[かぶ] 2021年9月版 Chromebookの選び方。セールでチェックするポイントは1つ、「CPU」です。その1番の理由は「性能」ではありません。

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[かぶ] 2021年9月版 Chromebookの選び方。セールでチェックするポイントは1つ、「CPU」です。その1番の理由は「性能」ではありません。

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Chromebookが国内でもだいぶ話題になり始めました。

国内販売モデルに関しては、昨年に比べるとそこまでインパクトのあるモデルが出ているわけではないのですが、GIGAスクール構想、その結果としての学校導入によって、Twitterなどで話題にする方が増えてきたこともあります。また、最近は大手ネットメディアだけでなく一般誌(文春などでも)でも取り上げられることも出てきたようで、そうしたことも話題に一役買っている面はあるかもしれません。

実際には急激に広がりを見せていることで、どうしても誤解されがちな点や、誤解されたまま一般的なイメージになってしまっているものもあって歯がゆくもあるのですが、それらは私たち既存のユーザーが少しずつ地道に発信していくことが大切ですし、ある程度普通に使う人が増えてくれば、徐々に解消されてくることかな、とも思っています。

さて、前置きが長くなりましたが、そんな中で、私が最近気になっていることがあります。Twitterでは度々この件については触れているのですが、やはりツイートは短時間で流れていってしまいますし、私の影響力なんて大したこともありません。そこで、今回文章としてまとめておこうと思いました。

それが、Chromebookの選び方です。

というと、「えっ?何そのありきたりな話題。どうせ最新モデルをいくつか適当に並べてオススメポイント書いて終わりでしょ?」と思われてしまいそうですが、今回は違います。むしろ、選び方、というより見分け方に近いと思います。巷に溢れている「オススメ○選」的な記事はスペックが並べられているだけのことも多く、ある程度の知識のある方でないと正直分かりません。

ただ、実際にはChromebookを選ぶ際に見るべき点、まずは押さえるべき点、というのはシンプルなのです。

とりあえずこの一点に注目して選んで頂くだけで、定期的に開催される、例えばAmazonなどのタイムセールなどでも惑わされずに済むのではないか、と思っています。少なくとも勢いで飛びついて後で気づく、みたいな失敗は避けられると思います。

ということで、早速順を追って(大した順もありませんが)話していきたいと思います。

なお、途中で表が出てきますが、中の記号のようなものの正確な意味や知識は必要ありません。あなたがAmazonで気になったモデルを見つけた際に、この記号のある部分を探して、それに対応するものを表の中から見つけて頂くだけで大丈夫です。

では行ってみましょう。

まずは前提となる「自動更新ポリシー」について改めておさらい。

まずは前提となる、大切な話をしたいと思います。それが(既にご存知の方も多いかもしれませんが)Chromebook特有の考え方でもある「自動更新ポリシー」と呼ばれるものです。

これは、各モデル毎に決まっている、そのモデルでOSのアップデートを行うことが出来る期限のようなものです。まぁ簡単に言えばサポート期限ですね。(これは製品の保証期間とは別です)

この期限を過ぎてしまうと全く使えなくなってしまう、というわけではありません。普通にネットに繋いで使うことは可能です。ただ、それ以降アップデートがされなくなってしまうため、セキュリティ面でそれ以降に発見された脆弱性などに対応できなくなりますし、新しいバージョンでの機能等も使えなくなります。

ということで、これが結構大切でして、そのため親切なサイトであれば必ずこの「自動更新ポリシー」については触れられています(メーカーの製品ページにはまだまだ触れられていないことも多々あります)。

この自動更新ポリシー、実際にモデルを購入してしまえば、設定画面から確認することも出来るのですが、購入前に確認する方法としては、Googleの自動更新ポリシーのページの製品一覧から該当するモデルを探す、という方法があります。ただ、正直毎年、製品名は同じなのにマイナーチェンジのみが行われてしまう場合もあったり、製品名が違ったり、そもそもまだ掲載されていないなど、結構見つけにくいのも確かです。そこで、これをザックリと捉える方法があります。

それが今回の文章の一番のテーマです。

気になったモデルの自動更新ポリシーがいつまでかをザックリと把握する。

それには実は結構簡単な方法があるんです。

それが製品ページから「CPU」の部分に注目する、ということです。

ちょっとこのことについてお話する前に、なぜCPUなのか、という点について次項で予め補足しておきます。既にご存知の方は飛ばしてしまって問題ありません。

なぜCPUで見分けるのか。それは「自動更新ポリシーを決めるのは発売日ではない」から。

2021年現在、国内はChromebookの販売促進、市場拡大期でもあり、以前に比べるとかなりの種類のモデルが発売されています。そして今年発売のモデルでも、いきなりセールでかなり安い価格になることもあります。

今年発売されたばかりのASUSの新作CX1(CX1500)が早速特選タイムセールの対象になっています。なぜでしょうか?

普通に考えれば、「とりあえず今年か、せいぜい昨年に発売されたモデルを買っておけば問題ない」と思うのではないでしょうか。でもそう簡単な話でもないんですね。これには、自動更新ポリシーの決められ方が関係してきます。

既にあなたはどこかで目にしたかもしれませんが、Googleは「2020年以降のモデルに関しては、自動更新ポリシーを従来の6年から8年に変更する」と発表しています。つまり簡単に言うと、

  • 2019年以前のモデル→6年
  • 2020年以降のモデル→8年

となります。ただ、これは「2019年以前に発売されたモデル」「2020年以降に発売されたモデル」ではありません。ここがややこしいんです。

正確には「2019年以前に設計されたハードウェア構成を持ったモデル」「2020年以降に設計されたハードウェア構成を持ったモデル」という意味なんです。この辺りPCの知識があまり無い方だと分かりにくいと思うのですが、例えるなら、

中身が2019年製のChromebookの外側(デザイン等)を変えて2021年に発売した場合には、2019年モデルとなる

ということです。そして、その場合には、先程の自動更新ポリシーに照らし合わせると6年になります。更に、この6年、というのは、発売日(2021年)から6年ではなく、中身が開発された2019年から6年になります。

つまり、同じ2021年に発売されたモデルでも、

中身の開発時期 年数 自動更新ポリシー
2018年製 6年 2024年6月
2019年製 6年 2025年6月
2020年製 8年 2028年6月
2021年製 8年 2029年6月

これだけ期限に違いが出てきてしまうんですね。同じ年に発売されていながら、最大で5年もサポート期限に差が出てきてしまいます。で、実際に今年発売されてAmazonでタイムセールなどにかかるモデルの中でも、いくつかにこの2018年製のモデルも含まれています

この辺りの事情をわかった上で、「それでも私は目先の支払う金額を重視したいから、あくまで安さを最優先する」と判断するのであれば、まったく構いません。例えば2018年製のモデルであれば、あと3年弱しかありませんが、「3年も使わないから安くあげたい」というのは全然アリです。

ただ、ここで気に留めておいてほしいのは、確かに2018年製のモデルのほうが見た目は安くコスパも高いように見えるかもしれませんが、性能も2018年当時のものです。それに対して、2021年製のモデルは確かにそれより若干高いかもしれませんが、それでも2021年最新のスペックです。

「Chromebookは低価格、低スペックでもサクサク動くのが魅力」とはそこかしこで言われていますが、実際にはこの低スペック、3年経てば体感速度でも1.5~2倍変わってきます。Chromebookの場合は中身がシンプルな分、パワーが要らないように見えますが、全てをChromeブラウザーで行うので、ブラウザーでの処理速度がそのまま快適さに直結してきます。そして、この快適さを決める要素はスペックです。それも、主にほぼ1点に絞られます。それが、先程から何度も挙げているCPUなんです。正直、ほぼCPUパワーと言っても良いくらいです。

実際にはPCにおいては、もちろんRAM容量やストレージの種類など様々な要因が絡んではくるのですが、現行のChromebookの場合、大抵のモデルがここ数年、CPU以外はほぼ変化がない、どのモデルも大差がないんです。大きく変わったのはCPU、といっても言い過ぎではないくらいです。

気になるモデルが見つかったら、まずCPUの項目をチェックしましょう。

ここまでお疲れさまでした。それでは本題です。ここまでの前提が理解いただけたら、後は簡単です。

Amazonやメーカーのサイトなどで安いモデルを見て心が動いたときには、「令和最新版」とか「2021年モデル」といった言葉に惑わされず、まずはスペック表の「CPU」の項目をチェックしましょう

メーカーの製品ページではスペック表から「CPU」の部分をチェックしてみてください。

これでだいたい自動更新ポリシーも分かります。以下、簡単な目安の表を載せておきます。参考にしてみてください。

Intel Celeron Intel Pentium Intel Core i/m ほか 自動更新ポリシー
2018年製 N3350/N3400
(N3000番台)
i3-7100U / m3-7Y30
i5-7200U / i5-7Y54
i7-7500U / i7-7Y75
2024年6月
2019年製 N4000/N4020
N4100/N4120
N4200
(N4000番台)
i3-8130U / m3-8100Y
i5-8350U / i5-8200Y
i7-8650U / i7-8500Y
MediaTek
M8173C
2025年6月
2026年6月
2020年製 N5000
(N5000番台)
5205U
i3-10110U
i5-10210U
i7-10510U
MediaTek
Helio P60T
Kompanio 500
(MT8183)
2028年6月
2021年製 Silver N6000
(N6000番台)
i5-1135G7 Ryzen 5 3500C
Ryzen 7 3700C
2029年6月
2019年製の中に、一部2020年モデルながら6年のまま、もしくは一部若干の仕様変更等で別モデル扱いになっているものがあるため、2026年6月のものが多くなっています。(2025年6月と混在)

また、この分け方は完全に正確、というものではないので、メーカーによっては同じCPUでもハードウェア構成的には翌年のモデル扱い、というものもあったり、と突き詰めていくと若干複雑になってしまうのですが、ここではザックリと分けています。なので、正確を期したい場合には自動更新ポリシーのサイトからモデル名で探していただくのが良いとは思うのですが、大体の目安として見ていただければ、と思います。

で、要は現在、Chromebookの国内モデルには、2021年に発売されたモデルも含めて、現行モデルだけでも上に挙げたような4年分のモデルが展開されている状況です。

で、特に注意が必要なのが、この中でも赤字にした、2018年~2019年にかけて出されたIntel Celeron N3000番台、N4000番台が現在Amazon等でも比較的セール対象として安くなりやすい、目を引きやすくなっている、ということです。

今年発売され、9月末のセール対象ともなったASUSのCX1ですが、CPUの項目を見てみると‥N3350です。

理由は、ここまで読まれた方ならお分かりですよね?

自動更新ポリシー的にまだ6年だった頃のモデルだからです。

と同時に、ちょうど国内で各メーカーがChromebookを精力的に出し始めた時期のモデルでもある(展開初期だったため、思ったほどにはまだ売れなかった)からです。在庫がまだある程度残っている、また昨今の世界的な半導体不足の状況の中で、この時期のハードウェアがまだまだ残っていて、それらをモデル名やガワを変えただけで、ある程度手頃な価格にして出している場合が結構あるんですね。要は在庫処分です。

Amazonでは商品名に記載がない場合でも、その下の詳細部分を見ていくと、CPUの項目を見つけることが出来ます。

この4年間で体感速度でも2倍近く性能が向上。反対に平均市場価格は大きく下がってきています。

さて、私がなぜこの程度の話をここまで長々と書いてきたのか。恐らくここまで読まれた方の中には、

「2018年製のモデルだって、大して使い勝手に差はないでしょ?」
「Chromebookは安くて低スペックでもサクサク動くのが魅力(取り柄)なんだから。」

と思われた方も多いと思いますが、繰り返しますが、だからといって別に、

どんなスペックであろうとサクサクで快適、というわけではありません。低スペックでなければならない、という訳でもありません。

また、サクサク、快適の基準も人によって、用途によって本当に変わってきます。実際にネット上を眺めていると「サクサクだって聞いてたから買ってみたのに、実際使ってみたらモタついて使いにくい」といった意見も結構目にします。で、そうした方の感想を辿っていくと、意外とこの2018年~2019年辺りのモデルが安くなっていたので「失敗しても良いか」くらいの気軽な気持ちで買ってみて後悔されている、というパターンも多いな、と感じます。

実際に、この2018年のモデルから2019年のモデルにかけて、私のような7年近いChromebookユーザーでも体感で分かるくらいに大きく処理速度(体感速度)が上がりました。そして、Chromebookで出来ることが増え、使い方も多様になってくるにつれて、当然求められる最低限のスペックも上がってきていると思っています。

また、この4年間で国内におけるChromebookの認知度も大きく変わってきています。使う人も増えてきましたし、冒頭でも触れたようにメディアでも取り上げられるようになってきました。それに伴って各社が精力的に新モデルを出してきたこともあり、最新のモデルでも普及価格帯であれば、それほど価格差がなくなってきたのも確かです。

4年前といえば、まだまだ「国内のChromebookの価格はボッタクリ」などと普通に言われていた時期です。その頃の販売価格と比べると、現在のスタンダードモデルの価格はかなり海外の価格に近いか、場合によってはむしろ安いくらいになってきています。

Chromebookのセール情報を目にしたら、まずは今回挙げた視点で見分けましょう。

それでは、今回のまとめです。最近はAmazonなどでも盛んにChromebookがセール対象になり、ネットでも「〇.〇万円で買える!これなら失敗しても痛くありませんね!」的な煽り文句とともに、こうしたモデルが盛んに薦められるようになってきました。でも、あなたには飛びつく前に、まずは今回挙げたような視点を持って、見分けて欲しいな、と願っています。

その上で、改めて考えてみましょう。あなたがどちらを選ぶのか。

  • 価格を最優先して、4年前の比較的低スペックのモデルを寿命3年と割り切って使う。
  • 若干(倍まではいかないので)予算を上げて、最新の寿命7~8年のモデルを使う。

もちろんどちらも正解です。また、実際にはこの2つの間で、ご自身の予算との相談になるとは思います。

この点がクリアできたら、ようやく次のステップです。その上であとは細かい部分に目を向けていきましょう。あとは比較的簡単です。どういう使い方をしたいか、で必要な機能が絞られていくからです。

それぞれのモデルの特長については、最近は様々な方がレビュー等を上げられていますし、またTwitter等でも感想を上げている方を見つけることが出来ます。もちろん、私のこのブログもそんな中の一つとしてお役に立てれば嬉しいです。

また、わからないことがあれば、お気軽にご質問ください。Twitterをされている方であれば、DMやリプライなどでご質問頂いてもOKです。

今回の内容が、ここ最近の氾濫するChromebookのセール情報の中で、冷静に判断するための一つの材料になれば嬉しいです。

今回お話したような内容を、今年の5月に一度動画にしています。
[かぶ] 2021年5月時点で私がタイムセールの格安Chromebookを勧めない理由。

今回は主にCPUに焦点を当てて書いていますが、興味のある方はこちらも合わせてご覧いただけたら嬉しいです。

まずは前提となる「自動更新ポリシー」について改めておさらい。

なぜCPUで見分けるのか。それは「自動更新ポリシーを決めるのは発売日ではない」から。

気になるモデルが見つかったら、まずCPUの項目をチェックしましょう。

この4年間で体感速度でも2倍近く性能が向上。反対に平均市場価格は大きく下がってきています。

Chromebookのセール情報を目にしたら、まずは今回挙げた視点で見分けましょう。

  • まずは前提となる「自動更新ポリシー」について改めておさらい。
  • なぜCPUで見分けるのか。それは「自動更新ポリシーを決めるのは発売日ではない」から。
  • 気になるモデルが見つかったら、まずCPUの項目をチェックしましょう。
  • この4年間で体感速度でも2倍近く性能が向上。反対に平均市場価格は大きく下がってきています。
  • Chromebookのセール情報を目にしたら、まずは今回挙げた視点で見分けましょう。