デル(DELL)は日本国内では1997年3月に個人・SOHO向けのWindowsデスクトップPCであるDimension XPSを投入以降、精力的に各種モデルを展開してきました。HP同様、企業での導入例も非常に多いので、職場で使っている、という方も多いのではないか、と思います。また、地味にではあるものの、Chromebookの日本上陸当初から今まで継続して国内で継続して販売し続けてきている貴重なメーカーです。
とはいえ、Chromebookに関しては個人ユーザーは入手経路が非常に限られているため、継続して展開してはいながらも、あまりイメージが沸かない方もいらっしゃるのではないでしょうか。申し訳ないのですが、私自身昨年の教育サミットでデルの方にお会いするまで、すっかり国内で展開し続けていること自体忘れていました。ごめんなさい。そして昨年、当時展開していたモデルである3180を実際にお借りしたのですが、非常に評価が難しかったのも確かです。
今年(2019年)に入り、デルは国内で新たに3モデルを展開し始めました。これらについても当初個人的には「3180のマイナーチェンジ」的な印象しかなかったのですが、ここ最近その印象が私の中で大きく変わってきていることは、このブログを以前からお読みいただいている方はお気づきかもしれません。
今回、大変ありがたいことに、これら3モデルを同時にまとめてお借りする機会を頂きました。
正直以前3180を貸していただいたご厚意に甘えて、今回もどれか1モデルくらいお借りできたらいいなぁ、といった邪な気持ちを抱いていたのは確かなのですが、その期待の斜め上をいく展開に、私、今回嬉しさ以上に非常に困惑しております。だって、最新モデル3モデルが同時に手元にある以上、中途半端なレビューは出来ないからです。
どこまで迫れるか分かりませんが、これから複数回に分けてこれらのモデルの特長と魅力、気になる点や惜しい点などをじっくり書いていきたいと思います。
- 今回の文章は15,000字程度です。最初から通して読む必要はありませんので、興味のある部分のみ目を通してみて下さい。
- この文章は 『Chromebook』の記事です。
- 主に【新作モデルの主観のしっかり入った長い雑談を読みたい方】向けに書かれています。
- また今回は個別のモデルの詳細についてはあまり触れていません。ご注意下さい。
- 今回のモデルは発売直後にも関わらずデル株式会社にお願いしてお借りしたものです。
そうした事情から一般的には【PR記事】扱いとなりますので、ご理解の上お読みください。
3モデルレビューの初回は、この3モデルを様々な角度から比較していきます。
この後まずは今回お借りした3モデルの主なスペックを並べますが、外観含めてほぼ似たようなモノです。
シンプルに言えば11.6インチ「クラムシェル」と「コンバーチブル」、14インチ「コンバーチブル」ということになるのですが、実際に手元の3台を並べて眺めてみると、また実際に使ってみると、同じところ、似ているところ、異なるところが色々と出てきます。ちょうど今、ASUS JAPANより同じ11.6インチ「コンバーチブル」のC204MAもお借りしているタイミングでもあります。そこで今回は折角なのでこれらのモデルを様々な角度から比較、次回以降で個別のモデルの細かいレビューに入っていきたいと思います。
まずは今回比較する3(+1)モデルの主なスペックを見ていきます。
デルの今回の3モデルは、今年各社から続々と発表されているモデル同様、CPUには従来のApollo Lake世代のCeleron N3350(N3450)ではなく、新しいGemini LakeのCeleron N4000(N4100)を載せています。このCPUの変更が使い勝手と印象を大きく変えているのは以前から触れてきたとおりです。
別に名前なんて覚えなくて良いです。それよりも、今回の世代交代は国内外の普及価格帯(多くの方が使われる日常的な道具としての普及モデル)の印象と使い勝手を変える可能性を持った魅力的なプロセッサーでもあるということだけ心に留めておいて欲しい。何故なら体感速度的にも従来の「低スペックでもサクサク動く」のサクサクが、従来であれば若干価格が上の「ハイスペック」に近いモデル(その分価格も上がる)に近いものを、普及価格帯のモデルでも感じられるからです。
ChromebookにおけるCPUの変化は(CeleronからCore mへの変更は別として)モデルチェンジにおいてはそこまで大きな体感差は生まれにくいのですが、今回は思っていた以上に快適になりました。劇的とまではいかないまでも、この変化は日常の道具として日々愛用していく中では小さな快適さの積み重ねとして徐々に感じられてくるのではないか、と思います。
結論から言ってしまえば、最も分かりやすい魅力は、この
Apollo Lake世代のCPUを載せたことによるスタンダードモデルの格上げ
に尽きるんです。これが前モデル3180では他社と比べて魅力が見えにくかったデルのChromebookをようやく同じ土俵に上げた、とも言えます。同じ土俵に立てたことで、ようやくそれ以外の部分でのデルらしさが見えるようになってきた、とも言えます。ほぼこれが全て。その上で、細かい部分をこれから見ていくわけですが、ここが結構大事です。
一昨年から昨年辺りに発売されたモデルを購入して愛用されている方であれば必須ではありませんが、それ以前のモデルを日々使われている方であれば(もちろん今でも快適だと感じられているとは思いますが)一度購入を検討するだけの価値はあると思っています。
ということで、まずは今回比較する3+1モデルの主なスペックを並べてみました。
C204MA (ASUS / 参考) |
3100 (DELL) |
3100 2-in-1 (DELL) |
3400 (DELL) |
|
CPU | Intel Celeron N4000 |
Intel Celeron N4000 |
Intel Celeron N4000 |
Intel Celeron N4100 |
RAM / eMMC | 4GB / 32GB | 4GB / 32GB | 4GB / 32GB | 8GB / 64GB |
ディスプレイ | 11.6″ HD(1366×768) タッチ対応 / ノングレア |
11.6″ HD(1366×768) タッチ対応 / グレア EMR非対応 |
11.6″ HD(1366×768) タッチ対応 / グレア EMR非対応 / Gorilla Glass |
14″ FHD(1920×1080) タッチ非対応 / ノングレア |
サイズ | 299 x 199 x 20.1mm / 1.2kg | 303.9 x 207.9 x 20.8mm / 1.29kg | 303.9 x 207.9 x 21.5mm / 1.41kg | 339.6 x 236.9 x 22.8mm / 1.56kg |
価格 | 42,800(46,244) | 52,980(57,218) | 57,980(62,618) | 64,980(70,178) |
購入先 | ASUS Store | DELL HP | DELL HP | DELL HP |
こうして並べてみただけだと、サラッと見逃してしまいそうなくらいに似通ったスペックです。一応3400のみ14インチモデルなので、少し別になるのですが、それでもこれだけだとほぼ比較材料が価格と外観くらいになってしまうのが素直なところではないでしょうか。ところが、これ、結構噛めば噛むほど味が出る4台の組み合わせなんですね。なので今回、個別モデルのレビューの前に一旦全てをまとめて比較しました。
今回デルよりお借りする際に担当の方に
「借りているからといって無理に褒めようとしなくて構いません。かぶさんが感じたままのことを惜しい点、悪い点も含めて正直に書いてください。でないと、読者、ユーザーを裏切ることになってしまいますから。そういうレビューが私は嫌いなんです。」
と言われました。とても嬉しかったのですが、と同時に今回送られてきた3モデル、実は今更ながら絶妙な組み合わせだったことに気付かされました。というのは、既にデルのサイトの各モデルのページをご覧頂いた方ならご存じのように、各モデル、実はスペック違いで数種ずつ展開しているんです。そして今回、それらの中から似通った3モデルがちょうど被らないような、更に言えば既にレビュー済の他社のモデルと被らないような(担当の方は既に読まれているので)スペックの組み合わせで貸してくださったんですね。今更気付くな、という感じですが。
例えば、
- 3100は競合となるASUS C204MAと被らないグレア液晶、タッチ構成のプレミアムモデル。
- 3100 2-in-1は3100と比較がしやすいように4GB RAMのベーシックモデル。
- 3400は全部込み最上位のN4100、8GBのフルHD構成、大容量メモリーモデル。
これによって私は
- ASUS C204MAと合わせてグレア、ノングレア、Gorilla Glassそれぞれの違いを比較出来る。
- 通常の3100(クラムシェルタイプ)と3100 2-in-1(Convertibleタイプ)の比較がしやすい。
- 一般的なN4000とN4100のChromebookにおける体感差、8GB RAMの使い勝手が分かりやすい。
- ASUS C204MAと合わせて価格が綺麗に分かれるので、価格も含めた検討をしやすい。
と、それだけで今回1回じっくり書くことが出来るんです。ということで、早速これらを中心に見ていきたいと思います。
3400のノングレア液晶はFHDでも視認性も良好で充分。Gorilla Glass採用の2-in-1も同様。ただ3100の液晶は・・。
まずはシンプルなクラムシェルタイプで検討した際に、候補として挙げられるのがASUS C204MAとDELL 3100になると思います。
スペックとしては本体のサイズや重さが違う以外にはインターフェース類含めて大きな違いはありません。その中で今回気になったのが3100をタッチスクリーン対応にした場合のグレア液晶の質です。
C204MA (ASUS / 参考) |
3100 (DELL) |
3100 2-in-1 (DELL) |
3400 (DELL) |
11.6″ HD(1366×768) タッチ対応 / ノングレア |
11.6″ HD(1366×768) タッチ対応 / グレア EMR非対応 |
11.6″ HD(1366×768) タッチ対応 / グレア EMR非対応 / Gorilla Glass |
14″ FHD(1920×1080) タッチ非対応 / ノングレア |
C204MAのグレア液晶は以前レビューした際にも触れましたが、視認性も色味も悪くなく、個人的には好印象でした。これはデルも同じで、3100ではありませんが、今回3400が(タッチスクリーン非対応ながら)ノングレア液晶でしたが、こちらもFHDにしても見にくいということのない、良い液晶でした。
ただ、今回3100をタッチスクリーン対応にした場合、液晶がGorilla Glassは採用していない通常のグレア液晶になります。これが何というか・・青みがかっていてイマイチなんですね。次に挙げる写真は同じグレア液晶ながらGorilla Glassを最小しているコンバーチブルタイプの3100 2-in-1と並べたときのものです。
手前(右)が2-in-1、奥(左)が3100なのですが、同じ画面を表示させても青っぽいですよね?背景の青く映っている部分、これ黒です。これ、単に手前の2-in-1と距離や角度が違うからでしょ、と思われる気がしたので、今度は手前を3100にして撮ってみます。
今度は手前(左)が3100です。奥が2-in-1。あ、これなら3100も黒に映ってるじゃん、と思われるかもしれませんが、印象としては先ほどの1枚目に近い感じになります。で、2-in-1だとやっぱりしっかり黒なんですよ。
分かりにくいと思うので、今度はお馴染みGoogle Documentを開いてみます。これ、正面から普通に撮ってます。まずは3100(グレア、タッチスクリーン対応)。
これだけだと普通に見えるかもしれませんが、続いて3100 2-in-1(グレア、タッチスクリーン対応、Gorilla Glass)です。
違い分かります?全体的に若干青っぽいのが何となく伝われば良いのですが・・。ちなみに一応FHDではありますが、3400(ノングレア、タッチスクリーン非対応)も貼っておきます。
これ、また動画編集後には上げたいと思いますが、わざと角度ずらして撮ってる、とかではなく、結構分かりやすい違いです。ただ、もしかしたら1台だけ(3100だけ)だと気付かないかも。見にくい、というのとは違うんですよ。ただ、元々のグレア液晶と相まって、映り込みもしますし、更に何となく青みがかっているので、3100 2-in-1のグレア液晶見た後だと「なんかちょっと惜しいな」と思ってしまうんですね。
上記写真は3100を外に持ち出したときのものです。青、なんですよねぇ・・。
この「液晶」を前提に両モデル(C204MAと3100)で比較検討する場合。
さて、この「液晶」を考慮に入れた上で11.6インチクラムシェルタイプの2モデル(ASUS C204MAとDELL 3100)で比較検討するとどうなるでしょうか。この辺りはまた3100のレビュー時に改めて触れたいと思いますので簡単に。
ASUS C204MA | DELL 3100 | |
CPU | Intel Celeron N4000 | Intel Celeron N4000 |
RAM / eMMC | 4GB / 32GB | 4GB / 16GB |
ディスプレイ | 11.6″ HD(1366×768) タッチ対応 / ノングレア |
11.6″ HD(1366×768) タッチ非対応 / ノングレア |
サイズ | 299 x 199 x 20.1mm / 1.2kg | 303.9 x 207.9 x 20.8mm / 1.29kg |
価格 | 42,800(46,244) | 47,980(51,818) |
購入先 | ASUS Store | DELL HP |
どうしても3100にしたい理由があり、その上でタッチスクリーン対応でなければ、という方でない限り、液晶を考えるとグレア液晶がどうしても「惜しさ」のほうが勝ってしまうため、タッチスクリーン非対応でノングレア液晶を使った「ベーシックモデル」を選ぶことになります。この場合、価格は47,980円(税込51,818円)になります。C204MAとの価格差は約5千円です。
ところが、この場合、内部ストレージが16GBと半分になってしまうんですね。しかもC204MAはノングレア液晶ながらタッチスクリーン対応なんです。敢えて値段を上げて内部ストレージを減らして、グレア液晶のタッチスクリーンにして(EMRは当然非対応です)まで選ぶ理由をデルのChromebookにどれだけ見いだせるのか、という話になってきてしまいます。この辺りは改めて3100の個別レビューで見ていきたいと思いますが、ここは結構手強いのかな、と感じています。
4コア4スレッドのN4100は体感差で違いが出るか。(CPU)
今年国内で各社から発売されているChromebookの多くは、CPUにIntel製、Gemini Lake世代のCeleron N4000(2コア/2スレッド)を載せています。その中で、現時点でLenovoの500e(2019年モデル)とDELL 3400の最上位構成のみ、4コア4スレッドのN4100を載せています。
いつもこの辺りの話になるとお世話になるこまめブログさんの記事が分かりやすいので興味がある方はご覧頂きたいのですが、
https://little-beans.net/exposition/cpu-gemini-lake/
マルチコアが必要になってくる作業の場合にはやはり4コアのN4100のほうが数値が良いのですが、シングルコアでの性能比較となるとほぼ同じになります。(ちなみに最大動作周波数はN4000が2.60GHzに対してN4100は2.40GHz)。
Windowsでのベンチマーク結果などではそれなりに差が出てくるので個人的にN4100にした際の使い勝手の更なる向上を期待しているのですが、
基本的なタブ1つによるブラウザーベンチマーク程度ではマルチコアの影響よりも最大動作周波数だったり、コア単体の性能の方が出やすいこともあるのか、ほぼ誤差の範囲内です。3400自体は使いやすかったので結構持ち出して使っていたのですが、「おお、流石N4100は違う」と感じることは私の用途ではほぼありませんでした。
Gemini LakeになってからAndroidアプリのAnTuTuが完走しなくなってしまったので、代わりに3DMarkを動かしてみた結果が上記です。ただ、この後で他2モデルも同様に行ったのですが、数値がやはり誤差の範囲内でして、ほとんど参考にならなかったという・・。
むしろ3400の場合、N4100が選択出来るのは最上位構成なので、RAMが自動的に8GBになるんです。Chromebookに8GBもRAMがいるのか、というのは今回のN4000とN4100と同様にプラシーボ的なイメージを持たれる方もいるとは思うのですが、こちらのRAM容量の違いのほうが使っていて安心感には繋がりますね。
キーボードについて。共通するキータッチの音の軽さ。3400は本体自体のサイズ感もあって若干物足りなさも。
キーボードについて少し見ていきたいと思います。まずは改めて本体サイズと重量から。
C204MA (ASUS / 参考) |
3100 (DELL) |
3100 2-in-1 (DELL) |
3400 (DELL) |
|
サイズ | 299 x 199 x 20.1mm / 1.2kg | 303.9 x 207.9 x 20.8mm / 1.29kg | 303.9 x 207.9 x 21.5mm / 1.41kg | 339.6 x 236.9 x 22.8mm / 1.56kg |
サイズ感としては数ミリの違いではあるのですがASUS C204MAと比べると大きく、また厚みもあります。3100と3100 2-in-1は本体サイズは厚みと重さを除いて(クラムシェルタイプとコンバーチブルの違い)同じです。3400は流石に一回り大きくなります。
ただ、同じ11.6インチのASUS C204MAと並べたとき、横幅が約5mm違うことで、特にASUSの11.6インチモデルにありがちなEnterキー周りの余裕の無さはありません。キーピッチはASUS C204MAもDELLの3モデルも19mmと変わらず。キーストロークも今回あくまで実測に過ぎないため誤差はあると思いますが、いずれも1.4mm程度でした。
今回に合わせて購入したのですが、まだ使い慣れてないんですよね。あくまで参考程度に考えて下さい。
キーボードの質感、打鍵感は3モデルともほぼ同じ。というか、散々打ってみたのですが、違いが見いだせませんでした。本体の厚みによる多少の衝撃の違いはあるかもしれませんが、それもその時の入力内容や気分に依りますし。ただ、全体的に前回の3180の時にも感じたのですが、DELLのキーボードって全体的に音が若干軽めに感じます(これ、動画で上げようと思いますが、それでも伝わるかどうか)。また、基本的に11.6インチも14インチもキーボード自体の大きさは同じです。
C204MA (ASUS / 参考) |
3100 (DELL) |
3100 2-in-1 (DELL) |
3400 (DELL) |
|
キーボード部分の大きさ(横x縦) | 269 x 101 mm | 272 x 101 mm | 272 x 101 mm | 272 x 101 mm |
タッチパッド部分の大きさ(横x縦) | 98 x 55 mm | 100 x 55 mm | 100 x 55 mm | 105 x 65 mm |
キーボードに関してはC204MAが若干詰まった感があるだけあり、幅が3mm程度短い以外はどれもほぼ同じです。タッチパッドは大きさに差が出ましたね。C204MAが最も小さく、3100と3100 2-in-1は同じ、3400は流石に14インチということもあってこの辺りのバランスをとって若干広くなっています。
お借りしている2週間、交互に使いながら感じたこととして、14インチの3400は若干キーボードが物足りない。感覚的、好みの部分になってしまって申し訳ないのですが、むしろ若干たわんでしまう、同じ14インチのASUS C423NAのほうが押してる(キーを打ってる)感じがあって好みです。3400はなまじしっかりしている分、前述の「キーを叩いたときの音の軽さ」とのイメージのズレが自分の中であるのかもしれません。しっかり厚みがある割にキーが浅い、というか、薄い、というか。もう少ししっかり押した感があっても良い気がしてしまうんですね。
本体が11.6インチに比べて(当然)広い分、キーの前に手を置いたとき、自然と11.6インチに比べてゆったりと手を構えてしまう、みたいなことがあるのかもしれないな、と。本体自体が小さいとその分両手も少し包み込むような指の置き方になっている・・うーん、この辺は完全に私のキー入力の仕方になってくるので申し訳ないのですが。
ちなみに先日EDIX会場で展示モデルを触れた時に気になった「タッチパッドの反応の鈍さ」はありませんでした。あれは個体差だったようです。普通に反応してくれました。
各種インターフェース類。似たもの3兄弟という印象。どのモデルもほぼ共通です。
側面のインターフェース類の種類と配置について触れておきます。3台を積み上げた状態で撮っています(上から3100、3100 2-in-1、3400)。
違いとしては3100のみ「microSDメモリー カード リーダーなし」です。それ以外はUSB Type-A 3.1 Gen1が2つ、USB Type-Cが2つなどほぼ同じ。3100 2-in-1のみコンバーチブルタイプのため、電源とボリュームボタンが側面にも配置されています。
左側面(上)、右側面(下)の順番です。ほぼ同じ配置ですね。違いは前述の通り。Type-AとType-Cはそれぞれ左右に1つずつ配置されています。
既に覚えていないかもしれませんが、前半で私は「結構噛めば噛むほど味が出る4台の組み合わせ」と書きました。スペック表を眺めても正直違いがほとんどなく分かりにくい。けれど、よくよく見ていくと違いがあって、それがなかなか面白い、と。その辺りを意識しながら触ってくのでもない限り、基本的にはサイズが違う以外は細かいところも本当によく似た兄弟みたいです。
ただ、今回お借りした3モデルがそれぞれ液晶の違いなど僅かずつ選択肢が違ってくることで、基本的な部分は同じながら、それぞれが被ることなくうまく共存しているな、と感じます。ただ、外観等がほぼ同じに見えてしまうので、その辺りの新鮮さはないのですが、それがむしろデル共通の大きな強みなのかもしれないな、とも思います。
ということで、その辺りが分かりやすい最後の項目に入りたいと思います。それが耐久性とそれを包み込む安心感のようなものです。
「どれも見た目が大して変わらない」ということは、むしろ「安心のデル品質」の証拠でもある。
なんかこれだけ見ると酷いでしょ?今回しっかり落としました。何度も。更に振りました。前回3180の時に散々「壊れても賠償とか請求とかしませんので、好きに落として下さい」と言われたにも関わらず腰が引けてしまって出来なかったのですが、今回は頑張りました。既にTwitterで上げていますので、それなりにご覧頂いているようではありますが。
最近ではMIL-STD、ミルスペック、MIL規格という言葉をよく目にするようになりました。ただ、これらって付いているだけで軍用規格の何か凄い耐久性を持っているかのように思いがちですが、検査項目がかなりの数あって、それらのどの試験(規格)に通っていて、それらを幾つ行っているのか、など結構細かい部分があるのです。なので、単純にMILと付いていても、それだけで全てが同じなわけではありません。
ちなみにDELLの場合は確か15項目、と言っておりました。
追記:2019年7月12日 18:00 更新
確認したところ、MIL-STDに関しては、デルのこのモデルはMIL-STD810Gの15項目のテストにパスし、+デル独自の教育現場で想定される5つのテストを実施しパスしているそうです。デル独自のテストは例として「76cmの高さからスチール板への落下テスト」などとのことでした。
追記ここまで。
ちなみに以前お借りしたASUS C213NAでは計10項目に準拠しているそうです。
ちなみにこのC213NAでは
「気圧耐久」において(Method 500.5)で2項目
「高温耐久」において(Method 501.5)
「低温耐久」において(Method 502.5)
「振動テスト」において(Method 514.6)
「耐衝撃・落下」において(Method 516.5)で1項目、(Method 516.6)で3項目
「防湿」において(Method 507.5)
の計10項目に準拠しているとのこと。細かい内容は分かりませんが、単純にミルスペックといっても、その幅広い項目の何において準拠しているのかが分かるだけでも、何となく思い入れも変わってくるものです。そうか、単純に耐衝撃・落下だけじゃなかったんだな。
ただ、この辺りは15項目と10項目だからデルの勝ち、とかデルの方が凄い、という単純な話ではありません。要はどういう状況を想定して、どういう項目でテストを行っているのか、ということ。そしてそこには各メーカーのそのモデル毎のコンセプトがある、ということです。
で、個人的に私がデルに感じている印象としては、
- 実際にありそうな状況もかなり想定して厳しいテストをしているな。
- でも絶対に壊れない訳ではなくて、「何かあっても何とかなりそう」。
というところです。ちょっと動画と合わせて書いてみます。尚、以下の動画のようなことをやっても壊れない、という訳ではありませんし、メーカーは保証も推奨もしていません。ただ、日常や学校での風景を思い浮かべてみると充分にあり得そうな状況であり、それらの場合もしっかり想定しているんだよ、という程度にお考え下さい。
まずは液晶側を持って激しく振ってみました。普通これやると液晶割れます。
メーカー推奨、保証してるわけではないのですが、DELLのChromebookはこんなことしても液晶割れないのが特長です。
今回は前回以上に落下、分解、液晶面鷲掴みして振る(学校でよくある光景らしい)も存分にやって下さい、とのことなので、心が痛まない範囲で頑張ります。 pic.twitter.com/dB35JMrVsB— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) 2019年6月24日
見るに堪えない動画その1。ヒンジと液晶側の耐久テストです。かなり勢い良く振ってますが、普通のPCなら液晶側割れるようです。割れないのは液晶側がプレートで補強されているから、とのこと。ヒンジもよく持ったね。尚、絶対に薦めません。やっちゃダメ。 pic.twitter.com/KG56ABXxxH
— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) 2019年6月24日
一応360度回転出来るコンバーチブルタイプでやってます。クラムシェルで激しく反動つけたら、液晶よりもヒンジ側が何かあるかもしれませんが、そこは未実験。こちらに関しては、このような動きも想定して天板側にプレートを入れて補強しているそうです。
続いて、学校に限らず、職場や日常でもありそうなパターン。落下です。
耐久テスト、その2。開いた状態でキーボード側を掴もうとして落とした場合。尚、ホテルの室内で行っているため、床がカーペットですが、そこは鬼になりきれなかった、ということで。あと3本続きますが、連続で行っています。ひとまず何も問題は起きず。 pic.twitter.com/d0GWNYmLN1
— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) 2019年6月24日
耐久テスト、その3。学校でよくあるパターンだそうです。慣れてない子が液晶側を鷲掴みして、ガラスで手が滑って落としちゃうパターン。ちょっと「ペキッ」と音がしてますが、理由はこの後分かります。尚、この時点でもヒンジも含めて異状なし。この後普通に動きました。 pic.twitter.com/SE3JWv1zbH
— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) 2019年6月24日
耐久テスト、その4。正直無茶苦茶怖かったです。辛かった。腰より上の高さから、開いた状態でそのまま落下。で、良い音しましたが、やられました。ちゃんと閉じなくなりました。でもね、キーもタッチパッドも液晶も普通に反応するし、その点では何もなかったように動いてます。で、音の理由を次に。 pic.twitter.com/vdfB8VFz30
— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) 2019年6月24日
ちなみにこちら、自宅で何度も落とすわけにはいかず(下の住人にもご迷惑をおかけしてしまうので)、かと言って周りに人がいるお店などで繰り返していたら変な人でお店にご迷惑をおかけしてしまうので、ちょうどお泊まりがあったのでホテルの室内でやらせていただきました。そのため床がコンクリート等ではありませんが、その点だけご了承下さい。
で、これらの実験を行った結果、先ほどの画像のようになったわけです。要はベゼルが外れたんですね。
ただ、この状態でも普通に液晶は映っていまして、動作も問題ありませんでした。ちょっと焦ったのですが、
3回の落下で、液晶側ベゼルが外れかけました。そのため、先程閉じなかったようです。でもね、押し込むことでパキパキ填まっていって、その後普通に動いています。動作は問題なし。ガラスも割れなかったし、液晶も無事。よく耐えたね。ごめんね。もう二度とやりません。 pic.twitter.com/yzZxHa437v
— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) 2019年6月24日
この後デルの方に確認したところ、こうした状況も想定して、ベゼル自体ある程度の衝撃が加わったときに、無理に踏ん張ろうとせず、普通に外れるようになっているそうです。印象としては外れることで衝撃をある程度本体から逃がす感じですね。完全に固定されていると本体に直接ダメージが行ってしまうんです。これ、腕時計などでも同じ。なので、上記の動画のように、その後パキパキと嵌めることで普通に元に戻りました。
もちろん、先ほども触れましたが、絶対に壊れないわけではありません。状況によっては液晶も割れるでしょうし、堅いコンクリートの上にもっと上から落とせば、壊れる以前に外装も書けたり削れたり折れたりもするでしょう。ただ、絶対に壊れないことが大切なのではなく、先ほども書きましたが「起きても何とかなりそう」と思える安心感みたいなものってあると思うんですね。というか、デルの人、会場などでもお構いなしにどんどん落とすんですよ。何かそういう風土みたいです。
ちなみに今回、「本体の中を見ても良いですよ」と言われたので、
とりあえず普通に裏蓋は外しました。隠しネジ1つなく、見えてるネジ外したら簡単に外れました。で、この後バッテリー等も外せそうな雰囲気もあったのですが、ちょっと素人の完全分解は取り返しが付かなくなりそうなので止めました。
で、ここでのポイントとしては、分かりづらいですが、キーボードやタッチバット側とマザーボード側がしっかりプレートで隔離されてるんですね。ある程度までの量の水であればキーボード側から零してもマザーボード側にはいかないように出来ているんです。これはデルに限ったことではないのですが、この辺りあっさり見れてしまうところもありがたいです。
だいぶ長くなりましたが、そんなデルの強みって何だろう、と考えると、それらをこれ見よがしにやってないことなんですね。だって外観からして耐衝撃でも耐水でも何でもなさそうな、平凡な如何にもな感じの普通のPCなんです。
ミルスペックを身に纏った、みたいなゴツさがない。
天板も普通にプラスチッキーですし。これ、普通に落としたら割れるだろ、みたいな普通さです。普通の道具感。
でも実際はさり気なく分かりにくいのですが落下したときに直接衝撃がいかないようにしっかり保護されていたりするんですが、この辺書き始めるとキリがないので、ちょっとまたしっかり裏取ってからしっかり書いてみたいと思います。
そして、今回のモデルも従来のDELLのこの手のモデル同様「どれも見た目が大して変わらない」んですね。デルは別にこういうモデルだけ作ってる訳ではなく、格好いいのも作ってるんですが、とりあえずどのモデルでも「これ、デルだろ」というイメージはしっかり変わらず残しているところが安心感にも繋がっているのかな、と思っています。その辺りがビジネスの現場でも長く愛用されてきている理由の1つでもあるのかな、と思いました。
さて。じゃあそれぞれのモデル、見ていこうか。
今回、冒頭でも触れましたが
私、今回嬉しさ以上に非常に困惑しております。だって、最新モデル3モデルが同時に手元にある以上、中途半端なレビューは出来ないからです。
どこまで迫れるか分かりませんが、これから複数回に分けてこれらのモデルの特長と魅力、気になる点や惜しい点などをじっくり書いていきたいと思います。
非常に困りました。悩みました。この貴重な機会とタイミングにどう応えようか、と。活かせるだろうか、と。と同時に、前回3180をお借りした時にも感じたのですが、デルのChromebookって非常に書きにくいのです。何故なら極めて普通の道具感があるからです。
「借りているからといって無理に褒めようとしなくて構いません。かぶさんが感じたままのことを惜しい点、悪い点も含めて正直に書いてください。でないと、読者、ユーザーを裏切ることになってしまいますから。そういうレビューが私は嫌いなんです。」
なんて言われましたが、安心して下さい。言われなくても大丈夫です。書こうとすればこうなってしまうんです。
ただ、この半月、悩みに悩んだのですが、むしろこのどのモデルにも共通する何かのようなものがデルの魅力であり特長なのではないか、と感じるようになりました。普通に1モデルずつレビューをしても同じような内容になるけれど、でも実際には並べてみると実はそれぞれに違って、それがまたジンワリとくるような、そんなモデルたち。
であれば、まずはその共通する何かのようなものをまずはまとめて取り上げることで見ていこう、と思いました。それを前提にして、その後一つ一つのモデルの細部を眺めていったら、きっとそんな普通のモデルの魅力が分かってくる気がしたのです。
ということで、今回の文章が果たしてどれだけそんな前段階として効果があったか分かりませんが、これから続く各モデル毎のレビューを見ていく上でのベースとなれば良いな、と思っています。
さて、じゃあそれぞれのモデル、見ていこうか。