[かぶ] Chromebookは「別の場所にある何か」を動かすことに特化させたツールです。

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[かぶ] Chromebookは「別の場所にある何か」を動かすことに特化させたツールです。

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ここ数年の国内でのChromebookの動きは私のような以前から使っていたユーザーからすると、嬉しくはあるものの、そのスピードと変化に少し戸惑いも感じています。特に昨年から今年にかけて、個人向け市場でも急に露出が増え、スタンダードなモデルも平均価格帯が急激に下がってきています。以前であれば5万円前後を見ておく必要があったのが、最近は最新モデルでも3万円前後で購入できるようになりました。

こうした流れはとても歓迎したいことではあるのですが、同時に急激に関心を持つ人、実際に購入する人が増えたこともあってか、ネット上を眺めていても、戸惑いや失望の声も結構目にします。

一気に知名度が上がる、シェアが広がる時には仕方のない部分ではあるのですが、販売する側の知識が追いついていなかったり、発信する側も情報が古いまま、もしくはまだまだ良く分からないままに表面的な印象で発信してしまっているものも多いな、と思います。

などと偉そうに言っていますが、私自身大して発信力があるわけではないものの、このブログ内の情報の更新リライトも出来ていませんし、そうした意味では追いつけている、とはとても言えません。

ということで、今回はYouTubeチャンネルのほうでも、ちょっと「Chromebookって何?何が良いの?」といった内容の動画を昨日(2021年3月31日)公開しました。

[かぶ] Chromebookの一番の魅力は安さでも速さでもありません。6年使い続けて感じてきた魅力について語ります。

基本的にはこのブログや電子書籍でこの数年、折に触れて発信してきたような話なのですが、このブログをお読みでない層の方々にも届いたらいいな、と思っています。

まぁ、とはいえ、別にこれが正解、というわけではなくて、あくまで6年近く愛用している一ユーザーの感じているイメージに過ぎないのですが、こういったアプローチの仕方も、もしかしたら今までいろいろな情報に触れてきても「?」とイマイチ腑に落ちなかった方に刺さってくれたらいいな、と思っています。

ということで、細かい内容については、良かったら動画をご覧いただきたいのですが、今回は折角なのでこの動画で話していた内容の補足を少ししてみたいと思います。

Chromebookは「別の場所にある何か」を動かすことに特化させたツール

動画中でも話しているのですが、私は常々「Chromebookの本体は(Google)アカウント」と言ってきました。電子書籍のタイトルも「アカウントを持って街へ出よう」としたように、Chromebookの端末自体が本体ではなく、ネット上にあるアカウントに紐付けされた本体にアクセスするためのツールに過ぎない、と言ってきました。

もちろん、こんな小難しいこと、一々考えなくてもChromebookは便利に使えます。なので、あまり気負わずにどんどん試してほしいと思っていますし、「こう使わなければならない」という訳でもないので、自由に自分の使いたいように使ってほしいと思っています。

ただ、このあたりの感覚が腑に落ちると、従来のPCやスマートフォンの感覚で使おうとして、いまいち使いづらかったり、不自由さを感じていた方にとっては、案外肩の力を抜いて使うことができるのではないか、と思っています。

で、今回の動画を録りながら、また編集しながら感じたもう一つのイメージがあります。それが、

Chromebookは「別の場所にある何か」を動かすことに特化させたツール

ということです。

「自分の中ですべてを完結させる」のではなく、あくまで「外部の何か」にアクセスすることに特化したツール。

従来のPCやスマートフォン、タブレットは、基本的には自分(端末自体)の中にアプリをインストールして、データを保存して、処理を行います。ネットなど外部に繋がなくても、ある程度は自分(端末)だけで完結ができます。

ネットなどの「外部の何か」はあくまでおまけ、主従でいえば従の部分に過ぎません。

自分の中ですべてを完結させる」必要があるので、当然OSなどのシステム部分もどんどん大きくなっていきますし、アプリもすべてを本体内に入れる必要があるので、大きくなっていきます。そして、それら大きくなったものを動かす必要があるので、そのためのスペックも必要になってきます。

「Chromebookはネットに繋がないと何も出来ない」とよく言われますが、裏を返せば、従来のPCは「ネットに繋がなくても何でも出来るようにするために、あらゆるものを本体に入れて処理しなければいけないので、結果ある程度の処理能力(スペック)と大容量のストレージが必要」になった、とも言えます。

この本体や本体内のアプリへの依存度というのは、ネットなど「外部の何か」にある程度任せることで、抑える、負荷を減らすことが出来ます。

クラウドストレージであったり、クラウドゲームサービス(GeForce NOWなど)などですね。また、Webアプリ、PWA(Progressive Web Apps)といったものも同じです。通信環境は必要になりますが、ネットという外部の何かに繋いで作業することで、本体自体の負荷(処理能力もストレージ容量も、OSなどのシステム的な負荷も)を減らすことが出来ます。

で、これに特化させたのがChromebookです。

「外部の何か」というと漠然としていて分かりにくいかもしれませんが、例えば単純なWeb閲覧などもそれに入ります。要は、自分の端末の中だけで何かをする(調べる)訳ではなくて、ネットに繋いでサイトや動画、ニュースを見たりといった日常的なことから、前述のクラウドサービス、更には他のPCにリモートでアクセスする、といったことなどはすべて「外部の何か」とも言えます。

元々「外部の何か」に繋ぐことが前提だから、本体自体がシンプルで軽くなる。

もちろん、前述のクラウドストレージもクラウドゲームサービスもWebアプリも、従来のPCで使うことは出来ます。だから「別にChromebookでなくても出来る」となってしまうのですが、ここまでの流れでなんとなく気づかれた方も多いのではないでしょうか。

基本的な設計が違うんです。

もちろん今までのPCでも「出来る」のですが、基本的には「自分(端末内)の中で完結させる」ことを前提に設計されているので、OSやシステム部分は大きいままですし、アプリなども自分の中で使えるようにするために、大きいままです。エンジン部分が複雑で重くて大きいままなんですね。

それに対して、Chromebookは「自分(端末内)の中で完結させる」なんて最初から考えていません。そもそも端末自体が自分ではない(アカウント)ですし、あくまで「外部の何か」へのアクセスツールに過ぎないので、本体内で何かを動かす、何かを入れて作業する、という考え方で作られていない。

むしろ「外部の何か」に繋ぐ際に邪魔になるものは極力排除しています。

邪魔になるもの、それが、従来のPCにあるような、「自分の中で完結させるため」に必要な大きなOSやシステムだったり、基本的に本体に保存して処理を行うように設計されたプログラム部分です。これらがあると、「その端末でないと出来ない(ある特定の端末に依存する)」ことが増えてしまって、却ってフットワークが重くなってしまうんです。

ちょっと漠然とした話が続いているので例を挙げると、例えばChromebookにおけるAndroidアプリ、というのも、ある意味では「フットワークを重くしてしまう」要因の一つになっているとも言えます。

なぜなら、Androidアプリなどのスマートフォンのアプリも、従来のPCと同じく、あくまで「自分の中ですべて完結させる」ように作られているからです。アプリをインストールする、ということは、そのアプリに依存する、というだけでなく、「そのアプリ、そのための環境設定がされたアプリが入った端末でないと使えない」という状態を生み出すからです。

Androidアプリへの対応は、確かにChromebookに「Chromebook単体で出来ること」を現時点では増やしたかもしれませんが、本来の良さであるシンプルさや身軽さをある程度犠牲にしてしまっている、とも言えます。

「外部の何か」に繋ぐことに特化させることで生まれるメリット

では「外部の何か」に繋ぐことに特化させることで生まれるメリットって何でしょうか。それが、

どの端末で使っても、すぐに自分の環境が構築できること(一つの端末に依存しないこと)。

だって、端末自体にはほとんど何も入っていないんですから。端末は「外部の何かに繋ぐためのツール」に過ぎないので、自分の持っているChromebookでなくても良いんです。だから、人のChromebookを借りても良いし、常に持ち歩く必要もない。

また、端末の中身を大きく、重く、複雑にする必要もないし、それを処理するためにハイスペックにする必要もないので、シンプルになります。セキュリティも上がる。結果として価格も手頃になる。

価格が手頃(安く)になるのはもちろんメリットですが、ただ、「価格が安いことが唯一の魅力」「出来ることは限られているけど安い」という意味ではありません。価格を安くするために機能を絞ったわけではないからです。

ただ、もちろん「外部に繋ぐ」ことに特化させれば、その分端末自体はシンプルになりますし、それを動かすためのスペックも必要最低限で済みますが、低スペックでなければ意味がない、ということではありません。今はまだ外部に繋いで出来ることもまだまだ限られているかもしれませんが、今後より幅広いことが出来るようになれば、設計がシンプルで軽い分、ハイスペックにすれば、そのパワーをそのまま「繋いで使う」ことに注力させられるようになります。

複数画面やより高精細な出力、一つ一つの反応がより快適になる、でありながら省電力で使えるようになる、など、得られる恩恵の可能性は非常に大きいと思っています。実際、現時点でもハイスペックのChromebookを一度使うと、今までのスタンダードなChromebookに戻れない、という方が結構いるのは、そうした理由もあると思います。

「何かをするためにはアプリが必要」という考え方を一度取り払ってみてください。

広義ではWebアプリ、PWA(Progressive Web Apps)といったものもアプリですし、アプリってそもそも何?みたいな話になるとややこしくなるので、ここでは一般的にイメージされている、本体にインストールして使う「PCアプリやAndroidアプリ」のことだと思ってください。

ここ最近Chromebookを使い始めた人の反応の中で結構多いのが「〇〇のアプリが使えるか知りたい」「使えるアプリが限られているから使いにくい」といったものです。

でも、ここで「アプリをインストールしないとやりたいことは出来ない」という考え方を一度取り払ってみて欲しいのです。

  • いまやろうとしていること、その目的を達成するためには、絶対にアプリが必要ですか?
  • それって本体にアプリを入れなくても、WebアプリやWebサービスなどで代用できませんか?

そう考えると、「WindowsやMacBookからChromebookへ完全移行」というのは、現時点では難しいことに気づかれるはずです。

もちろん用途によってはそれ程不便はないかもしれませんが、Chromebookの端末の中に色々なアプリやデータを入れて、、といった感覚で使うのであれば、当然使いにくさを感じる可能性も高いと思っています。同じような外観をしていても、中身の設計が全く違うからです。

と同時に、Androidスマホやタブレットの代わりとしてChromebook、というのも、実はそれほど相性が良くないことも分かるのではないでしょうか。なぜなら、元々Chromebook自体が、アプリを本体内にインストールして、自己完結させて使用する前提で作られたOSではないからです。(Androidアプリが動くから、ChromebookはAndroid OSだ、と思われている方も結構見かけるのですが、アプリが動いたとしても、全く方向性が違うOS同士です)Androidアプリをメインで色々入れて使えば使うほど、Chromebookは身軽さを失っていきますし、その本来の良さが薄まっていきます。それが「Androidアプリはあくまで補助的に」と私が思っている理由です。

では、従来どおりWindows PCなどは手放せない人にとっては、Chromebookは使えない、無駄なものなのでしょうか。

私はそうは思っていません。むしろ、そうした「外部の何か」に繋げること、頼れることは、積極的に頼ってみて欲しいのです。そういう部分だけでもChromebookに任せる、Chromebookと使い分けてみると、今までよりもだいぶ身軽でシンプルで楽になると思います。

「その手元の端末でなければ出来ないこと」が減り、その分「どこでも、どの端末でも出来ること」が増えると、かなり気持ちが楽になります。実際に普段持ち歩くものも軽くなっていくかもしれません。何故なら、いつでもどこに行く時でも、その一台の端末を持ち歩かなければならない、ということが減るからです。

もちろん専用のアプリや、従来のPCでなければ出来ないことや、それらのほうが使いやすいことも世の中にはたくさんあります。

だからこそ、0(全く使わない)か1(完全移行する)かではなく、適材適所で気軽に使い分けるもう一つの道を、是非もっと多くの方に試して、楽しんでみてほしいな、と思っています。

[かぶ] Chromebookの一番の魅力は安さでも速さでもありません。6年使い続けて感じてきた魅力について語ります。

Chromebookは「別の場所にある何か」を動かすことに特化させたツール

「自分の中ですべてを完結させる」のではなく、あくまで「外部の何か」にアクセスすることに特化したツール。

元々「外部の何か」に繋ぐことが前提だから、本体自体がシンプルで軽くなる。

「外部の何か」に繋ぐことに特化させることで生まれるメリット

「何かをするためにはアプリが必要」という考え方を一度取り払ってみてください。

  • Chromebookは「別の場所にある何か」を動かすことに特化させたツール
  • 「自分の中ですべてを完結させる」のではなく、あくまで「外部の何か」にアクセスすることに特化したツール。
  • 元々「外部の何か」に繋ぐことが前提だから、本体自体がシンプルで軽くなる。
  • 「外部の何か」に繋ぐことに特化させることで生まれるメリット
  • 「何かをするためにはアプリが必要」という考え方を一度取り払ってみてください。