先月発表されたGoogleの新しいChromebook、Pixelbookを入手しました。紆余曲折ありまして、先月29日に256GBモデルを注文し直したところ、幸運にも30日に発送、11月1日(米国時間10月31日)の夕方には到着しました。そこで、今回はまずは外観を中心にご紹介し、第一印象を挙げ、次回以降で細かい使い勝手や気になる点などを加えていきたいと思います。
Google Pixelbook (Core i5, 8GB RAM, 256GB SSD)
CPU | Intel Core i5-7Y57 (Intel HD Graphics 615) Octane 2.0 : 30234 / speedometer 1.0 : 111 |
Display | 12.3-inch QHD (2,400 x 1,600, 235 ppi) LCD touchscreen (400 nits, 72% NTSC color, 3:2 aspect ratio) |
Resolution | 600×400 / 750×500 / 960×640 / 1200×800 1350×900 /1500×1000 / 1800×1200 / 2400×1600 |
Dimensions / Weight | 290.4 x 220.8 x 10.3mm / 1.1kg |
RAM / Storage | 8GB LPDDR3 (1,866MHz) / 256GB SSD |
Keyboard backlight | ○(フォント部分も光る) |
技適マーク | ×(現段階では発見できず) |
Pixelbookの大きな魅力「Googleアシスタント」は文章作成時点では残念ながら「日本語には未対応」。
今回のモデルの一番のウリは「Googleアシスタント」の物理キーが付いたこと。
何か調べ物をしたくなったり、アシスタントに頼りたくなったときにはこのキーを押すと左下にスマホでおなじみのアシスタントウィンドウが開きます。
また、こちらも魅力の一つなのですが、別売りのPixelbook Penを用いると、通常のペン操作だけでなく、先端に近い丸いボタンを押しながら画面上の任意の画像や文字を囲むと同様にアシスタントが起動し、検索してくれます。
Googleアシスタントと密接に繋がった今回のPixelbook、このあたりについて私は発売前から非常に期待していました。
ところが、非常に残念なことに文章作成時点(2017年11月2日)においては日本語には対応していません。
もちろん、言語設定のみ「English」に変更(その場合でもGoogle日本語入力は使えますので、普通に文章作成等は可能です。また、もちろん日本語のサイトも問題なく表示されます。あくまでインターフェイスを英語表記にする、という場合です)すれば普通にGoogleアシスタントは使えます。現時点ではこのモデルは日本発売は予定されていないため今後の対応に関しては分かりませんが、スマートフォン同様、アップデートで近いうちにアシスタントが日本語にも対応してくれることを願っています。
開腹もしてみましたが、力不足により通信モジュールが発見できず技適マークも不明。
さて、日本ではそろそろ技適マークに関する法律が厳しくなる、という噂もありますが、そうした中、海外からChromebookを個人輸入される方にとって一番の懸念事項がこの「技適マークが付いているか」という点だと思います。
ちなみに多くの方が勘違いされていますが、技適マークのないモデルは「電源を入れなければ問題ない」わけではなく、電源を入れていなくても厳密には技適認証を通っていない通信モジュールを搭載した機器を国内に持ち込んだ時点でNGです(関東総合通信局の担当の方に確認済み)。
https://office-kabu.jp/shoes/how-to-choose-your-shoes/post-19692
そうした点では厳密にいえば例え外観だけのレビューでも国内においてはNGともいえます。(大手ネットメディアでこうしたレビューも見受けられますが、あれも本来はNGです。)ただ、この点はどこまでをグレーゾーンと考えるかは解釈が人それぞれに異なり、またこの技適マークに関する法律も私自身散々調べましたが、非常に難しいと思っています。基本的には薦められるものではありませんが、そのあたりも考えた上で、当ブログでは今回文章を書いております(このあたりの私の考えについては長くなりますので過去の文章をお読みいただけますと助かります)。人によっては不愉快に感じる方もいらっしゃるかと思いますが、ご理解頂けると嬉しいです。
さて、今回は動作確認前にまずは技適マークの有無を調べるためにいきなり開けました。
この様子は昨夜Twitterでほぼリアルタイムで写真付きで呟きましたので、そちらをご覧いただければと思いますが、結論から言いますと、
開腹した時点で保証はなくなりますので、オススメはしません。今回開腹しましたが、黒のカバー部分に阻まれまして、リスクを考えてここで断念したため、現時点で通信モジュール自体も拝めておりません。ということで文章作成時においては技適マークは見つけられませんでした。今後通信モジュールが何処の何という型番のモデルか、といった方面から調べていきたいと思いますが、現時点では「×」とさせて頂きます。力不足で申し訳ありません。
追記:2017年11月10日 12:00 更新
本日改めて本体裏面を開けて確認したところ、通信モジュールが分かりました。
残念ながら現時点では技適認証済みではない新しい通信モジュールのようです(技適マークはありません)。技適マークそのものについても改めて触れてみましたので、お時間のある方は合わせてお読みいただけますと嬉しいです。
それでは、今回の本題である外観を中心にしたレビューに入っていきたいと思います。(細かい使い勝手については回を改めてお伝えします。)
ツートンカラーの本体デザインは実用面でもよく考えられています。
外観ですが、第一印象及び、一晩開けての印象を挙げるとすれば、
デザインと機能性がうまく調和した、非常に美しい本体
だということです。少しこの点について考えてみます。例えば、本体は天板が前述のように「アルミ部分」と「ガラス部分」のツートンになっていますが、
底面は「アルミ部分」と「ラバー部分」に同様に分かれています。
最近のGoogleのスマートフォン、Pixel2などにも見られるツートンのカラーリングですが、単に統一させた、というだけでなく、実用面でもよく考えられています。
例えば一般的なラップトップPCの底面に見られる丸い4つのゴム足がこのモデルにはありません。そして、よく見ると、足となる縁の部分が、
下3分の1のラバー部分に関しては一般的な細長いバー上のゴム足になっています。これは一般的ではありますが、今回開腹の際にネジ穴を探している時には気づかなかったのですが、今日改めて使ってみて気づきました。
この部分が出っ張っていて、ゴム足になっています。ただ、このゴム足、単にラップトップとして普通に設置したときだけに役立つわけではありません。鍵はタブレットモードにした時にあります。
天板のガラス部分が、タブレットモードで360度回転した際に底面部分と接することになるのですが、アルミとガラスの組み合わせです。どちらもダイレクトに底面と接してしまうとアルミ部分は傷が徐々に目立つようになるでしょうし、ガラス部分も勢い良く閉じると衝撃による強度が心配です。ところが、ちょうどこのガラス部分に当たる箇所が底面のラバー部分、更にバー状のゴム足がついているので、直接接することがありません。
また、同様にタブレットモードとしてテーブル等に置く歳に、どうしても気になるのがテーブルと接することになるキーボード側です。
最初単に「ヒンジが傷つかないように」付いているのかな、と思っていたこのヒンジ部分のラバー。これ、タブレットモードにした際の「ゴム足」になるんです。ちなみに下側は、
キーボードやタッチパッドよりも一段高く(厚く)出来ているパームレスト部分は同様に「ラバー」です。
ラバーのパームレストに関しては使っている内に汚れが目立ってきそうで気になっていたのですが、一段高く出来ていることで、先程のヒンジ部分のゴム足と合わせて、通常時(クラムシェル時)の閉じたときにはキーボードやタッチパッド、アルミ部分と液晶ガラスが直接接しないように、またタブレットモードでテーブルなどに置いた際にはキーボードやタッチパッドが直接テーブル等に触れないように出来ています。
写真だと分かりづらいですが、実際キーと敷いてみた板は接していませんでした。こうした細かい部分はもちろん堂々とゴム足等を大きくしたり、ハッキリさせて作ることも可能ですが、デザイン的には少し野暮ったくなってしまいます。それをPixelお馴染みのツートンカラーとガラス、アルミ、ラバーという異素材の適材適所の組み合わせでさり気なく実用面でも実現しているのはよく出来ているな、と思いました。
キーボードバックライトはフォントも光ります。キータッチは本体の厚みを考えると比較的良好。
液晶サイズとしては12.3インチ、更にAspect Ratio 3:2ということもあって、全体的に正方形に近い形なのですが、キーボードに関しては各キーが余裕を持って、また特に大きさ面で無理をしている(小さくなっている、変な形になっている)ものも特になく、キータッチも悪くないと感じました。
キーピッチも19mm程度、流石にストロークは本体の厚さ(閉じた状態で10mm)を考えれば浅くはなりますが、「そこまで悪くはないな」という印象です。この文章はPixelbookで作成しているのですが、今のところ誤入力はほとんどなく、ストレスなく入力が出来ています。個人的には十分に合格点です。
また、部屋が明るかったため写真が撮れていないのですが(後日上げます)キーボードバックライトはキーフォント自体も光ります。これがなかなか良いです。ただ、明るい日中に光らせるとフォントも光ってしまうので少し見にくくなるかも。
ちなみにキーボードバックライトのショートカットは「altキーを押しながら」最上段の液晶の明るさキーで明るさの調整が出来ます。
Chromebookにおいて個人的に非常にお気に入りなのがタッチパッドなのですが、その良さはPixelbookでも活かされています。十分に広いですし、何より滑りが大変に良い。反応良すぎるくらいか(この辺は設定で調整)。
クリックに関しては普通に触れても良いですし、押し込めばカチッと軽く沈みます。個人的には好みです。
インターフェースはUSB-Cが左右に1つずつ。外部メモリスロットはなし。
充電はUSB-C。左右どちらのポートからでも可能で、充電時には左の端子に繋いだときには左の、右の端子のときには右の「充電用LED」が光ります。
インターフェースに関しては絞った点は好みが分かれるかな、と思います。USB A(3.0や2.0)が無いのは人によっては厳しいかもしれません。このあたりは別途コネクター等が必要になるかもしれません。
あと、細かい点ではmicroSDなどの外部ストレージ用のスロットが一切ない、という点です。このあたりはGoogleのスマートフォンPixelでも同様ですが、思い切ったな、と思いました。
ただ、ここまで書いてきて気がついたのですが、今回の「一見意味が分からなかった」本体ストレージの大容量化(128GB〜512GB)はこの辺りと関係があるのかな、と思いました。
確かに外部ストレージメモリ等を使えたほうが便利ではあるのですが、現時点でChromebookにおいてはAndroidアプリによっては外部ストレージへのアクセスが面倒だったり、使えないものも少なくありません。けれど、本体自体にある程度高速で大容量のストレージが載っていれば、Androidアプリや大量の写真、将来的には動画等も一時的に保存し、編集も可能になります。
基本的にはクラウドベースがChromebookの魅力であり、なるべく本体ストレージに頼らない使い方が好ましい(一時的な作業スペースとして用いるのが良い)と私は感じていたのですが、今回Androidアプリがかなり自由に、快適に動く姿を見てしまって、
「下手に外部ストレージメモリに保存するのではなく、例えばAmazonプライムビデオやKindleをはじめとした電子書籍等を容量を気にせず本体内に保存できて持ち運べるのはかなり便利だな」
「これなら大量の写真データを一旦本体ストレージに保存した状態で編集加工、といったことも行いやすいな」
と改めて感じました。Chromebook上におけるAndroidアプリと外部ストレージとの相性を考えると、本体ストレージの大容量かと高速化というのは案外理にかなっているのかもしれません。
最近はどんなモデルが出ても「またMacbookのパクリか」と言われてしまうのですが、今回のPixelbook、しっかりGoogle Pixelらしさを持っていると思っています。パクリだと思えばなんでもパクリになってしまいますが、今回はしっかりPixelを主張していると思うんだけどなぁ‥。
アシスタントの現時点での未対応は残念だが、一つ一つにきちんと理由があり、それがデザインに溶け込んだ美しく快適なモデル。
細かい使用感やAndroidアプリの対応具合については回を改めてじっくり書いていきたいと思いますが、昨夜一晩使った限りでは非常に使い勝手は良好です。
また、今回挙げたような部分は正直「細かすぎる」部分で、読まれたあなたはもしかしたら「もっと一般的な外観レビューが読みたい」と思われた方もしれません。もしそう感じられたのであれば申し訳ないと思います。
その辺りはこれから回を重ねる中で少しずつ補っていきたいと思っていますが、個人的な感想としては、
ごめんなさい、昨夜はちょっと冷めた感じの呟きをしてしまったけれど、でもやっぱり良い。
というところです。
今まで少しPixelbook触っていたのだけれど、評価難しいなぁ。まず、日本においては現状Googleアシスタントが対応していないのがPixelbookとしては痛手。Pixelbook Penが半分も真価発揮できてない。
— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) November 1, 2017
昨夜、このツイートに続く長い感想を挙げてしまいまして‥。
正直、現時点では日本で興味を持たれている方にはオススメしづらい部分も多いです。価格を考えるとただでさえ悩ましいところに、更に技適マーク不明、Googleアシスタント未対応など、更に現時点では惜しい部分もあります。
ただ、細かく見ていくと一見「?」と思う部分や何気ない部分もしっかり考えられていて、それがデザインとして、機能として破綻していないのは素晴らしいと思います。前述のように「大容量ストレージ?何で?」と思っていたところも、改めて考えてみると、これ外部ストレージメモリ考えないのであれば却って便利だなぁ、とも感じてしまったくらいですし。
昨晩、ツイート後にAndroidアプリも色々入れてみたのですが、やけに快適でサクサク動くんです。私、普段がStable対応していないCore i5、8GB RAMとスペックが近いLenovo ThinkPad 13 Chromebookをほとんど使っているので、最近のAndroidアプリの使い勝手をあまり考えていなかったのですが、このスペックのこのモデルでAndroidアプリが自由にサクサク動く姿はなかなか衝撃でした。あれ、こんなに使えたんだ‥というところです。
この辺り含め、次回から細かい使用感に入っていきたいと思います。