また変なスピリチュアル系の話になるのか、と警戒された方もいるかもしれませんが、この感覚、私は2年前に初めてChromebookを使い始めて5日目に書いた文章でも同じようなことを書いています。
このChromebook、散々色々文章を打って、アプリも入れて、環境も自分に合うようにカスタマイズしました。この5日間。けれど、多少の違いはありますが、簡単に言えば、これらの設定やファイル、作った文章から加工した画像。
何一つこのC720というコンピュータの中には入っていないんです。
全てクラウドに保管されている。私のGoogleのアカウントと紐付けされて。
いくらファイルを作成しようが、どれだけ画像やアプリをダウンロードしてこようが、どれだけ長い期間使っていようが、
この中には何も入っていないんです。
いつまで経っても中身は全く変わりません。いくら使おうが、いつも変わらないんです。身軽なんです。
正確に言えば、Chromebookの内部ストレージにはシステム部分含め、一時的な作業ファイルその他諸々記録されていますし、また意識して保存しておこうと思えば保存することは可能です。けれど、基本的にはクラウド上のGoogleドライブに記録されています。
クラウドストレージサービスには、Microsoftの提供するOneドライブ、Appleの提供するiCloudはじめ、定番のDropboxやこのChromebookでも使われているGoogleのGoogleドライブなど幅広く、またChromeOSに限らずスマホからWindows、MacBookまで相互に同期させながら使うことが出来ます。けれど、私にとって、これほどクラウドストレージ内のファイルがPCの内部ストレージと同じ感覚で意識せずに使えるものはほとんどありません。
これ、むしろ従来型のファイラーなどを使ってきた方にとっては頭のなかで構造が理解できる分、そこまで自然さは感じないかもしれませんが、それ程PC自体の知識はない(PC自体は昔から使っているものの)私の妻や、実家の両親にとっては、このファイル管理システムは何も考えなくて良い分、非常に楽だと思います。なぜなら、
クラウド上の「Googleドライブ」以外は「ダウンロード(内部ストレージ)」しかないからです。恐らく本人はこのChromebookにファイルを保存しているつもりで使っていると思います。
なぜならクラウドと本体ストレージのどちらにも余計なアクションが必要ないからです。
これはもちろん各社クラウドストレージサービスでも、PC本体内に同期フォルダを作成し、そこのファイルをやり取りすることで(バックグラウンドで)クラウドと知らない間に同期してくれるようにはなっています。
ただ、何かワンアクション間に入っているような、どこかクラウドとの間に一つ小さな扉があって、そこを越えなければならないような、わずかな手間と面倒さがあるんですね。気持ちの上で。
所有という概念が変わっていく。
今手元のChromebookという機械の中で、確かに何かを作り出しているような気がしながら、実際は手元にはない。この不思議な感覚というのは、今までの感覚も大きく変えてくれる気がしています。
私のような少し古くなってきた人間にとっては、実体のあるなしに関わらず、モノというものは所有し、自分の手元で保存、管理しているものでした。家に溢れかえるモノ自体そうですし、また音楽や映像といったデータも、自分の作成している文章も、あくまで自分の端末なりストレージの中で所有し、保存し、その管理を意識して行う必要がありました。(例えば何か起こった時のためのバックアップなど)
けれど、このChromebookには自分で何か保存する、所有する、と感じられる部分が少ないのです。それは表現を変えれば、以前から書いているような「Chromebookは仮の入れ物」ということになるのですが、そうした所有する、という概念自体が変わっていくような気がしています。
いくら使っても中身が重くならない入れ物。それはGoogleアカウントを鍵とした、単なるそこに繋がるためのコネクターのようなもので、中には何かが入っているようで入っていない。その不思議な感覚が、私を惹きつけてやまない魅力なのかもしれません。
#もちろん厳密なことを言えば、中には色々とデータは入っています。ただ、ユーザーにそれを感じさせない、という意味で「入っているようで入っていない」とここでは表現しました。