何度か触れたことがありますが、我が家では1年以上前から書籍、書類の類をどんどんスキャンしてデジタルデータ化した上で処分しています。とにかく我が家は部屋の広さに対してモノが多い。その最たるモノが書籍でした。
デジタルデータが紙より勝る、とは思っていません。紙のまま取って置いたほうが良い物も勿論あります。まだまだデジタルデータ自体は不便な部分も多いですし。ただ、問題はデジタルか紙かということではなく、狭いスペースに大量にモノが積まれてしまうことで、自分の中で大切なモノと不要なモノの区別が付かなくなってしまう、ということです。
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捨てるのは勿体無いから残しておくのは本当にモノにとって幸せですか?
よくある意見として「モノを捨てるのは勿体無い」というものがあります。その通りです。究極的にはそもそも不要になるような物自体買わなければ良いのです。さらに言えば作らなければ良い。
ただ、それはひとまず置いておいて、勿体無いからと言って全て捨てずに取っておいた結果、ホコリまみれになりながら、どこにあるか本人すら覚えていないような状態でうず高く積み上がってしまったり、隠れてしまったモノというのは、果たして大切にされているのか、ということです。
本についても同じで、我が家は妻も私も本好きです。勿論中には今では絶版になってしまって稀少なモノもあると思います。思い入れが強くて捨てられないモノもあるでしょう。
ただ、部屋の一角を占拠してしまった本の塊の中で、更にホコリが毎日積もっていく中で、それがどこにあるのか分からない、ということが悩みです。全てを保管しておくことで、結局全て使われずに放置されてしまうのは、以前ジャケット等を大量処分した話で書いたとおりです。
[0185-201405] 昨年、ワードローブのスーツとジャケットを大量処分(廃棄)した先に見えてきた世界。
さて。我が家にはScan Snap S1500が一台ありまして、写真等は昨年既に全てデジタルに変わったことは書きました。その後妻の大量の書類もだいぶ片付いています。問題は書籍です。
自炊代行サービスに出すにしても時間とコストが結構かかる。
裁断機を買えば済む話なのですが、未だ買わずにいることで、書籍のスキャンが思うように進んでいません。そこで昨年から自炊代行サービスのBOOKSCANを利用しているのですが、こちらの有料会員は月50冊まで。またこの場合の1冊というのは300ページまでで、それを超える本はページ数に応じて冊数が変わってきます。
BOOKSCAN(ブックスキャン) 本・蔵書電子書籍化サービス – 大和印刷
そして、50冊で月額約1万円。費用もかかりますが、手元の書籍はなかなか減りません。本って特に文庫本を中心に多くないように見えて、実際数えてみると意外と冊数あるんですね。まだ500冊以上あると思います。となると、最低でもあと10ヶ月はこの積み上がった本の中で生活をする必要が出てきてしまうんですね。
これ、結構気づかない内にストレスになりますし、もったいないんです。この感覚、私と同じように本が好きな方でも分かって頂けるのではないかと思うのですが。
かと言って、思い切って全て捨てるというのも変なものです。それが出来るのであればとっくにやっています。引っ越す?広いスペースが出来れば大抵モノも増えるんです。それが人間です。
保存のためではなく、一時ストックの場所として。
書籍の保管サービスというのがあります。貸し倉庫のようなものですね。恐らく自炊代行サービス以前からあるサービスだと思いますが。
捨てるに捨てられない大切な本などをしっかりとした管理のもとで保管してくれるサービスです。必要に応じて取り出すことも出来ます。
稀少だけれど、すぐに必要ではない本などはもしかしたら下手に部屋の本棚でホコリが積もった状態で放置されるよりもこうしたサービスでしっかり管理されたほうが本にとっても幸せだと思います。美術品骨董品を自分でちゃんと管理できないくらいなら美術館博物館に寄贈してしまったほうが余程モノのため、世の中のためになるのと同じです。
自分で管理できないなら、そもそも所有する資格はありません。
これ、コレクターやマニアの最低限のマナーだと思うので。
ということで、保管サービスを今回利用してみようと思います。それも、保存を目的として、ではなく、一時的なストックの場所として、です。
書類・書籍の専門倉庫 東京書庫株式会社
今回お世話になろうと思っているのが創業1965年の東京書庫株式会社です。なぜこちらを選んだのか、検索して真っ先に出てきて、価格が他の数社と比べて安く、Facebookページまで地味に発信されていて好感が持てたからです。人の選択基準なんて大抵その程度です。変に策を弄するよりもストレートが一番です。
「書類保管・書籍保管はお任せ下さい。」書類・書籍の専門倉庫 東京書庫株式会社
他社によっては、専用のオンライン本棚を作ってくれたり、様々な本好きには痒いところに手が届きそうな面白いサービスをされているところもあり、それぞれに特色を出しています。ただ、私にとっては今回はあくまでデジタルデータになる前の書籍の一時待機場所として使いたかったので、書籍一覧などは特に要らなかったんですね。
なるべく手頃で、気軽に使えるところのほうが良い。結局私自身が継続出来なければどんな素晴らしいサービスも意味がありませんので。
こちらの一番左のブック・キープ・サービスで考えています。(既に箱のセットは先ほど申し込んで明日到着予定)保管料は月¥210-(税別)。取り出す際には箱ごと送ってもらうことになりますが、予めこちらから送る際にBOOKSCANの月50冊にピッタリ合うように箱詰めしておくのであれば、下手に中をリスト化して考える手間やコストを考えるより遥かに便利で助かります。
月の維持のコストは毎月減っていく予定。
毎月一箱ずつ送り返してもらって、BOOKSCANにそのまま送ってしまう。この辺りの流れはもう少しシンプルに出来ると思いますが、今後本が大量に増えない限り基本的には毎月一箱ずつ減っていく訳ですから、月々のコストは下がっていくはずです。とともに何よりも助かるのは今我が家のかなりの場所を占拠してしまっている本(と沢山のホコリ)の山が一気にスッキリするということです。スペースが出来ると、人は更に片付けよう、という気になるんです。
足の踏み場もないほどにモノがあって、ごちゃごちゃしていると、片付ける前に触れるのさえ億劫になってしまいますので。
初期導入コストもまとめて全てを自炊(もしくは自炊代行)してしまうことに比べれば大したものではありません。
漠然と大きいままだと何も動けなくなってしまうので。
例えば自炊代行でデジタルデータに一気にしてしまおう、と張り切ったとしても、大抵長続きしません。まとめて全て処分するなら楽ですが、一回に超えるハードル(費用など)が大きすぎて、「その内余裕が出来たら」「お金に余裕が出来てから」ってなってしまいがちなんです。
でも、「その内」が来るまでの時間、ゴチャゴチャしたままそこに滞留してしまっているのであれば、それこそ遥かに無駄です。
全く使わず使えず、ただそこに意味もなく積み上がっているだけなのであれば、モノにとっても可哀想です。
それが、これだけ世に片付け本が溢れながらも改善されず、「全て捨てて0からやり直したい」と人が大なり小なり心に抱いてしまう大きな理由だと思うのです。
物は生かされないままそこに留まっている限り、死んでいるも同然です。
そんな時、こうした一時保管の場所を作ってあげて(それ専門の場所に任せて)少しずつ動かして上げる事で、見た目は無駄なお金が動いているように見えるかもしれませんが、その間も我が家もスッキリ、私の心もスッキリ、本もホコリまみれにならずに生かされます。
ということで、ひとまず明日1セット(5ケース)届きますので、また発送整理後に改めてご報告したいと思います。