この文章は数日前に書く予定だったのですが、色々とその後ありまして、少し延びてしまいました。その辺りの状況についてはまた回を改めて書きたいと思います。
最初のレビューでも書きましたが、確かにSamsung Chromebook Proの評価は第一印象とは大きく変わりました。
- [かぶ] Samsung Chromebook Proレビュー。3:2の液晶、1kg強という軽さでAndroidアプリが「そこそこ」楽しめる、純正ペン付きCore m3モデル。 | おふぃすかぶ.jp
なお、このレビューは使用2日目の時点での印象です。何故敢えてそのようなことを書くかというと、CPUと本体色のみ違うSamsung Chromebook Plusのレビューを行った際に使い始めの印象と、ある程度使ってみての印象が大きく変化したからです。Chromebookにおいてはそれ程印象に大きな変化が起こることはないのですが、どうもこのモデルに関してはそうした傾向もありそうな気がしましたので、予めご了承ください。ちなみに米Amazonでの評価はPlusの時とは打って変わって最初から好評価続出(星5つ)です。(Plusは最初星5つと1つに大きく分かれた)
同じChromebookであることに変わりはないのですが、このモデル、やはり新しい世代の、新しい方向性のChromebookなんだなぁ、と感じます。その辺りをうまく伝わるか不安ではありますが、書いてみたいと思います。
Samsung Chromebook Pro XE510C24-K01US
簡単に言うと、「何か新しいことが試せて楽しい」ということかな、と思います。
Androidアプリも当初に比べてだいぶ改善してきた背景もあり、「試せて楽しい」感がある。
Androidアプリ対応自体は何もこのProが初ではないのですが、最初の対応(Flip C100PAやR11など)の頃に比べて、Androidアプリとの相性もだいぶ改善してきました。それなりに「試せて楽しい」というレベルにまではなってきたかな、と感じています(まだベータは取れなさそうな気はしますが。)
実際、ATOKの対応状況なんてまだまだ完成されているとは言えません。けれど、何か「このままいくと、近い将来かなり使えるんじゃない?」と思いたくなってしまうような可能性を感じられます。
タブレットモードだけでなく、
テントモードや、
スタンドモードなど、それぞれが「もの凄く便利」というわけではありませんが、それなりに「使い方がイメージ」出来、「状況によっては使ってみようかな」と思わせるのも、ある程度それぞれのモードで使う場合の用途をイメージ出来るようなアプリなりがなければなりません。
これらは標準のペンがあることで、ハードルとしても低くなりましたし、液晶自体が綺麗で、高精細で、本体自体も薄く、見た目にも自然で美しい、というのがあるかな、と思います。それぞれのスタイルを見てみても、綺麗なんですよね。黒も全体を引き締めてくれて悪くない。
処理速度等に不満がないので、全体的な動作が快適に感じられる。
これはこのモデルに限りませんが、CPUがCore m3ということで、通常のChromebookで行うであろう作業であればほぼ快適に動きます。処理で待たされることがありません。但し、調子に乗ってAndroidアプリなどを大量に開いたりすると、4GB RAMだと少し不安が残ります。裏を返せば、そうした「大量に開いて何かやりたくなってしまう」くらい、ラップトップPCとしても快適だということです。これはオーバースペックとは少し違います。
正直なところ、私はこのモデルが非常に快適かと言われると、そこは「慣れるまでは」そこまででもないかな、と感じています。
以前書いたように「ではこれがProか」と言われると惜しいなぁ、と感じていることは変わりなく、それは先ほど触れたように「いろいろ欲張りたくなるし、RAMは8GBくらいは欲しかったなぁ」と思ってもいます。
「慣れるまでは」と書いたもう一つの理由がたびたび触れてきているキーボード。ただ、これはどれだけ世の中で絶賛されている高級キーボードでも使い始めの慣れるまでは(まったく別タイプのキーボードを使っていると)戸惑うものです。
私自身、実は今この文章を出先でZenBook 3にHHKB Pro BTという組み合わせで書いているのですが、この独特のキー配置(一部Fnキーを使う必要あり)と最小限のキー数であるこのキーボードは、打ち心地は私の好みではあるものの、まだまだ慣れず、「現時点での」打ちやすさと考えればZenBook 3の純正キーボードのほうがミスもなくストレスなく入力出来ます。
ただ、これも慣れれば恐らく「HHKB最高」となるでしょう。慣れるまではそんなものです。
Samsung Chromebook ProのキーボードはPlusと同等、可もなく不可もなし、と前回書いたように、特に特殊配列でもなんでもないキーボードです。数日積極的に使うようにすればすぐに慣れます。慣れればそれなりに普通に打てますし、悪くはありません。
個人的には文章入力中心なのであれば、このモデルではなくお気に入りのThinkPad 13 Chromebookなどを薦めますが、Samsung Chromebook Proには大きな可能性もあって、例えば先ほどから何度か触れているATOK Passport+優れた編集能力を持つAndroidアプリのエディターという組み合わせが実用的になれば、また印象も変わってくるかもしれません。
Androidアプリ対応は便利で可能性は広がるが、ChromeOSの本来持つ身軽さを失う。
私は常々、「ChromeOSとはGoogleアカウントのみでどこでも身軽に移動、作業が出来るスタイルの提案であり、Chromebookはあくまで仮の入れ物の内の一つ」と書いてきました。
これからAndroidアプリ対応モデルが増えてくると、この身軽さとスタイルが変わってくる可能性があります。Androidアプリが本体にインストールされ、様々なデータが保存されるようになり、Chromebookの中にAndroidアプリ環境が出来上がっていくにつれて、「そのChromebookでないと出来ないこと」が増えてくるからです。今までのようにいつまでも動作も軽く、少し調子が悪くなったらPowerwash、また新しいモデルを買っても1分もあれば最新の環境が復活、とはいかなくなってきます。何故ならAndroidアプリと内部ストレージに保存されたデータが存在するからです。
今回、冒頭でも少しだけ触れた、とある事情がありまして、このモデルのPowerwashをする必要がありました。
正直、従来のChromebookよりもPowerwashに抵抗がありました。ちょっと面倒だなぁ、と。
改めて自分の快適な環境まで戻すのに、ちょっと手間がかかるなぁ、と思ったのです。
確かにAndroidアプリ対応は便利になります。私もそれに可能性を感じていますし、実際に前述のATOK+優れた文章入力エディターなどの組み合わせは正直ワクワクしました。ただ、それってChromebook自体の持つ、他にはない魅力でもある身軽さと引き換えでもあるんですね。
出来ればPlayストア未対応モデルと対応モデルの両方を試してみて欲しい。
これはどちらが正解、ということではありません。また、何故対応モデルで「Androidアプリを一切使わない」ではなく「未対応モデル」が別途必要なのかというと、「使えるけれど使わない」のと「使えないからそもそも考えてもいない」では、気持ちの上でも全く異なるからです。そもそも使うことを考えていない時のChromebookって本当に身軽なんですね。躊躇なく割り切れる。この割り切れ感はかなり大きいです。
Samsung Chromebook ProはStableチャンネルでAndroidアプリが使える時点で、その他の(Stableチャンネルでは使えない)モデルとは現時点での方向性が全く異なってきます。もう最初からAndroidアプリを使えることを想定して作られたモデルです。だから、何となく使っていて違うんですね。従来のChromebookに慣れていると、Chromebookのようでいて、Chromebookではないような不思議な感覚。実際はこれもChromebookではあるのですが。
冒頭でも書きましたが、私はこのモデルは「新しい世代の、新しい方向性のChromebook」だと思っています。その色が従来よりも濃く出ています。それはそれで面白い。私は好きです。
今後発売されるモデルは全てAndroidアプリの将来的な対応が謳われていますが、それでも私は従来のChromebookの良さも失わないで欲しい、と思っています。それはもしかしたら今後のAndroidアプリの変化、進化によって実現するのかもしれません。Chromebookと融合して、何かまったく別の身軽な使い勝手になるのかもしれません。
ただ、私は、単なるAndroidアプリが使えるネットブック、的な存在にはなって欲しくないな、と思っています。
そうした意味でも、その今後の可能性と様々な楽しみがある、という点で、このSamsung Chromebook Proというモデルを評価したいと思っています。
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- [かぶ] Samsung Chromebook Proレビュー。良いモデルながら、Proらしさがないところが惜しい点。 | おふぃすかぶ.jp
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