年明け第一弾の三交製靴訪問をしてきました。完全な三交製靴推しですね。私。目的は先月にお伝えしたこちらの一足です。
[0542-201501] 三交製靴ラギッドシューズのスノータイプが在庫処分中。私もサイズがあればこれからの時期に合わせて一足欲しい。
あの後すぐに在庫がまだ残っているか松田さんに伺いまして、幸いにも私のサイズがまだあるということでしたので、一足頂きました。
選んだのはこちらのタイプ。品番S-3、現行のK-1タイプのスノーソールのモデルです。
東京は明日は大雪の予報が出ています。今夜のうちにこちらも改めてサラリとでも流してお読み頂けると嬉しいです。
[0598-201501] 関東地方は今日は雪。そこで改めてそんな雪の日に意識したい革靴についてのポイントをまとめてみました。
またまた伝えるのが難しい、履いて初めてわかる魅力。
プレーントゥ、型押し革。どちらも、好きな方ならその魅力については何となく分かって頂けるとは思うのですが、あまり興味の無い方にその魅力を伝えるのはなかなか難しい。そして簡単なようでいて履きこなすのもなかなか難しい靴です。
シンプルであるがゆえに誤魔化しが効きません、そしていい加減に履いているとすぐ分かる。これをどう履くか。そしてこの表情に上は何を合わせるか。絶対的な答えが一つあるわけではないので、靴単体ではなく全体の雰囲気で分かってしまう靴です。
だから、靴単体で、写真で見てもなかなか分かりにくいのです。特にこういう普通の、昔からあるフォルムの靴の場合。
今回はラギッドソールではないので。
今回はラギッドシューズ定番の靴底ではないので、横から見た時にも若干の厚みは変わらずあるものの、それ程ラフな印象はありません。
それでも決してドレスシューズという訳ではなく、その辺りはこのままちょっとしたハイキング程度であれば履けてしまいそうな、それ故に昔から愛され続けてきた定番の形ではあります。時計メーカーのセイコーにセイコースタイルがあるように、ラギッドシューズにはマナスルスタイルとでも呼べるようなスタイルがある気がします。
至って普通です。
けれど、この普通が難しい。それを今日一日履いてみて改めて感じました。
改めてどこかでまた触れたいと思っていますが、いつも素晴らしい考察を書かれているShoe*さんのブログの今回の記事がプレーントウ。
Shoe*: プレーントウについて思いを語ってみる
ていねいにお手入れされて履きこまれたプレーントウは水面のような輝きを見せる。黒い宝石のような輝きを出しながらそれ以上の主張をしない佇まいはこのデザインならでは。
やや細身の無地スーツに磨きこまれたドレス寄りのプレーントウを合わせるといったきわめてシンプルなスタイルこそが内面をきちんと映しだしてくれるのではないかと。
今回も必読です。
正真正銘のマナスルシューズ。
今回のこのタイプは在庫処分ということで、既に5年近く前に販売が終了しているものです。当時北海道の丸善で凍った雪道を歩く際に滑らないソールを、という要望から作られたタイプです。
今ではもうない丸善時代のもの。最後は破格値でセールされてしまったようですが、今回のこの値段も非常に勿体無い価格ではあります。
モデル上仕方のないものではあるのですが。そうした意味では、この靴はラギッドシューズではなく、マナスルシューズと呼んだほうが良いのかもしれません。
スノータイプのソール。
雪、特に東京のような比較的溶けきってグチャグチャになってしまった雪というよりも、まさに北海道の凍ってしまった道を歩くために特化させたいわゆる冬底です。スケートリンクを歩くような感覚ですね。
どうして滑り止めの冬靴なのに、北海道では滑りやすいのか?
それは、雪道の想定が違うからです。
関東での雪道は、少し雪が積もった状態が多いです。
湿った雪でつるつるに凍ったアイスバーンではありません。
先ほど雪用の靴底について簡単に調べてみたところ、出てきました。
冬靴選びは靴底を見ることで90%終わる|雪道対策靴情報局
アルファベットのNとZの模様があって、3~5ヶ所ポイントがついているものが滑りづらい靴底です。
靴底のパターンは大きなものよりも細かいもののほうが滑りづらいです。
表記は「ニッシン化工 PIGEON NON・SLIP」。どなたか詳しい方いらっしゃったら、ぜひ教えて下さい。
雪の日が待ち遠しくなる靴を一足持っておくと良いと思う。
これは大した雪に悩まされていない東京モンの意見だと思って流して欲しいのですが、とはいえ雨や雪の日というと、大半の人は「履きつぶし用」「メインから格下げになった捨てる前の靴」を登板させています。
これ、寂しくないですか?
ただでさえ雨や雪の日は気分が沈むもの。スーツも服も濡れるし、足取りは重くなる。寒い。傘も差さなければいけない。荷物も増える。
そんな時に、履いててますます気分の下がる靴を選んで適当に履くなんて、悲しいです。そして、そういう扱われ方をされている靴だからこそ、お手入れもされないし雑に扱われているので、大抵普通の靴よりも雨や雪がしみ込みやすいのです。
あなたの雨用の靴が水が染みこんでくるのは、何も革靴だからだけではありません。濡れてもいいや、と思って格下げになった、既に傷んだ靴だからなんですね。
だからこそ、私は雨や雪の日こそ、それが待ち遠しくなってしまうくらいの特別な靴を履いて欲しいと思うのです。
小さいころにお気に入りの長靴を晴れた日でも履きたがったように。
そうした点でも、このラギッドシューズはまさに雨や雪が待ち遠しくなってしまう一足です。
普段は通常のラギッドソールよりも若干減りやすいので、つい履くのを遠慮してしまいそう(といっても一般的な靴と比べて別に減りやすいわけではないのですが)ですが、私は嬉しくて今日のような晴れた気持ちの良い一日でも履いて歩きまわりました。7975歩。それ程でもないですが。
興味を持ってくれる人が一人でも増えたら嬉しいです。
今日は時間の関係でそれ程お話出来なかったのですが、松田さんから嬉しいお話。先日ありがたいことにこのブログを見て買いに来てくださった方がいらっしゃったそうです。嬉しいですね。ありがとうございます。
もし今回も読まれていたら、履き心地は如何でしょうか?気に入って頂けましたか?
嬉しくて帰りの電車の中で、またマナスルシューズを検索したら、以前検索した時に比べてまた幾つか書かれているものが増えていました。
丸善のマナスルシューズ : 帰ってきた「喫茶と軽食さくらい」
これはかなり貴重な当時の切り抜き付き。いいですね。
YMO周辺のデザインがつとに有名なデザイナー・奥村靫正氏が掲載された雑誌の1ページ。どうやら『アンアン』のようなのだが、奥村氏のポートレイトから察するに相当昔のものであることは間違いない。さまざまな人がお気に入りの品を紹介するという趣旨のページなのだろう。ここで奥村氏は、「丸善のマナスルシューズ」を紹介し、写真のキャプションには「『丸善』のマナスルシューズを、はき続けている。今、2足めがまる3年たったけど、まだまだ平気。ロケなどで山を歩いてもビクともしないし、少々汚れても気にせずはいていられる。そんな気安さがある。」と記されている。
別に私のブログが何かしたわけではないのですが、少しずつ、細く、長く、再びラギッドシューズを愛用する人がこれからも出てきてくれると嬉しいなぁ、と思います。
私ですか?あとは外羽根のストレートチップを通常の牛革タイプでお願いしたら、それでほぼ上がりかな、と思っています。
それだけあれば、よほど足の形でも変わらない限り、かなり先まで履き続けられますから。贅沢です。
熟練の職人が手縫いで作り上げた、頑固な紳士靴ラギッドシューズ(旧マナスルシューズ) – ラギッドシューズ(マナスルシューズ) 三交製靴株式会社
今回たまたま(初めて)このページに辿り着いた方に合わせて読んでいただきたい、三交製靴について。
[0203-201405] 続けていくことの素晴らしさと苦悩。 – 三交製靴株式会社 ラギッドシューズ – | Life Style Image
[0367-201411] ラギッドシューズに興味を持ったあなたへ。三交製靴を訪れる際に気をつけたい5つのこと。
さり気なく丸善マナスルシューズが出てくる、素晴らしい漫画です。今日見つけて早速注文済み。
モテたければ芥川龍之介ヘアーにすべし!!「大正野郎」で学ぶ、独り大正デモ暮らしの極意:a Black Leaf (BLACK徒然草)