[日常] デイリー新潮のキャッシュレス決済に警鐘を鳴らす記事が色々考えさせられて興味深い。

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[日常] デイリー新潮のキャッシュレス決済に警鐘を鳴らす記事が色々考えさせられて興味深い。

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キャッシュレス決済が話題です。

私も還元率に動かされてQRコード決済型のアプリを手当たり次第スマホに入れたは良いのですが、どのペイ(Pay)がどのカードや銀行口座と紐付けられていて、どの程度の還元がいつどのタイミングで行われるのかも含めて良く分からなくなってしまいました。一回スマホのGoogle Keepで入れたアプリ一通りリストにしてまとめたんだけどね。結局家の側で良く行くコンビニと薬局とケーキ屋とカフェ(日本茶)のお店がいづれも対応しているPayPayメインで使ってます。でもPayPayは私のメインバンクである三菱UFJ銀行が対応してないのでチャージが意外と面倒なのですが。

ということで、眺めているよりもとりあえず使ってしまった方が良い面も悪い面も含めて分かるだろうし、その辺りは楽しみながら試してみよう、と思っているのですが、それなりに便利です。これからリスクや問題は色々出てくるとは思いますが、今敢えてこの日本でQRコード決済を普及させる意味なども含めて考えてみると面白いです。もちろんキャッシュレス決済って別にQRコード決済だけではないのですが。

で、いつもはもう少し色々考えて(結果として長くなっちゃうのですが)色々書くのですが、今日は平成最後の日ですし、気軽に行きたいと思います。

今回はこのキャッシュレス決済の話です。キャッシュレス決済について大して深く考えたこともなかったのですが、本日のデイリー新潮の記事が非常に興味深く示唆に富んだ内容でしたので、ちょっと私も色々考えてみようと思います。一応記事自体はそれぞれ4月25日号に掲載のもののようです。

https://www.dailyshincho.jp/article/2019/04290801/

https://www.dailyshincho.jp/article/2019/04300801/

平成の終わり、大晦日(30日)と晦日(29日)に続けて掲載していますので、相当力を入れているのだと思います。それぞれ見ていきます。

キャッシュレス決済推進の動きは1940年の日独伊三国同盟への参加を煽った掛け声と同じで終点は日本の破滅です。

まずは最初の記事。

そのバスに乗らないと待ち合わせ時間に間に合わない、というなら、乗り遅れないほうがいいに決まっているが、「バスに乗り遅れるな」という掛け声は、往々にして行き先さえ告げていないから要注意だ。

 たとえば、1940年の日独伊三国同盟への参加を煽った掛け声も「バスに乗り遅れるな」だったが、駆け乗ったバスは対米戦争に突き進み、終点は日本の破滅であった。

 最近でいえば、「バスに乗れ」とうるさいのが、キャッシュレスである。

いきなり冒頭からおどろおどろしい空気で始まります。日独伊三国同盟が出てきました。で、その後の本文に関しては興味がありましたら是非原文をお読み頂き、それぞれにご判断頂きたいのですが、私自身、最も興味を持ったのがこの冒頭の部分でした。

キャッシュレス決済のリスクについて警告する文章なのですが、散々危険や恐怖を煽って、それに不安を感じている方々を安心させ勇気付け、そして世の中の流れをある方向に持っていこうとするやり方、覚えがありませんか?

新聞社やその他マスメディアの得意パターンなんです。書かれているように対米戦争も、平成に入ってからであれば対イラク戦争などもそのパターンですね。で、敗戦や失敗となった途端に、まるでそんなこと言ったことすらないかのように、「我々は危険だと思っていた」「けれど言論が封じられていた」とか言いながら戦後にしれっと政権批判など始めちゃうんですね。

確かに政府も含めたキャッシュレス決済推進の動きは「バスに乗り遅れるな」という掛け声に似ているのかもしれませんが、それを1940年の日独伊三国同盟への参加を煽った掛け声の例を出し終点は日本の破滅に持っていく手法って、誰を安心させたいんでしょうか。キャッシュレス決済に手を出すと日本が破滅するんでしょうか。むしろこれ読んで「そうか、キャッシュレス決済って日独伊三国同盟への参加の時のように危険なんだ。手を出さないで良かった。」と安心させたい、もしくは「手を出さない方が良いんだ」という風に思わせたい、その話の持っていきかたの方が確信犯的(自分の道徳・宗教・政治・経済などの理念を確信して実行される犯罪)なのかなぁ、と思ってしまいました。

むしろここまで書くのであれば、プロ集団でもある出版社の記事なんですから、その後骨太な内容(反対論)が出てくるのかと思ったのですが、その辺りは「なんか良く分からないけど危険そうだし、現金のほうが安心なんだな。人情味も薄れるし。」くらいの内容で終わっています。まぁ週刊誌なので、せわしない日常の一服の清涼剤として読まれる方が対象なのかもしれませんが、どういう方を対象にどんな意図を持って書かれているのかに想像を巡らせてみると、なかなか興味深いと思います。

それがお得な自社ポイント還元で顧客を囲い込むと同時に、年齢、性別、職業、購買履歴などを記録し、自社のマーケティング戦略に利用しようというのです。将来的には顧客から収集した個人情報のビッグデータが、企業間で共有されることもないとは言い切れません。情報漏洩のリスクも考えると、現金にくらべてキャッシュレスは圧倒的にデメリットが大きいです

これ、キャッシュレス決済に限らず、普段から現金でもポイントカードだ何だと活用している方だったら同じですよね。Tポ○ントカードなんて一時期凄かったですし、楽○市場で「クレジットカードは不安だから」って代引きとか現金決済している人も同じリスクに晒されている訳で、何もキャッシュレス決済に限った話ではないところが不思議です。むしろ普段からどこで何の買い物をする場合でも、情報漏洩のリスクは意識しておいて欲しいと思います。

プロでもある消費経済ジャーナリストでも1ヶ月5万5千円使って781円分しか返ってこない恐怖。

続いての記事。

果たしてキャッシュレス決済は得なのか。そこで消費経済についての専門家が登場、実際に1ヶ月で5万5千円ほど決済してなんと781円しか戻ってこなかった上に、それぞれに分散しているので使いづらい、という結論に至ったそうです。還元率1.4%。全てを一から登録して複数管理して使い分けてこれでは報われません。その上キャッシュレス決済だと現金決済では起こり得ない情報漏洩のリスク人情味が薄れる危険性があります。これは止めた方が良さそうです。

QRコード決済アプリやスーパーと提携している電子マネーなど、7、8種類を使いましたが、まず大変だったのは、そのスーパーでなにが使えるか、レジの前で確認する作業。また決済方法が複数になると、お金の流れがバラバラになって、チャージしたお金が端数だけ残ったり、口座決済ではいつまでにいくら入れておくかを考えたり、管理が大変でした。

でもその前に何で7、8種類もいっぺんに登録したんですか?別にキャッシュレス決済って全部に登録しなければいけないわけではないのですが。それってクレジットカードをまとめて7、8種類作って1ヶ月使ってみた、とかお店のポイントカードを7、8種類使って、すべてのお店で買い物してみた、ってレベルと同じだと思うのですが。

冒頭の私みたいな「眺めているよりもとりあえず使ってしまった方が良い面も悪い面も含めて分かるだろうし、その辺りは楽しみながら試してみよう」みたいな人間ならすべて登録して楽しんでも構わないと思います。でも、そもそも今回のキャッシュレス決済に限らず、わざわざそんな特殊な使い方をしなければならない決済方法ってないと思うのですが。実際私でも実際冒頭のように登録しすぎると面倒くさくなるので、PayPayメインとか絞られてくるわけです。デメリットの数々、というよりもその辺りの注意喚起で良かったのでは。

781円しか戻ってこなかった使い方を消費経済のプロのジャーナリストがやってしまうことにリスクがあるのかもしれません。

道徳的観点から言うと、クレジットカード番号を盗むのは、人の財布から現金を盗むのに比べて、ずっと簡単なのだろうか?

さり気なく突っ込んでおくと、よくネット決済は番号が流出したりして危険と言われますが、クレジットカード番号が盗まれた場合や不正利用があった場合には適切な対処を取れば支払は免除されますし、すぐにストップもかけてくれます。でも現金盗まれたり落とした場合には返ってきません。

この記事は最後にこう結んでいます。

日本でキャッシュレスが進まない理由の一つとして、治安のよさを挙げる声もあるが、キャッシュレス化が進むと、犯罪へのハードルも低くなり、こうした日本の美徳も失われかねないということだ。

日本の美徳、大切です。これからもそれは守っていかなければなりません。キャッシュレス化が進むと犯罪へのハードルも低くなり、犯罪が多発します。人情味も薄れます。もしかしたら戦争も起きて日本の破滅に繋がるかもしれません。

茶化しているようですが、文章のプロが書いた出版社の記事です。そこにはプロの明確な意図が隠れています。

茶化しただけの文章だと思われるかもしれません。政権の失言を茶化して仕事してるアピールしている野党みたいな印象を持たれて不快に思われたかもしれません。何が伝えたいか、というと、上記2つの記事、普通に読んでもそういうこと書いてあるんですね。是非一度それぞれお読み頂きたいのですが。そして、それは私のような勝手気ままに書いている一ブロガーの記事ではなく、名の通った出版社の名を冠したサイトの記事なんです。Yahoo!にも転載されてましたし。

ということは、それなりに影響力もあるわけですし、またこの記事の内容に深く頷く方々がたくさんいらっしゃる、ということです。何故なら記事はそれを読む人の傾向に合わせて書かれるからです。だからこれらの文章は記者(ライター)のレベルが低いわけではなく、むしろプロの記者(ライター)が対象をしっかり想定して、意図的に練り上げて、その方々にとって心地の良い、安心出来る文章を作成しているのです。そう考えると興味深くありませんか?

話題になって数日が経ち、あの時騒いでいた方の大半は既に興味も薄れ忘れてしまっているのではないか、と思われる、高知新聞による「高知県立大焚書」の記事。その後高知県立大学が公式の声明を出しましたが、あの記事は煽りを目的とした「飛ばし記事」だったのでしょうか。それともプロの記者による緻密な取材に基づいた指摘や批判の記事だったのでしょうか。誰かや何かを過激な表現で攻撃、非難するのであれば、最低限の情報の提供とその後のフォローは必要ではないか、と思っています。そこでその後の高知新聞の記事を眺めてみました。

これを読まれたあなたがキャッシュレス決済にどのような印象を抱かれているか分かりませんが、これら2つの記事は今の世の中のキャッシュレス決済に対する認識と不安についてとても分かりやすく表しています。

人を動かすのは理屈ではありません。むしろ「日独伊三国同盟」や「日本の破滅」「情報漏洩」や「人情味」「日本の美徳」といった感情を揺さぶる言葉です。そして余程興味深い文章でもない限り、人は文章を最初から最後まで真面目に読みません。流して終わりです。分からない言葉は流し読み。自分にとって都合の良い、心地の良い言葉だけピックアップして安心して、何となく読み終わったときに納得出来ればそれでOKです。

だって実際私も今回の2記事、熟読したわけじゃないですし、その文章の裏に秘められた意図にすべて気付けているとは思えません。また私の今回の文章を読まれたあなたも恐らく途中飛ばし読みしてると思うんですね。もし飛ばさずここまでちゃんと読んで下さっていたらありがとうございます。嬉しいです。私の文章に価値があると思って頂けたあなたに私は何か提供することが出来たでしょうか。

そう考えていくと、この2つの記事も色々と深読みが出来て興味深い記事だな、と思います。敢えてツッコミどころ満載にしてより多くの人の目に触れて欲しい。これは成功していますね。実際ネットではそれなりに拡散されています。同様にツッコミどころ満載にして、敢えて稚拙な反論の文章にしてキャッシュレス決済の推進を狙っているのかもしれません。それだと推進させたいアベ政権の陰謀かもしれません。スポンサー企業の中には現金決済推進協会か何かがいるかもしれません。よく煙草推し、煙草に健康への悪影響はない、といった内容の記事を読み進めていったら、JTのPR記事だった、とかありますし。

世の中の出来事ってインパクトのある見出しやワードに目を奪われがちで、それだけで世の中分かった気になってしまうのですが、実際読み込んでみると色々なことが分かって面白いな、と思います。お時間のある方は是非、そうした視点で記事を読んでみて欲しいな、と思っています。

2018年8月17日の高知新聞の記事「高知県立大焚書 知の機会奪う 職員「移行へダイエット」」。早速ネット上では様々な意見が出ていますが、一部過激な表現や、記事のタイトルだけを見て感情的に反応してしまったものも多く見られます。けれど、私たちはそこまで感情的に非難出来るほどの情報と知識、関心をこの出来事に対して持ち合わせているのでしょうか。多くの人にとっては「そもそも知りもしなければ興味もなかった」内容だと思うのです。現場を混乱させ疲弊させるのは、普段無関心なのに何かあった時だけ激しく叩き始める無責任な「善良な一般市民」です。改めてこの問題について考えてみました。

キャッシュレス決済推進の動きは1940年の日独伊三国同盟への参加を煽った掛け声と同じで終点は日本の破滅です。

プロでもある消費経済ジャーナリストでも1ヶ月5万5千円使って781円分しか返ってこない恐怖。

茶化しているようですが、文章のプロが書いた出版社の記事です。そこにはプロの明確な意図が隠れています。

  • キャッシュレス決済推進の動きは1940年の日独伊三国同盟への参加を煽った掛け声と同じで終点は日本の破滅です。
  • プロでもある消費経済ジャーナリストでも1ヶ月5万5千円使って781円分しか返ってこない恐怖。
  • 茶化しているようですが、文章のプロが書いた出版社の記事です。そこにはプロの明確な意図が隠れています。