先週末の佐久ライフセミナーの前に国立国会図書館に行ってきました。
今回は妻が看護研究用の資料を集めたいというので付き合ったのですが、私も自分の関心のままに資料を検索してきました。
国会図書館自体には時々夫婦で通っています。
中には喫茶もありますし、その時の知的関心に合わせて資料や論文、雑誌記事等をまとめて検索してコピーしてくる非常に濃い時間を過ごせます。
最近の知的関心の高いテーマは「知的生産の技術」
以前触れたことがありますが、私、大学退学になってます。卒業出来ませんでした。
実際授業にもほとんど出られませんでしたし、元々学校で授業を受ける、というのが性に合わないのかもしれません。
ただ、常にそうした学問、知的好奇心を刺激されることには興味がありまして、大学というものには常に淡い憧れがあります。
20代から30代の今に至るまで、文房具であったり、万年筆であったり、仕事術だけでなくこうした学問系のテーマに興味を持ち続けているのもそんな憧れからかもしれません。
実際、都内でお気に入りの宿泊施設は学士会館です。
ということで、一時期それなりに「整理」であったり「思考法」であったり、といった書籍は読みましたし、色々なツールも試してきました。
ただ、梅棹忠夫さんの「知的生産の技術」は恥ずかしながら、知ってはいながらも読んだことがまだありませんでした。古典なのですが。
ということで今回の国会図書館での私のテーマは「知的生産の技術」だったのです。
折角だから読み直し含めて定番から入ってみる。
このテーマで雑誌記事だけを検索しても大量に出てきます。
その中で「経」で連載された、妹尾堅一郎さんの「”知的技術本”の古典を読む」のシリーズの第1~6回がちょうど「知的生産の技術」でした。
第1回(2003年1月号)を見ていてちょうど私としても共感出来る部分がありまして、
私は、これらを「知的技術本の定番」と呼んでいる。これらの販売部数は、後掲の表のとおりで、文字どおりロングセラーであることが分かる。
ロングセラー、つまり定番になる本は、表面的なハウツーにとどまらない強烈な世界観と基本コンセプトに貫かれており、読者の読む力・考える力の基礎を鍛えてくれる。
ツールやハウツーの背後にある基本コンセプトや世界観が本物ならば、それは古びることがない。ここに、知的技術の定番本を読む意義がある。
以前から書籍に限らず、革靴でも腕時計でも服飾でも私は定番こそ大切であり、定番には定番になる意味があると思っています。
それを生業にしたり趣味でも無い限り、基本定番だけ身につけていれば(その代わりその定番を徹底的に使い込む必要はありますが)良いのでは無いか、と。
定番一つですら使いこなす、その深さを知るのにかなりの年月がかかると思うのです。
であれば、手当たり次第に考えもせずに興味のままに買い漁るより、まずは定番の形をしっかり身につけるのが一番です。
[0178-201404] 靴屋だった以前に靴好きの私が新社会人のあなたにそれでもストレートチップを二足目として薦める理由。
次に分かったことは、ハウツーをハウツーとしか読んでいない、つまり、本の字面は読んでいるのだが、その奥にある、知的技術のコンセプト、あるいは方法論といったものを読もうとしていないのだ。
私はまさにその傾向が強く、読んではいるものの一回読んで終わりのものも多いですし、そのハウツーすら身になっていません。
そこで、挙げられていた「定番」の知的技術本が5冊ありまして、せっかくなので今回まとめて読んでみようかな、と思いました。
ひとまずKindle版のあるものをまとめて購入しました。
こういうとき、まずはKindle版がないか探します。理由は複数冊持ち歩いても楽なこと。そして線を引くのが楽なこと、あとで引いた部分だけ読み返すのもしやすいことです。
勿論こうした新書であり、名著の類いは書籍の形の方がより良いのでは無いか、という気もしますが、とりあえず最初の取っかかりが大切なので。
中公新書万歳。なぜならKindle版があるからです。それだけか、と言われればそれだけなのですが、おかげで下手に考えずにさっさと買えました。
新書だけだとAmazonだと1円から、古本屋を廻ればこうした名著類は新書なら100円で買えると思うのですが、なのでかえって買うのに躊躇してしまうのです。
もう今回は5冊とも読む気なので、思い立ったが吉日で、更にKindle版があればすっきりありがたく読ませて頂きます。
このあとの「超」整理法ともども、最初に読むのはこの2冊の予定です。
何かにつけて検索していると出てくるのがこの本ですね。時代を経て、ツールは変わったとしても、その基本的な部分は変わらない。
これを同様にハウツーとして読んでしまうのであれば、今は当時と違って色々な技術やツールが発展したことで便利な分、古くさく感じてしまいがち。
けれど、その奥のコンセプトを読むのであれば、時代を経た分かえって新鮮かも。
残念なのは岩波新書ということで、Kindle版がないんです。こういう名著こそ(勿論新書も買う予定ですが)Kindleで持ち歩きたかった。
「超」整理法は新書を選んでも良かったのですが、単純にKindle版がなかったので。
「超」整理法自体はこの中公文庫版4冊を以前電子書籍で読んでいます。
ちょうどPalmでSONYのCLIEが出た頃。Palmを愛用していた私は、Palmで本まで読めるなんて素晴らしい!と購入して一気に読んだのを覚えています。
20歳の頃。確かこの時にPalm版のフランクリンプランナーがあって、訳も分からず購入してみて、そこから「7つの習慣」を知った懐かしい思い出が。
そして「超」整理法から「超」整理手帳、更にORTHODOXEEのメッシュの「超」整理手帳カバー、と趣味が広がっていったという少し特殊な存在です。
そんなことはどうでも良いですが、私にとっては知的技術本の古典というより、そこから先の10年以上続く趣味の世界を広げてくれた名著です。
ということで、既にKindle版で再購入済み。
一番入りやすかったので、これから読み始め。
とりあえず5冊とも揃えてしまうのが一番なのですが、残りの2冊は今回の計画がある程度流れに乗ってきてからにしようかと。
全て書籍とか全てKindleであればさっさと揃えてしまうのですが、今回は新書、文庫、Kindleとバラバラになってしまったのが唯一の失敗かも。
あ、でもその分それぞれの良さが分かって良いのかもしれませんが。