昨日、Chromebookでもお馴染みの、写真・画像編集Webサービスである「Pixlr」のライフタイムライセンス(要は永久ライセンス)が明日26日までセール&クーポン適用で3,980円になっている、という話をしました。
実際以前から評価も高く愛用者の多い、またサブスクリプションを迷っている方も多いサービスでもあるので、結構購入された方もいたようです(私も買った)。
で、実際使ってみると、確かに高機能、またPhotoshopを普段大したことには使ってはいないんだけど、無きゃ無いで困るかな、と感じている私程度の使い方であれば、十分に代替になる(こっちは買い切り3,980円ですし)サービスだな、と思いました。
正直十分にオススメ出来るサービスです。
長く愛用しているヘビーユーザーがいらっしゃるのも分かる気がします。
で、今回の話はそのこと自体にどうこう言いたい訳では全くありません。単に、このサービスに触れてみて、ふと思ったことをちょっとまとめてみようと思っただけです。それが、
Webサービス、Webアプリはローカルアプリの代替なのか
という点です。ちょっと思ったままを書き連ねてみるので、これが正しい、間違っている、という話ではなく、何かしらの考えるきっかけにして貰えたら嬉しいです。
Chromebookを新たに使い始めた方がほぼ通る道。
Chromebookを新たに使い始めた方がほぼ通る道、というのがあります。それが、
様々な拡張機能やAndroidアプリ、Webサービスを手当たり次第に入れてみる。
でも結局その大半は使わず、気がついたら削除してシンプルに使っている。
もちろんすべてのユーザー、という訳ではありませんが、経験のある方も多いのではないか、と思います。
Androidアプリが使える、というのはやはりインパクトもあるのか、例えば「○○はChromebookで使えるか」といった声はよく目にします。特にOfficeとかAdobeのPhotoshopなどですね。あとは「動画編集したいんだけど」的なものも多いかな。
で、例えば今回冒頭で触れたPixlr、これも同じことが言えるわけです。
もちろん、結構高機能で、人によっては十分にPhotoshopの代替になり得ます。ただ、反面、「本格的な編集をする際はPhotoshop、ライトな作業をするときにはPixlr」といった感想を持たれた方もいると思います。間違っている訳でも、この感想自体に何か言いたいわけでもないです。ただ、ふと今までの私自身の7年間のChromebookとの日々を思い浮かべてみて、ふと思ったんです。
PixlrってPhotoshopの代替なのかな。というか、代替、あくまで「Photoshopは高いから」とか「Chromebookでも写真・動画編集をしたいけど、Photoshopが入れられないから仕方なく代替案として(ある意味妥協)」選ぶものなのかな、と。
これが先ほどの「Chromebookを新たに使い始めた方がほぼ通る道」の話に繋がります。
多くのユーザーは「Windows PCやMacBookで出来たあの用途とまったく同じことをChromebookでも出来るように」しようと思って、試行錯誤をします。
Androidアプリを入れたり、Webサービスを色々探したり。その1つの選択肢がPixlrで、この試みはある程度(人によってはしっかり)成功していると言っても良いです。
ただ、意地悪な言い方をすれば、
Word使いたければWord使うのが一番なんです。Word以上にWord的な使えるものはないんです。
Photoshop使いたければPhotoshop使うのが一番なんです。
そこにその元となったアプリの影を見ている、引きずっている限り、オリジナルには勝てないんです。
そう、別れた恋人の面影、良かった想い出や好きだった面を引きずっている限り、どんなに素敵な異性に出逢っても、別れた恋人(オリジナル)には敵わないんです。
で、実際、多くの人がここで失敗、というか、結局「オリジナルには使い勝手は勝てない」ことに気がついて、Chromebookで使うことが面倒くさくなってしまって、もしくは「それだったらWindows PC使った方が良くね?」となって、使わなくなってしまうんですね。
Windows PCの面影や想い出を引きずっている限り、Windows PC使った方が良いんですよ。
Wordでなければダメなのであれば、AndroidアプリでもWeb版でもダメです。当然Google DocsもLinux版の代替アプリもダメです。素直にWindows PC買い直してWord使わない限り、あなたの心は満たされない。
Photoshopでなければダメな何かをしたいのであれば、Androidアプリ版のPhotoshopや先ほどのPixlr使ってもダメなんです。素直にWindows PCなりMacBook買い直してPhotoshop使わない限り、あなたの心は満たされない。
つまり、元彼(元彼女)の幻を追いかけている限り、新しい彼(彼女)の良さや魅力には気付けないんです。
前の恋愛を引きずっている限り、新しく出逢った人の魅力には気付けない。
ただ、これは恋人と違って、元彼(元彼女)のことはスッキリ忘れろ、という意味ではないんです。恋愛じゃないんだから。浮気や不倫じゃないんです。二股でも三股かけても良いんです。だってどれにも良さや魅力があるんです。
そうした視点で見ると、Chromebookに触れる多くの方が、この罠に陥ってしまっているんじゃ無いかな、と思うんですね。
まぁ仕方ないとは思うんです。
私のようなマニアや、元々複数端末を使い分けることに抵抗のない、むしろその方が楽、と考えている人なんて限られているからです。多くの方にとってはPCは5年も10年も使い続けて、いよいよ壊れたときに、ようやく新しいPCを買い替えようかな、となります。となったら、あくまでPCはオンリーワンなんですね。
その新しいPC(恋人)には、以前の恋人に出来たことと全く同じことが出来なければ困りますし、それどころか、より快適に、より良く出来てくれなければ困るからです。
だから、Windows PCだから、MacBookだから、Chromebookだから、なんて関係なく、単に手元の新しいPCでもまったく同じことが出来ない、というのは論外なんですね。その気持ちは分かるんです。
その上で、最近巷ではChromebookなるものが出てきて、どうやら普通のPCよりも安いらしい、となれば、この世知辛い世の中、このご時世を考えれば、自分の用途考えたらChromebookで充分じゃない?となると思います。
ただ、そうした方に限らず、他OSのPCを使っている方でも、やっぱりChromebookには従来のPCとまったく同じ使い勝手を求めてしまう。なので、Webサービスや拡張機能、Androidアプリをどんどん入れてカスタマイズしていく。
今、メインで使っている、使い慣れているWindowsやmacOSの使い勝手に何とかして近づけようとしていく。
それなら、最初からWindowsやmacOS使った方が良いんですよ。その方が使いやすい。
だって、オリジナルなんですから。
代替って代替でしかないんですよ。もちろんそれで十分って割り切れる人にとっては便利ですが、代替は代替でしかない。
そう考えると、本当にWebサービスってローカルアプリの代替なのかな、そういう使い方、機能制限版でしかないのかな、とふと思ってしまうのです。
あくまで妥協、代替と考えずに、視点を変えてみるとまったく違う魅力や強みが見えてくるかもしれない。
ちょっと話が広がりすぎてしまったので、そろそろまとめると、例えば
今回のPixlrの魅力って何でしょうか?
Photoshopと同じことが出来ること?
それがPhotoshopはサブスクリプションだけど買い切り3,980円で済むこと?
もちろんそれも大きなメリットではあります。それは否定しない。
でも実は見方、視点を変えてみると、全然違う魅力が見えてくると思うんですね。
PixlrはWebサービスです。
ライセンスを購入したアカウントであれば、手元のPCでなくても出先のPCでもアクセスしてサインインすれば作業が出来ちゃうんです。インストール不要。だから、例えばPhotoshopだったら、取引先やバイト先のPCにインストールして使うことは出来ないこともあります。制限もあるだろうし、スペックが足りているとは限らない。もしかしたらそもそもインストール出来ない可能性もあります。
でもPixlrはとりあえずWebブラウザーさえあれば使えるんです。
一応作業したファイルに関しては、作業ファイルを保存しておかないと、キャッシュをクリアしてしまうと履歴含めて消えてしまうのですが、作業ファイルをクラウドに保存しておいたり、USBメモリなどに保存しておけば、それだけあれば作業の続きが出来てしまうんですね。
Photoshopの、Photoshopでしか出来ない作業や、Photoshopのある特定のバージョンでなければ出来ない、納品できないデータを作成しなければならない、というのであれば、そもそも代替なんて選択肢にありません。Photoshopのそのバージョン、そのアカウント前提です。
でも、そこまで限られた機能や制限がある作業ばかりではない。そんなことよりも、いつでもどこでもどの端末でも出来ることだったり、テンプレートの豊富さだったり、Pixlrならではの良さというのがあると思うんです。
となったら、まったく別物なんですね。
人によってはそれを代替と言うのかもしれません。ただ、視点というか、意識を変えると、Pixlrって全然違った魅力が見えてくる、気付くことが出来るかもしれないな、と思います。
これはWordとGoogleドキュメントの関係についても同じです。
代替として考えるのが間違っている、という意味ではないです。そうではなくて、Googleドキュメントの魅力、強みって何だろう?どういう使い方をすると便利なんだろう?と考えてみると、実は結構Wordでは考えたことのなかったような使い方が簡単に出来たりします。でも、もしWordの完全な代わりとして見ていたら、それは気付かないかもしれないし、魅力も感じないかもしれません。
元彼(元彼女)と同じことを求めるのか。それともまったく違う一人の人間として見るのか。
それと同じで、似ているように見えても、まったく違う個性を持った別のモノとして、目の前のWebサービスを見てあげたら。
どちらか1つ、あくまで本命の代替(代打)でしかない、と考えるのと、似てはいるけど実はまったく違うモノと考えるか。
恋愛と違って、二股でも三股かけても問題ないんです。むしろ、恋愛と違って、その方が頼もしいと思いませんか?