[かぶ] ゲーミングChromebookが理解されにくい、誤解を生みやすいのは、国内の「宝の持ち腐れ」状況を考えると仕方ないな、とも思う。

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[かぶ] ゲーミングChromebookが理解されにくい、誤解を生みやすいのは、国内の「宝の持ち腐れ」状況を考えると仕方ないな、とも思う。

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昨日の文章で「私のブログは勢いだ!思いついたまま、WordPress開いて書き殴って終了!」と書きましたが、

数日前、タケマコブログのタケイマコト(@pcefancom)さんが上げられた、「Chromebookマニアのリアルな1日の使い方 30個」がユーザーの間で少し話題になっただけでなく、私も大変に刺激を受...

今回の文章も同じなので、論理的かつコンパクトにまとめられた分かりやすい文章をお求めの方はこの時点でブラウザバックしていただいて大丈夫です。

今回は「ゲーミングChromebookの国内における認識」についてです。ってタイトルは大げさだけど、要は

ゲーミングChromebookなんて意味不明だし、そもそも想定しているクラウドゲームサービスなんて多分多くの人は色物、キワモノ扱いしてて、現実的じゃない、と思ってるだろうな

ってことです。まぁこの話何度もしてるんで、今更その辺りの話を繰り返しても仕方ないので、一般的な「違う、そうじゃない」的話に興味を持たれた方は私の過去の文章を是非お読み頂きたいのですが、

昨年後半、Chromebook界隈で話題になったテーマの1つに「ゲーミングChromebook」というものがあります。 一部で「失笑を買った」といった評価もあるように、一般的にはこのゲーミングと...

ただ、国内の現状を考えると仕方ない面もあるんです。

まぁクラウドゲームサービス自体が前述のようにまだまだ全然普及もしてなければ、「わざわざPC版のゲーム買うなら、普通ゲーミングPCとか持ってるか、買うよね?」となると思うんですね。

PCゲーム持ってるのにそれが遊べるPC持ってない筈がないんです。

なので順番が逆ではある。そして、それでもPCゲーム遊びたい、という人が、じゃあ何で遊ぶか、といったときに、それなら多分ゲーミングPC買うでしょうし、そこまでお金なければコンシューマ機(最近はPS5も買えるようになってきたようですし)かSwitchで十分だと思うんですよ。それか最初から割り切ってスマホかタブレット。で、スマホ、タブレット層はギガ(GIGAスクールではなく)がーって問題があるし、国内ではまだまだ4G/LTE主流です。通信速度自体出なければ、出てもクラウドゲームなんぞやったらあっという間にギガ飛ぶぜ

と冷静に考察していくと、どう見てもクラウドゲームサービスなんて普及どころか認知度すら上がらなそうな現状が既にあるわけです。ただ、そこを冷静に批評しても仕方ないんですよ。どうせこういう新しい何かの話って、意見求めてもネガティブな意見しか出てこないですよね?学校のミーティングでも職場の会議でも皆さん経験があると思います。

で、ゲーミングChromebookです。

これ、ゲーミングじゃなくても、数少ないながらも今後増えていくであろうChromebookユーザーにとっては、クラウドゲームサービスって十分な魅力を持ってると思うんです。

凄く相性が良いんですよ。

だって、お馴染み2〜3万円のChromebookでも例えばGeForce NOWであればプレミアムプラン契約してれば(通信環境を除けば)「RTX on」など含め、ハイエンドではないものの、それなりに十分に遊べるGPU性能を持った環境を使ってゲームが出来る訳です。

実際私も普段遊んでいて、その様子をYouTubeでライブ配信していますが、

[Live] 俺らNYさ行ぐだ。ディビジョン2をChromebookのクラウドゲームで遊ぶ。(@OfficeKabu. Chromebook Cloud Gaming Live vol.7 本編)

上のゲームはマルチで遊ぼうと思ったので、少し前のゲームですが、普通にサイバーパンク2077とかも快適に動いてます。

このスペックのゲーミングPCを買うとなればそれなりにお金もかかりますし、またフルで動かせば冷却ファンも全開、消費電力もそれなりに食いますし、そもそもノートPCの場合にはそれなりに通常のノートPCよりもゴツくなります。

また、そうしたゲーミングPCをゲーム専用で買う人はいないでしょうから、当然他にも色々アプリ入れたり、環境設定したりするわけです。

となると、OSやドライバーのアップデートから環境整備まで、時には相性が突然悪くなって重くなったり不安定になったり、といったメンテナンスコスト(時間や手間といった)もかかるんです。それらが全部不要。これ、楽ですよ。

ということで、個人的にはアリだと思ってますし、実際私もそれなりにハイスペックなWindowsデスクトップPCを持っていながらも、最近はChromebookでGeForce NOWで遊ぶ頻度が増えているんですが、そんなユーザーは非常にレア。

クラウドゲームサービス自体がそんな状況なのに拍車をかけて、ゲーミングChromebookが更に「こりゃ日本じゃ理解されないよね」と思う一番の理由が、

そもそも国内ではゲーミングChromebookの本領を発揮できるクラウドゲームサービスが提供されていない(海外は既に提供されている)

というものがあります。要は、他の一般的なChromebookとの差別化を図ったはずの部分がことごとく日本で使っている限り活かされない。宝の持ち腐れなんです。

例えば現在国内で発売されているゲーミングChromebook、ASUSのChromebook Vibe CX55 Flip

ASUS JAPANは2022年10月11日に、Googleが新たに提案する「(クラウド)ゲーミングChromebook」の1つとして、同社の新モデル「ASUS Chromebook Vibe CX5...

このモデルがゲーミングChromebookとして持つ特長は幾つかあるのですが、その中でも大きな強みが「Chromebookとしては初の144Hzという高リフレッシュレート」なんですね。解像度はFHD(1,920×1,080)なので特に他と変わらないのですが、他社のゲーミングChromebookではそれ以上の解像度のモデルもあります。

で、これが国内だと活きないんです。

何故なら国内のGeForce NOWでは「最大FHD、60Hz」だからです。

つまり幾ら「Chromebookとしては初の144Hz」を搭載しても、日本国内では全くゲームでは役に立ちません

それじゃ、意味がないんです。

じゃあ何でこんなモデルがあるか、というと、海外(のGeForce NOW)では既にUltimateプランとして「RTX4080、4K、120Hz」という、普通に通常のゲーミングPCとしてもハイパフォーマンスな仕様に対応しているからなんです。

現行のゲーミングChromebookでは4Kは未対応ですが、それでもそれに近い解像度で120Hzで、しかもRTX4080(とそれに付随する高機能)並のパフォーマンスでゲームが遊べてしまう訳です。

で、当然これだけのGPUや液晶(4K、120Hz)を搭載させたWindowsノートPCを購入しようとすれば、当然RTX4080の分だけでも価格が跳ね上がりますが、Chromebookならその分のコストがかからないので、安く済む。しかも静か。消費電力も45W〜60Wです。それなら十分に存在価値があると思いませんか?

ここまでの内容で
でもクラウドで動くならそもそもハイスペックである必要ないんじゃない?ゲーミングじゃなくて普通のChromebookで十分じゃん。液晶は必要なら4Kとか120Hz対応のゲーミングモニターに外部出力すれば良いんだし
という意見も出てきそうです(実際それに近い「ハイスペック無駄じゃない?」といった意見はよく見かけます。)

ただ、実際に4K、120Hzモニターに外部出力された方なら分かると思うんですが・・これ、低スペックのPCでやると、そもそも出力できないか、出来ても結構負荷が大きくてカクついたり、ファン付きであれば普通にファンが激しく回ります

Chromebookでも私、比較的ハイスペックのモデルで自宅で4K出力することあるんですが、ハイスペックでもそれなりに熱持つんですよね。それくらい映像出力って負荷が高いんですね。

なので、実際ゲーミングChromebookって新しいIntel Coreプロセッサー搭載していて、これが如何にも「LinuxでSteam入れてライトなゲームを楽しむため」「Androidゲームを快適に遊ぶため」みたいに思われていますが、そもそもがゲーミングChromebookに搭載される高解像度、ハイリフレッシュレートの液晶に遅延なく負荷を下げて安定して出力するためにはそれなりにハイスペックになる必要がある、ということです。(実際、それでもファンは常にそこそこ回っています)

ただ、それでもGPUや冷却機構その他にコストがかかっていないので、十分にGPU搭載したPCよりも安価になります。

ということで、海外だと先日までRTX3080、今ならRTX4080で4K、120HzというハイパフォーマンスなPC並の能力でChromebook(但しこの場合はきちんと液晶など足回りを強化したゲーミングChromebook)でも遊べてしまう。それがあって、更に他の付加価値としての安定したWi-Fi(やEthernetポート)やアンチゴースト機能なども生きてくるわけです。

それが国内だと、そもそもそこまでサービス自体が提供されていないので、普通のChromebookでも大して変わらない(違いが分からない)という状況になってしまうんです。

で、違いが分からないから、ゲーミングChromebookである必要がない。なければ分からない。分からなければ、そもそも需要も生まれないから、海外のようなUltimateプランなんていつまで経っても提供されない、という悪循環に陥ってしまっているんだろうな、と。

ということで、ネットでゲーミングChromebookに対しての失笑、「そもそもChromebookの強み(魅力)とは」云々の反応を目にする度に、普段クラウドゲームサービスでPCゲームを楽しんでいて、だからこそゲーミングChromebook自体の方向性も分かるし、それ故に国内の現状がもどかしく感じている私としては「違う、そうじゃない」と思いながらも、でも頭の片隅では「うん、でも普通そう思うよね」と思ってしまう状況だったりします。

だからこの自分のブログという場所でこうして書き殴ってる訳ですが。