[日常] プロの記者による緻密な取材に基づいた指摘や批判の記事なのであれば、最低限の情報はオープンにして欲しい。

[日常] プロの記者による緻密な取材に基づいた、社会に問題を投げかける批判の記事なのであれば、最低限の情報はオープンにして欲しい。

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話題になって既に数日が経ち、あの時騒いでいた方の大半は既に興味も薄れ忘れてしまっているのではないか、と思われる「高知県立大焚書」の話。

2018年8月17日の高知新聞の記事「高知県立大焚書 知の機会奪う 職員「移行へダイエット」」。早速ネット上では様々な意見が出ていますが、一部過激な表現や、記事のタイトルだけを見て感情的に反応してしまったものも多く見られます。けれど、私たちはそこまで感情的に非難出来るほどの情報と知識、関心をこの出来事に対して持ち合わせているのでしょうか。多くの人にとっては「そもそも知りもしなければ興味もなかった」内容だと思うのです。現場を混乱させ疲弊させるのは、普段無関心なのに何かあった時だけ激しく叩き始める無責任な「善良な一般市民」です。改めてこの問題について考えてみました。

正直なところ私自身も常に追っている訳ではないのですが、時々覗いているブログでこの話について触れられていて、とても同意できる部分が多かったので、改めて書いてみたいと思います。

単発の飛ばし記事ではなくて、緻密な取材に基づいたプロの記者による記事なのか。

今回参考にさせて頂いたのが不倒城のこちらの2記事。2018年8月20日と21日に書かれています。

概ね同意ですし、今回引用させて頂く部分以外も頷ける内容でしたので是非一度読んでみてほしいのですが、今回取り上げるのはこちら。

そもそも謝罪する必要あることなのかな、という気もするんですが。

これを見ていると、なんで高知新聞がああいう報道を出したのか、ちょっと疑問を感じます。少なくともこの辺の記述については、明確に報道と食い違っていると思えます。

・図書館はそもそも小さくなっておらず、蔵書能力も旧図書館と同程度にあった
・除却の判断は規定に則って検討され、決定されている
・除却せずに活用する方法の模索、他研究室への移管なども行われていた

これ見ると、端的に高知新聞の勇み足というか、ごくシンプルにただの煽りだったんじゃねえか、と思わざるをえなかったりするんですが。

ちょっと細かい点について確認してみたくて永国寺キャンパスに問い合わせのお電話をしてみたのですが、残念ながら20日までは夏季休業とのことでした。これについてはまた明日以降問い合わせをしてみます。

この翌日に実際に問い合わせた結果の私見がこちらです。

以下は全部総合しての私見なのですが、

・高知新聞の記事は飛ばしに近い。少なくとも、図書館移転に伴う通常の除却を大げさに書き立てて煽る意図はあったように思える
・3万8000冊が丸々焼却されたわけではない為、その点も記事の記載に問題がある
・本は除却されるものだし、除却された本を丸々誰かに引き取ってもらえるわけでもないのだから、ある程度焼却されるのは仕方ないし叩くことじゃないんじゃないですか、という意見は変わらず
・ただ、「本が燃やされる」という事象だけを見て感情的に反応してしまう気持ちも多少分からないでもない
・図書館の移転に伴って収蔵能力を向上させるべきだったのではないか、という議論はまあ成立すると思う
・どっちにしても脊髄反射叩きはしない方がいいと思う

私もこの「端的に高知新聞の勇み足というか、ごくシンプルにただの煽りだった」のではないかというのは感じていて、だからこそ例えネット上だけだったとしてもあれだけ話題になり罵倒と非難の嵐になった以上、その後大学側からの声明が出た時点で高知新聞としての見解も出てくるのではないか、と思っていたのです。新聞社というそれなりの信用のある組織が出した記事である以上、もし飛ばしだったとしても、そうでなかったとしても、やはりその後のフォローは必要だと思うんですね。

何故なら私たちは「新聞に書いてあった」時点で、ほぼ疑いもなくそれを事実だと受け取ってしまうくらいには新聞社を信用していますし、また裏付けを取る、しっかりエビデンスを調べるほど暇ではない(もちろん良いことではありません)からです。けれど、一度出てしまった言葉は、明らかにその対象に影響を与え、時にいつまでも傷跡を残すからです。

「女子受験者を一律減点 東京医大、恣意的操作」。読売新聞が2018年8月2日に報じたこのニュース以降、ネット上でもこの話題が盛んに交わされています。読売新聞に限らず、各種報道機関も続々と取り上げ、またや医療・大学関係の方も発信されていることからも、このニュースが事実である可能性は極めて高いのだと思います。ただ、ここで少し立ち止まって考えてみたいことがあります。私たちの多くは「これは事実なのか?そうだと信じる根拠はあるのか?」と問いかける前に既にこのニュースを事実だと思ってしまっているのではないか、ということです。

その後の高知新聞はどうだったのか。

高知新聞としてはその後どういう姿勢でいるのか気になったので、改めてその後の記事を探してみました。

飛ばしではなく、緻密な取材に基づいたプロの記者による記事なのであれば、それなりの根拠を示すでしょうし、新聞社としての姿勢もあると思います。また、飛ばしであれば何かしらの訂正が入るはずです。すると、見た限りでは今回高知県立大学の図書館関連では合計9つの記事が書かれています。(2018年8月22日時点)

これらを眺めた限りでは、それぞれのタイトルから考える限りでも基本的にはほぼ第一報とほぼ姿勢は変わらないようです。「灰まで焼け」というシリーズも続いているようですし、ここまでの10年間の経緯も書かれていたり、と、単なる飛ばし記事というよりも、ある程度の期間、プロの記者が綿密な取材を重ねた上で確信を持って文章にしている、ということなのでしょう。であれば、それはそれで良いと思うのです。

ただ、そうは思いながらも何となくスッキリしない、漠然とした違和感のようなものを感じてしまったのも正直な気持ちです。

新聞社の「会員登録」への漠然とした違和感。

これは高知新聞に限った話ではありませんが、新聞社は自社サイトの記事については続きを読むために会員登録を必要としているところが増えています。中には有料会員でなければ一ヶ月に読める記事の数に制限がある場合もありますが、これはある程度は仕方のないことかな、と思っています。

ただ、今回何に違和感を感じてしまったのか。それは一つにはこれだけネットで話題になっただけに、その後に関してもある程度は続報も読めるようにしてほしかった、ということ。と同時に、その読める文字数のちぐはぐ感です。

例えばこちら。

この辺りのシリーズ記事が登録が必要だというのは何となく分かりますし、それなりに記事の最初の方の文章は読めますので、内容もなんとなく掴めます。新聞社独自の取材に基づく記事だと思いますので、「これは登録してよ」というのも分からなくはない。ただ、

この辺りを登録が必要なだけでなく、「…」だけにする必要があるのでしょうか。この辺りは独自の取材云々ではなく、むしろ大学側の声明であったり、知事の発言であったり、とこの話題については最低限必要な情報であり、登録しないとまったく読めない、登録しないのであればタイトルだけで判断してね、という類の内容ではないと思うのです。むしろタイトルだけだと幾らでも解釈のしようがある。そして多くの方は敢えて登録してまで読もうとはしないということはある程度わかっているのではないか、と思うのです。

高知新聞はその後も継続して記事を出しています。決して飛ばしている訳でもなく、またその後も眺めた限りでは特に訂正があるわけでもなさそうです。であれば、それなりにエビデンスもあり、読者が知る必要がある、と考えているのだと思うのです。

であれば、むしろ堂々として欲しいのです。誰か、もしくは何らかの団体の問題について指摘する、報じるのが記者の役割なのであれば、尚更今回のような「本当に記者は図書館の事情などについても知識を持っているのか」「煽っただけではないのか」といった疑問に関しても「そうではない。しっかりと調べている」という姿勢を見せて欲しい。誰かを攻撃する、というのはそういうことだと思うのです。勢いと印象操作で話を持っていこうとするのはプロのすることではないと思っているからです。

けれど、これでは多くの方は「あ、高知県立大が謝罪したんだな」「知事も残念と言ったんだな」としか受け止めない。けれど、実際には高知県立大はそれなりにしっかりと声明を出しています。これじゃタイトルで釣るスポーツ新聞と同じじゃないですか。

誰かや何かを過激な表現で攻撃、非難するのであれば、最低限の情報はオープンにして欲しい。

「ゴチャゴチャ屁理屈言ってないで、さっさと登録しろよ。」

と思われた方もいると思います。もちろんその通りです。ただ、今回指摘したいのは、社会に何かしら問題を投げかける、それも一部過激な表現も用いて何かしらの対象を叩く、非難するような内容なのであれば、せめてそれを見ることが出来る読者全員にとって最低限の判断ができる材料は公開しておいて欲しいということです。

特に最初の記事に疑問点が多く残るような内容であり、実際に一部で、とはいえある程度の話題になった(実際にその後大学が公式声明を出し、知事も見解を述べた)のであれば、少なくともそのあたりの情報くらいはオープンにして欲しい。

会員登録(有料会員限定記事を月10本まで閲覧可能)しなければ高知県立大学の声明すら全く読めないような、タイトルだけしか分からないような、そんなことのために「会員登録」を使わないで欲しいな、と思っています。

まぁ考え過ぎで、単に他の記事同様、適当に文字数区切っただけのような気もしますが。多くの方にとっては「高知県立大学酷いな」という印象のままで興味も薄れてしまっているような気もしますので、ちょっと細かい部分突っ込んでみました。

ということで、気になる方は「有料会員限定記事を月10本まで閲覧可能」な高新アカウント(無料会員)に是非ご登録ください。

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