なんかタイトルからして怪しいんですが、もし興味を持たれたら少しお付き合いください。
前回、これから年末にかけてセールだなんだと刺激が強くなる時期になりますので、Chromebookの購入を考えている方に向けた「ザックリとした選び方」を書きました。
本当は具体的なモデル名を幾つか挙げて、それぞれの特長に触れた上で、「これがオススメ!」ってやるのが一番便利でニーズがあると思うのですが、その辺は他の方に取りあえず任せます(まぁ私も改めて書くとは思いますが)。
で、前回、
「Chromebookだからといって別に安いわけじゃない」
「Chromebookの大体の価格帯のイメージを掴む」
という話をしました。
次に行って欲しいのが、
Chromebookに対して何となくイメージしているであろう2つのイメージを一旦捨てましょう
ということです。別に後で拾っても良いです。
ただ、前述の「Chromebookだからといって別に安いわけじゃない」と同様に、とりあえず巷で一般的となっている見方を一旦忘れることで、意外と自分に合ったモデルを選びやすくなることもあるので、今回取り上げてみようと思います。
基本的には自分の使いたいように、好きに使うのが一番です。
今回お話する内容は、人によってはChromebookに対するネガキャンと感じるかもしれません。
ただ、私自身は既にChromebookを愛用して7年近くになります。そして、それ以降、未だにこうして日々Chromebookに関する情報を発信し続けています。
それくらい、Chromebookが好きなユーザーです。
別に揚げ足取りをしたい、とか、一般的なイメージをダメ出ししたい、という気はありません。
そうではなくて、眺めていると、この後挙げるようなイメージを持って購入を検討されている方が結構多く、また私たち既存のユーザーも説明に困るあまり、こうした説明をしがちで、でも振り返ってみると結果として「思っていたのと違った」という感想を持たれる方が意外と多いな、と感じています。
なので、もちろん「違います」ということではありません。
あくまで
「そう考えられがちだけど、一旦そのイメージ捨てて考えてみたら?もちろん後で拾っても良いから」
ということです。そうすると、違った見え方がすると思うからです。
もちろん基本的には自分の使いたいように、使いやすいように、好きに使うのが一番です。
こう使わなければならない、こうでなければならない、というものはありませんので、気軽に使って下さい。
その1:スマホやタブレットのようなものではなく、一応それなりに動くこともある程度の、それらの下位互換です。
ChromebookはPCじゃない。むしろスマホやタブレットにキーボードが付いたようなものだと思った方が良い。
よく見かける言葉です。これだけ多く見かけるのは、実際に使ってみて、そう感じる人が多いからであり、その意味では別に間違っている訳ではないんです。
私も、個別に面と向かってお会いして聞かれたのであれば、もしかしたらこういう表現をするかもしれません。ただ、それは相手が何を求めているのか、どういう使い方をしようと考えているのか、が分かった上で、そう説明するのが一番その人にとって理解しやすいのであれば、という前提の上で、です。
ただ、ネットで、特にこうしたブログ等で文字のみで不特定多数のあらゆる知識とレベルとニーズの違いがある方に向けて書くのであれば、正直この説明は難しいです。
ただ、多分多くの方にとっては、Chromebookってこのニーズを満たすために買ってる方が多い気がするんですよね。
スマホやタブレット感覚で使えるモノ。スマホやタブレットにキーボードが付いたモノ。
ただ、本当にそれを求めるのであれば、
素直にスマホやタブレット端末を買って、別途キーボードを買った方が良い
です。
ChromebookってAndroidアプリが動く、と謳ってしまっていることもあって、Android(OSの端末)だと思っている方も結構いるんですが、違うんです。
Windows PCで最近Androidアプリが動くようになりました。でも、あれを「スマホやタブレットにキーボードが付いたモノ」とは言わないですよね?それと同じです。スマホやタブレットとは別物なんです。
Androidアプリをちゃんと使いたいなら、Androidスマホやタブレット使うのが一番なんです。だって、Androidアプリって、そもそもスマホやタブレットで使うこと、操作することを前提に作られているからなんです。
ChromebookでAndroidアプリを動かすのって、実際はとても非効率なんです。だって、元々CPUとかOSとか、そういう仕組み自体がそもそもAndroidアプリを動かすために作られている訳では無いからです。
だから幾らハイスペックのChromebookを使っても、Androidアプリがサクサク快適に動くとは限らない。むしろ動かない、不安定なことも多い。
だから、動かないアプリも色々あるし、動いても使い勝手が悪いことも多い。手元のスマホで片手で操作するから使い勝手が良いだけで、いくら液晶がタッチ対応だったとしても、大きな画面で使っても使いやすいとは限らないですよね?そもそもスマホとタブレットでも、アプリ一つ取っても使い勝手が全然違います。
恐らく、そう言われている多くの方は、まずWindows PCやMacBookとChromebookを比較したんだと思います。
それらと比べたとき、自分の望む、使いたいPC版のアプリがインストール出来ない。となると、Chromebookだから出来ること、というのが何なのか分からない。だからChromebookをPCだと思うと失敗する。
でも、一応Androidアプリならインストール出来るし動かすことが出来る。更にタブレットタイプのモデルもあるし、液晶もタッチに対応している。PCのアプリはインストール出来ないけど、Androidアプリならインストール出来る訳で、となると、PCと考えるよりスマホやタブレットと考えた方が分かりやすい。失敗が少ない。タッチにも対応してるしね。
ただ、ここで気を付けて欲しいのは、こういう人たち、別に
「ChromebookはAndroidスマホやタブレットと同じだ」と言っている訳では無く、「PCと考えるよりスマホやタブレットのようなものだと考えた方が分かりやすい」と言ってるだけ
なんです。この違い、結構大きいです。
もしAndroidアプリを使うのがメインなのであれば、別にChromebook買う必要ないんです。素直にスマホやタブレット買いましょう。SIMカード挿せば通信できますし、スマホなら電話も出来る。指紋認証や顔認証も出来る。常に持ち歩ける。アプリも軽快に動く。
Chromebookは、もしAndroidスマートフォンやタブレットと考えるなら、同じモノや上位互換ではなく、下位互換です。あくまでオマケとして動くモノもあるよ、補助的にアプリを使うなら便利だよ、というモノです。
なので、とりあえず「アプリ使いたいけどタブレットとChromebookどっちが良いかなぁ」と悩んでいるのであれば、素直にタブレットを買いましょう。
もちろん、結果としてAndroidアプリが使えるのが重宝している、という方もいると思います。ただ、それはあくまで結果論、その人にとっては、動くのが便利だった、ということです。
最近はWindows PCでもAndroidアプリが動きます。また、MacBookでもiOSのアプリが一部動きます。
でも、「AndroidタブレットとWindows PC、Androidアプリメインで使うならどっちが良いかなぁ」「MacBookとiPad、iOSのアプリをメインで使うならどっちが良いかなぁ」とはあまり考えませんよね?
それと同じです。
ChromebookはPCのアプリが使えないけど、大体はAndroidアプリで代用できるから大丈夫。
それなら、ChromebookじゃなくてAndroidスマホやタブレット買った方が良いです。
実際に今、その使いたいPCのアプリの代用が、手元のスマホやタブレットで出来てますか?Chromebookにしたら、画面の大きさはメリットですが、基本的にそれ以外は使い勝手は落ちるし、動かない可能性も出てきます。
まずは一旦、Androidアプリを使う視点でChromebookを選ぶ、という考えを捨てて(あとで拾っても良いです)考えてみましょう。
その2:低スペックでもサクサク動くのではなく、低スペックでも一応それなりには動きます。
この話をすると、時々「Chromebookマニアはハイスペックモデルしか薦めない」と誤解されることがあるのですが、そういう意味ではありません。
ハイスペックが必要だ、というのではなく、どんな低スペックでもサクサク動くわけではないので、最新のスタンダード(標準的)なスペックのモデルを買いましょう(=今売ってる最新のモデルを買いましょう)ということです。
Chromebookは低スペックでもサクサク動くのではなく、他OSの同じ価格帯、同じスペックのモデルと比較した場合に、それらよりもは比較的軽快に動くよ、という意味なんですね。
同じ3万円で同じ時期に発売された、ほぼ同じスペックのWindows PCと比べたときに、多くの人の用途においては、それらよりそこそこ快適に動くよ、という話です。
さて。速さ、体感速度、というのは個人差もあれば、慣れも大きいです。というか、人間自体が慣れの生き物です。
以前は快適だったと思っていた、何の不便も感じていなかったPCを久しぶりに出してきたら、「えっ?こんなに重かったっけ?」と驚いたこと、ありませんか?
私は最近、全く関係ありませんが、眼鏡を変えました。
度数は以前メインで使っていたものと同じなのですが、一時期、その眼鏡のフレームが歪んでしまったので、(PC作業用に)サブで使っていた度数を落とした眼鏡を普段使いとしてしばらくかけていました。
その間は、若干見づらいときもあったんですが、日常生活においてはそこまで不便を感じなかったんですね。なので、半年以上、そのサブの眼鏡だけで過ごしていたんですが・・最近眼鏡を買い替えて、以前のメインの眼鏡の度数に合わせたところ・・無茶苦茶見えるんです。気持ち悪くなるほどに。世の中こんなに明るかったのか、と。
で、それから1ヶ月ほど経ったんですが、先日ふとサブの眼鏡かけたところ衝撃を受けました。
「全然見えなくて滅茶苦茶ストレスを感じた」んです。
でもこの眼鏡、それまで半年普通に使ってて、そこまで不便感じてなかったんですよ。それなのに、今では完全に使っていません。
見事に話が逸れましたが、PCも同じことが言えます。
最近はそんなに劇的な性能の向上はないように思われがちですが、実は日々出来ることが増えていくにつれて、PCに求められるスペックも上がってきてるんですね。ただ、私たちは慣れの生き物なので、基本3年前、4年前のPCを使っててもそこまで遅いとは感じません。
でも、今PCを買い替えたら、明らかに軽快になると思います(でもその衝撃も数日で慣れますが)。で、今まで使ってたPCをあるとき取り出して使ってみたら・・ん?ってなると思うんです。
Chromebookも同じです。
Chromebookって出来ることが非常に限られている、と思われがちですが、最近はネットで出来ることも増えてきていますし、むしろそうしたWeb閲覧やWebサービスを使うことがメインでもあるので、その部分の体感差って結構大きいんです。それくらい、最近は機能も増えてきてますし、求められている標準的なスペックも上がってきています。
4年前には「うん、これだけ動けば十分快適だよね」と思っていたChromebookが、今使うと「えっ・・こんなに遅かったっけ?」ということも普通にあります。
ちょっと長くなってしまいましたが、つまり何が言いたいか、というと、別にハイスペックのChromebookを買う必要は全くないのですが、安いからといって古いモデルを買うと、「思っていたほど快適じゃ無かった」ということが起きる確率が高くなるよ、ということです。
大体、セール情報などを見ていると「Web閲覧程度なら、日常の作業程度なら十分に動きます」みたいな評価をしているところが多いのですが、Web閲覧や日常の作業も様々です。また十分、サクサクの基準もまちまちです。
となると、古いモデルを買えば、その分そうした自分にとってのハズレを引くリスクが高まる、ということです。
ちなみに私ももし4年前のChromebookを今評価して、と言われたら「Web閲覧程度なら、日常の作業程度なら十分に動きます」と言うと思います。だって、別に嘘じゃ無いし。そう思う人もそこそこいると思うから。
でも、じゃあ薦めるか、といったら、余程その人のこと、事情が分かっていて、「これなら大丈夫かな」と感じない限り、薦めません。それくらい便利な表現だ、ということです。
「安いから思わず買ったけど、思ってたのと違った」となる前に。
さて、今回のまとめです。
なぜ今回、こんな話をしたか、というと、前回ある程度の数までChromebookを絞りました。その基準は「とりあえず現行モデルかそれに近いもの」です。そして、「Chromebookってこれくらいの価格」というイメージを掴んで貰いました。
そこに今回の話を当てはめて欲しいんです。
そうすると、何となく自分の中でもChromebookのイメージが変わってきませんか?
もしかしたら「じゃあChromebookって何が出来るの?」「他のPCのほうが良くない?」と思われた方も出てくるのではないでしょうか?
その辺りの話は今回はしません。そういうことに興味がある方は、是非このブログの他の文章もお読み頂けたら、と思ってます。もしくはそこまで興味を持っていただけたのであれば、このブログ以外にもご自身の力で調べられると思います。
ただ、今回、「一旦捨てましょう」とは言いましたが、「あとで拾っても構いません」とも言いました。
つまり、一旦捨てて見てもらえば、選んで貰えば、少なくとも捨てずに選ぶときよりも失敗が少ないんです。
その上で、買ってみたら、実は案外自分にとっては思った以上に使いやすくて、改めて先ほどのイメージを拾う可能性もあります。
とりあえず、この2回で基本的なイメージを掴んでいただいた上で、ではどのくらいの予算で、どういった用途で、どんな環境で使うのか、といったことも含めて、検討してみて欲しいな、と思っています(私の中でのオススメや選択の仕方は、またまとめたいと思います)。