前回、雨も良いもんですよ、雨靴、要りません。と書いた私ですが、それだけ言われても革靴に愛情も何もあったもんじゃない、便所サンダルと同じくらいに考えている方から、履き潰すものだと考えている方にとっては大して響かないと思います。
ただ、日本に住む以上、雨はかならずあるもの。であれば、気分良く過ごしたいものです。
そこで今回は、今まで悩まれていた方、何となく面倒な気がして何もしてこなかった方、けれどもう少し大切な靴を労ってあげたいと思われている方に向けて、あまり気負わずに出来る、雨の日の帰宅後のお手入れのポイントを挙げてみます。
今回も先日のお手入れのコツと同様、予算は3000円程度を考えています。月末の給料日に買ってもいいですが、これくらいでしたらもう梅雨入りしましたし、ササッと買って、習慣づけてしまいましょう。
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必要なものは3つです。
今回は、私が普段お薦めしている簡単なお手入れすらされていない方を対象にしています。何故なら、雨の後のお手入れなんて、ホント探せば無数に、かつ細かくありますし、やろうと思えば幾らでも出来るからです。
ただ、そこまでやろうとしても、今までやってこなかった方には何が大切なのか分からないと思います。
そこで、ポイントと必要なものを先に挙げておきます。
ポイントは「表面の汚れをなるべく残さない」「中の水分をなるべく残さない」「専任を作る」
必要なものは「ぞうきん」「ブラシ」「除湿剤」です。いつもと変わらないでしょ。基本なんてそう変則的な訳がないんです。既にお手入れをされている方にとっては手元にあるもので充分です。
その1:靴底周りの汚れをブラシで取り除きましょう。
ここで必要なもの。もし持ってなかったら是非この機会に買い求めて欲しいアイテム。既に当ブログをきっかけに結構売れているアイテムです。買われた方、その後活用出来てますか?
以前これだけで一つの文章にしてしまったくらいのお気に入り。タピールのシュムッツブラシです。用は靴底の汚れ落とし用ブラシです。
え?普通のブラシやタワシで良いんじゃないのか、って?帰ってきて、いつでもすぐ取り出せるならOKです。
ただ、私は専用のモノを一つ持っておくことをお薦めします。何故なら、専任がないと、必要な時にすぐ手に取れず、面倒になって止めちゃうからです。「ブラシを探す」という一手間が増えただけで、面倒になって「またでいいや」になりますから。
追記:2017年1月6日 15:00更新
当ブログでは靴底用のブラシとして長らく「シュムッツブラシ」をお薦めしてきているのですが、最近になって品薄になってきたのか、ネットで探しても見つからなくなってきてしまいました。
個人的に非常に気に入っている商品でもあるため惜しいのですが、今後の在庫状況も分かりませんので、代用となりそうなブラシを挙げておきたいと思います。
定番コロニルの製品でもありますので、継続して販売し続けてくれることと思います。出来ればタピールもシュムッツブラシを今後も継続して販売し続けて欲しいな、と願っています。
追記:2017年2月18日 21:00更新
当ブログをお読み頂いている方から「シュムッツブラシが復活してますよ」と教えて頂きました。一時的に品切れが続いていただけだったようですね。良かったです。教えて下さり、本当にありがとうございます。
これからも長く継続して出し続けて欲しい商品です。
雨で1番ダメージを受けているのは、靴底と靴底周りです。
つい見た目の雨染みだったり、靴表面の汚れだったりを気にしてしまうのですが、良く考えれば当たり前の話。雨の中いろんなモノ踏んで削られて体重支えて、常に濡れ続けて1日いるわけですから。靴底が傷めば、滑りやすくも削れやすくもなります。何より愛情が激減します。何故?ここが汚れているということは、足もとに全く注意を払っていない証拠だからです。
変なもの良く踏んでるんですよ。足もとに意識が行かない人。靴の表面も惨憺たる状態ですが、靴底なんてもっと酷い。
で、次に挙げる「ぞうきん」を使うにしても、1番多いのは濡れた葉っぱなのですが、それ以外にも靴底に変なものがぐちゃーと付いていたりする状態で靴のお手入れする気になりますか?そして、靴底も同様になるべく早くに水分を取り除きたいのですが、そんなものが付いている状態で触る気しないと思います。
そこで、まずはこのブラシで全て取り除きましょう。今まで意識してこなかった方は、自分はこんなモノまで踏んで歩いていたのか、と新鮮な気持ちになると思います。ちなみに妻はう○こ踏みの名人です。
余っているブラシがあればそれでも充分ですが、普段のお手入れ用のブラシとはなるべく分けた方が良いです。あと、あまり柔らかいブラシは汚れ自体がなかなか取れませんので、なるべく硬めのものがお薦めです。
この際に、靴底だけでなく、コバ周りも意識してブラシで汚れを落としてあげましょう。いつものお手入れの手順です。
その2:よし、ぞうきん、行きましょう。2枚使うと尚良いです。
あ、ぞうきんよりも使い古したタオルが余っているから、という方はそれでももちろん良いです。但し、雨の度に探さないよう、専任の一枚(二枚)を常にすぐ手に取れるところに置いておいてくださいね。
そこで新たに綺麗な一枚を、とか考えると躊躇してしまったりして先ほどと同じ「またでいいや」になりますから。
少なくとも一枚は濡らしてください。雨染みがあるなど、気になる場合はあまり強く絞らずに、水分を充分に含んだ状態で使いましょう。雨染みないなら、汚れを落とすだけなので、比較的堅く絞っても大丈夫です。
靴の表面と靴底の汚れをぞうきんでぬぐい去る。
重ねていいますが、タオルでも良いです。
まずは靴の表面からが良いと思います。雨が染みこんでないようであれば、表面は要りません。靴底と靴底周りから行きましょう。もうしっかり汚れを落としてください。
雨染みが出来ている場合は、ここで開き直って濡れたぞうきんでシミの部分だけでなく、全体を均等に濡らしてしまいます。
表面がそれほど気にならない方は、乾いたもう一枚のぞうきんで表面の水滴を拭き取ってあげれば充分です。
ポイントは、雨と一緒に汚れを残さない、ということです。
靴底もこの時しっかり拭き取ってあげた上で、靴底を床に付かない状態で乾かしてあげると尚良しです。
その3:除湿剤?初めて出す名前ですが、要はシュードライです。
雨で靴の中まで水が入ってきたときの定番と言えば新聞紙ですが、皆さんちゃんとマメに新聞紙詰めてます?乾燥するまで数時間置きに詰め替えてます?
出来ているのであれば、新聞紙のインクは防虫の効果もありますので、お金もかからず便利ですが、大抵皆さん面倒でやりません。結果、状況は悪化します。そこでここでも専任を一つ作ってしまうのです。それがシュードライ。
もし気分が乗れば、シュードライ入れる前に綺麗な固く絞った濡れ雑巾でたまに靴の中拭き取ってあげると尚衛生的です。まぁそこまでしなくても、とりあえずシュードライは雨の日に限らず、履いた日には一晩くらいは放り込んであげましょう。これが1番簡単です。
雨染み以上に怖いのは、普段全く気に留めない靴の中の不衛生さ。
普通に履いている分には汗もある程度の湿度となって靴の中の環境を整えてくれる、という話もあるのですが、お手入れしない人の場合、一切気を留めずに連投させちゃうんです。特に雨靴はこれ!って決めちゃってる人は、梅雨時は連投させますよね?そうなると、外からの雨は拭けば取れますが、中の1日にかいた大量の汗はそのまま放置です。
私、雨以上に連投させて中に放置された状態の汗のほうが余程靴を傷めると思っています。更に足も傷めます。靴内環境最悪ですから。靴擦れも出来やすくなります。
雨に限らず、その日にかいた汗は翌日に残さない。その為にはなるべく手間を無くす。継続が大切です。となると、毎回新聞紙探してきて、千切って、丸めて、数時間ごとに詰め替えるなんて続きません。靴の形もボコボコになりますし。であれば、シュードライ買って放り込む。それだけです。
あれっ?クリーム、靴墨要らないの?
雨の後だと乾燥しちゃうでしょ?雨染み消したいから黒の靴墨必要だよ。
要らんです。
なんて書くと靴好きの方から非難されそうですが、私はそう思っています。この段階では必要ありません。
だって、まだ濡れた状態でここぞとばかりに普段ほとんど塗らないクリームや靴墨大量に塗り込むんですよ?カビに栄養与えちゃうようなものじゃないですか。カビがなくても、そもそもここぞとばかりに塗りすぎたら却ってタダでさえ疲労している靴にはダメージ大きいです。
大体塗りたくっちゃうんですよ。慣れてない人は。
それだったら、とりあえずここまでのポイントと手順だけ押さえておいて頂ければ充分です。
カビが生えるのであれば、そもそもクリームなんて余計ですし、他に原因があります。
けれど、その他の原因に気付くには、最低限今回挙げたポイントだけは押さえていないと、何が原因なのか分かりませんし、解決にもなりません。
あとは連投させないこと。しっかり陰干しして乾かしてあげること。
この毎日履かない、ということもあって、私は雨靴というのを薦めていません。
雨靴決めちゃうと、雨の日はそれしか履いちゃいけないような気になっちゃうんです。で、早めに履き潰される。傷みも早くなる。何のための雨靴でしょうか。
それよりも、普段から履いている靴をいつも通りにローテーションで回してあげましょう。雨の日も自分の好きな靴を履いていきましょう。
気になるなら撥水スプレーをかけるなり、それなりに雨に向けたちょっとしたコツはあります。以前も挙げましたので、興味のある方はその辺りも合わせてご覧下さい。
https://office-kabu.jp/shoes/how-to-choose-your-shoes/post-4278