5月2日に発表されるのではないか、と噂されている「Windows 10 Cloud」と「Chromebook対抗(と思われている)の新しいWindowsデバイス」。発表後、果たしていつ頃から発売されるのか、また日本でも展開されるのかはまだ全く分かりませんが、ひとまず興味深い端末であることに違いはありません。個人的には試してみたいなぁ、とは思っているのですが、実際のところ、価格や操作感(処理速度)などはどんな具合になるのか。想像を広げることだけは可能です。
そこで実際にリーク情報ではあるものの提示されている最小スペックを満たした(あまり欲張って性能を上げない)モデルにどんなものがあるのか、興味があったので軽く調べてみたのですが、ショップPCなどでは時折見かけることはあるのですが、意外とそれ以外では展開がないことに気付きました。
Windows 10 Cloud Performance Targets | |
CPU | Celeron以上の4コアCPU |
RAM | 4GB |
Storage | 32GB(32bit版) / 64GB(64bit版) eMMCまたはSSD |
Battery | 40Wh以上 |
OS | Windows 10 Cloud |
Office | UWPアプリ(Windowsストア内のみDL可) |
この「Celeron以上の4コアCPU」と「64GB(64bit版の場合)」というのが意外と曲者で、格安の物はCeleronではなくAtomのものが多く、またCeleronでも2コアの物の方が多く、ストレージも32GB eMMCというものが多いな、という印象です。PentiumやCore M、i3などももちろん条件は満たすのですが、それであれば何も今回Chromebook対抗の「Windows 10 Cloud」モデルとして出さずに、通常のWindows 10を入れてきた方が良いのではないか、と思っています。
また、4コアというところも意外と曲者で、Chromebookでもお馴染み、Airmont(Braswell)世代のN3050、3060は2コアです。この世代だとN3150、N3160が該当。また、少しずつ採用され始めたGoldmont(Apollo Lake)世代ではN3350が2コアのため、4コアのN3450が該当します。N3350のモデルはLenovoのideapadなど幾つかあるのですが、N3450のモデルが意外と無いんです。だいたい2コアモデルから出荷されて、徐々に4コアが出てくる、という流れのようですね。
となるとモデル的にはN3150、3160もしくは3450を積んだモデルとなると思うのですが、これから、ということを考えるとN3450になってくるのかな、と思います。
ということで、現時点で既に発売されているN3450搭載、4GB RAMでストレージが64GB以上のモデルを探してみると、僅かにではありますが、存在はしています。この辺りのモデルがそのまま載せ替えて出るとは思いませんが、価格や大体の使い勝手のイメージの助けにはなるかな、と思いました。
例えば、マウスコンピューターの「11.6型ノートPC m-Book C シリーズ」。
最小構成の「MB-C250E1」の場合、ストレージが32GB SSDのため、その点だけ満たさない(64bit版の場合)ものの、これで価格は34,800円(税別)、このストレージを128GB SSDにした「MB-C250B1-S1」で44,800円(税別)です。
14インチの場合、Airmont(Braswell)世代のN3160になりますが、この「14型ノートPC LuvBook B シリーズ」になります。128GB SSDを搭載した「LB-B422SN-SSD」で46,800円(税別)。
中華ノートPCだとまさにこの最小スペックそのまんまのモデルがありまして、それがCHUWIの「LapBook 14.1」。
私、中華PCって全く触ったことがないんですが、実際どうなんでしょう?各方面でレビューは上がってはいますが、大体がGearbestの提供レビューが多いので、何となく手が出せずにいます。(以前から何度かGearbestの方からはお話は頂いているのですが)
YouTubeでも結構上げられているようですが、私個人的に綺麗な動画が好きなのでこれを選択。この辺りのPCをUWPアプリだけで使ってみる&ストレージに関してはOneDriveを活用した時の使い勝手に近いのかな、と勝手に考えています。
となると、価格的には現時点では上記と同じくらい。$300前後~。ただそれではChromebook対抗としては若干インパクトが弱い気がするので、$250前後で出てくるのかな。(希望的観測)
ちなみにChromebookでも現行64GB以上のストレージを積んだモデルは非常に限られていて、その中で今回該当するモデルのイメージとしてはASUS Chromebook C301SAがあります。
最近は日本直送可にもなりましたので、入手しやすくなりました。これにWindows 10 Cloud入るなら面白いかもしれませんね。
もちろん今回発表されるOSとモデルは従来のWindows 10とは全く別物なのでしょうし、単純に比較は出来ないとは思います。OS自体かなり絞られて軽くなってきているのかな、とも期待しています。Windowsはアップデート自体が毎回結構容量食うので、32GB eMMCや64GB eMMC(もしくはSSD)だと残り容量自体がかなり少なくなりますし、外部ストレージに頼らざるをえなくなってしまいがちなので。
だからこそChromebookのような「内部ストレージとクラウドストレージをほとんど意識することなく使うことが出来る自然なインターフェース」というのは使い勝手においては非常に大切だと思っています。「これはクラウドに保存して~これは新しく内部ストレージのフォルダ作って~」と考えながら、内部とクラウドで操作方法が違ってきてしまうのであれば、従来のWindowsと変わりません。
今回何気なく調べてみて気付いたのが、AtomはあってもCeleronでChromebookに対抗出来るような価格帯のモデルって意外とないものなんだなぁ、ということ。Chromebookは既にこの価格帯では豊富に展開しているのですが、WindowsだとAtomが思った以上に多いんだなぁ、と思いました。かといって、中途半端に価格が上がってしまうと途端にWindows PCは層が厚くなってしまうので、型落ちモデルなどと被ってしまう分、これはこれで悩ましいところですし。
先日も触れましたが、確かに今、「もうこれで十分」というユーザー層が多くなってきたのも確か。その人たちにとって、Chromebookは思わぬ魅力に映ったというのもあると思います。この層にとってはWindowsでも同様に「もうこれで十分」が出れば(本来の教育市場とは別になりますが)それはそれで大きいことです。
真正面から価格だけ合わせてぶつかっていってもOSの違いはありますし、その辺りを今回Microsoftはどういう方向性で攻めてくるのか、楽しみにしています。(個人的にはこの価格帯、このラインのWindows PCは興味がありますので、今回の新しいWindowsデバイスも買いたいな、と思っています)