今年のCES 2020では魅力的なChromebookが色々と発表されました。既に各所で記事になっていますので、既にご覧になった方も多いでしょうし、とっくに情報収集を終え、あとは購入検討に移られている方もいるのではないでしょうか。
ということで、当ブログでは改めてそれぞれのモデルについて眺めつつ、私なりの視点でまとめてみたいと思います。
今回は日本でもお馴染み、Samsung Galaxy Chromebookです。
Samsung Galaxy Chromebook
ここ最近Chromebookでは大人しかったことから、一部の心無い方々からは「Googleに散々難題吹っかけられて、騙されて、キレてChromebookからは撤退した」とか言われていましたが、Samsung自体は前回国内でも非常に話題になったChromebook Plus / Pro以降もPlus V2、V2 LTE、そして昨年はSamsung Chromebook 4 / 4+など、派手さはないものの堅実なモデルを北米市場では販売し続けています。
要はSamsungにとってChromebook自体が北米事業部独自の企画のため、北米等以外の展開を考えていない(世界展開を考えていない)だけで、そのため国内のガジェット系メディアでも余程話題性のあるモデルでもない限り取り上げられることがなかった=国内でSamsungのChromebookのその後の展開を興味ある人間以外は知らなかった、というだけです。
ちなみに結構誤解されがちなのですが、本国韓国に行ってもChromebookは売ってません。これ、Chromebookあるあるなのですが、台湾メーカーが多いので台湾に行けば日本で売ってないChromebookが買えるのではないか、と思われがちですが、笑顔で「ありません」と言われます。第一もし韓国で展開されればキーボードはハングルだし、台湾なら繁体字になるわけで、日本で使うにはなかなか手強い気もしますが。
ということで少々脱線しましたが、スペックから。メディアによって既に細かい部分まで載せているところもあるようですが、一応Samsungのプレスリリース(参照:Elevate the Google Experience with Samsung’s First-Ever Galaxy Chromebook – Samsung US Newsroom)を元に書いています。
Finish / Color | Fiesta Red, Mercury Gray |
Processor | Intel® 10th generation Core™ Processor |
Memory | Up to 16GB (LPDDR3) |
Display | 13.3” 4K AMOLED Display (3840×2160), Touch Screen |
Storage | Up to 1TB SSD |
Interfaces | USB-C (2) | 3.5pi HP/Mic | UFS/MicroSD Combo |
Keyboard | Backlit / Fingerprint sensor |
Wireless Connectivity | Wi-Fi 6 (Gig+), 802.11 ax 2×2 Bluetooth V5.0 |
Weight and Dimensions | 302.6 x 203.2 x 9.9mm / 1.04kg |
Pen | Built-In Pen |
Fiesta Red!良いですねぇ。今回の中でも特に注目度が高かったのは、この赤のインパクトも大きかったのではないかと思います。発売は「Q1 2020」、価格は$999.99からですが、この価格だと最下位構成になると思うので、どの辺りに落ち着いてくるかは今後に注目です。
以下、製品仕様について少し細かく見ていきます(面倒な方は飛ばして次にお進みください)。
まずはFinish / Color。前述のFiesta Redばかりが取り上げられがちですが、今回Mercury Grayも同時に展開されます。ただ、プレスリリースやプレスキット眺めてみても、Fiesta Redの画像しかないので、その点はちょっとGray、可哀想です。
公式の動画見る限りだとMercury Grayもなかなか落ち着いた感じの大人の雰囲気もあって、良い感じだと思うんですけどね。
CPUはIntelの第10世代Coreプロセッサーとだけ表記があります。前回取り上げたASUS Chromebook Flip C436FAが14nmプロセス製造のモデル(開発コードネーム:Comet Lake)だったこともあり、またChromebook自体従来から基本的には似たようなハードウェアプラットフォームやスペック構成で固めつつ、そこに多少メーカー毎のスパイスが加わる、といった感じなので、恐らく10nmプロセス製造のIce Lakeではない、と思っています(Displayが4K AMOLEDなので、グラフィック性能に振ったIce Lake、というのも一瞬考えたんですけどね)。
ということで、各メディアの紹介動画等を眺めていると結構目立つ底面の広めの給排気口を見る限りでは、Galaxy ChromebookもC436FA同様、Comet Lake-U、ただ、i3〜i7までで4種類ある中でどれを採用してくるのかは分かりません(各種メディアだとi5と触れられていますが)。
個人的に多少気になるのは、この本体の厚さ(9.9mm)にYではなくUのCPUを載せ、4K AMOLED Displayで4K表示させて使った時の発熱です。他OSに比べるとそこまで激しい負荷をかけるわけでもないのですが、私が普段、第8世代Whiskey LakeのCore i7-8665Uを載せたDell Latitude 5400 Chromebook Enterpriseで4K液晶に外部出力させて使う際には底面がほんのり暖かくなりますし、Pixel SlateなどのY品番のモデルで出力した時にはそれなりに暖かくなるので、この辺りちょっとだけ興味があります。
ただ、実際最近ではPixelbook Goでも4K液晶モデルが出ましたし、この辺りの負荷と発熱(排熱)については最近のモデルでは問題ないのかな、という気もしてはいます。
指紋センサーについてはC436FAと同じ。現時点ではG Suiteアカウントでは使えず、また使える場面も起動時のサインインは不可で、あくまでスリープからの復帰時のロック解除に限られます。
今回話題の2モデルが立て続けに対応となりましたし、この機会にOSのアップデートなどで改善されると嬉しいのですが。
そして個人的に結構気になっているのがKeyboardです。
もちろん厚みがあれば必ず打ち心地が良い、という訳ではないのですが、今回のモデル、天板側(液晶側)と合わせても9.9mmです。その薄さを魅力と感じる方も多いようですが、本体側の厚みを考えると、個人的にどの程度のキータッチになるのか気になるところです。
ChromebookでもPixelbookシリーズなど、薄くてもキーボードの評価の高いモデルはあるので、ここはSamsungの腕の見せ所ですね。
日本での発売はほぼなし。Samsungは販売店も限られていて、北米メキシコ以外はサポートしないので、その点に注意。
今回、Twitterなどを眺めていても、やはりこのモデルのインパクトは大きかったようで、様々な反応を目にすることが出来ます。
「Chromebookの理想形」「これならChromebookでなければ良かったのに」「絶対買う」
ただ、実際には日本での発売に関しては前述の通り、日本法人が余程力を持っていて北米事業所(米国法人)の専売モデルを強引に持ってくるくらいの気概がない限り、日本発売は難しいと思います。HPに関しては以前から上からは「日本でも出さないの?」と言われながらも、コスト面やリスクを考えて日本法人側が出さない、と判断していただけなので、昨年のような突如発売とその後の個人市場向けの積極的なプッシュといった嬉しい誤算もありましたが、Samsungは‥。その点は残念です。
ということで、その辺りも含めて「それでも試してみたい!」という人向けの製品になってくるので、この後発売までの期間でどの程度冷静になってしまうかが気になります。「日本で発売してくれれば必ず買ったのに」という「もし〇〇だったら買った」パターンの声が溢れそうな気もします。
ということで、前回同様、私は買うか、という話で締めたいと思いますが、現時点では一応買う方向で考えています。文中にあまり暑さ(暑苦しさ)が感じられない割に、前回のC436FAのときの様子見と違って買う方向で考えているのは、単純に入手の困難さが私の心を煽るから、という部分が大きいのかもしれません。ただ、C436FA同様、自分の用途と手持ちのChromebookの構成を考えると完全に被るので、今のところは「買う方向で」。ただ、発売したら気持ちを抑えきれずに祭りに参加してしまう気がしています。
https://news.samsung.com/us/samsung-galaxy-chromebook-elevate-google-experience/