前回ご紹介した、Dellの14インチポータブルモニターC1422Hを使う上で、以前から気になっていたのが今回ご紹介するサンワサプライの伸縮アームスタンドです。
購入して数日使ってみましたが、気に入った点とともに気になる(詰めの甘い)点もありましたので、簡単にレビューしてみようと思います。
サンワサプライ モバイルモニター用伸縮アームスタンド PDA-STN69BK
ポータブルモニターは持ち運びが楽、ラップトップPCの画面をケーブル1本で簡単に拡張できる点で便利ですが、なかなか一歩踏み出せずにいる、という方も結構いるのではないか、と思っています。私自身がそうでした。
良いとは思うんですよね。ただ、実際に自分の用途を思い浮かべてみたときに、果たしてそこまで使うのか、結局ほとんど使わずに放置されてしまうのではないか、という気がしてしまうんです(勿論非常に有効に活用しまくっている方もいると思います)。
で、今回私が実際にポータブルモニターを使ってみて、「自分的にこれはかなりあり(便利)だな」と思った使い方を前回ご紹介したわけですが、
そうした使い方をする際に重宝するのが、今回ご紹介するようなモニター用伸縮アームスタンドです。
で、私実は(まだスマホ首ではないのですが)自宅でスマホを触る際にもこの手のアームスタンドを使っていまして。楽なんですよ。目線の高さにスマホを固定できるので。ただ、私が使っているスマホのアームスタンドって、普通に首の部分が曲がるタイプのものなので、角度や位置の調整が若干難しいんですね。
これはデスクトップPCを使っていて、モニター用のスタンド(エルゴトロンなど)を使っている方も同じで、スタンドの種類によっては、アーム部分が結構後ろに突き出してしまって、背面のスペースが必要だったり、という悩みがあると思っています。
なので、単純に垂直に上下するタイプのスタンドと、で好みが分かれるのではないでしょうか。
今回のこのモニター用伸縮アームスタンドは、名前の通り、上下に伸縮するタイプのスタンドです。角度は調整出来ますが、左右は回転しか出来ません。ただ、その分背面や左右のスペースが必要な訳ではないのが魅力です。
また、ラップトップPCの液晶と並べたときの、微妙な角度調整(とより液晶同士を自然な位置で近づけられる)が出来る、という点でも魅力です。
ということで、実際に使ってみての良かった点、惜しい(詰めが甘い)点を次項から挙げていきます。
良かった点①本体液晶上に置く場合背面の可動域含むフットプリントが狭くて済む。
前回の文章では、先ほど挙げたアームスタンドで上下に設置したのですが、その場合、高さの調整次第では、背面にアームが突き出してしまうため、あまり後ろに設置すると、机の背面にその分のスペースが必要になります。
実際、あちらのアームスタンドの場合、細くて軽いのは良いのですが、その分安定させるために机に固定させるタイプのため、机の縁の部分に取り付ける必要があるんですね。
となると、あまり低く下げようとすると、「壁際に机を設置していると」アームの曲がった部分が壁にぶつかってしまうんです。となると、その場合はラップトップPC含めて机の前面に少し移動させなければなりませんでした。
この上の2つの画像、ぱっと見は同じように見えると思いますが、狭いデスクの上では結構使い勝手が変わります。個人的には今回の伸縮アームスタンドのほうが使い勝手が良かったです。
なにせ、フットプリントは台座の部分以上には必要ないからです。
あと、液晶を上下で使っていて、ふと左右に並べて使いたくなったときにも、台座ごと移動させれば良いのも楽。
これが机に設置するアームタイプのスタンドだと上下と、左右ではスタンドの位置を変えなければならない場合もあるので悩ましいんですよね(もちろん設置型のアームスタンドにも安定感や軽さなど良さは色々あります)。
良かった点②ケーブルが見た目的にゴチャゴチャしない。
これは地味に魅力的だと思ってます。例えば前回のスタンドに設置した時の写真ですが、
一般的なスタンド(デスクトップアーム用は別。あちらはちゃんとケーブルを収納するスペースがあるので)だと、この部分がないものが多いんです。まぁ基本的にこの手の製品ってスマホやタブレットを直接設置するためのもので、充電でもしない限り、それ程ケーブル自体繋ぐことがないからです。
でも今回のこの製品は「モバイルモニター用伸縮アームスタンド」です。となると、基本的にラップトップPCと常にUSB-Cケーブルで繋ぐ必要があるんですね。となるとこのケーブル配線問題が出てきます。
まぁ単純な見た目の問題ではあるのですが、デスク周りを意識して構築している方だと、全体の配線周りをスッキリさせるのは一つの課題だったりします。
で、今回の場合はこれが2箇所でうまく固定できるようになっています。
一つがポール上のケーブルホルダー、そしてもう一つがスタンド底面の溝部分です。
細かいところなのですが、これだけで見た目がかなりスッキリします。正面から見たときにもケーブルがゴチャゴチャ見えませんし、またラップトップPCに繋ぐときにもケーブルが背面からスッと1本だけ伸びているだけなので、それを繋ぐだけです。
この辺りは流石に「スマホ、タブレット用スタンド」ではなく「モバイルモニター用」と謳っているだけはあって、考えられているな、と感じました。
ただ、それだけに、そこまで考えているからこそ、詰めが甘かったな、と感じる部分があります。
詰めが甘いな、と感じた点①ケーブル配線が地味に面倒くさくてストレス。
何か前項と完全に矛盾しているように感じられるかもしれませんが、そうなんです。そこなんです。
折角こうした部分まで意識して作られている筈なのに・・発想がスマホ・タブレットの延長線上だったのかなぁ。
というのは、例えばポール部分のケーブルホルダー。
先ほどは一応ケーブルが挟まっている写真も載せましたが・・そもそもの溝が狭い(小さい)。
これ、スマホやタブレットの、しかも最近サードパーティーが出しているようなメッシュとか耐久性を考えて太さを持たせて作られたケーブルではなく、もうホント最初から付いてくるような、何の耐久性の処理もされていない素のままのケーブルの細さを想定して作られているんじゃないか、という穴の大きさ。
液晶に画面を出力するために太くなっているUSB-Cケーブルなどを繋ぐのであれば、かなりキツいです。ましてこれ、当然HDMIケーブルとかだったら(まぁそんなポータブルモニターは無いかもしれませんが)無理。
まぁ一応ハマるんですが、例えば先ほどのようにモニターに上下に並べて使う場合と、左右に置いて縦画面で使う場合には、スタンドの高さなどを変える必要があるわけです。そうなるとその都度必要なケーブルの長さ(ホルダーで固定する位置)って変わってくるわけです。で、ちょっと動かすと、たまに取れちゃう。これは惜しい。
そしてもう一つ。同様に先ほど良かった点として挙げた「底面の配線用のスリット」。
ここ、せめて1、2箇所、留め具のようなものが欲しかったです。
というのは、このスリット(溝)に確かにケーブルを這わせることが出来るのですが、固定されていないので、そのまま底面を下にした瞬間に、スリットから外れるんです。なので、テーブルなどに置いたときにはズレていて
ちょっと上の写真だと分かりづらいですが、これスリットに収まってないんです。ちょっとスタンドの位置ずらしただけなんですが。
で、どうなるか、というと、収まってないのでケーブルの厚み分、持ち上がっちゃってるんですね。これじゃ何の意味もない。
で、これを防ぐためには、スタンドの位置をずらす際には、底面を机から離さないようにして引きずっていくか、もしくはスリットに収まった状態で手で押さえてズレないようにして、そのまま外れないように慎重にスタンドを設置しないといけないという・・何その面倒くささ。
先ほど折角良かった点でこの「ケーブルが見た目的にゴチャゴチャしない。」点を挙げたのに、それを実現する度にストレスが伴うのでは気分下がりますよね。面倒くさくなっちゃう。
なので、一度置く場所を決めたら、そこから絶対に移動させないし、いちいち縦画面、横画面の切り替えなんてしない!という人なら良いですが、そうでもなければ単純に面倒なだけです。
ここ、せめてスリット部分の何カ所かに、ズレないように固定の留め具を入れてくれるだけで良かったのにな、と思います。
あ、ちなみにAmazonで低評価のレビューがありまして、「六角レンチは同梱されていません」と☆2つになっていますが、これ、外箱にもちゃんと説明が書いてあるのですが、底面に収納されています。
まぁちゃんとあらゆる場所に分かるように説明を書くべきだ、という意見もあるかもしれませんが、これだけで☆2にされてしまうのはあまりに気の毒なので、補足しておきます(ここに収納されてなかった、というなら別ですが。ただ、その場合にも「収納物が足りない場合はサポートにご連絡ください」ってあるんだけどな・・)。
惜しいな、と感じた点①重いので持ち運びには向かない。
このモバイルモニター用伸縮アームスタンド、実際に使ってみるとやっぱり便利なんですよ。となると、外でも使いたくなるのが人間というものです。でもね、重いんですよ。質量約1.04kg。
しかもスタンドとポール部分は固定なので、コンパクトに持ち運べるわけでもない。このスタンド+500g強のポータブルモニターをセットで持ち運んだら、普通に少し重めのラップトップPC1台分になっちゃいます。
まぁモニターの高さもある程度出せる、となると、重心が上にいきやすくなるわけで、最大15.8インチまでのモニターを設置可能な作りにする、となるとこれだけの安定した土台が必要なのは分かるのですが、折角これだけ便利なスタンドなので、何か美味い方法はなかったものか・・。
といっても重心を安定させるために土台部分を大きくしたり、フットプリントが広くなってしまったら、それはそれで出先での作業においてはデメリットになるわけで、だからなかなか出てこないのかもしれませんね。
ただ、需要はあると思う、というよりも、それだけで更に活用の幅が広がるので、是非メーカー各社の開発の方はご検討頂けたら、と思っております。
まとめ:個人的には充分に満足。詰めの甘い点は自分で工夫して、自宅ではかなり使い込みそうなスタンドです。
ということでレビューしてみましたが、トータルの評価としては個人的には充分に満足しています。
今回挙げた惜しい点、詰めが甘い点についても、例えばケーブルホルダーの穴が小さくて窮屈な部分に関しては、その下にもう一つ、結束マジックテープのようなものを巻き付けてしまえば固定は可能です。
あと、底面のスリットからケーブルが外れやすい部分に関しては、ある程度位置決めが出来てしまえば、あとはテープ等でスリットの両端を留めてしまう、というのもありかもしれません。(本当はそんな工夫をしなくても使えれば一番なのですが)
ということで、多少の工夫でその辺りの使い勝手はかなり変わりますし、致命的な欠点というわけではありませんので、ポータブルモニターを既にお持ち、もしくは購入しようか迷っている方にとっては、「結構これ一つで使い勝手も変わって便利だよ」という発見になればいいな、と思っています。