前回、前々回とエイサーの新作Chromebook、Spin 11 R751が予約受付を開始した、ということで取扱いのあるオンラインショップについて書きました。ただ、当初はASUSのChromebook Flip 3モデルの予約受付について先に書くつもりだったんです。
その時考えていたのが「発売時期と価格の発表があり、既にオンラインショップ各店でも予約受付が始まったASUS JAPANに対して、Chromebookの王者エイサーは現時点で情報が非常に限られています。いつ頃発売されるのか、価格は幾らになるのか、気になります。」という結論だったのですが、書いている内にASUSのほうは今回取り上げるようにC101PAが予約受付中止になりまして、続報を待っているところ。(仕様変更して予約受付が再開されました。)反対に「情報がない」と思っていたエイサーに関しては昨日になって続々と各店で予約受付が始まってしまい、順番が逆になってしまいました。
ということで折角書いていた今回の文章が非常に中途半端な状態になってしまったのですが、折角ある程度調べたのでとりあえず公開したいと思います。なお、各モデルの詳細については以前にまとめた文章がありますので、そちらをご覧頂けますと嬉しいです。
C101PA-RK3399
追記:2017年8月26日 12:00 更新
既に各方面で話題になっていますが、仕様変更の上、改めて予約受付を始めたようです。
モデル名が「C101PA-RK3399」から「C101PA-OP1」へと変更になりました。このモデルのCPUは「RockchipのRK3399」ですが、このCPU(SoC)はGoogleがこれから前面に押し出していきたいChromebookに最適化されたCPU(SoC)でもあるため、表記上は「OP1」となっています。
今回のASUSの個人向けモデルは全て末尾がCPU名になっていたので、今回の仕様変更で名前がどうなるか気になっていたのですが、もともとRK3399とOP1という二つの名前のあるCPUで良かったな、と思いました。
まだ取扱店舗は少ないですが、これからまた少しずつ戻って来ると思います。追記終了。以下、本文に戻ります。
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まずはC101PAです。前モデルC100PAは現時点でも数少ない日本で展開しているChromebookであり、ロングセラーモデル。評価も高く人気もあるのですが、「充電が専用端子(USB-Cに変更)」「全体的に処理がモタつく(Samsung Chromebook Plusと同じOP1に変更)」「個人向けモデルが2GB RAM(後述)」など惜しい点もあり、以前より後継モデルが待ち望まれていました。しっかりそれらの点を改善してきたことで、今回のモデルも日本では人気が出るのではないか、と思っています。
ただ、当初発表されていた仕様では、今回も前モデル同様「個人向けが2GB RAM」「法人・教育機関向けが4GB RAM」の部分は変わらず、残念且つ引っかかっていました。C100PA発売当時であれば2GB RAMでもそこまで影響はなかったのですが、現時点では少々厳しく、また今後のAndroidアプリ対応を考えると微妙に薦めにくいモデルになってしまいました。良いモデルなんですけどね。
発表と同時に予約受付を開始した、ASUS公式オンラインショップである「ASUS Shop」では現時点で「在庫なし」となっています。
他2モデル同様、Amazonはじめオンラインショップ各店でも既に予約受付を開始していまして反応も良かったようなのですが、突然23日に受付を終了(店舗によっては商品ページ自体を削除)しています。既にC101PAを予約されていた方にはこの件について連絡が来始めているようですが、23日の12時時点ではまだASUS公式からはアナウンスがないため、どう書いてよいか迷っていました。(前述のように既に正式に発表されました。)ネット上で流れている情報をまとめてみると、
C101PA-OP1(個人) | C101PA-FS003(法人・教育機関) | |
メインメモリ | 4GB | |
ストレージ | 16GB eMMC | |
グラフィックス | ||
価格 | → オープン価格 |
→ オープン価格 |
販売時期 |
これらの仕様変更がある様子。価格は「オープン価格」となっていますが、ひとまず個人向けのC101PA-RK3399に関しては「税抜想定価格 39,800円」のようですので、変更はないのかな、と思っています。
先ほども触れましたが、今回変更が考えられる部分は元々「残念且つ引っかかって」いて「微妙に薦めにくい」理由にもなっていたところでしたので、個人的には大歓迎です。そして価格が変わらないのであれば、一気に魅力が増してきます。
既にChromebookを愛用している人にとっても、+αの一台として(Chromebookは複数台持っていても同期が楽なのが魅力。)使い分けが非常にしやすいモデルになりますし、他のOSのPCがメインの方でもサブとしての魅力を感じやすいオススメのモデルになってきます。
販売時期が延びるのは残念ではありますが、今後の動きを楽しみに待ちたいと思います。
C213NA-N3350
当初はC101PAの個人向けモデルが「何故2GB RAM」という不思議仕様だったこともあり、価格的にもこのC213NAが人気が出るのではないか、と思っていました。世界的に見てもこの種の(教育市場を想定とした)「耐衝撃性」と「耐水性」も備えたモデルが人気のようです。実際に各社似たようなモデルを出してきています(ASUS、Acer、HP、DELL、Lenovoなど)。
対抗馬であるエイサーのSpin 11 R751がWacom®社製スタイラス入力対応の「R751TN-N14N」と非対応の「R751T-N14N」の2つから選ぶことが出来るのに対して、ASUSのC213NAは個人ユーザーは「液晶がノングレアでスタイラスペン非対応」のC213NA-N3350しか選択出来ない、というのは少し残念なところではあります。
「ASUS Shop」では現在予約受付中。販売価格は税込53,784円です。
ソフマップドットコムは現在予約受付中。価格は税抜49,370円ということで、こちらもヨドバシを意識してか1円安い税込53,319円です。ポイントは10%還元の5,332ポイント。
ヨドバシ.comでは販売開始日はこちらも「2017年8月下旬発売」のままですが、予約受付中。価格は税込53,320円で更にポイントが10%還元(5,332ポイント)付くのが大きいな、と思います。
「個人向け」と「法人・教育機関向け」を明確に分けてきているASUS JAPANですが、前述のC101PAといい、何となく「まずは法人・教育機関向け」で仕様を決めてから、それに配慮(遠慮)して「個人向け」の仕様を選んでいる(若干価格は安め)印象があります。もちろん今回エイサーと比べると一気に3モデルを出してきたことは大変素晴らしいのですが、「個人」「法人・教育機関向け」の間の壁が思った以上に高い(溝が深い)のかな、と気になってしまいました(C101PAの今回の仕様変更が実現すれば、この私の勝手な想像は外れることになるかもしれませんが)。
C302CA-F6Y30
既に海外でも非常に評価の高いC302CA。Androidアプリ対応に関しては一旦Stableチャンネルで対応しながらも、突然削除され、その後長らくBetaチャンネルでの対応になっていました。ところが先日のアップデートで待望のStableチャンネルでの対応となり、更に完成度を増したモデルとなってきたと思います。
先ほど「法人・教育機関向けに配慮(遠慮)して「個人向け」の仕様を選んでいる」と言った舌の根も乾かぬうちではありますが、このC302CAに関してはスペックは海外で一般的となっているモデルと同じです。法人・教育機関向けモデルの8GB RAMは個人的には非常に驚きましたが(海外でもCore m7モデルでしか8GB RAMはなかった筈なので)、このモデルに関してはストレージが個人向けの64GB eMMCに対して半分の32GB eMMCとなっています。
恐らくこの価格帯、スペックのモデルを求める法人・教育機関にとっては、内部ストレージをフル活用する(容量を意識しなければならない)ような使い方ではなく、従来のシンクライアント的な使い方が主流となるので、その状況を想定してメインメモリを倍増してきた、ということかな、と思います。個人的には非常に惹かれる形ではあるのですが、一般的な個人ユーザーにとっては個人向けモデルのほうが相性が良いと思います。
うん、こういう分かりやすい仕様の違いなら納得です(勝手に納得していますが、ASUS法人営業部門の思惑は全く違う可能性もあり)。
「ASUS Shop」では現在予約受付中。販売価格は税込75,384円です。
ソフマップドットコムは現在予約受付中。こちらはヨドバシと同じく税抜69,130円(税込74,660円)。ポイントは10%還元で7,466ポイント。
ヨドバシ.comも予約受付中。価格は税込74,660円で更にポイントが10%還元(7,466ポイント)。この価格になると流石にポイントのあるなしは大きくなってきますね。
この辺りの価格帯のモデルが個人向けとしても普通に売れるようになると面白くなってくるのですが、現時点ではまだ厳しいかな、と思っています。良いモデルですよ、私、好きです。
日々Chromebookを愛用している者としてこれからも「暑く」「しつこく」魅力を発信していくよ。
個人的には今回のASUS JAPANの担当者の頑張りには心から拍手を送りたいと思っております。本当に感謝です。凄いですよ。よくもまぁ今の日本の個人市場に3モデルも「わざわざ法人・教育機関向けとはスペックを変えて」出してきたもんだ、と驚いているくらいです。部署が別ということで一緒に出来ないのだとは思うのですが、どう見ても「あまり売れなさそう」な気がしてしまうのです。現時点では。
今回の日本発売モデルに対する反応見てても「1万だったら即買った」「2万なら買うのに」といった方も結構いるようなので、多くの方にとってはChromebookといえばまだまだ1~2万円台のイメージ(主流)なんだと思います。となると、今回のモデルはどれも厳しいんですよね。
— おふぃすかぶ.jp (@OfficeKabu) August 22, 2017
この辺りの状況を考えると、今回あと一押しとしてC202SA辺りを出してくれたら良かったのになぁ、と思ってはいるのですが、厳しいですかねぇ。
もしC202SAが日本でも人気が出れば、他メーカーにも意外とこの辺りのモデルってラインナップにあるんです。360度回転ヒンジのコンバーチブルタイプばかりが目立ってしまっていますが、少し考えてみるだけでも案外浮かんできます。その辺が入ってきたら面白いな、と。
私は以前、こんなことを書きました。
でも、多分日本ではまた思ったようには売れないんだろうな、と思います。無念ですが。きっと盛り上がってはいても、購入に至る人は少ないと思うのです。多くの方は何かしらの残念な点を挙げてあと一歩が踏み出せない、という状況が続くのではないか、と考えています。「Chromebookに○万円はない」「○○な点が惜しい」「高い」、でもこれらはお手頃価格で手を出しやすい本来のChromebookの価値に近いと言われている海外相場(主に米Amazonなど)であったとしても、同じ事言われてきました。「日本でも発売してくれてればなぁ」「個人輸入は何かあったときに不安」「面倒」「あと○○円安かったら買ってた」など。
ここでまた「予想通り」売れなかったら、今後「日本モデル」が出ることは恐らくないんだろうな、と思うと、少し寂しく思います。今回、ASUS JAPAN、ほんとよく個人向けモデル出したと思っています。ただ、出したからにはそれなりの勝算なり見込みがあったのだと思います。それに期待したい。その流れを信じたい。
良い意味で私の予想を裏切って欲しいんです。ただ、それにはASUS JAPANの頑張りだけじゃ厳しい部分もあるだろうな、と思っています。だからこそ、Chromebook好きな一個人ユーザーに過ぎませんが、日々愛用している者としては「暑苦しく」ても「しつこく」ても魅力を発信していきたいと思っています。大した影響力もありませんが、嬉しいじゃないですか、「Chromebookはクソ」という人ばかりじゃなくて「Chromebookはいいぞ」と思う人が増えてくれたら。
ということで、単なる予約受付を開始したオンラインショップ各店のまとめのはずが、当初の思惑から外れて結局長くなってしまいました。まぁいつものことですので、「相変わらずだな、おふぃすかぶ野郎は。」くらいに思っていただけると助かります。