1月です。
1月といえば「成人式」です。
このブログでも年末あたりから「成人式 靴」で検索してくる方が増え始めます。実際にお店にいた頃にも、この正月休みに怠そうな息子を無理やり連れて、お父さんお母さんが「成人式の靴」を買いに沢山来られます。
そこで、今回たまたまでも偶然でも必然でもこちらのブログにたどり着かれたあなたへ、恒例の靴のお話をしたいと思います。勿論テーマは成人式の靴ですが、今回はもう少し範囲を広げています。成人式の服装です。
斜に構えて勝手に崩して適当に着るから、結局みんな同じような没個性で異様な光景になる。
「スーツは無個性・没個性の象徴」
大抵、ネットの知識層ぶった何か言わないと気が済まない人たちが言うセリフです。大抵そういう人たちはスーツを着てこなかったか、もしくはスーツを知ろうとしなかった人たちです。何故か。
偉そうに言ってる人達のスーツ姿が没個性だったからです。
何故没個性だったか分かりますか?理由は簡単。スーツだからじゃありません。「スーツは没個性だから」「リクルートスーツは云々」と斜に構えて、ちゃんと知らずに自分勝手に崩して適当に着るので、結局みんな同じような適当に着た感じの没個性で異様な光景になってしまうんです。
そこで今回は伝えたい。まだ就活まで数年ある20歳の今、思い切って気合入れてスーツを着こなそうとしてみませんか?
成人式も同じです。結局没個性になります。何故か。
怠いからです。
で、結局何着ていいか分からないので、適当に周りの友人に聴いて同じような服装にするか、もしくはネットで調べて出てくる無難そうな「冠婚葬祭の服」とか「リクルートスーツ」みたいなガイドページに載っているイラストや写真を参考に適当に買ってきます。
ただ、それって面白く無いので、ちょっと怠そうな顔して「好きで着てるんじゃない」雰囲気を漂わせるか、自己流(のように思い込んでいる)崩し方をします。結局それでみんな似たような服装になるんです。
昨夜の紅白のギンギラギンにさりげなくの近藤真彦みたいな。
あ、真彦さんはダメなんじゃなくて、ちゃんと意図してあの格好してますから。あの方を真似してもダメです。
20歳でスーツと革靴を着こなせる人はいません。
そりゃそうです。
でも、それを目指してみませんか?
目指す先は、適当にその辺に転がっているオッサンのスーツ姿ではなくて、国際標準の紳士のスタイルとしてのスーツスタイルです。もちろん20歳でいきなりそれは無理です。私も37歳ですが、まだまだひよっこです。
ただ、これを30過ぎてお金に余裕が出来始めてから金にあかせてやるのと、20歳の今、少しずつでも何とかそうした姿に近づこうと少ないお金で頑張った先の10年後では全く違います。
そして、そうした一生懸命さのにじみ出る、ちょっとまだ着慣れていないスーツ姿の20歳は素敵です。心から尊敬します。茶化しているわけではなく、本当に。それは37歳の私が今思えばやりたかった20歳の時の自分の姿だからです。
今、必要なのはとりあえず基本を押さえること。
勿論お洒落にはお金がかかります。
板につくまでにどれだけのお金がかかるか分かりません。
ただ、それは後の話。どの程度までお金をかけるかは就職してから考えましょう。今はお金をかける必要はありません。とりあえず、身近なところから。そうです。
成人式から初めてみませんか?
今回折角靴を買おうと思ったんですから、何となく自分が思い描いている格好良さそうな靴の合わせ方ではなく(それすると結局みんな似たような、分かる人が見ると滑稽な異様な光景になります。)、紳士靴の標準を履きましょう。履いてみましょう。
このブログは冒頭の「ネットの知識層ぶった何か言わないと気が済まない人」が書いています。
それはこのブログを眺めたくらいでは全く分かりません。
そんな薄っぺらいものじゃありません。
このブログは冒頭の「ネットの知識層ぶった何か言わないと気が済まない人」が書いているからです。
ただ、何か考える、興味をもつきっかけになってくれたら嬉しい。そこで、最後にこのブログの中で参考になるかな、と思われる記事を挙げておきます。それと、書籍も。
書籍に関しては、難しかったら、分からない言葉はとりあえず飛ばして、興味のある部分から読めば良いと思います。いきなり分かるようなものじゃありません。私だって最近読みなおしてみて、ようやく「こういうことだったんだ」と分かる部分も多いので。そして今でもイメージ出来ない部分もあります。
ただ、今の内に一度でも触れておくと、後で違ってきます。読んだ記憶が残るからです。
そして、もし男性の服飾に、更に革靴に興味を持ったら、いつでもご連絡下さい。わからないことがあったら、いつでも訊いて下さい。基本大人はうんちく好きで自慢好きで話好きです。訊かれると嬉しくなっちゃうんです。どんどん大人を調子に乗せましょう。
長ったらしい話を聞いてくれて本当にありがとう。何か一つでも参考になれば、持って帰ってもらえたら嬉しいです。
革靴を中心に。時間のある正月に軽く流して見て欲しいこのブログの記事。
ネットを探せば幾らでも出てきます。だからあなたもこのブログにたどり着いたんだと思います。だから、勿論私の書いていることなんて、ちょっと知ったかしてる大人の醜い恥ずかしい例として冷やかし半分で軽く流す程度で充分です。ただ、何かしら持って帰れるものがあるはずです。
という視点で選んでみた、当ブログの記事です。
お、偉そうだな。大きく出たな。大人の説教だ。でも結構大切なこと。それは多くの大人の服装と靴を店頭で見てきて感じたことですから。
本当に3分だけ付き合ってやろう、という方はこれで充分です。最後に名前だけ覚えて帰ってくれれば私は満足です。
[0343-201410] 就職活動を迎えるあなたへ。これからの25年間に差が出る革靴とスーツの選び方。
就活はまだ先かもしれません。なんで成人式の靴を探しに来て就活なんて気が滅入る話を正月早々読まなきゃいけないんだ、と思うでしょうが、もしそうでしたらブックマークにでも保存してあとはスッキリ忘れちゃっても構いません。多分数年後参考になると思います。
ただ、基本は成人式も就活もその後の人生も、基本は変わらないんですけどね。それくらい単純ですから。
はい、ストレートチップ。この名前だけ覚えて帰ってくれても構いません。
いつか興味を持った時のために、騙されたと思って今揃えておいて欲しい本。
今、まだスーツを着ることもないと思います。
たかが成人式です。されど成人式でもあります。もう成人です。
今、時間がある内に、とりあえず買いたいと思っているブーツなりガジェットなりを一回我慢して、揃えておいてほしい。書かれている内容は今はまだ実感が沸かないと思うので腑に落ちるのは恐らく数年後でしょう。けれど、その時には既に買えなくなっているかもしれません。
まずは2冊。定番、落合正勝さんの本から。落合さんの言っていることが全て正しい、というのではなく、今、きちんと分かりやすい言葉で男の装いについて買いてくれる大人がまだ少ない、ということです。
そして、靴好き、スーツ好きの先輩は大抵落合さんの本は既に読んでいます。話を合わせやすい。何を言っているのか分かりやすい。そんな入り口として薦めます。
最初に「服飾評論家が見てきた洒落者たちの風景」を挙げたのは、これ、普通のエッセイとして読んでも面白いと思うからです。教科書っぽくない。興味のあるところからでも読んでみると、街を歩いている大人の見方が変わります。
出石尚三さん、服部晋さん、それぞれ名前はどこかで聞いたことがあると思います。服部さんを知っている方は少ないかもしれませんが。そして、この2冊は正直簡単ではありません。今まで全く興味がなかった人が頭から読んでも恐らく途中で挫折します。
ただ、どちらも後になって、ふとした拍子に持っておいて良かった、と思える本です。そして、それがもし10年後だったとしたら、その時に買おうとしても既に見つからないかもしれません。それは上の落合さんの本も同様ですが。あちらは既に15年近く経っていますから。