ASUS Chromebook Flip 3モデルの日本での発売決定。どれかは出るとは思っていましたが、法人・文教向けのみで、恐らく海外で正式に発売されたモデルから、と思っていましたので、発表ももう少し先だと思っていました。それが先日このblogで「もしかしたら今日本で最も期待出来るのは、この夏Acerから発売予定のChromebook Spin 11 R751T-N14Nかも。」と書いた理由でもあります。ASUS JAPANの人に台湾で、国内で、会うたびに「Chromebook Flipの新モデル、是非日本でも」「いつ頃になりそうですかねぇ」「出る予定は」と言い続けてきた甲斐があったものです(もちろん私なんぞに何も影響力はありませんが。)
ということで、ASUS JAPANから昨日正式にChromebook 6モデルが発表されました。そうです、今回は個人向けも展開です。流石に驚きました。個人向けに出す気配ほぼ0に近かったので、これ決定した担当の方、素晴らしいです。ありがとうございます。
ということで昨日のTwitter界隈は大いに盛り上がっていた訳ですが、個人向けと法人及び文教向けでそれぞれ若干スペックが異なっており、その違いの出し方がいまいちよく分からない状況でした。当ブログではどのモデルも既に過去にレビュー等で何度も取り上げていますので、今回はこの違いを中心に見てみたいと思います。
なお、それぞれの細かいスペックについて興味のある方は、各モデルの最後に以前書いた文章のリンクを貼りましたので、そちらを参考にしていただくか、もしくは今回の発表で出されたスペックシートがPDFでありますので、そちらをご覧頂ければ、と思います。
ASUS Chromebook Flip C101PA
こちらのモデルはその後仕様変更がありましたので、大幅に削除しています。改めて書き直すことも考えたのですが、既に別文章でまとめていますので、詳しくはそちらをご参照下さい。
今回個人的に最も驚いたのが、日本でも人気、評価ともに非常に高いChromebook Flip C100PAの正統な後継モデルでもあるC101PAが「個人向け」モデルもほぼ同時期に発売される、ということでした。次点は後述のC302CAで8GB RAMモデルが日本で出ること。
今回日本では法人及び文教向けモデル「C101PA-FS002」が8月中旬以降、個人向け「C101PA-RK3399」が9月上旬以降の発売です。既にそれぞれASUS公式オンラインショップ、「ASUS Shop」(個人向け)、「ASUS Shop for Business」(法人及び文教向け)で予約受付中です。
大きな違いは1点だけながら、これが非常に大きいのが個人的には大変に残念です。それが個人向けモデルはメインメモリが2GBである、という点です。価格差は税込で7,560円。ASUS JAPANとしては法人及び文教向けの価格設定を最初にしたところ、税込で5万円を超えてしまったため、「個人向け市場では税込5万円では売れない」と判断し、メモリを2GBと差別化することで価格を下げた、というところかな、と考えています。
C101PA-OP1(個人) | C101PA-FS003(法人・教育機関) | |
メインメモリ | 4GB | |
ストレージ | 16GB eMMC | |
グラフィックス | ||
価格 | → オープン価格 |
→ オープン価格 |
販売時期 |
ただ、現行(間もなく旧)Flip C100PAが「Androidアプリ対応」でありながら、今回のC101PAは「発売日時点では未対応」、また対応してもストレージが16GB eMMC(海外のラインナップでは32GB eMMCモデルも可能性としてあっただけに。)と少ないことの影響は大きいですし、今後の対応を考えると2GB RAMは厳しいです。
C100PAは息の長い名機であり、その後継モデルが待ち望まれていました。そこにほとんど大きさや重さに変化なく、CPUを変え(RK3399ではなく、Samsung Plus同様OP1と名前を変えてきましたね)従来の弱点でもあった処理速度、モタツキという弱点を埋め、専用充電端子からUSB-Cに変えたりと良い進化を遂げたと思っただけに、この点は非常に残念です。
ASUS Chromebook Flip C213NA
先日のGoogle Cloud Next Tokyoでは展示されていたモデルの中で唯一撮影禁止の参考出展だったこのモデル。海外でも米Amazonで一時的にC213SAとして「Pre-order」を受け付けていたのですが、現在は入手不可能になっています(商品ページが消えている。)ただ、恐らく受け付けていた際に注文された日本の方が最近発送された、というツイートを先日見かけたので、その方の元にはそろそろ届いているのかもしれません。
今回日本では法人及び文教向けモデル「C213NA-BW0045」が8月中旬以降、個人向け「C213NA-N3350」が9月上旬以降の発売です。既にそれぞれASUS公式オンラインショップ、「ASUS Shop」(個人向け)、「ASUS Shop for Business」(法人及び文教向け)で予約受付中です。
大きな違いは「液晶の表面仕様」と「スタイラスペンの有無」と「厚みと重さ」です。価格差は税込で7,560円。
C213NA-N3350(個人) | C213NA-BW0045(法人・教育機関) | |
液晶表面仕様 | ノングレア | グレア |
タッチパネル | 搭載(スタイラスペン非対応) | 搭載(スタイラスペン付属・対応) |
サイズ・質量 | 幅307mm × 奥行き199mm × 高さ20.65mm / 約1.26kg | 幅307mm × 奥行き199mm × 高さ20.9mm / 約1.36kg |
価格 | 53,784円 | 61,344円 |
一応どちらのモデルも「タッチパネル搭載」にはなっているものの、個人向けモデルは「スタイラスペン非対応」ということで、この辺り単純にグレア・ノングレアだけでなく差が付いているのかもしれません。厚みも法人向けモデルの方が僅かに厚く、約100g重くなっています。
昨日参加した三谷商事が主催する「学校のためのChromebook徹底活用セミナー」でも担当の方が「従来のご提案していたようなモデルと比べても違いが出しやすく、また価格的にもこの辺りくらいが一番提案しやすいかも」と言われていました。発売される時点では3モデルの中で唯一「Androidアプリに発売日時点で対応」しているモデルでもありますし、全体のスペックのバランスを考えても、教育市場向けには確かにこのC213NAが導入しやすいかもしれません。
ASUS Chromebook Flip C302CA
既に海外では今年の春に発売され、Samsung Chromebook Plus/Proと人気を二分(三分)するのがこのC302CAです。海外のみならず、日本でも評価が高く、米Amazonから直送も可能なため、英語キーボード版で構わないのであれば既に購入されている方も多いと思います。
こちらも今回、法人及び文教向けモデル「C302CA-GU009」が8月中旬以降、個人向け「C302CA-F6Y30」が9月上旬以降の発売です。既にそれぞれASUS公式オンラインショップ、「ASUS Shop」(個人向け)、「ASUS Shop for Business」(法人及び文教向け)で予約受付中です。
こちらに関しては、今回個人向けと法人及び文教向けで面白い分け方をしてきたな、と思います。違いは「メインメモリを重視するか」「本体ストレージを重視するか」です。価格差で税込10,800円。他2モデルと比べて少し価格が開きました。
C302CA-F6Y30(個人) | C302CA-GU009(法人・教育機関) | |
メインメモリ | 4GB | 8GB |
本体ストレージ | 64GB eMMC | 32GB eMMC |
価格 | 75,384円 | 86,184円 |
これ、海外で一般的に発売されているスタンダードなC302CA(ーDHM4)ですと、4GB RAMの64GB eMMCなので、日本における個人向けモデルと同じスペックになります。(日本の個人向けモデルの「-」以下はそれぞれCPU名を表しているようですね。)ということで、日本でも同スペックモデルを出してきたのは分かるのですが、法人向けに海外でも珍しい8GB RAMを載せてきたのは驚きました。これ、確かCore m7の上位モデル(ほとんど発売されていない、実売10万超えのモデル。)で載っていたくらいです。
個人的には他で8GB RAMのモデルを愛用してきましたので、恐らく起こるであろう「Chromebookに8GB RAMなんて無駄」という貴重なご意見の数々に関しては「いいから黙ってまずは試してみて。8GB、確かに違うから」とだけここでは述べておきます。実際私は16GBを載せたCore m7版のHP Chromebook 13 G1を(実は未だ入手出来ていないものの)今も買う気持ちは全く衰えておりません。
ただ、なぜここで法人向けモデルでは敢えて本体ストレージを32GBと半分にしてきたのか、その辺りの意図がいまいちよく分かりません。確かにChromebookにおいては「様々なAndroidアプリを常用、動画や書籍などデータも保存」でもしない限り、実質16GBでもあまり不便は感じません。でも、今回のC302CAのように標準が64GBの場合、何となくスペックダウンな残念感がありませんか?
個人的にはこのC302CAをしばらく使ってきて、ほぼ不満はないながら「敢えて欲を出せば」8GB載ってたら最高だよね、と考えていただけに、今回の法人及び文教向けモデルは非常に魅力的です。ただ、税込で86,184円となかなかお値段もするだけに、ここは妥協しないで欲しかったな、と思っています。C302CAで日本で普通に8GB版出るなんて、世界見渡してもそれだけでも大きなニュースなんですから。(実際ちょっと海外の方から驚かれた。)
- [かぶ] ASUS Chromebook Flip C302CAレビュー。Chromebookの未来を感じさせるバランスの取れた良モデルの予感。 | おふぃすかぶ.jp
- [かぶ] ASUS Chromebook Flip C302CAレビュー。$499という価格を思う存分に活かして作り上げた、従来型からの正常進化モデル。 | おふぃすかぶ.jp
https://office-kabu.jp/?p=36202
https://office-kabu.jp/?p=36471
細かい部分では首をかしげながらも、今回のASUSの発表は個人的にはとても嬉しかったです。
だって、個人向けモデル出すんですよ。凄いじゃないですか。ここはアメリカじゃありません、日本なんです。
昨年末のSamsung Chromebook Proのリーク情報の時以来久しぶりに日本のTwitter界隈が盛り上がりました。Chromebookで。これは凄いことです。それくらい可能性的には薄いかな、と思っていたのが正直なところです。ASUS JAPANの担当者さん、本当にありがとうございます。
でも、多分日本ではまた思ったようには売れないんだろうな、と思います。無念ですが。きっと盛り上がってはいても、購入に至る人は少ないと思うのです。多くの方は何かしらの残念な点を挙げてあと一歩が踏み出せない、という状況が続くのではないか、と考えています。「Chromebookに○万円はない」「○○な点が惜しい」「高い」、でもこれらはお手頃価格で手を出しやすい本来のChromebookの価値に近いと言われている海外相場(主に米Amazonなど)であったとしても、同じ事言われてきました。「日本でも発売してくれてればなぁ」「個人輸入は何かあったときに不安」「面倒」「あと○○円安かったら買ってた」など。
別に責めている訳でもバカにしている訳でもないんです。その気持ち、分かりますから。私も手当たり次第にChromebookを買い続けているわけでもありませんし、私たちには守るべきものがあり、守るべき人がいるんです。お金は大切です。
ただ、ここでまた「予想通り」売れなかったら、今後「日本モデル」が出ることは恐らくないんだろうな、と思うと、少し寂しく思います。今回、ASUS JAPAN、ほんとよく個人向けモデル出したと思っています。ただ、出したからにはそれなりの勝算なり見込みがあったのだと思います。それに期待したい。その流れを信じたい。
ということで、私は単純に「日本語キーボードよりも英語キーボードが好き」という理由だけで今後も個人輸入を繰り返してしまう気がしますが、今回の一部の法人及び文教向けモデルのように、思わず心動くようなモノが出てきたら、その時はアッサリ購入させて頂きたいと思います。