昨日2月10日、ASUS JAPANが国内でC425TAを「新登場」「新発売」しました。ただ、このモデルは2年前に既に国内では販売されているモデルです。ただ、その時点では個人向け市場には販売されていなかった(恐らく法人向けに用意されたモデル)だったので、個人向けには「新」ということになります。
最近はこうした「数年前のモデルを、中身は変えずにガワだけ変えて」新モデルとして販売したり、全く同じ製品名で、でも実はよく見ると僅かにスペックが違っている、といったこともよく見かけます。
それ自体は悪いことではありませんし、まだまだ使えるモデルの再利用と考えれば、充分にニーズもあって、良いことだとは思います。ただ、以前のようにある程度Chromebookに慣れ親しんでいる方であれば、その辺り分かった上で選べるのですが、最近は新規ユーザーも増えてきました。そしてそうした方にとっては、「新登場」「新発売」と言われているモデルが、いつ頃作られた(これはOSのアップデート期限に関わってくるので)、どういうモデルなのか、正直分からないと思うのです。
そこで、「Chromebookを販売するメーカーに改善してほしいところ」の3回目は、少しこの辺りについて書いてみたいと思います。
「モデルによってOSのアップデート期限が全く変わる」Chromebookにおいて、ほぼ同じ製品名のモデルが出てくることで困ること。
Chromebookにも、他OSのPC同様に「製品名」と「型番」の2種類の名前が存在します。
例えばAcerのLTE対応13.3″の2-in-1モデルであるSpin513(こちらが製品名)にはCP513−1HL-N18Q(こちらが型番)が存在します。で、型番は基本的に同じ製品においてのスペック違いの場合に後半が変わってきます(CP513の部分は変わらず)。
これ、とても分かりにくい、と思ったことありませんか?
例えば前回文章にしたのですが、ASUS JAPANのChromebookである、CX1。これを例えば例に挙げてみると、
製品名 | 型番 | 液晶サイズ | プロセッサー | 自動更新ポリシー |
CX1(CX1100) | CX1100CNA-GJ0040 | 11.6″ | Celeron N3350 | 2024年6月 |
CX1(CX1101) | CX1101CMA-GJ0019/0004 | 11.6″ | Celeron N4020 | 2026年6月 |
CX1(CX1500) | CX1500CNA-BR0066 | 15.6″ | Celeron N3350 | 2024年6月 |
CX1(CX1500) | CX1500CKA-EJ0015 | 15.6″ | Celeron N4500 | 2029年6月 |
これらが現在、併売されています(CX1100はだいぶ市場からは消えてきているようですが)。まだまだ販売店によってはどのモデルも在庫がありますし、そうしたモデルが時々極端に安くなって「ASUS Chromebookが2万円切り!これはお得!」と一部で発信されるわけです。
でも、これらのモデル、製品名はすべて「ASUS Chromebook CX1」です。一応その後に丁寧なサイトであれば(CX1100)とか(CX1101)とか書いてくれている場合もありますが、その程度です。スペック部分を見ても、プロセッサーの欄は「Celeron」としか書いてなくて、よく分からなかったりします。
これって不親切だと思いませんか?
CX1には他にも幾つか種類があって、全てをここでは挙げていませんが、この4つをサラッと並べただけでも、OSのアップデートを保証してくれる自動更新ポリシーの期限が「2024年6月」「2026年6月」「2029年6月」の3つが存在するのです。
余程Chromebookの情報を常に追いかけてでもいない限り、区別付かないと思うんです。実際私も、前回の文章を書くにあたって、少し検索してようやく気付きました。私にとってはCX1といえば初代(CX1100やCX1500CNA)のイメージが悪すぎて、そういうモデルだと割り切っていたため、このブログでもCX1が安くなっていても、完全にスルーしていたくらいです。
CX1100とCX1101ならまだ型番を見れば違いが分かりますが、15.6″のCX1500CNAとCX1500CKAが全く別のモデルだということ、普通なら分からないと思うんですね。しかもどちらも「製品名」はCX1(CX1500)なのです。型番まで調べてようやく分かる。にも関わらず、プロセッサーも違うので体感速度が全然違いますし、サポート期限も5年違います。
最近国内でも各メーカーが積極的に新モデルを出してきた結果起きていること。それは、製品名が同じモデルを、ほとんど表記を変えずに出してしまっている、ということです。そしてそれがとても分かりにくい。
以前のASUS JAPANの国内向けChromebookであれば、ある程度製品名の数字に法則性がありました。ここでは詳しく触れませんが、例えばC223というモデルが以前ありましたが、この場合11.6インチ(繰り上げて2)、クラムシェル(2)、3世代目のモデル(3)で「223」。一部途中からズレ等がありましたが、大まかな目安があったのです。ところが最近は分かりにくくなりました。CM3と言われて、いつのどのモデルか分かりますか?CX9ってどういうモデルかイメージ出来ますか?
これはASUS JAPANに限った話ではありません。例えばHPのモデルであるx360 13cや14aといったモデル。数字でこの製品名で大体の液晶サイズとどういったモデルか(x360ならコンバーチブルかな?など)cならハイエンド、aだとエントリーモデルかな、といったことは分かります。ただ、これも現在、同じx360 13c、14aでも毎年のようにマイナーチェンジが行われるので、単純にこの名前だけでは判断がしづらくなってきています。
メーカーによっては(Gen 1)といった表記をしてくれるところもあります。それならまだ区別が付けられるのですが、全体的に見ても、やはり各メーカー、製品名だけではどんなモデルか以前に「いつ出たモデルなのか」「同じ名前のモデルが幾つかあるけど違いがあるのか」がサッパリ分からないことが多いんです。
大量一括導入で、基本的に管理者や担当者が把握していれば良い教育市場や法人向けならある程度は仕方ありません。むしろ型番で一括で把握すれば良いくらいかもしれませんが、これが個人に下りてきた時、普通に個人向け市場で販売する時には、正直余程のマニアでないと(いえ、マニアでも)最近は区別が付かなくなってきています。
そしてそれらが普通に併売されていて、商品ページにも特に細かい情報は載せられていません(先ほどの、プロセッサー部分が「Celeron」としか書かれていなかったり、以前も触れた自動更新ポリシーが全く載せられていなかったり)。
昨日「新登場」した、ASUS JAPANのモデルであるC425TA。これ、2020年に国内で既に発売されたモデルの型番違いなんですね。単純なRAM容量違いなので、恐らく従来のパターンであれば、法人向けに展開されていた(法人向けを8GB RAM、個人向けを4GB RAMと以前は区別していた)モデルの残ったものを、今回個人向けに販売した形だと思われます。
つまり、2020年に国内で販売されたモデルと全く同じなのです。ただ、これも単純に「C425TA」としか言われないので、いつの、どういうモデルなのか、以前のモデルと何が違うのか、新しいモデルなのかも分かりません。
そこで提案。製品名だけでも、国内向けにはもう少し分かりやすく変えること出来ませんか?
そこで、提案なのです。
例えばレノボジャパンでは、北米市場で展開されているモデルを国内で販売する際には、製品名を変えてきています。例えば「Flex5」であれば、「Flex550i」、そのマイナーチェンジ版が最近出ましたが、それが「Flex560i」です。
これだけでも550iと560iでは560iが新しいモデルであることくらいは分かります。
であれば、他メーカーもせめて国内向けモデルでは、製品名をもう少し分かりやすくすることは出来ないのでしょうか。
例えば、今回例として挙げたASUS JAPANのCX1。CX1といっても11.6″、14″、15.6″と存在します。そこで、先ほどの4モデルであれば、
- CX1(CX1100)ならCX11(Gen1)とかCX11(2018←中身が2018年のモデルなので)
- CX1(CX1101)ならCX11(Gen2)とかCX11(2019←中身が2019〜20年のモデルなので)
- CX1(CX1500CNA)ならCX15(Gen1)とかCX15(2018)
- CX1(CX1500CKA)ならCX15(Gen2)とかCX15(2021←中身が2021年のモデルなので)
としてくれるだけでも、もう少し分かりやすいと思うんですね。ちなみに眺めてみると、ASUS JAPANの最近の傾向だと「CXがクラムシェル、CMがコンバーチブル」のようなので、これでCX11ならクラムシェルの11インチの第1世代かな、とイメージ出来ます。流石に2018だと2021年に発売したときに「えっ?古いの?」ってマイナスイメージなるので難しいかもしれませんが。
ただ、ここまで書いて気付いたんですが、CXのあとの最初の数字、これサイズではなくてどうもラインの違いっぽいんですよね。HPでいう、aとbとcの違いのような感じです。で、次の数字(CX1500なら5の部分)が液晶サイズを表しているようなので・・
であれば、CX1(CX1100)って表記の仕方も、分かっていれば一応はそれなりに判断は出来るとも言えるのですが・・
この辺りは私が今思いつきで出来るほど簡単なことではないのですが、各メーカーの方は、もう少し分かりやすい、というよりも混同しにくい名前の付け方をして欲しいな、と思っています。