[かぶ] 国内でも普及し始めてきた今だから、Chromebookについて改めて考えてみよう(1)まずは前提となる考え方について。

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[かぶ] 国内でも普及し始めてきた今だから、Chromebookについて改めて考えてみよう(1)まずは前提となる考え方について。

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2022年になりました。今年も積極的にChromebookの情報を発信していきたいな、と思っています。よろしくお願いいたします。

数年前に比べると、国内においてもChromebookに対するイメージが少しずつ変化してきているのを感じます。ただ、Chromebook、Chrome OS自体が、まだまだ現代社会のニーズに適しているとは言い難い、合わない部分もあると思っています。そのため、どうしてもこのPC、OSに対する認識やイメージも、その辺りの影響を大きく受けてしまっているな、と感じています。

そこで、これから複数回に分けて、この6年近Chromebookを使ってきた私なりの、このPC、OSについての考え、捉え方を書いてみようと思います。もちろんこれが正解、というわけではありませんが、Chromebookにどうしても「安いからこそ意味がある、そこが唯一の取り柄」だったり「○万円出すなら、出来ることの多い他OSのPCを選ぶ」と考える方の多い現状において、「こんな見方もある」という新たな視点の一つになれば良いな、と思っています。

はじめに:次回以降の文章においての前提「出来る」「出来ない」という考え方について。

本題に入る前に、以降の複数回の文章に共通する、一つの考え方、捉え方について予め触れておきたいと思います。それが、

「Chromebookで出来ることは基本的に他OSのPC(Windows PCやMacBook)でも出来る」
「Chromebookは出来ることが限られている」

という考え方についてです。恐らく、このイメージが、現時点の国内においてのChromebookのイメージを作っている気がしています。特にこうした意見はPCにある程度知識がある方から多いことを考えても、間違っているわけではないのですが、ちょっと私としては捉え方が異なるので、最初に書いておきたいと思います。

前述の考え方をベースにするのであれば、当然次のような結論にたどり着きます。

「であれば、同じ価格出すなら他OSのPCを買ったほうが良い」
「高いChromebookの存在意義が分からない。その価格を出すなら出来ることの多い〇〇(他OSのPC)を買う」

と。これは分からなくはありません。例えば私があまりPCに知識のない友人や知人から漠然とした用途でPCの購入を考えている、と相談されたら、余程掘り下げて用途を明確に出来たとしても、基本的にはリスクを避けて、この無難な勧め方をします。何故なら、「出来ることが多いほうが、もし何か急に新しいことをやりたくなったときでも潰しが効くから」です。勧めた友人からも文句を言われにくいし、実際快適かどうかは別としても「出来る」と「出来ない」の差は大きいからです。

ただ、ここにもう一つの考え方を加えてみてほしいのです。それが、

「出来る」ことと「快適に出来る」ことは違うし、どちらも選べるなら私は「より快適に出来る」方を選ぶ

ということです。もちろん快適を感じる度合いは人によって異なりますが、例えば次の例で考えてみてください。

あなたは仕事で動画編集をしようと考えています。目の前に2つのPCがあります。1つは動画編集アプリの最低限必要なスペックを満たした程度のPC。もう一つは最上位とまでは行かないまでも、推奨に近い、ある程度余裕のあるスペックのPC、です。ここで値段を考えないで選んでほしいのですが、どちらかを仕事で使って良いよ、と会社から言われたら、あなたはどちらを選びますか?

普通なら後者ですよね?敢えて低いスペックのPCを選ぶ必要はありません。

でも、この2つのPC、どちらも先程までの考えで言えば、動画編集は「出来る」んです。

「出来る」か「出来ない」か、で考えるなら、どちらも「出来る」んです。でも、実際に選ぶのは予算面を除けば、「より快適に出来る」ほうを選びませんか?

さて、ここで盛んに「値段を考えないで」「予算面を除けば」という前置きをしました。そうです、一般的にはこれが一番の課題です。同じ条件でどちらでも選べるなら、快適なほうを選びますが、やはり一番大きいのは予算の話です。当然「快適に出来る」ほうを選ぶとなれば、「出来る(一応動く)」方に比べれば遥かに高くなります。

そこで人は、その間で価格と快適さのバランスが自分にとって必要十分なモデルを選ぶわけですね。だから世の中にはPC購入ガイドや比較のような記事があります。PCにある程度詳しい方なら、新モデルが出るたびに、そうした条件を色々掛け合わせて、あーだこーだと批評するわけです。

と、何を当たり前のことをダラダラと書いているんだ、と言われるかもしれませんが、ここで、これから複数回に分けて書いていこうと考えている内容に続きます。

先程、

「であれば、同じ価格出すなら他OSのPCを買ったほうが良い」
「高いChromebookの存在意義が分からない。それなら出来ることの多い〇〇(他OSのPC)を買う」

と書きました。お馴染みの考え方です。では改めて考えてみてください。

自分の求めている用途に限れば、同じ価格でも他OSのPCに比べてChromebookのほうが「快適に出来る」のであれば、どちらを選びますか?

もちろんこれも答えは一つではありません。それでもやはり「出来ることは(例え実際には使わなくても)なるべく多くて潰しが効いたほうが良い」と考えて、他OSのPCを選ぶというのももちろん正解です。ただ、そこで、「それならChromebookを買う」という人がいるのも分かるかと思います。

私も最近、MacBook Pro(M1 Pro)を使い始めました。各OSそれぞれに違った良さがありますね。それだけに、各PCのユーザーが他OSの悪口を言い合っているのを眺めていると哀しくなります。

ちなみに私はPCの自作も趣味ですが、5年ほど前に当時としてはかなりハイスペックの構成でWindowsのデスクトップPCを組みました。もちろん私の場合は趣味もあるので、状況は少し異なりますが、理由としては「悩むなら最上位構成を選んでおいたほうが、あとで何かをやりたくなったときに後悔しにくいから」というものでした。当時イメージしていたのは「ゲーム」と「動画編集」です。

そんなイメージしていた「ゲーム」や「動画編集」を実際にやるようになったのは昨年からです。

組んでから4年が経っていました。既に組んだ当初はかなりハイスペックだった私のPCも、実際に「いつかやるかもしれない」ことをやるようになった頃には、並のスペックのPCになっていました。私の場合は実際に4年後にやったから良いものの、実際はやらないことも多い。「いつかやるかもしれない」ってそんなことも多いんです。

だから、特に低価格においてはChromebookがシェアを伸ばしています。ここまでは理解できる方も多いのではないでしょうか。では高価格帯のChromebookはどうなのでしょうか。

確かにここは難しい。何故なら冒頭にも書いたのですが、

ただ、Chromebook、Chrome OS自体が、まだまだ現代社会のニーズに適しているとは言い難い、合わない部分もあると思っています。そのため、どうしてもこのPC、OSに対する認識やイメージも、その辺りの影響を大きく受けてしまっているな、と感じています。

からです。つまり、高価格帯においては、まだまだその高価格帯、ハイスペックで得られる「快適にできる」がイメージしづらいからです。理解しづらい、といっても良い。それに、それだけの高価格のPCを買う人は、やはりある程度自分の中で用途が明確で、それに適したPCを最初から求めているからです。そして、そうした方の多くが求めている機能については、現時点ではまだまだ「Chromebookのほうが快適に出来る」ことが難しいからです。

さて、この辺りのことはPCに詳しい方であれば、「散々読ませておいて、何を当たり前のことを今更言ってるの?」と思うかもしれません。ただ、これから複数回に分けて書いていく内容においては、この「当たり前」だけれど、ネットを眺めている限りでは意外と抜けている前提を心に留めておいて欲しい、と思っています。

次回から私が考えるChromebook、Chrome OSについて書いていきたいと思いますが、恐らくあなたは時々、

「そんなの、別にWindows PCでも〇〇を□□すれば出来るじゃん」

と言いたくなるかもしれません。そんなときに思い出してください。「出来る」か「出来ないか」だけではない、「快適に出来る」という判断基準が前提になっている、そういう価値基準もある、ということを踏まえた上で、次回以降の文章もお読み頂けると助かります。

今回のまとめ:まだ発展途上のため仕方ないのですが、「出来る」「出来ない」だけでChromebookを捉えるともったいない。

現代社会において一般的にイメージされている用途、価値基準においては、「出来る」か「出来ない」かで考えれば、Chromebookには「出来ない」ことも多々あります。

それが、Chromebookが「安いから価値があるのであって、高くなれば意味がない」というイメージを作ってきました。

ただ、多くの人にとっては分かりにくい部分ではありますが、Chromebookにも「どの価格帯であっても、同価格帯の他OSと比べても快適に出来る」ことが色々存在します。

それは、そもそもOSのコンセプト、方向性が違うからです(これはChrome OSに限らず、ですね)。

ただ、それはまだまだ発展途上のため、どうしても高価格帯モデルになればなるほど分かりづらく、むしろそれ以外の「出来ない」部分が目立ってしまうため、理解がされづらいのも現実です。

そこで、次回から、そうした将来への期待や可能性も含めて、私なりのChromebook、Chrome OSの魅力や特徴について書いていきたいと思います。

国内でも急激にChromebookが取り上げられるようになるにつれ、戸惑いや失望の声も結構目にするようになってきました。ただ、多くは、Chromebookを従来のPCやスマホと同じ感覚、同じものとして使おうとした結果生じてしまっている部分も多いと思います。今回YouTubeで私なりの考え方を公開しましたが、こちらでも文章にしたいと思います。
ここまで読まれて、中には「Chromebookとは、元々機能を絞って低価格で販売することでシェアを伸ばしてきた、それが魅力であり特長」と反論されたい方もいると思います。結果論としては低価格モデルが世界でのシェアを伸ばしてきたことは確かですが、それを以て「最近は高価格のモデルも出てきて迷走している」と捉える方が今もいます。

これについて例を挙げて反論すると長くなってしまいますので省きますが、「結果として」そういうモデルの印象が強かったとしても、Chromebookでは発売当初(10年近く前)から普通に高価格、高スペックのモデルは存在しています。そして、今以上に出来ることが限られていた、完成度もまだまだ低かった当時でも、それなりの需要がありました。つまり「低価格だから」というのは、Chromebookにおいては一側面に過ぎません

この辺りについては次回以降でところどころ触れますが、基本的なコンセプトは当時も今も大きな違いはないと思っています。ただ、そのコンセプトは10年前にはまだ時代にそぐわなかった。そうした世の中にはなっていなかった。ニーズがまだまだ限られていた。それは今も劇的に改善されたわけではありません。

どうしてもChromebookが話題になると、こうした反応、意見が出てきますので、(もちろん否定したいわけではありませんが)少し柔軟な視点でみて頂くきっかけになればいいな、と思っています。

はじめに:次回以降の文章においての前提「出来る」「出来ない」という考え方について。

今回のまとめ:まだ発展途上のため仕方ないのですが、「出来る」「出来ない」だけでChromebookを捉えるともったいない。

  • はじめに:次回以降の文章においての前提「出来る」「出来ない」という考え方について。
  • 今回のまとめ:まだ発展途上のため仕方ないのですが、「出来る」「出来ない」だけでChromebookを捉えるともったいない。