[0626-201502] 山田芳裕「大正野郎」は大正浪漫かは別にしても、誰もが何かを思い出す素晴らしい漫画です。

[0626-201502] 山田芳裕「大正野郎」は大正浪漫かは別にしても、誰もが何かを思い出す素晴らしい漫画です。

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たまたま全く別方面から出会ったこの漫画。

細身のタイに三つボタンのオリーブ色のスーツ。胸には作家らしく(大学生)万年筆を2本さして、ポケットにはさりげなく龍之介(芥川)の文庫本をしのばせる。

愛用は仁丹と「ゴールデンバット」か煙管。ホッピーと枝豆なんてあったら最高。
部屋には竹久夢二。

紙巻 日本たばこ ゴールデンバット通販・販売/大阪 梅田

太宰も愛した煙草 ゴールデンバット : 遠い空の向こうへ

勿論真剣です。

そんな名前の一つ一つに何か感じるものがあった方は是非読み進めて頂きたいと思います。久々に心に残る名作でした。

丸善で買ったマナスルシューズ。

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たまたま先日の三交製靴訪問の帰りに、何か新たに更新されているブログなどはないかなぁ、と検索して見つけたのがこの漫画。マナスルシューズから見つけたんです。

[0618-201502] 私が選んだ四足目のラギッドシューズは、雪の日が待ち遠しくなる一足でした。

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丸善マナスルシューズが大正浪漫かどうかは分かりませんが、大切なことは靴は靴のブランドで買わないということです。丸善や三越で買うことが大切なんですね。

平くんは大学生。お金もあまりないのですが、スーツは三越のオーダーです。デートは銀座の服部時計店の前で待ち合わせです。演劇に誘うのがポイント。

[腕時計] 50年変わらず、世界で愛されて今も出続けるSEIKOを代表する時計 SEIKO 5 Automatic | Life Style Image

[腕時計] 変わらず作り続けられる、って凄いことだと思う。CASIO STANDARD DIGITAL | Life Style Image

現行ラギッドシューズは全て外羽根ですが、平くん愛用のマナスルシューズは今となっては稀少な内羽根です。以前三交製靴の松田さんに伺ったのですが、確かに内羽根も作られていたそうです。

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[0375-201411] 倉庫の奥からたまたま出てきたカビだらけの手縫いサンプルに、三交製靴の歴史と技術力の高さを見ました。

ただ、マナスルシューズの作りも含めたイメージを考えると外羽根のほうがバランスが取れるので、今では外羽根しか作っていないそうです。全体的にボテッとした雰囲気に重厚なラギッドソールですから。

今ではなかなか見かけなくなった下宿屋の風景。

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下宿です。あくまで時代は現代。1987年の『モーニング』22号が初出ですから、既に昭和後期(62年)です。ちなみに私は9歳。

この下宿先の人間関係が素晴らしいんですね。温かい。平くんの大正かぶれだけでなく、同じく下宿している佐山くんも変った奴ですが、良い奴なんです。何だかんだいって馬が合うんでしょうね。平くんと違って女の子にもてますが。

たまたまある日曜日に平くんが家にいて初冬の侘びさびの部分を眺めていたところ甲羅ぼしをしていた下宿先のおじさんと将棋に興じることになりました。

大正の棋公子と呼ばれた平くんもおじさんには6戦全敗。酒のつまみを作っている内に七輪を見つけ、それなら折角なので夕飯を縁側で、ということになったシーン。

作中にはたくさんの下宿先でのシーンが出てきますが、この食事の雰囲気はたまりません。皆さん温かいんですね。平くんを受け入れている。いや、こういう家だからお互いに通じ合う部分があったんでしょう。

帽子を目深に被るのは緩んだ表情を見せられないから。

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下宿先の娘さん。由貴さんも素敵な女性です。あまりに身近にいすぎたあまり気付かなかった魅力に気付き始め、次第に平くんも心惹かれていくのはこうした話の定番ですが、いやらしくなくて良い。

あまり恋愛を絡ませない、ホノボノとした中にふと彼女の魅力や二人の恋の展開が織り交ぜられていて、温かい気持ちで読み進められました。

帽子を目深に被るのは、幸せを感じ緩んだ、にやけてしまった表情を女性に見せられないからです。照れ隠し、男らしくないんですね。

山口ベニーサイクル。

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恥ずかしながら私は自転車については全く知りませんでした。山口ベニーサイクル。

●山口自転車とは?
大正3年(1914)1月(株)山口自転車 山口重彦氏により創業戦後、東京都台東区竹町に本社、(株)山口自転車工場、埼玉県川口市栄町に川口工場を設置。戦後の昭和28年(1953)より一時オートバイの製造にも着手。山口自転車は昭和38年(1963)倒産昭和37年まで販売台数はヤマハやスズキと肩を並べるほどだったのですが、結局、オートバイ事業が過当競争に負けたのが原因で倒産してしまいます。また倒産の理由は、他のにも当時の社長と副社長 (山口シヅエ氏)の議員活動が多忙になったのが原因だという説もあります。倒産後、技術陣の一部はブリヂストンサイクルに再就職して、1980年代に一世風靡したブリヂストンBSチャンピオンなどの製造にもかかわったそうです。

山口ベニー号で調べると幾らでも出てくる名品のようですね。昭和20年代~30年代は2ヶ月分の給料、「一家・一台・一生」の時代だったそうですが。

現行のママチャリと言われる自転車と違って安価、量販、軽快、安直なイメージとはかけ離れた作りの昭和の自転車は長持ちする物づくりのしっかりした姿勢が随所に見える設計です。運搬車というだけあって、重荷に強くスプリングの利いた革サドルも、ほどよく使い込まれてなめらかになっています。 経年の錆びなどありますが、よくメンテされていて、状態は良好です。 ペダル、ブレーキともによく動き、問題なくご使用いただけます。 ハンドルにベルは付属しておりません。

よく昔のものは長持ちする、と言われますが、それだけしっかりと作られていたんですね。直して使う。靴も同じです。リーガルの靴を時々取り上げますが、あれも昔はもっと固くて痛い靴でした。けれどその分しっかり作られていた。それがイメージとしてブランドの価値を作っている。

長く使うものほど定番でしっかり作られているものが良い。けれど今同じ事を求めてもなかなかそうした製品に巡り会えません。

直すのと新しいモノを買う場合とで値段があまり変らない。であれば新しいモノを買ってしまった方が良い。そういうつもりで使い捨てになっていってしまう。

実際に直すに値する、と思える作りのものが少なくなってきてしまったのかな。日常生活に根ざしたものはそれだと寂しくもありますが。

昭和自転車 Vintage Japanese Bicycles

どん引きされているようでいて、きちんと素敵な人間関係と大学生活を送っています。

彼は周りからどん引きされているように見えますが、きちんと人間関係を築いています。
素敵な下宿先のおじさんおばさん由貴ちゃん、そして親友佐山くん。
大学では五十嵐さん(女の子)。素晴らしいです。

大学デビューで上京してくると、気負って友だちたくさん作ろうとか、充実した大学生活を送ろう、と妄想だけが膨らみがちです。

結果気がついたら自分の思い描いていた大学生活とはほど遠い、ボチボチな毎日を送ることもあります。

ふと空しく、悲しくなることがあるんです。私も今振り返ってみても大学八年いましたが、決して素晴らしい生活を送っていたとは思いません。後悔だらけです。

けれど、本当はこんな小さな、些細な幸せや楽しい想い出ってたくさんあったと思うんです。そして、彼のようにごくわずかでも本当に心通じる友人や周りの人に出会えたら幸せではないですか。

そして、本当はそんな少数の通じ合う人たちとしっかり付き合うことができるのであれば素晴らしい事だと思うのです。

最後はちょっと心温まる終わり方ですが、これから先平くんがどうなるのか、大学を卒業したあと、どんな生活を送っていくのか。

この漫画を読んで自分の学生生活を思い出す方から、大正浪漫の見本帳として楽しむ方まで色々だと思いますが、多くの人が楽しめる罪のない、温かい漫画です。

マナスルシューズが出てくるから読んだつもりが、読み終えた後には心に何かが残っている。良い漫画に出会えました。ありがとう。

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「アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日」

続いて、「Chromebook」に関する文章を一冊の本にまとめました。

Chromebookはまだまだ日本では馴染みが薄いですが、Googleが開発したOSであるChrome OSを搭載したPCです。

海外では特に米国の教育市場を中心に急速にシェアを伸ばしてきています。日本ではAppleやMicrosoftが教育市場向けのモデルを出すと、一般的に「iPad対抗」「Surface対抗」といった感じで一騎打ちのようなイメージを持たれがちですが、実際には海外では低価格で半分以上のシェアを獲得している「Chromebook(Google)対抗」を想定した三つ巴の状態となっています。

本書ではこのOSの特長でもあり魅力でもある、

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