Chromebookって何でしょうか。何が出来るの?普通のPCと何が違うの?
普及し始めるに従って、こうした疑問を持たれる方も多くなってきたのではないかと思います。
「ChromebookはPCとは認めない」「あれはスマホ(タブレット)にキーボードが付いたもの」
そうした捉え方をする人もいます。私もこうして800以上、このブログでChromebookについて書いてきましたが、未だに誰もが納得出来るような、シンプルで、メリットもデメリットもスッキリ分かるような説明は出来ていません。そして、これはChromebookユーザーに限らず、様々な視点から、色々な説明がされています。
なので、そうした記事を幾つも読みあさっている内に、自分の中で腑に落ちる解釈に出逢えるかもしれません。ただ、幾らそうした記事を読んでみても、結局よく分からない、という方もいるでしょう。実際にそうした声もよく目にします。
ただ、私自身、例えばChromebookではなく、一般的にイメージされているPC、例えばWindows PCやMacBookなどについて同じようにメリット、デメリットを説明して、と言われても、多分出来ません。Windowsなんて3.0から触ってきてるので、もう30年近いんですよ。でも私はWindows PCの特長、出来ること、出来ないこと、メリット、デメリットを誰にでも分かりやすい表現で、スッキリ出来る表現で説明出来る自信はありません。
さて。いきなり言い訳のような話から始まりましたが、良く考えてみると、普及し始めてきたからこそ起きる現象であって、基本的にはChromebookに限らず、これって説明するのは難しいんです。なので、それぞれがそれぞれの経験や立場、視点から見たChromebookについて話すことは出来ても、それは1つの見方に過ぎない、ということです。それを前提として、ちょっと私なりに、今回久しぶりに、この点について少し考えてみようと思います。
ただ、今回は少しアプローチを変えてみたいと思います。誰にでも分かりやすい、というよりも、むしろ一般的に言われているような「Chromebookとは」といった説明について、ちょっと考えてみたいと思います。
Chromebookに興味を持ち、購入を検討されているあなたに聞きたいこと。「予算幾らですか?」
Chromebookって何?何が出来て何が出来ないの?他のPCと何が違うの?
これは新しいモノに興味を持つ、購入を検討している際に、何より知りたいことだと思います。ただ、折角そうした「○○とは?」といった深いテーマに興味を持ってこの文章をお読み頂いているあなたには申し訳ないのですが、まず最初に訊きたいことがあります。
幾ら出せますか?
身も蓋もない質問でごめんなさい。
恐らく、Chromebookの購入を検討されている、選択肢に入っている、ということは、あなたは今回PCを買うにあたって、20万、30万といった予算は考えていないと思うんです。20万円、30万円出す気があるなら、多分それだけご自身の中で、それだけ出すに見合う用途、目的がハッキリしていると思うんですね。ちなみに私も数年に1度、PC環境を一新しますが、そういう時には20万〜30万(場合によってはそれ以上)見積もります。
さて。
幾らくらいでPCを買おうと思っていますか?
恐らく、Chromebookも候補に入っているなら、2〜4万円、精々出せても6〜7万円くらいだと思うのです。
であれば、巷で一般的に言われているChromebookで「出来ない」事の内の幾つかは、Chromebookでなくても基本的には出来ない、もしくは快適には出来ないので、気にしないで大丈夫です。
例えば、巷でよく言われる、お馴染みの「Chromebookで出来ないこと」。
ゲームや本格的な動画編集
といったことです。それぞれ、もしあなたが本当にノートPCでやりたいのであれば、それも「本格的に」であれば、2〜4万円では余程PCの知識があって、うまい買い物とカスタマイズの方法でも知っていない限り、Chromebookでなかったとしても無理です。
6〜7万円出せば、確かに最近のWindows PCはだいぶ性能が上がってきました。確かにゲームもプロでも使うような本格的な動画編集ソフトや画像加工ソフト等を「入れる(インストールする)こと」は出来ます。
でも、正直、入れられることと、それで実際に実用的になるか、は全く別です。
ゲームやりたい、本格的、それも例えば仕事にもなるような、しっかりした動画編集をしたいのであれば、そもそも予算10万円以下のノートPCで選ぼう、ということ自体が無理があるんですね。なので、そもそも目的に予算が見合っていないので、予算を上げるか、目的を変えるか、のどちらかの選択が必要です。
ちなみにゲームであれば、最近はクラウドゲームサービス(GeForce NOWやXbox Cloud Gaming)がだいぶ充実してきましたので、月額課金をして、ある程度安定した通信環境を用意出来るのであれば、2〜3万円のChromebookでも、スマホやタブレットでもそれなりに遊ぶことは出来ます。そうした代替案はあることはあるので、そこまで気にしなくても大丈夫です。
もちろんこれはPCに詳しい方は除きます。何故なら、そういう方はその辺りの取捨選択と機種選定の知識と経験があるからです。ここではあくまで、一般的に言われている「Chromebookでは出来ないこと」の代表例として挙げてみました。
嫌な言い方かもしれませんが、Chromebookが候補に入る時点で、そもそもこの辺りの用途は想定してない、想定しないのが失敗が少ないと思います。
「Chromebookって何が出来るの?」その前に、自分のやりたいことが明確であれば、そもそも悩みません。
さて。続いてはお馴染み「何が出来るの?」「何が出来ないの?」
これ、自分が聞かれても困りませんか?だって、○○が出来る、と言っても、それがその人にとってやりたいことかどうかなんて分からないからです。そんなことやりたいとすら思ってないかもしれないし、思っていたとしても、それは私が想定しているレベルの使い勝手、出来る内容とはずれてくる可能性も高いからです。
なので、よくPCに限らず、モノ選び、更には人生全般においても「目的の明確化」「目標の明確化」が薦められます。
でもね、そんなもの、明確に出来てたら、そもそも迷わないわけです。PCだって同じです。PCで何やりたいか、なんて、以前からPCに慣れ親しんでいる方でもなければ、そもそもPCってそもそも何が出来るのかすらイメージしづらいと思うんですね。
ちなみに私も30年近くPCを触ってきましたが、そんな私でもPCで何が出来るか、なんて分かりません。ただ、自分が30年の間で使ってきたことが出来る、ということは分かるし、それがChromebookで出来るかどうかは判断が出来ます。
ただ、それならそもそもこんな文章読まないわけです。大体において、そうした目的がある程度明確になっている人であれば、こんなことで悩まないと思うんです。
多くの方は、何となくPCで色々やってみたい、と思っている。PCだと何かスマホなどとは違ったことが出来ると思っている。
あんなことやこんなことをやってみたい。ただ、そのイメージは漠然としてる。そして、実際にそれをやるかやらないかは、別です。何故なら、その漠然とした「やりたい」をどういう方法で、どういう手段で行うのか、は結局自分で調べないと分からないからです。
先ほど挙げた動画編集一つ取ったって、プロ仕様の有名なアプリとスマホの動画加工ソフトでは確かに出来ることは違うかもしれませんが、その分前者の方が慣れるまでは大変だったり、ほとんどの機能は最初の頃は不要だったりします。まぁそれは後者でも同じで、結局はある程度使い方に慣れないといけない訳ですが、それが自分のやりたいこと、実現したいことと合うとは限りません。もしかしたら、あなたの行いたいことは、スマホの方が感覚的に、簡単に実現できるかもしれません。
さて。改めて先ほどの質問に戻ります。あなたは幾ら出せますか?
さて。ここでまた先ほどの意地悪な質問です。あなたは幾ら出せますか?
極端な言い方をすれば、お財布が許すなら、最初はコスパとか週末お得情報とか、損した得したとか考えずに、とりあえず高くて有名な一般どころのPCを買っておくのが一番なんです。とりあえずそれなら、あなたのとりあえず漠然としたやりたいことの大半は一応出来る可能性が高いのです。
ただ、もちろん買えば出来るわけではなく、当然出来ることの選択肢は増えますが、その分、ある程度その後は自分なりに使っていく中で、やりたいことを明確にして、アプリやサービスを選んで、使い方を自分で学習して身につけて、慣れていく必要があります。
やれることの可能性、範囲は確かに広い、大きいですが、その分、出来ることが多すぎて、その中から今度は自分が最適の手段を選ぶのが大変かもしれません。選択肢が増えてしまうからです。
でもあなたはChromebookを選択肢に入れている、ということは、予算はある程度限られていると思うのです。まぁ選択肢に入れてなくても、誰でも予算には限りはあるのですが、そんな10万、20万と考えていた訳ではないと思うんですね。
さて。ここで二択です。
いま、ネット上には非常に有益で分かりやすい、PCの情報サイトが色々と存在します(オススメ30選みたいなものではなく)。それらのサイトを眺めていると、PC好きであれば、ある程度知識があるのであれば、「えっ?この価格でこの辺りのモデルが買えるの?」と思えるような情報がどんどん出てきます。
というか、そこで、そう思えたのであれば、そう思えるだけの知識が既にあるなら、それらを選びましょう。
見てもよく分からないけど、「とりあえずお得と言ってるからお得なんだろう」くらいしか感じないのであれば、
Chromebookも選択肢に入れてみてください。
意地悪に感じるかもしれませんが、そのレベル(これは馬鹿にしているつもりは一切ありません)であれば、そのくらいの漠然とした用途であれば、そして何より、それで予算が10万円以下、むしろChromebookを選択肢に入れるくらいなので、5万円以内だと思うんですね。なのであれば、
Chromebookも、他OSのPC(Windows PCなど)も、恐らく「実際に出来ること、出来ないこと」関係なく、あなたにとっては、恐らく用途は同じです。そして、その用途であれば、この価格帯では、どのOSのPCも大して変わりません。
なので、あとは好みで選びましょう。「なんかカッコイイ」「なんかこれ買ったら出来そうな気がする(という妄想が膨らんだ)」
そんな理由で構わないと思います。
ちなみに補足しておくと、そんな妄想の内、半分くらいはもしかしたら出来ないか、もしくは思っていたほどではないかもしれません。だから「こんな筈じゃなかった」と後悔するかもしれません。「こんなことなら○○選んでおけば良かった」と。
ただ、安心してください。
その○○でも、多分その予算なら同じです。もしかしたら「思っていたほどでは」どころか、そもそも使う気にもなれなかった可能性もあります。
それくらい、価格って大きいんです。ただ、私はそんな中で感じています。
少なくとも、5万円以内のPC(PCと認めたくなければデバイス、でも構いません)で出来ること、という範囲で考えるなら、
Chromebookは普通に使えます。
使えない部分の多くは、そもそも原因はChromebookにある、というよりも「その価格のPC買ったからだよ」ということが多いと思っています。
ではほとんど出来ることがないのか。そもそもそんな予算でPCを買わない方が良いのか。
そうでもないんですね。だって、多くの人にとって、PCでやることって、それ程多くはないからです。
ビジネスではお馴染みの20−80のルール(20−80の法則)みたいなもので、PC全体の出来ることのうち、実際には80%くらいの人は、100出来ることの内、20くらいのことしかやらない(使わない)んです。PCの用途の内の20%のことで、多くの方の用途の80%は満たしてしまっている、といっても良いかもしれません。
例えば私はPCが趣味で、30万、40万と普通にお金かけますが、実際の用途の8割方は、ほぼ3万円のChromebookでも出来てしまうんです。だからChromebookを使うことが多い。そういうChromebookユーザーって多いと思います。
そして、そんな3万円のChromebookでも出来るようなことに関しては、Chromebookは快適です。
ただ、当然、人がやりたいことってそれだけではない。時々それ以外のことが出てくる。そんな時だけ、他のPCを使ったりします。
もちろん、その「もしもの時のために」「何かあった時に出来た方が良い気がする」ために+αの予算を考えるのも一つの手です。また、そういう用途が既に明確になっているなら・・既にここでも話したように、それを行うためにはもう少し予算が必要です。
そして今回はテーマからズレるので省きますが、「出来る」「出来ない」ってそう単純な話じゃないんです。多くの方があまり価値を感じないような「出来る」に価値を感じている人もいるんですね。その辺りはまた別途文章にしてみたいと思います。
なぜ「出来ることが少ない」と言われているChromebookがそれなりに話題になっているのか。
長くなりましたが、結論です。
なぜ「出来ることが少ない」と言われているChromebookがそれなりに話題になっているのか。
それは、結構多くの人にとっては、意外とChromebookで何とかなっちゃうから、というのも大きいかな、と感じています。
これは「Chromebookで何でも出来る」という意味ではなくて「意外と何とかなっちゃう」からです。
予算5万円くらいまでで考えている人にとっては、そういう人の用途の大半が意外と何とかなっちゃうからだと思います。
そこに普段から20万、30万と金かけて、色々PCを使いこなしている人が「出来ることがー」「○○には不向き」とか余計なこと言い始めちゃうから混乱するんです。その辺りのことやるなら、そういう人と同じように20万、30万かけないと快適には出来ないし、それが分かってるなら普通にそういうPC買ってると思うんです。
でも世の中の、特にネットを徘徊しているような、訊かれてもいないのに「PCとは」みたいな蘊蓄を披露したがったり、自分が気に入っているモノ以外を「クソ」だ「うんこ」だと得意げに語ってるような人しか、大抵情報発信しないんですよ。そして、そういう人たちの見えている世界と、多くの一般の方々のPCの用途も、PCの価値も、視点も、結構ズレていることが多い。
なので、得意満面に知識披露しているような人の意見はスルーしてしまって大丈夫だと思います。この文章含めて。
「Chromebookとは何か」「Chromebookの存在意義とは」「Chromebookの目指す方向性」「Chromebookは何が出来るのか」
そういうのは、普段からPCが好きで、そういうの考えるのが好きな人に任せておきましょう。そういう人たちって好きなんです。まったく違うOSのPCの優劣を決めたり喧嘩したりするのが。
「総合格闘家とプロボクサーが路上で喧嘩したら(でも何故か喧嘩なのにルールは総合格闘技)どっちが強いか」
みたいな路上の伝説みたいなことですぐ口論になって、時には喧嘩寸前にまでなる迷惑な人たちと同じです。
とりあえず、私の中では、もしあなたがChromebookも選択肢に入っている方なのであれば、必ずしも100%満足するとは限りませんが、とりあえず「出来ることと、あなたのやりたいこと」がズレている可能性はあるとしても、それなりに普段使いにおいては便利に使えると思います。
そして、その説明では不安で、どうしても「私のやりたいことが出来るか、ではなく、何となく何が出来るのか、出来ないのか不安」と思われる方は、もう少し予算を上げて、10万円以上、Windows PCであれば20万円前後のモノを選びましょう。
それなら、あなたの用途とは関係なく、とりあえず多くの人が想像するような「PCでやりそうなこと」の多くは出来ると思います。
折角ここまで読んで頂いたにも関わらず、何も持ち帰れるものがなかったかもしれません。もしかしたら、茶化してる、馬鹿にしてる、と思われたかもしれませんね。だとしたらごめんなさい。
ただ、最近ふと思うのです。PCが好きで、毎日のようにそんな話ばっかりしているような人たちでさえ、ハッキリしたことが言えない(それはChromebookに限らず)テーマで悩んでも、それに答を見つけようとしても、意味ないんじゃないかなぁ、と。
結局それは、自分で使ってみて、自分の生活の中に取り入れてみないと、いや、それでも分かるとは限らないからです。
ただ、楽しいですよね。そういう話って。罵り合ったり相手煽ったりし合わなければ。