今日明日とAmazonでは家電タイムセール祭りを開催中ですが、そんな中で私も思い入れの強いポメラが今日2016年1月23日のタイムセールに出ています。
発売当初から欲しいなと思いながらも4万円台という挑戦的な価格に尻込みして結局買えずにいたモデルだっただけに、タイムセール以外でも25,270円まで下がっているとは嬉しいような寂しいような複雑な心境です。ただ、発売が2011年と考えると、こうしたスペックが用途に影響しない「だけ出来る」端末の寿命の長さを感じます。
ポメラDM100を比較。7つの活用を提案。電子辞書を買うなら、いっそのことポメラが良いですね。 | ふりむけばコウホウ
と思って久しぶりにネットで検索してみたら、一時期は18,000円近くまで下がっていたのね。その時に気付いて買っておくんだったよ。
私が今も愛用しているポメラはDM100ではなく、DM20というモデルです。既に販売も終了、後継機のDM25も終了しています。ちなみにこのポメラシリーズを出しているのは、社畜用のオフトゥンを出しているキングジムです。
【ご注意ください】当社が開発したオフトゥンは、社畜用ではなく備蓄用です。#こんな注意する日がくると思わなかった pic.twitter.com/qzzF055R9q
— キングジム (@kingjim) 2015, 6月 29
なぜこんな時代錯誤なショボい端末を私は好きなのか。いや、私だけでなく、今も愛用している人がいるのか。これを分かるように説明するのはとても難しい。なぜApple Watchも使っている私がPebble timeにグラングランきちゃうのかをうまく説明出来ないのと同じです。
[1138-201601] Pebble Watch、いいよね。この仄かに漂うチープ感と懐かしさは様々な感情を呼び起こします。
ただ、改めて思うのは、やはり「文章入力しか出来ない」からだと思うのです。
これを「ただの技術不足を苦し紛れに良い面に変換しただけ。」と書かれた方もいらっしゃいますが、確かにそうとも言えます。間違っちゃいない。
ただ、このポメラにGoogleカレンダーとの同期機能(実際に求めていた人がいたので)とか欲しいですか?出来る、となると使わないと勿体ない気がしてくる。そして使うとなればそれぞれの好みも出てくるんです。やれこの点が使いにくいだ、GoogleカレンダーだけでなくiPhoneのカレンダーとも同期出来た方が、となる。でもそれをポメラに求める必要があるのか。スマホあるならスマホでいいじゃん。
出来ることをシンプルにする、って結構難しいのです。どうしても言い訳のように何か機能を足したくなります。足せば足すほど多機能になり、そして裾野も広がっていく。広がっていけば要求も多様化してくる。結局妙に薄まった何か別のものを飲まされているような気になってきます。
けれど、このポメラは冒頭でも触れましたが、発売から5年近く経っても、ほとんど影響がありません。技術の革新と無縁の場所にいます。そりゃ、Bluetoothとか対応スマホとかは古くはなりますが。でも文章入力に関しては今も昔も大した進歩はないんです。だって人間が作る文章自体大して進歩してないんですから。
そして、「文章入力に集中できるから」というのも精神論な根拠のない理由なのではないと思うようになりました。
人間の脳はもともとシングルタスクに向いていると言われています。
「マルチタスク」は本当に悪いのか、科学的に解明してみた | ライフハッカー[日本版]
ポメラは文章入力以外のことが出来ません。出来ないから必然的に文章入力だけ(シングルタスク)に意識を向けていれば良い。けれど、一般的な端末(スマホもPCも)は他のことも出来るんです。マルチタスクが出来る端末を使いながら1つのことに集中しなければいけないのは、思った以上に無意識下でストレスをかけているのかな、と思います。なぜなら人はマルチタスクを好むからです。
人がマルチタスクを好むのは、良い気分になれるから
ひとつのことに集中すべき時に、いわゆる「マルチタスク」をしてしまうのはなぜでしょうか。とある研究によると、この理由は非常にシンプルなものでした。
(マルチタスク習慣のある人は)あまり生産的だとは言えません。彼らは自分が取り組んでいる作業から、さらなる精神的な満足感を得たいと思っているだけなのです。
研究者のZhen Wang氏は上のように述べています。つまり、いろいろなことを同時に行っていると、信じられないほど効率的に仕事をこなしているような気分になるというわけです。
ポメラは考える必要さえないんです。そもそも出来ないんですから。
ということで、万人にお薦め出来る訳ではありませんが、ポメラについて改めて書いてみると、想うことがたくさん出てくるのだなぁ、と気付きました。
やっぱり好きなんでしょうね、ポメラ。