanという会社です。ただ、先ほど書いたような単なる販売代理店的なものではなく、きちんと日本での法人実績を持つ日本企業です。

この辺り文章でダラダラと書いても見にくいのでポイントをまとめると、
- 親会社(FaceSec Pte. Ltd.): シンガポールに本社およびR&D(研究開発)センターを設置。10年以上にわたりAI顔認証アルゴリズムや各種ハードウェアを自社開発しているグローバル企業。
- 日本法人(FaceSec Japan株式会社): 2020年1月に東京都千代田区永田町に設立。国内施設への導入・製品展開(PHYSCEブランド含む)・サポート窓口を担当。
ということで、シンガポールに本社を置くセキュリティ企業「FaceSec」の日本法人です。で、事業としては元々AI顔認証技術を活用した入退室管理システムや顔認証タイムレコーダーの企画・開発・販売を行っていて、主要導入先としても、
- 海上自衛隊、東京2020オリンピック会場(新国立競技場)
- 製薬工場、大規模商業施設、スタジアム、大学施設、病院・救護施設、オフィスビル等
があるとのこと。Amazonでもこれらのシステム売ってますが、海上自衛隊にまで入り込んでいたのは驚きでした。
24時間止まらない耐久性と放熱設計、事故を起こさない法人基準の安全性をバックボーンに、この分野に参入した
で、当然これらのシステムを法人企業に導入させる訳ですから、法人レベルの信頼性が必要なわけです。例えば、
- 「24時間止まらない」耐久性と放熱設計
防犯や入退室管理を行うセキュリティ端末は、真夏でも24時間365日エラーなく動作し続ける必要があるわけです。熱によるシステムダウンや熱暴走なんてしちゃマズいわけで、それを防ぐための回路設計・温度制御のノウハウを今回充電器であれば「高負荷時でも出力が落ちない定格維持設計」に活かそうとしている。 - 「事故を絶対起こさない」法人基準の安全性
重要施設への導入実績が多いからこそ、バッテリー発火や過熱事故に対する品質基準がシビアではないか、と考えられます。そこで今回この分野に参入するにあたって考えたのが、テスラ車載のリチウム電池セル採用であったり、ボタン一つで物理的に発熱を抑える「BatteryEcoモード」の実装といったこと。この辺りはセキュリティメーカーならではの安全管理思想の表れではないかと。

で、今回そのFaceSecの一事業として「PHYSCE」を立ち上げて参入した
昨今の充電器やモバイルバッテリー市場では、海外の新興ブランドを中心に「どれだけ小さくできるか」「どれだけ瞬発的なW数を出せるか」というスペック競争が過熱してます。
でも、無理な小型化や過剰な高出力化は、激しい発熱(サーマルスロットリングによる出力低下)やバッテリーセルの早期劣化といった代償を伴うわけで、そうしたこともあるので私自身ちょっと最近考えを改め始めていたところでした。
まぁ私自身は顔認証の分野はよく分かりませんが、それなりに国内でもガッツリ導入実績のある、ある程度信用も築いている企業が今回充電器やモバイルバッテリーに参入するわけです。そりゃいい加減なもの作っちゃったら、元々の本業の信頼に響きます。だから今回しっかり作り込んだ製品を投入しているんじゃないか、と思ったわけです。
「酷暑や高負荷環境でも絶対に止めない安定性」と「徹底した熱・安全管理設計」。
まぁ文字で書くのは簡単でも実際には難しいとは思うわけですが、そうした技術的知見をそのまま消費者向けブランドであるPHYSCEとして製品開発に活かしているのであれば面白い。

その辺のテキトーなよく分からんメーカーもどきとは違うのであれば、何となく高そうに見えるお値段もそれなりに妥当な気がしてくる。であれば試してみたい、と。それが理由でもあります。
ラインナップ俯瞰:出力の違いだけではない「緻密な役割分担」
さて。以上が私が今回「PHYSCE」という新興のブランドの製品を試してみようと思った理由でもあるのですが、「お好きな充電器を」と言われて眺めてみたとき、ぱっと見ではどれがどういった特長を持っていて、どういう用途を想定しているのか分かりませんでした。
単純に容量が大きい方が高出力も出来れば複数台の充電も出来るだろ。
くらいの感覚で自分の用途に相性の良さそうな67Wと最大の140Wを選んだのですが、実際に使いながら、他のW数のモデルも調べてみたところ、思ったよりも違いがあったので、まずはその辺りについて触れてみたいと思います。これからもし検討される方は「単純な出力W数」だけでなく、この辺りも含めて自分にあった製品を選んで頂けると良いかな、と思います。
サイズ別・規格対応マトリクス:(35W / 45W / 67W / 100W / 140W)
まずは簡単に各モデル毎のザックリとした特長を私なりにまとめてみたいと思います。
| モデル | PD 3.2 AVS対応 | RGBステータスの視認向き | 立ち位置と設計思想 |
| 140W | C1, C2対応 (PD3.1も対応) | 卓上上挿し時に手前 | 高負荷PC・複数ポート定置型ステーション |
| 100W | C1のみ対応 | 壁横挿し時に上面 | ハイパワー持ち運び&卓上兼用機 |
| 67W | 非対応 | 壁横挿し時に上面 | PC+スマホ給電の実用・定番機 |
| 45W | 対応 | 壁横挿し時に上面 | スマホ超急速充電×Ecoモードの先進二刀流 |
| 35W | 非対応 | 壁横挿し時に上面 | スマホ・タブレット向けスタンダード機 |
今回提供頂いたのは140Wと67Wです。実際にネットを眺めてみると、同時期に製品提供レビューを受けた方もだいたいこの辺りを選ばれている様子。それぞれに選んだ意図はあると思うのですが、私があまり良く考えずに選んだ理由は
- 「大は小を兼ねる」
・・似たような大きさの100Wと140Wなら大きい方が汎用性が高いだろう。
同様に67Wと45Wも、67Wのほうが若干高出力が必要なノートPCでも使えるし、場合によってはノートPCとスマホの同時充電も出来るだろう。
というものでした。ただ、実際に使う中で気付いた部分や、各製品のスペック詳細を眺めていくと、意外と「140Wと100W」「67Wと45W(加えるなら30W)」でそれぞれが「単に大は小を兼ねない」部分が見えてきました。
PD 3.2 AVSの対応・非対応の謎。対応は45Wと100W、140Wのみ。
まずはPD 3.2 AVS対応の部分です。
AVSとは「Adjustable Voltage Supply」の略で、充電器の電圧を細かく微調整し、発熱とロスを抑える最新の給電技術です。「効率の良い電圧の微調整」だけでなく「無駄なエネルギー損失を減らし、充電中も厚くなりにくい設計」「接続した機器の内部状態に合わせて最適な電圧を供給」出来る、などの特長があります。
100W以上はポート数の違いはあれど普通に対応していますが、67Wと45Wを見てみると、「大は小を兼ねる」はずの67Wでは対応していません。また30Wも対応していないため、実質この製品群の中で対応しているのは45Wモデルだけとなります。

これに関しては私、当初深読みして「他メーカーとの激戦区でもある67Wでは敢えてコストを重視して外した。元々ノートPCなど実用重視な点を考えると、敢えてコストをかけてPD 3.2 AVSに対応させる必要はないと考えたのではないか」「それに対し45Wは主にスマホ充電も考える製品群。ここはしっかり最新スマホの対応(Apple iPhone17にも実装されているので)に合わせて対応してきたのではないか」と考えたのですが、メーカーの担当の方に確認したところ、
単に製品開発、発表の時期の違いで、
- 67Wモデルはその開発・生産時期(PD3.2AVS仕様確定の時期より前)の関係
- 35Wモデルは出力(供給電力)の関係
でPD 3.2 AVS仕様を採用していない、という身も蓋もない回答でした。ただ、この点から、もし最新のiPhone等、PD 3.2 AVS対応充電器という視点で選ぶのであれば、67Wや30Wではなく45Wを選ぶことをオススメします。
RGBライトの向きで分かる設計思想

もちろん単純な「大きさ」の違いもあるのですが、実は今回の同社の製品群の大きな特長の一つでもある「側面RGBライト」の向きからも、これらの充電器の想定している用途が伺えます。これは特に140Wと100Wで検討されている方は、前項同様に「単に大は小を兼ねる」で選ばずに、どういう用途を想定しているか考える参考になると思います。
RGBライトで現在の出力W数などが分かるRGBライト。これは反対側にはロゴが光る面があるのですが、分かりやすさでは目盛りにもなっている側がメインです(ロゴ側も色で分からなくはないけれど、色を覚えていないと一瞬分かりづらいので、あくまで装飾的)。
で、これが、どちら側にRGBライト(目盛り、インジケーター)、ロゴが付いているかが140Wと100Wで違うのです。そして、このことが、「RGBライトを実用的に使う」のであればそれなりに影響してきます。

今回提供頂いた140Wでは、底面にあるコンセントに上から挿した場合に、手前側にRGBライトが見えるようになっています。それに対して100Wでは横向きのコンセントに挿したときに、上から見たときにRGBライトが見えるようになっています。
まぁ別に気にならなければどちらも上から挿そうが横から挿そうが好きにすれば良いのですが、メーカーとしては「140Wはそのポート数と出力数、大きさや重さから、卓上などの安定したコンセントに上からしっかり挿して安定させた状態でステーション的に」「100Wに関しては横向きの一般的なコンセントに挿して使える少し大型の充電器」という立ち位置の違いがあるのかな、と感じました。
ということで、ひとまずザックリと充電器の設計思想について考察した上で、ここからはモバイルバッテリー、充電器それぞれに実際に使ってみて感じたことについて触れていきたいと思います。
3in1 モバイルバッテリー 10K検証:短距離走か、中距離走か
さて。まずはモバイルバッテリー「3in1 モバイルバッテリー 10K」について。

私も普段からモバイルバッテリー自体は持っています。最近使っていたのはCIOの10,000mAhの「SMARTCOBY PRO SLIM 35W」、また今回のPHYSCEのモバイルバッテリーと競合する製品としてはAnkerの9,600mAh、65W出力可能な「Prime Power Bank Fusion」を持っています。
ただ、正直ここ最近は出先では結局ほとんど使う機会がなかったので、どちらも持ち歩いていませんでした。まぁ私自身がそこまで出先でスマホのバッテリーが足りなくなることが少なかったこともありますが、あとは「一応別途ケーブルも持ってはいるものの、充電の際にケーブルを取り出して繋げるひと手間が面倒」で結局「まぁ使わなくてもいいか」で済んでいたところもあります。

Ankerはバッテリー残量の数値表示含め、細かい情報を表示できるのは魅力。
ただ、今回で言えば、Anker Prime Power Bank Fusion同様に「プラグが付いていることで、モバイルバッテリー自体を充電しながら、スマホやノートPCにも給電」みたいな使い方ができる、という意味では競合ともなります。特にAnkerの製品は65Wと「強い」。だってノートPCを低電力出力(モード)ではなく充電できてしまうのですから、これ一つ持っていれば別途65W充電器持ち歩かなくても済むからです。
にも関わらず、前述のように私は結局Ankerの製品は持ち歩くことが全くなくなってしまいました。これは一番は前述の「別途ケーブル持ち歩くの面倒」「かと言ってコンセントに挿すにはコンセントの位置を選ぶ(場所によっては挿さらない、安定しない)」などがあるのですが、意外な部分で今回気付かされた部分があったので、まずはその点を触れておきます。
Anker Prime(65W、Fusion)との思想の違い(65W瞬発力 vs 30W長時間安定)
Anker Prime Power Bank Fusion、前述のように「65W出力」出来るのは大きな魅力なんです。ただ、実際に考えてみると「出先でノートPCを65Wでフル出力したら9,600mAhなんてあっという間に無くなるよね」というアンバランスさがありました。
勿論容量で言えば今回のPHYSCEも似たようなものなのですが、「65Wでフル出力させる作業するなら、普通に65W充電器で良くないか」と。実際先ほど触れたように、このタイプの3in1製品って縦に長いので、コンセントの位置を選ぶんです。
65Wを求めるような充電にはモバイルバッテリー的には容量が不安が残る。もちろん30Wよりも早く充電はしてくれるけれど、その分30分弱で空になってしまう。となると、その後はスマホの充電も出来ないし、ただの重い充電器になってしまう。「65W出せる」ことが却って気持ち的に使うことを躊躇させていました。
それに対して、PHYSCEの今回の製品は30W充電です。正直一般的なノートPCでは基本的に出力的には足りない。低出力表示になります。じゃあ充電できないか、と言うと、ノートPCで出先で行う軽作業であれば、普通に僅かずつではあるんですが、充電できるんですね。
実測:WindowsノートPC接続時の挙動(低電力警告が出ても1時間で10%程度は充電出来る粘り強さ)
ということで、ここ最近結構朝のスタバで数時間作業をすることが多かったので、試しに充電してみたところ、「1時間で約10%程度充電できる」んです。これはただ単に10%、というのではなく、当然受電していなければ減り続ける訳なので、その減り続ける分も給電しながら、プラス10%程度充電できる訳で、「延命」には充分すぎるほどです。

最後の数時間が今回3in1モバイルバッテリーを繋いだ状態。PC本体が減ることなく、僅かながら充電が出来ています。
また、本体自体にケーブルが直付けされているので、これをそのまま取り出して、PCの横に置いて繋げるだけで良い。低電力なので発熱も少ない。あと、これは意外と地味なポイントでもあるのですが、ノートPCの横に置いても「ガジェットっぽさが薄い」。

これ結構大事だと思ってます。もちろん好みはあると思うんですが、この手のモバイルバッテリーって黒やメカっぽさが前面に出ていて「如何にもモバイルバッテリー然としている」んです。それが好きな人もいるとは思うのですが、一瞬充電しているのか、SSDか何かアクセサリーを繋げているのか分からないこの雰囲気は結構好みです。
9,600mAhの正しい使い道(PC延命30分+スマホ1回弱充電のリレー運用)
もちろんこれは人によるとも言えるのですが、10,000mAh辺りのモバイルバッテリー持ち歩いている人、1日で使い切れますか?先ほども触れたのですが、私の場合、半分以上余ります。場合によってはほとんど使わずに終わることも多い。そんな人にとってはこの製品、結構アリだと思います。
出先のカフェでハイスペックノートPCをローカルLLMぶん回す、みたいな使い方をされる方には向きませんが、普通の人だと多分そこまで激しい使い方しないと思うんですね。ネットに繋いで、調べ物したり何か動かしたり、AIだってローカルではなくてクラウド、あとは資料作成やメールの送受信程度だと思うんです。それだとノートPCの出力も15W~20Wくらいだと思います。
そんな時、1時間~1時間半使うと(MacBookを除けば)Windows PCだと10%~20%はバッテリーが減ります。それが少し不安に感じたとき、ちょっと30分程度このモバイルバッテリーを取り出して給電しながら使う。その間はPC本体のバッテリーは減らないし、30分後には5%ぐらい増えてる。その日の延命が出来るんです。
その上で、スマホを充電する必要がないならそのまま切れるまで充電しても良いし、「ちょっと半分くらい残して」おけば、帰りまでのスマホのバッテリーの保険にもなる。その辺りの微調整、リレー運用が出来るのがこのモデルの良さかな、と思いました。
電車内充電事故時代における「低発熱・安心感」の価値
ただ、これだけであれば、同様の30W出力で、しかもケーブル直付けの似たような製品、あるんです。というか、あることに、この文章を書いているときに気付いてしまいました。
それが同じくAnkerのPrimeではないPower Bank(10,000mAh、30W出力)です。これだとPrimeにはない充電ケーブル直付けでもあります。じゃあ競合しちゃうし、こちらのほうが安いじゃん、と。
でもここで今回のPHYSCEの製品全般に言える特徴の一つである「5W低出力低発熱モード(ECOモード)」が生きてくると思いました。

冒頭でも触れた、近年増えてきている「電車内モバイルバッテリー発火、爆発事故」。その原因は様々で、単純に発熱だけが問題ではなく、大混雑の都内の電車では不意の圧力等も加わって、そこに認証されていないような低価格の出処不明のモバイルバッテリーなどを使っていれば、更にリスクは上がります。あとは古いバッテリーを使っていれば、寿命の問題もある。
ただ、今回のPHYSCEのモバイルバッテリーは「テスラ車載のリチウム電池セル」採用を謳っていて、1年間保管後も残量80%を維持するだけでなく、1,000回以上の充放電に対応しています。要はバッテリー自体の質が良いので、長く使うのに向いています。そこに持ってきての、この後にも触れますが、ボタンを長押しすることで「低出力(5W出力)のECOモード」に切り替える事も出来ます。
これだと急速充電はされないので、短時間で一気に激減したバッテリーを回復させることは出来ませんが、例えば移動中に充電しながらカバンの中に放り込んでいても、スマホもモバイルバッテリーも発熱をしっかり抑えながら充電が出来ます。この安心感は大きいです。
但し、後述しますが、スマホに常駐させているアプリ(特に位置情報等を常時ログしていたりするもの、バックグラウンドで動くもの)次第では、5W充電では追いつかずに減ってしまうこともあるので注意が必要です。
個人的にはこれからの時代は、もちろん急速充電も不要な訳ではないけれど、出先での使用においては安全性やスマホ自体の発熱も抑えられるこうしたECOモードという充電の形は結構重要になってくるのではないか、と感じましたし、それがこのモバイルバッテリーの大きな魅力だと感じました。
ここで挙げたAnker Prime Power Bank Fusionとの比較
実際には先ほど触れたように、Ankerにも内蔵ケーブル付きの製品(Anker Power Bank Fusion)があるのですが、
そことの違いだと分かりにくいので(ECOモードの有無とデザイン的な部分、値段くらい)敢えて私自身が今まで使っていたPrime Power Bank Fusionとの比較をまとめます。
| 比較項目 | PHYSCE 3in1 モバイルバッテリー (F110KUS) | Anker Prime Power Bank (9600mAh, 65W, Fusion) |
| バッテリー容量 | 9,600mAh (LG製車載グレードセル) | 9,600mAh |
| 最大出力(AC給電時) | 最大30W(海外200-240V環境時は最大40W) | 最大65W |
| 最大出力(バッテリー時) | 最大30W | 最大65W |
| ポート構成・ケーブル | USB-C × 1 + 内蔵編み込みUSB-Cケーブル × 1 | USB-C × 2(ケーブル別途要) |
| 本体サイズ | 約120 × 52 × 31 mm(平べったい長方形) | 約115 × 44 × 42 mm(太めの角柱型) |
| 重量 | 約320g | 約308g |
| 表示・UI | 5段階RGBライティング(数値表示なし) | 液晶ディスプレイ(W数・残量%を表示) |
| 独自機能・モード | BatteryEcoモード(各ポート約5W制限)、1,000回サイクル対応長寿命セル | 液晶状態表示、高出力急速充電 |
| パススルー充電 | 対応(Ecoモード適用も可) | 対応 |
| 定価(税込) | 13,610円 | 16,990円 |
- 「65Wの瞬発力」vs「30Wの粘り強さと長寿命」
Ankerはモバイル時も65W出力が可能でMacBook Proの短時間充電に対応しますが、全開出力時は25分前後でバッテリーを使い切る「短距離走型」です。対するPHYSCEは30Wに抑えることで熱ドロップを防ぎ、約50分〜1時間近く出力を維持しながら給電する「中距離走型」のチューニングとなっています。 - 持ち物の完結性と取り回し
PHYSCEは編み込み式USB-Cケーブルを内蔵しているため、別途ケーブルをポーチに忍ばせる必要がありません。一方Ankerは別途ケーブルが必要ですが、液晶画面で「リアルタイムのW数」や「残量パーセント」が数値で直感的に把握できる強みがあります。 - 安全運用とEcoモード(低発熱設計)
PHYSCEは1,000回の充放電に耐えるLG製車載グレードセルを採用しているほか、ボタン操作で5Wに制限する「BatteryEcoモード」を搭載しています。昨今懸念される移動中・バッグ内での充電時の過熱やバッテリー劣化のリスクを抑え、目を離した状態でも安全に運用できる点が他社にない明確な差別化要素となります。 - 実用的な容量分配(9,600mAhの使いどころ)
出先でWindowsノートPCなどの延命給電に約半分(20〜30分)を充て、残り半分をスマホ1回分のフル充電に使うという「PC延命+スマホ補給」のリレー運用において、両機ともほぼ同レベルの取り回しが可能です。
67W AC充電器検証:他社製65W級より一回り大きいが敢えて選ぶ理由
次に67W 充電器の使い勝手について触れていきたいと思います。

正直に言えば、この製品が謳っている「2台同時充電でずっとフル出力」を保てる、といった部分については、この期間においてはあまり検証が出来ませんでした。
そもそもが前述のモバイルバッテリーの項でも触れたのですが、ノートPCって確かに65W、67Wや90Wといった充電が必要なモデルもあるのですが、そのフル出力の状態が1時間も2時間も続くような作業って(全くないとは言わないものの)結構稀だと思うんですね。もちろんフルでローカルLLMを出力させっぱなし、動画のエンコードを1時間以上続ける、といったことは無くは無いとは思うのですが、私の用途においてはそれはありませんでした。
競合より一回り大きい中でこの製品を選ぶ魅力(放熱スペース+制御回路の安定性)
冒頭でも触れたのですが、例えば自宅での作業においては、ここ最近はメーカー純正の嵩張る充電器を使う頻度が高くなっています。それは単純に「メーカー純正」による安心性(何か起きた場合でもメーカー付属の純正品を使っていたのであれば、少なくとも保証の範囲内にはなると思われる)が大きいです。
またこれだけ充電器が新技術等(GaN急速充電器等)を導入して小型化も図られている中で、未だに旧来の大きさを保っているのは、ノートPCを安定して長く動かすためには、それなりにしっかりした大きさと安定した出力を持った従来品のほうが良い、と判断しているからだと思っています。
実際、私自身今まで持ち歩いていた45Wや65Wの小型充電器も、今回のPHYSCEの充電器に比べると一回り小さくコンパクトです。確かに持ち歩くには重宝します。ただ、その分熱も持ちます。GaNなどによって小型化してもしっかり放熱、出力が出来ると判断したから、だとは思うのですが、(念のため触れておくと、PHYSCEの製品もGaNを採用しています)正直時々触れたときに不安になることがあります。これ本当にフル出力で1時間使い続けていて大丈夫だろうか、と。
実際私が旅先に持っていくのはAnkerの100W、Prime Charger 100W、3 Ports、GaNでした。これ大きさ的にはこの67Wの充電器と同じ。つまり100W充電器としてはコンパクトなのですが、別に100Wフル出力していなくてもかなりの熱を持ちます。
熱を持つことがいけないわけではなく、むしろ放熱自体は大事なのですが、ここまで話してきたような私の使い方でもそこそこの熱を持っていると不安にはなるんですね。それに対してPHYSCEの充電器に関しては、ほんのり温かくはあるものの、低出力のときには落ち着いています。
普段EDCとして持ち歩くのであれば、100Wでなくて67Wでも充分。むしろ複数ポートで最大出力し続ける、といった使い方はそこまで多くありません。であれば、使っていて発熱に不安を感じにくいこちらのほうが使いやすさはあるかな、と思いました。
45W(PD 3.2 AVS対応)ではなく、あえて67Wを選ぶべきユーザー層(PC+スマホの同時給電)
さて、そこで先ほどの話題に触れます。とはいえ、実はこの67W、同社の45Wと違ってPD 3.2 AVSには対応していません。まぁ対応したスマートフォン等を使っていなければ特に気にする必要はないかもしれませんが、単純なWが上の上位互換、という訳ではない点に注意が必要です。
| 比較項目 | PHYSCE 45W (C145US) | PHYSCE 67W (C167US) |
| 最大合計出力 | 45W | 67W |
| ポート構成 | USB-C × 2 | USB-C × 2 |
| 本体サイズ | 約46.7 × 47 × 32 mm(横×縦×厚み) | 約43.4 × 66 × 30 mm(横×縦×厚み) |
| 重量 | 約100g | 約133g |
| 単ポート時出力(C1 / C2) | 各最大45W | 各最大67W |
| 2ポート同時給電時出力 | 最大45W(ダイナミック分配:35W+10W / 30W+15W / 25W+20W等) | 最大65W(ダイナミック分配:45W+20W / 35W+30W等) |
| PD 3.2 AVS対応 | C1 / C2 両ポート対応 | 非対応(PD 3.0 PPS対応) |
| BatteryEcoモード | 各ポート最大約5W制限 | 各ポート最大約5W制限 |
| RGB表示の視認向き | コンセント横挿し時に上面に向く | コンセント横挿し時に上面に向く |
- ノートPCを同時に給電できるかの境目
2ポート同時に使う際、67Wモデルは「45W + 20W」の配分ができるため、MacBook AirなどのノートPCをフルスピード給電しながらスマホも急速充電できます。一方、45Wモデルは「35W + 10W」や「25W + 20W」となるため、スマホ+タブレットやスマホ2台の同時充電が主用途となります。 - 最新急速充電規格(AVS)の有無
45Wモデルは後発設計のため最新規格「USB PD 3.2 AVS」に対応しており、対応スマホにおいて発熱を抑えた細やかな超急速充電が可能です。67Wモデルは先行開発品のためAVS非対応ですが、PD 3.0 PPSに対応しているため一般的な急速充電には十分対応します。 - サイズ・重量と携帯性の違い
45Wモデルはほぼ正方形のコンパクトなサイコロ型(約100g)で日常的な持ち歩きに適しています。67Wモデルは放熱空間と出力確保のため縦長な形状(約133g)をしており、旅行や出先での作業時のメイン電源に向いています。
その中で、あえて67Wを選ぶべきユーザー層というのはいるか、というと、結局は「PC+スマホの同時給電」が必要な人かな、と感じます。
もちろん67Wフルで使うようなノートPCを使っている方も、確かにこちらを使った方が安心ではありますが、そこが気にならなければ、そしてPD 3.2 AVSに対応したスマートフォンを使っていて、充電するときにはPCかスマホのどちらかだけ、もしくはスマホとタブレットくらいだよ、という方であれば、45Wでも良いのではないか、と考えます。
大きな魅力の一つ、ECOモードの注意点
さて、ここで一つ注意点というか心に留めておいて欲しい点があります。それが今回のPHYSCE製品全般についている、大きな特長の一つでもある5W給電、「ECOモード」です。

この機能、充電器上のボタンを長押しすることで切替が出来ます(ライトが緑に点灯)。
このモードのときはすべての充電ポートがそれぞれ5W出力に切り替わるのですが、急いで充電する必要はないので、なるべく充電対象(スマホなど)を熱くさせたくない場合や、前述のモバイルバッテリーを電車内などで使う際、また寝る前に充電しながら寝ている人などには便利な機能です。
ということで私の場合、この67W充電のほうが(140W充電に比べると)寝室用の充電器としても使えるな、と思い、こちらを枕元のコンセントに挿してECOモードにしてスマホ(Pixel 11 Pro)を充電したのですが、翌朝スマホを確認したところ
昨夜就寝前よりバッテリーが微減していました。
これ、微減というところが悩ましくて「全く充電されていなかった」のであれば、もっと減っているはずなんですが、寝る前のバッテリー残量より少し減っている程度なんですね。なので、一応充電はされてはいたものの、それ以上にスマホ側の消費量の方が大きかったために、結果として給電が追いつかず僅かに減ってしまっていた、と思われます。
ちなみに私のスマホには「A○A Pocket」など入れているだけで、バックグラウンドで張り付いてみるみるバッテリーを消耗していくアプリが常駐していまして、それが原因かと思ったんです。ただ、それを一旦消して翌日夜も改めて試してみたところ、
やはり翌朝のバッテリーは微減
していました。一応メーカーの方にも確認したところ、スマホの普段の出力量(消費)が5Wを超えていた場合には充電が追いつかず減る可能性もある、とのことでしたが、ただ日中に試しにECOモードで充電してみると(コンセントもケーブルも変えていません)1%ずつですが少しずつ充電されていってるんです。
ということで、この2週間ほど使ってみたのですが、原因は不明です。ただ、あと考えられるのはスマホ自体のバッテリーケアモード的なものが、例えば深夜就寝中は充電量をセーブするように設定されていて、そればバッティングしてしまって(相性が悪くて)結果として夜はうまく充電できていなかった、といった理由かもしれません。(この部分、今後使っていく中で原因が分かったら追記します。)
あくまで私の環境固有の問題かもしれませんが、一応こういうパターンもある、ということは触れておきたいと思います。
140W 充電器検証:EDCを捨てた「卓上電源ステーション」
続いて140Wの充電器について。

私はこちらは単純に「90Wの充電器が付いたノートPCとか使うことあるし、それだったらそれ単体での充電に限られちゃう100Wのほうじゃなくて、+αでスマホ等も充電しても余裕ありそうな140Wを試してみたい」と思って選びました。
実際メーカーのサイトでも「ローカルAI作業に140Wの安定出力」「LM Studio・Ollama TruePowerで、高出力を維持」といったアピールの仕方もしていたので、もしかすると現行MacBook Proや今後出てくるRTX SparkなどでローカルAIを常時フル稼働するような状態でも安定して高出力を維持できる、というのが謳い文句なのかもしれません。
ただ、実際には私はローカルAIを長時間フル稼働で動かすことはありませんし、実際そういう使い方を想定して検討される方がどの程度いるか分かりませんので、私的な普通の使い方をしてみました。
EDC(毎日持ち歩き)としてはデカすぎる理由とコンセント相性
こちらでも67Wの時同様に、恐らく購入を検討される方が悩まれるのは100W充電器とどちらにするか、ではないかと思います。
で、私が当初選んだように「単純に出力多め、余裕があるほうが使い勝手が良さそうだから」といった理由で選ぶと、ちょっと使いにくいかもしれません。というのは、どちらであっても、ではあるのですが、大きさがそれなりにあるからです。つまり、
挿せるコンセントが限られている
ということです。もちろん上下逆に挿す、など工夫をすれば、それなりにだいたいのコンセントには挿せなくはないのですが、コンセントが古くて挿し口が緩くなっていれば、上下逆に挿せば重さで傾きますので正直危ないですし、また一般的な電源タップ等では(タップ自体をきちんと固定していないと)はみ出した部分の重さで斜めに倒れます。
あと、カフェなどによってはコンセントが斜めに配置されていたり、狭い部分に設置されていたりすると、ちょっと厳しいかもしれません。そう考えると、ある程度使える場所が限られてきます。
100W(横挿し・PD 3.2 AVS 1ポート)と140W(上挿し・PD 3.2 AVS 2ポート)の違い
これに関しては、これもまた「偶然」「開発時期が違っただけ」なのかもしれませんが(この点はメーカーの担当者に訊いていない)前半「RGBライトの向きで分かる設計思想」でも触れた点がひとつの目安になるかもしれません。
100W充電器は一般的な壁付けのコンセントに横から挿した時に上面にRGBライトが見えるようになっています(これは67W以下の充電器も同じ)。それに対して140W充電器のみ、同様に横から挿すとRGBライトが底面にきてしまって見えないんですね。(その代わり反対側のPHYSCEのロゴが光る)

もちろんこのPHYSCEのロゴ側も充電出力に合わせた色で光るので「今どのくらいの出力か」は分からなくはないのですが、RGBライト(ステータス)のほうは、出力量に合わせて色だけでなく光る目盛りの数も変わるので、分かりやすいのです。
では140W充電器はRGBライトは使えないのか、というと、これが机上のコンセントに上から挿す、固定した電源タップに上から挿した時に正面側から見えるようになっています。
この辺り、もしロゴの件が私の思い込みでなければ、100Wと140Wでは形等は似ていても、用途がだいぶ変わってきます。
| 比較項目 | PHYSCE 100W (C1100US) | PHYSCE 140W (C1140US) |
| 最大合計出力 | 100W | 140W |
| ポート構成 | USB-C × 3 / USB-A × 1(計4ポート) | USB-C × 3 / USB-A × 1(計4ポート) |
| 本体サイズ | 約69.4 × 75 × 29 mm(横×縦×厚み) | 約81.4 × 75 × 29 mm(横×縦×厚み) |
| 重量 | 約240g | 約298g |
| USB-C1 出力 | 最大100W(PD 3.2 AVS対応) | 最大140W(PD 3.2 AVS / PD 3.1対応) |
| USB-C2 出力 | 最大100W(PD 3.0 PPS) | 最大140W(PD 3.2 AVS / PD 3.1対応) |
| USB-C3 出力 | 最大20W | 最大30W |
| USB-A 出力 | 最大18W | 最大18W |
| 4ポート同時給電時 | 最大95W(45W + 30W + 10W + 10W) | 最大115W(65W + 30W + 10W + 10W) |
| PD 3.2 AVS対応 | USB-C1 のみ対応 | USB-C1 / USB-C2 の2ポート対応 |
| RGB表示の視認向き | コンセント横挿し時に上面に向く | 卓上タップ上挿し時に正面(手前)に向く |
違いをまとめてみると、
- 全ポート使用時のメインPC給電能力の違い
4ポートすべてを埋めた際、100WモデルはC1の出力が45Wに制限されますが、140WモデルはC1で65Wを維持できます。MacBook Proなどの高負荷PCを充電しながらスマホやイヤホンを全部繋ぎたい場合、140Wモデルの方が明確に余裕が生まれます。 - AVS規格対応ポートの数
100WモデルはC1のみがPD 3.2 AVS対応ですが、140WモデルはC1とC2の両方が対応しています。挿すポートを厳密に意識しなくても最新超急速充電を活かしやすいのは140Wモデルです。 - 設置スタイルと自重の差
100Wモデル(約240g)は壁コンセントへの横挿しも現実的ですが、140Wモデル(約298g)は厚みと自重があるため、デスク上の平置きタップやクランプ式タップへの上挿しが推奨されます。
単純な最大出力W数の違いだけではなく、使い方も大分変わってくると思うので、選ぶ際にはその点意識しておくと良いと思います。
卓上クランプ式タップに「上挿し」して本領発揮するタフな出力維持力
今回ここ二週間ほど使ってみて、改めて感じたのは、やはりこの140Wは卓上クランプ式タップに上挿しして使うことで本領を発揮するな、ということです。(まぁ名前からして「卓上充電器」なのですが)
というか、前半でも触れたのですが、元々わが家には通常の電源タップしかなかった(それもどこかに固定している訳ではない)ため、そのまま上挿しすると重みで斜めに倒れてしまっていたんです。それでも勿論使えるのですが、何となく見映えが悪くて安定しないな、と思っていました。
そこでメインデスクの天板左側面に先日Ankerから発売されたNano Power Stripを取り付け、そこに上から挿したまま使用しています。
良く考えてみるとこのNano Power Strip自体が70Wまで出力可能な端子等複数付いているので、要らない気もするのですが、抜き挿し時の安定感は抜群です。なので、敢えてこの製品を買う必要はありませんが、何かしら安定した机上、卓上のクランプ式のタップなどに挿して使うのがオススメです。
で、こうして使ってみると単純に4ポート使える、というだけでなく、前述のように4ポート埋めてもC1の出力は65Wを維持できます。また、安定したこの充電器が常にRGBライトが柔らかに点滅しているのは結構気分が上がります(もちろん一回軽く押すだけでライトは消すことも出来ます。)
個人的にはこのライト部分が、(正直正確な出力W数を知りたいのであれば、他社製の数字表示してくれるタイプの方が良いとは思うのですが)単なる充電器っぽさを薄めてくれていて気に入っています。
まとめ:PHYSCEのラインナップはどんな人におすすめか

最後にまとめです。といってもここまででほぼ書いてしまったのですが、敢えてどんな人にオススメできるか、という点に触れておきたいと思います。
「軽さ・小ささ」重視なら従来の大手ブランドへ
もう普通にAnkerやCIO、UGREENなど大手ブランドを選ぶのが良いと思います。もちろん大手ブランドでも高出力になるとサイズは大きめになってはきますが、それでもサイズ感、軽さを重視するのであれば既にかなりのラインナップが揃っています。
ただ、例えば先ほど触れた67Wと、私が以前から使っている100WのAnkerのPrime Chargerがだいたい同じ大きさです。単純に「大は小を兼ねる」で言えば同じ大きさで高出力のPrime Chargerになるのですが、でも私的には「今回が製品提供レビューだからではなく」結構このPHYSCEの充電器、気に入ってしまっているんですよね。
なので、EDCとしては今実際にPHYSCEの67Wに入れ替えています。この理由は最後で少し触れます。
「長く使う安心感・熱ドロップなし・ECOモード」を求める人へ
と書きましたが、正直なところ、まだブランドとしての歴史は大手には全然敵いませんので、長期使用時のパフォーマンス、故障や不具合率などは分かりません。そこは大手ブランドのほうが安心感では勝ると思います。(とはいえ、何だかんだと大手といっても今まで色々リコールや不具合は起きてきてはいるので、充電器やモバイルバッテリーに完璧なものはないのですが)
ただ、この2週間ほぼ常用し続けてきた印象としては、かなり安定しているな、とは感じています。モバイルバッテリーに関しても、今まで結局ほとんど持ち歩かなかったのに、そしてこのサイズのものを毎日持ち歩くのはなぁ、と思っていたのに、更に言えば「この大きさなのに30W出力でしょ」とまで思っていたのに、結局毎日持ち歩いています。
理由を考えてみると、「ECOモードでも使える」という選択肢を持てることも大きいと思っています。また、意外と外でモバイルバッテリー的に持ち歩くならノートPCでも30Wくらいであっても、1~2時間分延命出来る、というだけで大分違います。
そして、どちらの場合であっても、前半でも触れた「充電器やモバイルバッテリーは薄くて小さければ良い『とばかりは言えない』」という点があります。実際つい最近まではそうだったのですが、極端に重かったり嵩張ったりするのでなければ、むしろある程度の大きさ(表面積含めて)があって、その中で発熱し過ぎず安定して動いてくれることのほうが大きいのではないか、と感じています。
好み分かれるだろうけど、良くも悪くも充電器「らしくなさ」を求める人へ
ここは言語化が難しいのですが、当初「いや、普通に数字で表示してくれたほうが分かりやすいって」と思っていたRGBライト。消さないとコンセントに挿している間ずっと点滅してるし、夜中に枕元で充電すると眩しくて仕方ないんですが、これが思ったよりもハマってしまったようです。
いや、ゲーミングPCかよ、しかも個人的にはPCは光らないほうが好きなのに、と思っていた私が、今回思ったよりもこの光っていることに実用性以上に気に入ってしまったのは、何か刺さってしまったとしか考えられません。
ただ、勿論ここまで長々と触れてきたように、ECOモードや長時間充電しっぱなしでもそこまで熱くはならない(勿論まったくならない訳ではない)で安定しているな、と感じるのはあるのですが、それ以上に、実物の質感であったり雰囲気が良い意味で従来の充電器、モバイルバッテリーらしくないところが良いな、と思っています。光ってるのはその内飽きるかもしれないけど。
製品ページの画像だとそこまでピンとこなかったんですが、実際に手に取ってみると質感は良いです。

更に、今回は3製品を選んで提供頂いたんですが、その際に敢えて別色にしました。理由はそれぞれの色味を比べてみたかったからです。個人的な印象としては、
- ウェッブグレー(今回は140Wで選択)
まぁ良い意味で普通。これ選んでおけば無難で間違いはない。特に140Wは色の選択がこれしかないのでこれ一択。そこは少し惜しい。 - スターダストホワイト(今回は67Wで選択)
これはごめん、もう少しスターダストを期待してたけど、至って普通。良い意味で、ではなく。普通の白っぽいのが勿体ない。高級感があるか、と言われるとチープではないけど、もう一ひねりほしかったところ。 - ミストゴールド(3in1モバイルバッテリーで選択)
これが思った以上に良かった。先ほどのAnkerから入れ替えた大きな理由の一つかもしれない。ノートPCを充電中に横に置いていても(まぁケーブル自体が短いから)良い意味でモバイルバッテリーっぽくなくて、雰囲気が合ってて良かった。
というか、モバイルバッテリーは上記の充電器のグレーやホワイトと違う「スターライトシルバー」や「レイクブルー」といった色を用意しているので、個人的にはこっちの色で充電器も作ってほしかったかな、と思っているくらいです。
ここは色の好みはありますし、またデザインも最近は結構お洒落なモバイルバッテリー等も出てきているので唯一無二って訳ではないんですが、トータルとして私は気に入りました。
とはいえ、仕方ないけど「違いが分かりにくい・見えにくい」ので、今後に期待
と長々と書いてきましたが、総じて気に入っております。素直なところ、PD 3.2 AVSにも対応した45WがEDC的にはまた違った使い方、持ち歩き方が出来て良かったのではないか、という気もして、これも試用させてもらっておけば良かったな、とは思っております。まさか実際に色々調べてみて、そんな違いがあるとは思ってなかったので。
ただ、提供レビューだから参考にならない、と思われる方もいると思うので触れておくと、正直今私が充電器やモバイルバッテリーを何か探していて、即これらの製品を選択肢に入れるか、と言われると、悩ましいところです。
一番は「とはいえ大手ではない」から。最初に「PHYSCEとは」で決して有象無象のよく分からない濫立する中華系メーカーの製品ではないこと、また元々他ジャンルである程度実績のあるメーカーがこのある程度定番が決まっている充電器&モバイルバッテリー業界に打って出る以上、中途半端なものは作らない、とは思うものの、とはいえお値段もそこそこするわけです。
そして充電器やモバイルバッテリーは「違いが分かりにくい・見えにくい」んですね。
今回もテスラ車載のリチウム電池セル採用と言われていても、じゃあそれ選ぼう、とすぐなるか、と言われればなりにくいし、また安定して高出力を維持する設計になっている、と言われても、イマイチピンと来ないと思うんです。そこをレビューするのは実際に難しいし、実際使ってみても「言われてみればそうかもなぁ」となりがちなのは確か。実際もしここまでの長文を飛ばし飛ばしだとしても流し読みしてくださったあなたも、じゃあ「君に決めた!」とまではなかなかなりにくいと思うんです。
私のような(最近になって、だけど)「充電器やモバイルバッテリーはやっぱり単に薄くて小さくて軽ければ良いという訳ではないんだな」と思い始めている層には頷ける部分も多いとは思うのですが、とはいえ世の中どんどん新技術や新規格も出てきている訳で、実際に今回紹介した3in1モバイルバッテリーが電車内で爆発したり燃えたりしない絶対の保証は無いわけです。
まぁその辺に関してはメーカーのサイト内のブログで結構ガチで製品追い込む検証とかやられているので、興味を持たれた方はそちらもご覧頂ければ、と思います。



ということで、まだブランド自体は年数も浅い製品ではありますが、私は今のところ手元にAnkerのPrimeシリーズやCIOの充電器等もあるんですが、メインで使ってるモノはこのPHYSCEの3製品に入れ替えたのは忖度でも何でもなく素直に気に入ったからなので、これから半年後、一年後も継続して使っているのか、は引き続きまたこのブログでも報告していけたら、と思ってます。





































































































































































